2022年7月7日 の記事

エマニュエル・トッド氏の示した「家族型」から分かる社会の価値観 ~ドイツと日本は共に直系家族であり、秩序と安定を好み、政権交代が少ない。自民族中心主義が見られる。

竹下雅敏氏からの情報です。
 6月5日の記事でエマニュエル・トッド氏の「第3次世界大戦が始まった」と題するインタビューを紹介しました。この中で氏は、“このウクライナ戦争に関しては、日本の問題ではない…私の日本への助言は、「抜け出せ」ということです。…日本が取るべき立場は、中立国という立場ではないでしょうか”と言っていました。
 昨日の記事でコメントしましたが、私は、「日本人はナチスに近い精神性を持っている」と感じていました。それが何故なのかを、エマニュエル・トッド氏の示した「家族型」から知ることができました。
 横軸に「自由主義」と「権威主義」、縦軸に「平等主義」と「非平等主義」
を設定すると、4つの家族型に分類できます。社会が「自由主義的」か「権威主義的」かという軸は、親子関係が指標になります。また、社会が「平等主義的」か「非平等主義的」かという軸は、兄弟関係が指標となります。相続にあたって長男が全部とるのか、それとも均分相続するのかという指標です。
 自由・平等は平等主義核家族(フランス)、自由・非平等は絶対核家族(アメリカ、イギリス)、権威・平等は外婚制共同体家族(ロシア)、権威・不平等は直系家族(ドイツ、日本)ということです。
 ドイツと日本は共に直系家族であり、“秩序と安定を好み、政権交代が少ない。自民族中心主義が見られる。”というのです。見事だ。エマニュエル・トッド氏は、“これら家族制度こそが、社会の価値観を生み出すのだと主張した”というのですが、日本の状況に当てはめるとこの通りだとしか思えない。
 エマニュエル・トッド氏は、日本は高齢者が多く成熟した社会であり、“軍
国主義を支えた若くて興奮しやすい人々に満ちた社会ではもはやありません。…しかしながら、一〇年、二〇年、三〇年という長期的なタームで見たとき、ドイツや日本のような社会において個人の安全を脅かすリベラリズム的な状況が続いたならば、極めて右傾化した不愉快な反応が生み出されてもおかしくない”と言っています。
 “個人の安全を脅かすリベラリズム的な状況”というのが分かりにくいのですが、こちらの記事でエマニュエル・トッド氏は、「エリートは人々の生活水準に関心を持とうとしません。現在の民主主義は、ウルトラ・リベラルな民主主義であり、エリートが人々の生活水準の低下をもたらしているように見えます。…不平等が広がるにつれて、多くの人々の生活水準は下がり始めています。もし、支配者階級が生活水準の低下を促し続けるなら、民主主義は政治的にも経済的にも生き残れない。独裁国家になるのは避けられないでしょう。」と言っています。
 岸田禍で、「貧困から極貧へ」は避けられそうにありません。そこへ、若くて興奮しやすい人々にアピールする「参政党」が出現しました。
 6月7日の記事でスペインの哲学者オルテガの思想を紹介しました。“自己を確立していない根無し草の「大衆」は、同時に自分の能力を過信し慢心する性質も持っている”ということでした。動画の中で、“オルテガの言っていること、そして私の師匠でもある西部邁さんが言っていた事の一つはですね、「熱狂」を疑えと言うことだったと思うんですね。熱狂をしている人間というのは、何か一つのことを信じている。そして、それから外れる他者を排除していくという、そういう心理的な何かが働いている。だから落ち着いて物事を考えるためには、熱狂というものを疑いなさい、と私はよく言われたんですけども、どうも今の時代って熱狂しがちですよね。”と言っていました。
 危険な時代になったものです。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

————————————————————————
エマニュエル・トッド
Emmanuel Todd
エマニュエル・トッド

Author:Oestani[CC BY-SA]
  2014年11月の写真

生誕   1951年5月16日(71歳)
国籍   フランス
研究機関 国立人口学研究所(フランス)
指導教員
主な業績 ソビエト連邦の崩壊の予想
     家族類型及び社会体制の関係の究明

