【第14回】 かんなままの子育て万華鏡  ~娘が結婚しました~

最近、3番目の娘が結婚しました。

お相手はオーストラリア人。結婚式のプロフィール紹介の写真を探していて今更ながら驚きました。
4人兄弟の中で極端に写真が少ない!あるのは食べながら寝ているか、遊びながら寝ているか、泥だらけで遊んでいるか・・・。要するに気が付いたら面白い事になっているので写真を撮ったというものばかりです。

でも、これは娘の育ちをうまく表現していると思いました。
手が回らなくて2歳くらいまではずっとおんぶしていた子です。自立心が強くて遊びだしたら手のかからない子でした。すぐに4番目の弟ができたので、必然的に目が届かなかったこともあります。

娘の体癖は8-4。小学校も元気に出かけるのですが、「学校が始まっているのに、たんぼで遊んでたよ」など色々な人から聞きました。とにかく自由な子。
ところが、中学生になっていつも家族の誰かに攻撃の矢を向けてくるようになりました。叱るばかりでは何の解決もしません。まだ思春期の心理と体癖を知らなかったので娘の気持ちをつかみ切れなくて悩みました。

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ちょうどそのころ新聞で「イギリスの旅、ホームステイのモニター募集」という記事を見つけました。お膳立てされたツアーではなく、1人で行って何ができるのか自分で計画しながら試して報告するというものでした。中学生の女の子が1人で外国に行く?無謀な・・・とも思いましたが、気分を変えるために「あなたの年齢では無理かもしれないけど行く?」と聞いてみました。すると「行く!」というではありませんか。

途中、飛行機のトラブルもあり苦労したようですが、それ以上に現地のホストファミリーに認められ、意志の疎通もできたようで自信をつけて帰ってきました。まるで別人です!もちろん家族への攻撃も無くなりました。今思えば自立要求が満たされたのでしょう。8種の子には最高の体験だったと思います。

やがて娘も高校生になり、私も少し自分の時間が持てるようになってきました。私のやりたいことが見えてきて、家で子育て支援を始めた頃でした。そうなれば一気に忙しくなって子どもを構ってあげられない状態になりました。でも、もう高校生。安心していました。

ところが、その仕事が始まった数日後、娘が交通事故に合ったのです!娘は自転車で横断歩道を渡っていました。車が突っ込み、娘はフロントガラスに頭を強打して3メートルくらい飛ばされて地面にたたきつけられたようです。奇跡的に何の外傷もなく家に連れてこられました。でも、私の顔を見るなり力が抜けて私の腕に倒れ込みました。現場に行ったら車のフロントガラスに娘の頭の形が残り、髪の毛が付いていました。それまで気丈にしていた私は声を上げて泣きたいほどショックを受けました。

娘は外傷がなかったので、西洋医学ではCT検査やレントゲンを撮って異常がなかったら良かったですね・・となるところですが、その当時竹下先生の東洋医学セミナーを受講していたので、しばらく脊椎の調整のためにカイロプラクティクに通いました。事故後の打撲は外傷がない方が危険。きちんと治しておかなければいけないと聞きました。

でも、その一方で、私はハッとしました。
これは今までずっと放任して気が付かなかったこの子の無意識の愛情要求なのではないかと!

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子育て支援の仕事?誰のため?・・・自己満足に陥るところでした。
まさにこのメッセージを出してきている娘がいる。今を逃してはいけない!神様が私にその時間を下さったと感じました。(もちろん、娘は何も言いませんでしたが)

それから、仕事も休止!2人で部屋に籠り、マッサージしたり、楽しい話をしたり、どんなにあなたが大切かを伝えました。
その後、何だか言葉ではない親と子の信頼関係が築けたと感じました。

娘はとても落ち着いて、好きなことにチャレンジして・・・結局、大好きだった動物保護の勉強のために単身でオーストラリアの大学に入りました。相当苦労しながら・・・でも好きな事だから頑張れると言いながら更に大学院で研究して博士号をとりました。今では大学のスタッフに迎え入れられて講義をしているではありませんか!

子どもの成長は徐々にではなく一気に起こります。子どもの数が増えるほど構ってあげられないけれど愛情要求なのか、自立要求なのかを感じとるセンサーを持ち、それに応えるタイミングを逃さないことです。

オーストラリアに発つ娘を見送る飛行場で、いつも涙が溢れてきます。悲しいからではありません。愛している思いと無事と幸せを祈る親の気持ちが溢れるのです。離れていてもいつも娘の事を感じています。

(挿絵:あい∞ん)

Writer

かんなまま様プロフィール

かんなまま

男女女男の4人の子育てをして孫が6人。今は夫+愛犬で静かに暮らしているが・・・
週に2日、孫達がドッとやってくる+義理母の介護の日々。
仕事は目の前の暮らし全て。
いつの間にか専業主婦のキャリアを活かして、ベビーマッサージを教えたり、子育て支援をしたり、学校や行政の子育てや教育施策に参画するようになった。

趣味は夫曰く「備蓄とマントラ」(笑)
体癖 2-5
月のヴァータ
人生一巡り+1歳

2件のコメント

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  1. あいんさん on

    いつも楽しみに読んでいます。

    中学生一人でイギリスへホームステイすご~い、そして、イギリスでのお仕事本当に素敵ですね。
    愛情欲求なのか、独立欲求なのか感じとるセンサーを持ちそれに答えるタイミングなのですね。

    今三歳~小学生子育て真っ最中です。
    私は愛情欲求なのか独立欲求なのかよくわからなくて、きちんと感じとることが出来ているのか、きちんと子供ひとりひとりに答えられているのか、タイミング出来てるか子育てに自信がありません。

    子供と向きあってぶつかって色々考えて日々すごしているつもりでいます。
    ん~こんなときはどうすればいいんだろう?独立?愛情?大きい子ほどわからず
    あの時こうしたけど子育ての仕方、やり方間違ってたのかな?と悩み後悔することもあります。

    きちんと答えることが出来たら子供たちはどんなに幸せで幸せな道へ自然と導かれていくのだなぁ~と感じました。

  2. メープルEY on

    かんなまま様

    3番目のお嬢さんのお話し、とても興味深く読ませていただきました。
    交通事故をきっかけにかんなままさんが大きな気づきを得られ、誠心誠意お嬢さんに向き合われた箇所には感動しました。

    そのお嬢さんがオーストラリアで学ばれ、そして結婚されたこと、本当におめでとうございます。

    それぞれ個性の違うお子さんに対するかんなままさんの対処の仕方は、子育て中の世のママさんたちにとって、沢山のヒントを与えておられるような気がします。

    記事内容とはまったく関係ないのですが、交流会での体癖写真を見返していたら、なんとかんなままさんの隣に私がいました(間違いではないと思うのですが・・・)。とてもうれしくなりました。

    あい∞んさん

    2つのイラストの中に描かれたウサギのぬいぐるみがとても印象的でした。
    3番目のお嬢さんの成長を共に見守り続けてきたんだろうなと感じました。
    構図、色使いとも本当に素敵です。

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