国防軍とは? 軍法会議とは? そして最高責任者は誰?
おい、自民党の改正案に新設された「国防軍」、ってどう思う?
いきなり「どう思う?」って聞かれてもなあ〜。
ま、「自衛隊」ってひびきよりか、「国防軍」って方がカッコよくない?
はあ〜(ため息)。おめえみたいのが大勢いるから、日本はあやういってのよ。
そっかなあ〜やっぱ、「国防軍」のがカッコいいよ。「普通の国」って感じ。
おいおい、「普通の国」が出てくるか? 「あべぴょんワールド」全開だな。
だって戦後、アメリカに占領されてから、憲法もアメリカから押しつけられたでしょ。
それに、戦争を放棄したから、軍隊ももてないし。
戦争がないおかげで、おめえみたいなアホが、今でものうのうと生き残ってんじゃねえかよ。このままだと、おめえみてえなやつらが、もう一回、日本を亡ぼすぜ。
ひどいなあ。
それに
「憲法を百年いかす」を読んだらわかるが、今の憲法は押しつけじゃねえって、はっきりと証明してるぜ。
そこまで言うなら、ちゃんと説明してよ。
自衛隊って国防軍とどう違うの?
よくぞ、聞いてくれましたっと! これを読め。
保阪「いまの憲法下において
自衛隊は軍隊ではないんです。
軍法会議はもっていない。統帥権もない、独断専行はできない。・・こうした点が歯止めになっている。」(95ページ)
いまは軍法会議がないってことは、戦前はあったのか。なんでなくなったの?
今は必要がないの。
軍隊っちゅうのは、国外に出てって「人殺しもOKです」って組織だろ。
だから「殺人」は犯罪になんねえの。てことは国内の法律が通用しねえから、軍の法律「軍法」を別にもってるんだよ。
自衛隊の隊員が犯罪を犯しても、一般の裁判でやってるだろ?。
たしかにそうだね。「軍法」ってのはないよね。
それが、
自民党案9条の二(国防軍5)
「国防軍に属する軍人・・・がその職務の実施に伴う罪または国防軍の機密に関する罪を犯した場合の裁判を行うため、法律の定めるところにより、国防軍に審判所を置く。」
ここの「法律の定めるところ」ってのが「軍法」だな。
つまり、
「審判所」で「軍法会議をしましょう」って言ってるんだ。
ということは、
国防軍は、国内の法律が通用しない組織、つまり
「国外に行って、人殺しをしてもかまわない組織」に変わるわけだね。
そうだ、石破ゲル発言を思い出せ。
「いまの自衛隊法では命令に従わない隊員に対し、目いっぱいでも7年の懲役刑しか課することができない。しかし(出動)命令に従わなければ、その国における最高刑、死刑、無期、または懲役300年、そんな目にあうのなら出動命令に従おうということ。」(「前夜」315ページ)
これが軍法だね。こんなコワいとこだったら、だれも軍隊に入りたがらないよね。
保阪「ところが
国防軍という名の軍隊にしてしまったら、軍機能をぜんぶそろえることになる。
いまの憲法下でやったら憲法違反になるようなことを、です。
安倍さんは自衛隊を「我が軍」とさえ発言しています(平成27.3.20衆院予算委員会)。」(96ページ)
そういえば、
安倍首相が戦車に乗ってポーズ取ってる写真があったね。
あれは、
「ぼくが自衛隊の最高指揮官だ」ってアピールしてるんだよ。
へええ、それって自分勝手にそう思ってるのかな?
いや「自衛隊法第7条」で、
自衛隊の最高指揮官は内閣総理大臣だ。
じゃあ、「国防軍」の最高指揮官は誰?