エマニュエル・トッド (Emmanuel Todd, 1951年5月16日 - ) は、フランス人口統計学者歴史学者人類学者学位Ph.D.ケンブリッジ大学1976年)。研究分野は歴史人口学家族人類学。人口統計を用いる定量的研究及び家族類型に基づく斬新な分析によって広く知られている。フランスの国立人口学研究所に所属していたが、2017年に定年退職した[1]2002年の『帝国以後』は世界的なベストセラーとなった。経済現象ではなく人口動態を軸として人類史を捉え、ソ連の崩壊英国のEU離脱や米国におけるトランプ政権の誕生などを予言した。
(中略)
『世界の多様性』
(中略)
トッドが示した家族型は以下のとおりである。
 
 1. 絶対核家族 (la famille nucléaire absolue)
    子供は成人すると独立する。親子は独立的であり、兄弟の平等に無関心である。遺産遺言に従って分配される。イングランドマン島オランダデンマークノルウェー南部、イングランド系のアメリカ合衆国カナダ (ケベック州を除く)、オーストラリアニュージーランドに見られる。基本的価値は自由である。世界の他の地域に比べ、女性の地位は高い。これは、核家族が本質的に夫婦を中心にするため、夫と妻が対等になるからである。一方、基本的価値が自由であることから、子供の教育には熱心ではない。個人主義自由経済を好む。移動性が高い。
 
 2. 平等主義核家族 (la famille nucléaire égalitaire)
    子供は成人すると独立する。親子は独立的であり、兄弟は平等である。遺産は兄弟で均等に分配される。パリを中心とするフランス北部、スペイン中南部、ポルトガル北東部、ギリシャイタリア南部、ポーランドルーマニアラテンアメリカエチオピアに見られる。基本的価値は自由と平等である。女性の地位は、娘が遺産分割に加わる社会(フランス北部)では高いが、そうでない地域ではやや低い。絶対核家族と同様、個人主義であり、子供の教育には熱心ではない。核家族を絶対核家族と平等主義核家族に分け、平等への態度が全く異なることを示したのはトッドが最初である。
 
 3. 直系家族 (la famille souche)
    子供のうち一人(一般に長男)は親元に残る。親は子に対し権威的であり、兄弟は不平等である。ドイツスウェーデンオーストリアスイスルクセンブルクベルギーフランス南部 (地中海沿岸を除く)、スコットランドウェールズ南部、アイルランドノルウェー北西部、スペイン北部(バスク)、ポルトガル北西部、日本朝鮮半島台湾ユダヤ人社会、ロマ、カナダのケベック州に見られる。イタリア北部にも弱く分布し、また華南に痕跡的影響がある。多くはいとこ婚を禁じるが、日本とユダヤではいとこ婚が許され、ロマにおいては優先される。基本的価値は権威と不平等である。子供の教育に熱心である。女性の地位は比較的高い。秩序と安定を好み、政権交代が少ない。自民族中心主義が見られる。
 
 4. 外婚制共同体家族 (la famille communautaire exogame)
    息子はすべて親元に残り、大家族を作る。親は子に対し権威的であり、兄弟は平等である。いとこ婚は禁止されるか少ない。ロシアフィンランド、旧ユーゴスラビアブルガリアハンガリーモンゴル中国インド北部ベトナムキューバ、フランスのリムーザン地域圏およびラングドック=ルシヨン地域圏コートダジュールイタリア中部(トスカーナ州ラツィオ州など)に見られる。基本的価値は権威と平等である。これから、共産主義との親和性が高い。トッドがそもそも家族型と社会体制の関係に思い至ったのは、外婚制共同体家族と共産主義勢力の分布がほぼ一致する事実からである。子供の教育には熱心ではない。女性の地位は一般に低いが、ロシアは共同体家族の歴史が浅く例外的に高い。
 
 5. 内婚制共同体家族 (la famille communautaire endogame)
    息子はすべて親元に残り、大家族を作る。親の権威は形式的であり、兄弟は平等である。父方平行いとこ(兄と弟の子供同士)の結婚が優先される。権威よりも慣習が優先する。トルコなどの西アジア中央アジア北アフリカ、フランス領コルシカ島に見られる。イスラム教との親和性が高い。子供の教育には熱心ではない。女性の地位は低い。
 
 6. 非対称共同体家族 (la famille communautaire asymétrique)
    母系のいとこの結婚が優先される。親は子に対し権威的であり、兄弟姉妹は兄と妹、または姉と弟は連帯するが同性では連帯しない。インド南部に見られる。子供の教育に熱心である。女性の地位は高い。カースト制度において自らを下位に位置づける。
 
