はじめに
子育ての確たる方法論をつかみ取ることが大切です。
一言で言えば、人間の根源的な欲求である「愛情要求」と「独立要求」を満たしてあげることです。
まず大切なのは愛情要求を叶えてあげることです。子供が幼いうちは、子供の目がさめているときは常にどちらかの親が子供を抱っこしているぐらい十分に抱いて育てることが大切です。子供が甘えてきたらすぐ抱きしめてあげる、子供のありのままを受け入れて温かく見守ってあげることです。そのようにして育った子は、心が安定した豊かな心を持った素直な子供に育ちます。一方、愛情不足で育てられている子は、親の愛情を得るために無意識に親の願いを叶える行動をとるようになり、自主性を失っていきます。
独立要求を満たすということですが、親にはまず子供を自立した一人の人間として尊重する姿勢が必要です。子供を子供扱いせず自分で意志決定できる一人の大人として尊敬の気持ちをもって対応してあげて下さい。子供は親の愛情に十分満足したら、親から離れて勝手に遊び始めます。子供は好きなことをする遊びの中で自ら学んでいくので、その方向に精進努力することによって自然と才能が開いていきます。
思春期は独立要求が特に高まる時期です。世間一般に合わせて子供が望まない勉強を強いること、親の思うように動かそうとすることは子供の独立要求を著しく損ないます。そのような子供の意志を無視した子育てをし続けた結果が、家庭内暴力、いじめや非行となって現れるのです。
子供が幸せな人生を送るには、子供がお互いを尊敬できるパートナーを得て、愛を育んでいけるように導くことが最も重要です。幸せは豊かな関係の中で感じられるものです。お金や地位、物では幸せを得ることは出来ないのは明らかです。まず親自身が人生の価値観に正しい優先順位を持ち、子供の目の前で実践して見せることが必要です。正しい優先順位は、第1が夫婦関係、その次が親子関係、そして友人、最後が仕事です。
親子関係そして夫婦関係に問題があるときに「自分には非がない、相手に問題がある」という態度をとるなら、問題の解決は困難です。
このままでは自分も夫(妻)も、そして子供も、みんな不幸にしてしまうことに心底気づくことから解決が始まります。そして解決の処方箋を実践するには大変な努力がいりますが、真剣に取り組めばとても大きな実りが得られます。
(竹下雅敏氏の数多くの講演を元に編集:文責シャンティ フーラ)
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