宗教学講座 初級コース 第112回 大乗仏教(禅:禅の思想)

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概要

前回は「臨済録(岩波文庫・絶版)」の内容を少し検討した。今回は、まずホームページ「禅と悟り」の第3章より文章を拾い、禅の思想を解説する。後半は臨済宗において特徴的な公案(隻手の声など)について詳しく考察していく。

目次

1.禅の根本思想 (00:00:00)

禅はブッダから始まった(?)とされることや、自己の本性(仏性)に目覚める(見性)ことで仏に成れるなど、禅の根本思想を概観する。

2.北宗禅と南宗禅 (00:09:09)

禅は北宗と南宗に分かれる。北宗の開祖・神秀は「離念は仏の本質である」と言い、分別を離れた心の状態を守る人が仏であると教えた。また南宗禅の完成者・馬祖道一の禅は、単純で分かり易く、中国人の心情に訴えかけた。両者の禅思想について簡単に見ていく。

3.最上乗禅:禅宗の妄想 (00:25:55)

唐代の圭峯宗密(780~841)は著書「禅源諸詮集都序」で禅を外道禅・凡夫禅・小乗禅・大乗禅・如来清浄禅(最上乗禅)の五つに分類しており、最上乗禅とは菩提達磨承伝の禅のことである。また大乗仏教では菩薩を経て悟りを開き仏陀になったと言う話は聞かないが、最上乗(南宗禅)では坐禅修行して頓悟成仏した祖師や禅師は大勢いると、禅宗では考えられている。

4.隻手の声 (00:43:59)

江戸期の白隠禅師による公案「隻手声あり、その声を聞け(両手を打ち合わせると音がする。では片手ではどんな音がしたか、それを報告せよ。)」を題材として、論理的に考えても答えが出ない公案の目的と解答について解説していく。

5.一切の質問がなくなること (01:07:44)

前章では公案に対して答えを出そうとしないことが非常に重要だと述べた。本章では、ここを掘り下げていくため、定方氏の「空と無我」より「趙州録(じょうしゅうろく)」の公案「庭前栢樹(ていぜんはくじゅ)」に関する解説文を見ていく。最後に非常に美しい禅問答とも言えるウィトゲンシュタインの言葉(「語りえぬものについては、沈黙せねばならない」など)をいくつか紹介する。

終わり(01:31:16)

※詳しい目次は、映像を購入してログインすると見ることができます。

参考文献

  • 「空と無我 仏教の言語観」定方晟著、講談社現代新書
πの一万桁目、もっと、アビダルマ、アンデルセン、アートマン、イチロー、インフレをおこした仏、キリスト教、コンダンニャ、ゴータマ、ニーチェ、パラマートマン、プルシャ、マハット、ヨーガをする熊、世界を牛耳っている人たち、人魚姫、仏乗、大乗無生方便門、悟り、有形象唯識派、源律師、無為自然、目標、直観が働いていない、真如、経験則、肉体意識レベル、腹が減ったら飯を食い疲れたら眠る、自分の内側に耳をすます、般若経の仏性、解脱、道を修行するてだて
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9件のコメント

  1. 参考になった(1)

    忙しくてなかなか時間がなかったが大乗仏教編の大団円をやっと観ることができた。素晴らしい。内容が良くて泣きそう。。

  2. 参考になった(1)

    禅問答、面白かったです。最も重要なことは「語りえない」。確かに、庭前栢樹の公案は、前期ウィトゲンシュタイン哲学の一部と酷似しています。同じ思想(と言うと言表可能なものと誤解されるかもしれませんが)は、ソクラテスの「無知の知」にも見いだせると思います。

  3. 参考になった(2)

    この講話を観忘れていたのですが、ようやく今、観ることができました。観てよかったです。こんな貴重なものを見逃していたなんて!

    「禅」について、この講話ほど簡潔明快に教えてくれるものはないと思います。
    私はこれで禅の思想がほぼ完璧にわかったような気がしました。そしてとても自由になれました。

  4. 参考になった(1)

    ここ数日、妻も含め「禅」の話が話題になったので、講義を探し拝見いたしました。おもしろ〜い!おもしろいぞ、これは。老子がもともと好きだったので、ビックリでした!最近、会社でもえらい人が「質問」ばかりして、答えを求められるけど、ほとんど意味がないという気がしていたけど、その「モヤモヤ感」が少し晴れそうな気がしてきました。ゆっくり、考え、解決の緒にいきたいで〜す。

  5. 参考になった(3)

    素晴らしい内容でした。
    心の中で大泣きしました。
    ( ; _ ; )

    またひとつ何かが落ちたように感じました。

  6. 参考になった(0)
    7種体癖の雨男 on

     かつて視聴していたはずなのに、庭前柏樹子の公案のお話が全く記憶にないのはどうしたことだろうと苦笑しました。皆さまの感想のとおり、とてもとても素晴らしい内容でした。

  7. 参考になった(0)

    そうなんだ、やっぱりそれでいいんだと
    思えるような講座でした。
    生きていると、答えを見出そうとしても
    どうしようもないことが多々あります。

    「生きる事の問題、問う事をやめたとき
    その問題は解決する。
    答えは沈黙の中にある。」

    この言葉がとても心に残りました。
    答えを求めているとますます不安や心配で
    心がいっぱいになります。
    でも、ぽよよんとしていると心が楽になります。
    とても勉強になりました。

  8. 参考になった(0)

    なんで竹下先生の話が、いつもこう面白いのか、ようやくこの講座でわかりました。竹下先生のジェスチャーと話の内容に、ちっともブレがないからです。私は、今頃気づきました!

    竹下先生が胸ぐらをつかんで揺すった時、私は自分の身体がブルブルと震えたような気がしました。その時、私はこう思ったわけですよ、「まだ抜歯したばかりで傷口が痛いんだから、やめてぇー!」と。

    私はどうも、話にのめり込んでしまったみたいです。

    刺激的でしたが、魅力的な講話をありがとうございました。(^_-)-☆

  9. 参考になった(2)

    自然と調和して生きるとは、どんな生き方なのか?とても解り易い説明ありがとうございました。
    意識が変わることで、世界が変わる・・・・今、大混乱の世界の真っ只中で、自分自身の想いや生き方を調和・平和に変換させることの重要性にも繋がるお話を、本当にありがとうございます!
    混乱の霧が晴れた後の自然と調和した素晴らしい世界を想像したら、明るい気持ちになりました♪