 7. アノミー的家族 (la famille anomique)
    基本的に核家族に近いが、はっきりした家族の規則は見出しにくい。東南アジア (ベトナムを除く)、太平洋マダガスカルアメリカ先住民に見られる。社会の結束が弱い。宗教に寛容であり、上座部仏教を中心としてイスラム教カトリックも存在する。
 
 8. アフリカ・システム (le système des familiaux africains)
    一夫多妻が普通に見られる。この一夫多妻は母子家庭の集まりに近く、父親の下に統合されるものではない。女性の地位は不定だが、必ずしも低くはない。離婚率が高い。それ以外は多様であり、民族により共同体家族的でも直系家族的でもあり得る。北アフリカとエチオピアを除くアフリカに見られる。
 
トッドはこれら家族制度こそが、社会の価値観を生み出すのだと主張した。これを先験的(アプリオリ)と表現する。すなわちこれらの価値観は、特定の家族制度のもとに生まれることで自動的に身につけるからである。

» 続きはこちらから

ジョージア州にあるモニュメント「ジョージアガイドストーン」が破壊される ~あまりうまく行っていない、人口削減計画を進めて来た連中の思惑

竹下雅敏氏からの情報です。
 ジョージア州にあるモニュメント「ジョージアガイドストーン」が破壊されたらしい。「捜査当局は、未知の人々が午前 4 時頃に爆発物を爆発させたと述べた。」ということです。
 “続きはこちらから”の二つ目のツイート動画は、その爆発の瞬間をとらえたものです。その後、“謎の爆破によって損壊したジョージアガイドストーンは、重機によって完全な形で解体”されてしまったようです。「不思議に思いますよね。なぜこんなに早く犯罪現場を取り壊すのか?」というツイートがありました。
 “常時や!”というくらいカメラで常に監視されていたにもかかわらず、この爆発でモニュメントの「翼」の1つが完全に破壊されたというのですが、“爆発物を爆発させた”のであれば、爆発物を仕掛けた人物が監視カメラに映っているはずですよね。
 3月31日の記事でゾンビ・アポカリプスを取り上げた際に、「人口削減計画 ジョージアガイドストーン ジェイドヘルム」と題する動画を紹介しました。動画の中で、ジョージアガイドストーンには、「大自然と永遠に共存し、人類は5億人以下を維持する」と記されており、人口削減計画を意味していると説明していました。
 ジョージアガイドストーンは、1979年6月にR.C.クリスチャンを名乗る人物が、石材建築業者 Elberton Granite Finishing Company にモニュメントの建造を発注したことによります。R.C.クリスチャンという偽名から、薔薇十字団の関係者ではないかという説があります。
 冒頭の記事の引用元には、“ジョージアガイドストーンは、1980年に50万ドルをかけて、「忠実なアメリカ人の小集団」のために建てられた。その人たちは今日まで匿名のままだが、慈善家で人口抑制に熱心なテッド・ターナーも含まれていると考えられている。ターナーは人口95%削減を繰り返し唱え、ビル・ゲイツやジョージ・ソロスのような人物と奇妙な会議に出席し、グローバリストが彼らの富を使って「世界人口の増加を遅らせる」方法について議論している。”と書かれています。
 5月21日の記事で、“2021年3月に核脅威イニシアティブ(NTI)は、ミュンヘン安全保障会議と協力して、サル痘ウイルスによる致命的なグローバルパンデミックの卓上演習を実施していた”ことをお伝えしました。この核脅威イニシアティブ(NTI)は、“2001年に米国の元上院議員サム・ナンと慈善家テッド・ターナーによって設立された超党派の非営利団体”です。
 こうした経緯を見ると、ジョージアガイドストーンが破壊されたというのは、人口削減計画を進めて来た連中の思惑が、あまりうまく行っていないということでしょう。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

————————————————————————
ジョージア・ガイドストーンズが爆発で一部損壊
モニュメントが不気味なメッセージで物議を醸している。
引用元)

