カタールとの外交関係が断絶された背景…キッシンジャーの罠にはまったイスラエル、サウジアラビア、UAE

竹下雅敏氏からの情報です。
 記事は下から順にご覧ください。6月5日以降、突如、サウジアラビア主導で一部のアラブ諸国が、カタールとの外交関係を断絶しました。
 最後の記事にある“光る球体”は、地球を意味しているのでしょう。“多くの人は、この球体が何らかの悪と関係している”と思ったようですが、それは正しい感覚だと思います。この後、トランプ大統領は、ペルシャ湾岸諸国を1つにまとめるために、“イランを共通の敵扱い”にしました。この方針に逆らうカタールには、“調教”が必要だということから、このサウジ主導の“カタールへの兵糧攻め”が始まったわけです。櫻井ジャーナルによると、サウジアラビア側は、“24時間でカタールは屈服する”とみていたようですが、どうやら、“見通しを誤った”ようです。
 彼らは、カタールが素直に屈服しない時には、クーデターによって政権を転覆するつもりだったようです。最後の手段は、イランに対して他の近隣のアラブ諸国とは異なる対応を取るカタールを、テロ支援という名目で叩き潰す計画だったと思われます。それが、“カタールを巡る情勢は大戦争への口実か?”というスプートニクの記事です。イスラエルロビーに取り込まれたトランプ大統領と、サウジアラビアの思惑は、イランを共通の敵とする“アラブNATO”の創設です。この構想の邪魔になるカタールは、サウジアラビアによって調教され属国化される必要があるというわけです。
 この陰謀に主に関わっているのは、アメリカ、イスラエル、サウジアラビア、UAE(アラブ首長国連邦)だと思います。「マスコミに載らない海外記事」によると、“オタイバUAE大使と、ワシントンにあるイスラエルロビーの電子メールがハッキングされた”とあり、“イスラエルのシンクタンクが、UAEにカタールといかに戦うかを助言している”というのです。要するに、カタールに対するクーデター計画が発覚したわけです。
 藤原直哉氏のツイートによると、その“シンクタンクが6月11日から14日にカタールで会議を開く計画”があり、それがメールで暴露されたとあります。藤原氏によると、この同じシンクタンク(FDD)が、トルコのクーデター未遂事件の戦略立案者だったのではないかとあります。これは非常に鋭い見解だと思います。
 しかし、トルコはカタール支持を表明、イラン、トルコ、カタールは事態に協調して対処することになったようです。クーデター計画が事前にばれてしまったことと、カタールへの支援体制が進んで行くとみられることから、イスラエル、アメリカ、サウジアラビア、UAEの陰謀は頓挫しそうな気配です。
 実のところ、何も知らないトランプ大統領は、道化役を演じさせられているようです。記事の中で“トランプは、サウジアラビア-イスラエルのわなにはまった”と書かれていますが、実は、罠にはまったのはイスラエル、サウジアラビア、UAEの方です。ヘンリー・キッシンジャー氏は、カタールをペルシャ湾岸諸国のテコの支点として使うことで、ペルシャ湾岸協力会議を解体するつもりのようです。最終的なターゲットはイスラエルです。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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配信元)






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"サウジアラビアが率いる湾岸協力会議は崩壊し、忘却のかなたへ追いやられる"
アメリカ支援に勇気づけられたサウジアラビアは、最終的に、カタールを属国状態に貶めるキャンペーンを開始した。

(中略) 

トランプは、この地域に接近する二本柱として、サウジアラビアとUAEに注力している。トランプ顧問で義理の息子ジャレッド・クシュナーと、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマーン副皇太子と、有力なUAE駐ワシントン大使ユセフ・アル・オタイバとの間で、強い絆が形成された。

(中略) 

トランプは、サウジアラビア-イスラエルのわなにはまったのだ。ペンタゴンのタカ派は、イランと戦うための"アラブNATO" を夢想した。構想された"アラブNATO" は、間もなく、その最初の戦争をする可能性があるが、それはメンバーの一国に対するものだ。