改正案・9条の2「内閣総理大臣を最高指揮官とする国防軍を保持する。」
国防軍も、最高指揮官は首相になる。
ただし、日本会議(自民党改正案の原案をつくったとされる)、は戦前の大日本帝国憲法のように、天皇を最高指揮官にしたいと思ってるんじゃないかな。
天皇が最高指揮官になったら、改正案の102条で「天皇は憲法を守らなくっていい」ってことだし、憲法で軍の暴走を止められなくなっちゃうよ。
んだな。ここを読めよ。
半藤「自民党の改正草案なんてまことにいい加減で、「自衛隊を国防軍にする」としか書いてないんですよ。アンタがた、いったいどういう国防軍にするのかいな、と聞きたくなる。
自民党は、「軍隊による安全」ばかりをいって、国民を煽っていますが、国民は騙されてはいかんのです。
「軍隊からの安全」ということも、生活の安全のためによく考えなければいけないのです。」(96ページ)
「軍隊からの安全」って? 「国防軍」の正体っていったい何?
「前夜」の163ページで、
岩上氏「元幕僚議長だった栗栖広臣さんが2000年に「日本国防軍を創設せよ」(小学館)という本を出版して、話題になりました。自民党が創設しようとしている軍隊の名称も「国防軍」ですよね。・・・この中で、
「国防軍は国民を守らない」とはっきりと書いてあるんですね。・・・
国防軍が守るものは国体、国柄である。そして万世一系の天皇制を守るんだとはっきり言っているんです。」
えっ、国体?
なんかほんとに、ピューって戦前にもどっていきそうな勢いだね。
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先の2月26日衆議院で、自民党杉田水脈議員は「科研費で研究を行う研究者たちが韓国の人たちと手を組んで(プロパガンダを)やっている」と述べ、日本のアジア諸国への植民被支配を研究することは反日的だと決めつけました。さらに、その研究者の個人名まで挙げて非難し、このような活動に科研費が支払われていることは問題だという質疑を行いました。
この質疑について今回、田村議員は「学問研究への介入を文科省に求めた看過できない問題」だと厳しく指摘しました。ことは杉田議員個人の不適切にとどまらない、重大な危険性を過去の例を示して訴えました。
第2次世界大戦前、昭和恐慌で失業者が溢れる中、海軍の青年将校が総理大臣を殺害した5・15事件が起きるなど軍の台頭する時期であった1935年、貴族院本会議で、元軍人議員が美濃部達吉氏の天皇機関説を「国体を破壊するもの」と攻撃しました。議会や新聞もこの弾圧に加担し、著作は発禁、美濃部氏は右翼に狙われる事態にまで追い込まれました。田村議員は、この思想弾圧がやがて政党政治を破壊し、軍部独裁の道を開き、壊滅的な戦争へと繋がったことを重く見て、今一度、日本国憲法に「学問の自由」や「基本的人権」が明記された意義を問うべき、国会議員が国会において、特定の研究や研究者を攻撃し、科研費の対象であることを問題視するなど絶対に許されないと明言しました。
この、田村議員の質疑の少し前、菅野完氏によるツイートに、同様の的を射た危惧がありました。最近騒がれている弁護士への集団懲戒請求に関してのものでしたが、過去の大学への介入「滝川事件」や法曹への弾圧「布施弁護士」を示してなお、表に出てこない「細かい弾圧は沢山あるんだろう」と鋭い指摘をされていました。確かに表に出てこない「自分には関係ないこと」「このくらいは些細なこと」の積み重ねが、ある日突然の開戦を招いたことは歴史の語るところなのでした。
1933年、京都帝国大学での思想弾圧事件。
右翼らの国会議員が京大法学部の瀧川教授を「赤化の元凶」として非難し、文部省により大学を休職処分とされた。言論弾圧の対象が共産主義的思想から自由主義的な言論へと拡大した転機だった。
[布施辰治弁護士]
1932年、社会派弁護士であった布施が「弁護士活動の逸脱」を理由に懲戒裁判所に起訴され、弁護士資格を剥奪された。その翌年には、治安維持法違反で投獄された。