Video Screenshot
 
ジョージア州にあるモニュメント「ジョージア・ガイドストーンズ」が、爆発があったとの報告を受け、一部破壊されたことが物議を醸しています。
 
「捜査当局は、未知の人々が午前4時頃に爆発物を爆発させたと述べた。」とFox 5 Atlantaは報じている。この事件による負傷者はいなかった。
 
911コールセンターにフィードバックされるカメラで常に監視されていたにもかかわらず、この爆発でモニュメントの「翼」の1つが完全に破壊された。
 
ジョージア州捜査局は、爆弾処理班を派遣して爆発に対応しました。ドローンの映像によると、この観光地は甚大な被害を受けたようです。

 
この記念碑は、「人類を5億人以下に維持する」という不気味な碑文があることから、一部の人々の反対を集めています。この数字は、1500年代以降、世界が見たことがなく、達成するには徹底的な大量虐殺が必要です。
 
また、この石碑は「世界法廷」の設置を呼びかけ、人類が「地球の癌にならないように」と要求している。
(以下略)

» 続きはこちらから

[Twitter]鬼が紛れてますから。

ライターからの情報です。
見えない人にも見えてくる、
真夏のリアルなゆき、
太郎を眠らせてしまうわけにはいかない!

既に編集長の記事で掲載されていますが、
見えない五色の短冊を、高く、笹竹に…
(しんしん丸)
————————————————————————
配信元)


組織票という偽りの票で自分の権利を失っていないか / 七夕の今日、民主的で公正な政治の実現を願う

 読者の方々から、選挙に関しての切実な感想が届けられます。「支配層は、市民に自分たちの運動によって世の中が変えられるという希望を与えないようにする」、つまり私たちが何をやっても変わらないと諦めてしまうことを狙っているのだと教えていただきました。どうあがいても変わりそうにない自民党政治は、しかし全有権者の2割すらも得票していないそうです。まして強固な組織票を持つ団体の票でも、これまで選挙に行かなかった半数近くの有権者が立ち上がればコントロールを失います。「投票しても変わらない」のではなく、投票しなければ変わらない。
現在、劣勢の維新に創価学会の組織票が流れるなどして、大阪、京都、奈良、そして東京で伸びているそうです。そうやって自民公明に都合の良い連中で固めるつもりか。企業や団体から指示された候補者への偽りの票は、有権者本人を幸せにしてきたでしょうか。自分自身のための生きる一票を投じる時です。
 今日は七夕です。一年に一度の恩恵の時。読者さんもこの時に合わせて願いを短冊に書いたそうです。私も「正義が行われますように」と書こうか、「私たちが民主的で公正な政治を実現する勇気を与えてください」と願おうか。
(まのじ)
————————————————————————
配信元)

» 続きはこちらから

まみむのメモ(45)〈食べられる野草図鑑・春(4)〉

アメリカセンダングサ

ヒメジョオン

 麦にドローンで散布(家の中から撮影)

 野草たちも春から夏の草へと、次々に勢い良く育っていますね。最近は、色々な草や木の新芽をいただいています。アメリカセンダングサ、ヒメムカシヨモギ、ミズヒキ、アカメガシワ、カキ、ノブドウ、クズ等々。ヨモギやスギナ、セイタカアワダチソウなども何度も摘んでいただいているので、後から生えた柔らかい部分をいただいています。
 今畑ではヒメジョオンの花盛りです。それにしても今年はミツバチやキイロスズメバチなど蜂たちをあまり見かけません。遅くまで寒かったからでしょうか?山林伐採、ケムトレイルなど環境破壊?それともドローンを使った農薬散布のせいでしょうか?とてもスピーディに手軽に散布されます。
 そして今年はじめて気がつきました。ドローン農薬散布・・・もし農薬のような毒物や生物兵器ウィルスか何かが入ったドローンが住宅地の上を飛んで散布したら・・・これって即兵器?操縦者はそのまま兵士に?各地でドローン教室が開催されているようです。現にウクライナに日本から送られたドローンと防護服がありました。

 戦争を望む勢力に支配されることなく、市民のささやかな幸せが護られる社会は、私たち市民一人一人にかかっているのだと痛感します。今年も「れいわ新選組」のボランティアに、できる範囲ですが参加しています。寄付、チラシ配布、ポスター、公選ハガキ、電話かけ。
 ただし、れいわ新選組が影響力のある分、ワクチン反対を訴えることで救われる命があったのではないか。大西つねきさんの人柄を言葉の使い方だけで決めつけてしまって、お互いのエネルギーを削いでしまった事の反省が必要なのではないか。くしぶちまりさんのご主人の仕事が性犯罪に関わるのではないかという疑いに対する説明。私も含め、こういった徹底した正義の自浄も忘れてはいけないのだと、竹下先生が紹介された「高橋易資(やすし)」さんの政権放送をみて思いました。
(まみむ)
————————————————————————
まみむのメモ(45)〈食べられる野草図鑑・春(4)〉