(中略) 

サウジアラビアとUAEによる、強烈な反カタール・キャンペーン・ロビー活動が何カ月も続いている。サウジアラビア・ロビイストの一人が、 "エジプトのムルシーと同じ運命になる"と、カタール支配者を脅した。仕返しに、ユセフ・アル・オタイバUAE大使と、ワシントンにあるイスラエルのロビー組織との間の電子メールがハッキングされたものが最近公表されたシオニスト・ロビー組織"民主主義防衛財団" が、UAEの独裁制に、カタールの独裁制といかに戦うかを助言しているのを文書は示している

(中略) 

全ての国境の完全封鎖という、サウジアラビアとUAEによる、カタールに対する極端なイジメは即時降伏させるのが狙いだ。

(中略) 

もう一つのシナリオは王国を乗っ取る準備をしたサウジアラビア傀儡を使った、ドーハでのクーデターだ。もしそれが失敗したら、次は軍事的な動きとなろう。

(中略) 

これはイランにとって、カタールとの関係を強化し、湾岸協力会議に更に打撃を与える好機だ。

(中略) 

これはカタールが、シリアから撤退するのと引き換えだ。

(中略) 

カタールとの喧嘩がどのように終わろうとも、(中略)…サウジアラビア"指導部" は残酷ないじめ屋に過ぎないことが明らかで、抵抗に会うだろう。サウジアラビア指導と、アメリカによる支配下での湾岸協力会議の団結という、アメリカの計画は壊滅状態だ。

(以下略) 

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サウジ主導でカタールへの兵糧攻めが始まったが、カタールはイランやトルコとの関係強化で対抗
引用元)
サウジアラビアが6月5日、突如としてカタールとの外交関係を断絶すると発表、バーレーン、エジプト、アラブ首長国連邦も同調した。このうちエジプトを除く周辺の4カ国はカタールとの陸、海、空の移動も禁止している。それに対し、食糧や水を確保するためにカタールはイランやトルコと交渉に入ったが、そのトルコはカタールに対する今回の決定を厳しく批判した。

(中略) 

サウジアラビアはカタールを締め上げて属国にしようとしたのだろうが、簡単に屈しそうにはない。サウジアラビアの副皇太子で国防相でもあるモハンマド・ビン・サルマンたちは24時間でカタールは屈服すると見通していたとする話が流れているが、この見通しは狂った。

(中略) 

このサルマンに今回の決定をさせたのはドナルド・トランプ米大統領のサウジアラビア訪問だったと見る人もいる。そこでアメリカからの支援を取り付けたと考え、カタールを脅しにかかったのだが、見通しを誤った可能性がある。

そうした中、7日の早朝にサウジアラビアのアベル・アル・ジュベイル外相がイランは罰せられなければならないと発言、その数時間後にイラン議会などで襲撃事件が引き起こされている。

(以下略) 


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地域や世界で、カタールと一部のアラブ諸国の関係悪化を緩和する努力が継続
転載元)
(前略) 

サウジアラビア、エジプト、アラブ首長国連邦、バーレーン、リビア、モルディブが、5日月曜、カタールとの外交関係を断絶しました。

(中略) 

こうした中、シオニスト政権イスラエルの関係者は、カタールとアラブ諸国の緊張はイスラエルの利益になるとしています。

ペルシャ湾岸協力会議の加盟国の間の対立は、アメリカ大統領の中東訪問の後に拡大しました。

アメリカのトランプ大統領は、5月20日と21日、サウジアラビアのリヤドを訪問し、アラブ諸国とアメリカの会議で、イランに対する新たな敵対戦線を作ろうとしましたが、アラブ諸国の対立は、これらの国の間の溝の深さを示しました。