ドクダミ(毒矯み・蕺)


時期 3月ごろから新芽が出て、花期は5〜7月。秋、冬は地上部は枯れて地下茎だけになる。
場所・環境 湿った半日陰地を好み群生する。東南アジア原産で日本では北海道(渡島)〜沖縄の山野の木陰に多く、庭の陰や溝などにも群生。
花びらに見える白い4枚の苞(蕾を包む特殊化した葉)の上に1つの花序(花の集まり)がつく。萼や花弁はなく、雄しべは3〜8本で両性の小花が密集している。雄しべの先端につく葯は黄色、花糸は細長く基部で雌しべの子房に合着している。雌しべの花柱は3または4個、白色で反曲する。

心形で先端が尖り、長さ3〜10cmの光沢のない暗緑色で、1〜3.5cmの葉柄が赤紫色の茎から伸びて、まばらな互生に葉をつける。葉裏はしばしば紫色を帯び、花が咲く頃から、葉の表にも部分的に紫色の変色が見られる場合がある。
ドクダミは有性生殖を行わず、胚珠(通常、胚珠内の卵細胞が花粉の精細胞と結合し種子になる)が無性的に種子になる(無融合種子形成)と考えられている。
花序全体に宿存性の花柱がついて2〜3mmのさく果(果皮を持つ果実)を裂開し、約0.5mmの卵形の褐色の種子を散落する。
細長い白い地下茎が盛んに分岐し、節から不定根(水や無機養分を吸収)が輪生に生える。地下茎の分断化による栄養繁殖を頻繁に行い、ちぎれた地下茎からでも繁殖し、繁殖力旺盛で群生する。

見分けるポイント 特有の臭気がある。花びらのように見える白い苞が十字につくが、各花の基部にある線形の小苞が巨大化し八重咲になるヤエドクダミがある。

ドクダミ花びらのない花柱の花と白い苞


同じドクダミ科のハンゲショウ属のハンゲショウが一見ドクダミと似ているが、ハンゲショウの花には4枚の白い花びらに見える苞がなく、花期には葉が白く変色した部分と垂れ下がる花序があり次第に直立していく。
間違えやすい毒草 なし
生え方 多年草
学名 Houttuynia cordat
科名・属名 ドクダミ科・ドクダミ属 (単型属で類縁が存在しない)
採取方法 開花期に全草(必要部分)を採取。根は冬でも採取でき、デンプンが多く、救荒植物としてもいただける。

あく抜き 臭気は精油で乾燥すると消える。匂いが気になる場合は茹でて水にさらす。加熱で匂いが減少する。
調理法 生の葉や花を天ぷら、根をきんぴらや煮物、スープに。全草乾燥させてお茶に。生の葉でジェノベーゼ風ソース。生葉絞り汁に蜂蜜などを加えて発酵ジュースに(密閉しないでふきんを挟んで蓋)。乾燥させた葉や花をミキサーなどで粉末にして野菜の補いに。ベトナム料理ではハーブとしてサラダやさまざまな料理に添えて生食される。中国では地下茎などを食材として広く利用。
他の利用方法 薬用に生葉、絞り汁、発酵液、乾燥葉、蒸し焼き、アルコール漬けなどの用法がある。化粧水、虫刺され薬、虫除け。浴湯料。
効能 生葉のにおいの精油成分デカノイルアセトアルデヒドに強い抗菌作用、殺菌作用があり、クロロフィル(葉緑素)に肉芽組織再生の促進作用がある。
絞り汁を塗ったり、葉をもんで貼ると、おできの化膿止め、ニキビ、水虫、たむし、いんきん、痔、虫刺され、湿疹、その他の皮膚病、打ち身、切り傷、蓄膿症、臭鼻症、耳だれ、中耳炎などに有効。どろどろにすりつぶして貼るとあせも、おできなどに効果が長時間持続する。1日に2〜3回交換。
蓄膿症、臭鼻症には生葉を(塩で)もんで鼻に詰め、(又は数枚をもんで棒状に丸めて鼻の穴に差し、30分くらいしたら鼻汁を出し、片方ずつ葉を取り替えて、1日に3回、2〜3週間続ける。)煎じて服用しながら行うほうが良い。

痔疾に生の根の絞り汁を飲むと良い。
絞り汁に5〜6分の1の量の蜂蜜などを入れて、布をかぶせて蓋をして通気できるようにして、約2〜3ヶ月間冷暗所に保存して発酵させる(イーストなどの酵母菌を加えると発酵が容易になる)発酵液(酒)は強壮剤となり、生葉、乾燥葉がもつすべての薬効が得られる。とくに老人の体力低下、意欲減退に有効。

化粧水に生の葉や花をアルコール(35度以上)に漬けて抽出し、天然水で10倍以上に薄める方法と、絞り汁に同量の日本酒を混ぜる、又は10%ずつのグリセリンと生レモン汁を混ぜて化粧水にする方法がある。
ドクダミ酒(ドクダミチンキ)は洗って水気がなくなるまで干してアルコール(35度以上)につける。就寝前に盃1杯の飲用が効果的で、解毒作用、健胃整腸作用、糖尿病予防、高血圧予防に。外用に虫刺されなどに。

膿の吸い出し、おでき、ふきでもの、痔、陰部のかゆみなどに、蒸し焼きにしてやわらかい軟膏状になった葉をすり込んだり、ガーゼなどにのせて貼る。蒸し焼きは数枚の生葉をフキの葉に包んで直火で焼く。又はアルミホイルに包んで、フライパンで焼く。
全草や地上部を天日干し、又は陰干し(1日天日干し後、風通しの良い陰干しが良い)して、お茶(熱湯を注いで3分くらい蒸らす)に。軽く焙煎すると臭みが消え、飲みやすさが増す。

乾燥葉の主な有効成分はクエルチトリンやカリウム塩で、利尿、緩下作用、血圧調整作用、毛細血管強化、眼精疲労の解消などに有効。
10〜20gの乾燥葉を土瓶や土鍋などで(金属は化学反応を起こす)、水300〜800mlが半量になるまでとろ火で煮詰めて漉して、1日2〜3回に分けて飲む。ひどい便秘改善、宿便までとれる。血液を浄化して循環を良くし、全身の血行促進効果。お茶と同じ効果も。緩下、利尿、駆虫剤となり、解毒、抗菌、抗カビ性があるので、各種化膿症、蓄膿症、腫物、胎毒、ピリン疹、月経疹、腎炎、膀胱炎、尿道炎、夜尿症、子宮や膣部の炎症、冷え性、高血圧、動脈硬化症、狭心症、肋膜炎、神経痛、風邪、頭痛、のぼせ、胃酸過多症、胃下垂、胃アトニー、痔疾、痔瘻、皮膚病に効果がある。脳病一切にも良い。原因不明の病気に服用すると良い。胎毒のある乳児には、母親が服用して授乳すると良い。

生葉又は乾燥葉を浴湯料に。アトピー、湿疹、あせも、痔などの皮膚トラブルの消炎性浴料に。抗菌、殺菌作用により、患部の清潔を保ち、クロロフィルの働きにより、肌荒れの解消も期待できる。
適当にハサミで切って、ネットや布袋に入れてお風呂に入れ、入浴中にもむ。あるいは、布袋に入れて煎じ液を作り袋ごと入れる。
その他 カリウムが多く、また、解毒パワーがすごいので、飲みすぎに注意し少しずつ試しながら、適量を知る。
フキの葉に包んで直火で焼いた葉をおできに貼ると、一晩で芯を吸い出して治っていました。
ドクダミは十薬(ジュウヤク)と呼ばれ、センブリ、ゲンノショウコとともに日本の三大民間薬として古くから利用されてきた。
参照サイト・文献 ウィキペディア
松江の花図鑑
イー薬草・ドットコム
里山日記
【野草の知恵】お肌のトラブルに万能なドクダミのお花で化粧水作り!
大地の薬箱 食べる薬草事典 村上光太郎著 / 農山魚村文化協会
関連記事 [第2回] 地球の鼓動・野草便り 蓬(ヨモギ)は神様みたいな草

» 続きはこちらから