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カタールを巡る情勢は大戦争への口実か? 専門家の見解
転載元)
米誌フォーリン・ポリシーに寄港した記事で、ワシントン近東政策研究所(Washington Institute for Near East Policy)ペルシャ湾岸諸国・エネルギー問題政策プログラムの所長であるサイモン・ヘンダーソン氏は、カタールの外交的孤立化は新たな大戦争の端緒となる可能性があるとの見解を示した。

(中略) 

サウジアラビアとアラブ首長国連邦の形式的な目的はイランではなく、カタールだ。カタールは昔から対イラン関係において、ペルシャ湾岸諸国の総意から離れていた。

(中略) 

イランはすでにカタールに援助を申し出ており、自国の港3つを提供する用意があるということだ。しかしこの振る舞いはサウジアラビアとアラブ首長国連邦においておそらく、イランとカタールの「不徳義」な関係の証拠として受け入れられる。

(以下略) 

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カタールをめぐる外交スキャンダルは米政治変化の結果か?
転載元)
タチヤナ フロニ
サウジアラビア、バーレーン、エジプト、アラブ首長国連邦、イエメンそしてリビアのアラブ6カ国が、カタールと外交関係を断った。その後、モルディブもこれに加わった。

(中略) 

カタールは常に、イランに対し他のアラブ諸国に比べ、柔軟な対応をしてきたが、(中略)…カタールには常に、イランと良好な関係を保たなければならない理由があった。

(中略) 

イランとカタールは海底ガス田を共有しており、またカタールにとってイランとの友好は、王朝間の歴史的紛争と長期にわたる矛盾を抱えたサウジアラビアとのバランスを取るためにも必要なのだ。

(中略) 

「おそらくカタールは、サウジには現在、あまり力はないと考えたのだろう。しかしサウジは多分、米国の支持を事前に取り付けたと思われる。断交といった過激な措置を、アラブ世界が、米政府の合意なくするとは思えないからだ。それゆえサウジは、カタールの調教を試みようと決心したのだろう。イランに対する独自の政策をカタールに放棄させ『イスラム同胞団』への財政支援をやめさせようとしているのだ。それが何をもたらすか、今後の経過を注意深く見守りたい。」

(以下略) 

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米国はいかにしてイスラエルとアラブ諸国を反イラン同盟に仕立てるか?=アナリスト
転載元)
トランプ米大統領はイスラエル訪問で「我々は実際、この地域の将来をずっと平和的なものにすることができる」と語った。イスラエルの直前に訪れたサウジアラビアではトランプ氏は1100億ドルもの武器取引を結び、テロとの戦いに同盟国からの軍派遣の用意を取り付けることに成功している。

(中略) 

トランプ大統領は「テロリストに安全な避難場所と金融支援を行うある国家を挙げない限り、この脅威をいかに根絶するかの討論は完全なものにはならない。その国とはもちろんイランだ」と言い切った。

決して仲のよくないイスラエルサウジアラビアが互いをよい国だと思うためにはどうしたらいいか? それはイランを共通の敵扱いすることだったのだ。

(以下略) 

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「一つの球はすべてを統べ」サウジアラビアにいるトランプ大統領の写真でネット大喜利【写真】
転載元)
SNS利用者は、サウジアラビアの首都リヤドでの会談でトランプ大統領が同国のサルマン国王とエジプトのシーシー大統領と一緒に、神秘的に光る球体を持っている写真に激しく反応した。

スプートニク日本

この瞬間に実際に何が起きていたのかというテーマの謎を問いかけたものもいる。そのうち多くの人は、この球体が何らかの悪と関係していると考えた。

「ロード・オブ・ザ・リング」から「スーパーマン」まで、様々な映画の引用やパロディなしには済まなかった。


​ある人は指輪物語の有名な箇所の指輪を球に変えて、次のように書いた。
「一つの球はすべてを統べ、一つの球はすべてを見つけ、一つの球はすべてを捕えて、くらやみのなかにつなぎとめる。」(瀬田貞二訳参考)

(以下略) 

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