アーカイブ: 貧困問題

菅首相の過去の国会質疑が大ブーメラン「疑惑議員には議員辞職を」して欲しい / 総理の判断で困窮者支援をすべき今「厚労大臣にお任せ」

 26日の衆院予算委員会で本多平直議員が菅首相に突きつけた質問は愉快でした。菅首相が2010年民主党政権下に野党として、疑惑議員に対する厳しい処分を求めた議事録を紹介していました。翻って今、疑惑の渦中の自民党議員があまた居る中「この時のあなたは、どこに?」とグサリ。尾張おっぺけぺーさんが腕をふるって動画にされています。続いて27日、石橋通宏議員が後を受けるように、河井案里議員の国会登院日数と議員歳費を尋ねました。2019年は10日、2020年は35日のお勤め。歳費は2019年853万7,195円、2020年は1,974万3,205円で、この2年間で河井案里議員には一日当たり90万円の国民の税金が支給されていました。石橋議員は「河井案里議員は議員辞職をすべきではないか?」とでっかいブーメランを菅首相にお見舞いしました。
石橋議員はこの後も感染対策など良い質問をされましたが、特に雇用と生活支援の質問では、参考人にNPO法人もやい理事長の大西連氏を招き、支援現場の実情を国会の場に乗せました。政府が「やっている」と胸を張る支援の網から漏れている人々は多く、緊急小口資金など貸付では将来のリスクを背負わせてしまう。また菅首相が勧めた生活保護制度は「扶養照会」の手続きが大きなネックとなり、利用が進まない現状を訴えました。利用者がためらわないためにも扶養照会は行わないように要望しました。また大西氏は、今、有効な支援は定額給付金のような現金給付、そして失業者支援だと訴えました。これらを受け石橋議員は、自死にまで追い詰められた女性対象者90万人に休業支援金を確実に届けるよう「総理の判断で決めてほしい、約束してほしい」と菅首相に強く迫りました。
 菅首相は「田村大臣の判断に任せます」と冷淡に答えていました。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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配信元)
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国会で「参考人」として話してきたこと
引用元)
(前略)

(質問) 今、緊急事態宣言が再発令されている中で、国の緊急支援として、何が必要だと考えるか?

一つは、10万円の定額給付金のような現金給付をする方法がある。多くの世帯が助かる
また、個人的には一律給付がいいと思うが、低所得者向けの給付も効果がある。そして、子どもがいる家庭に現金給付するなどの方法もある。子どもの進学や就学にとって今の時期はとても重要。経済的なダメージにより進学をあきらめたり進学先を変えざるを得なくなるのは社会的な損失でもある。

次に、失業者への支援。失業給付の受給資格の拡大や、給付付き職業訓練を拡大することが大切。窓口の縦割りの問題もあるし、制度申請がオンラインでできないなどの問題もある。
(中略)
一方で、緊急小口資金等について増やしていくことは難しい。「貸付」はあくまで「貸付」
(中略)
このように、生活保護の手前に「貸付」や期間限定の支援制度ではない、給付や生活再建まで、といった、しっかりとしたセーフティネットをはることが大切

そして、生活保護。扶養照会について、おこなわない取り扱いにするなどの方策をとって、 利用できる経済状況の方が利用をためらわないようにしていくことが必要
(以下略)

「抱撲」奥田知志氏と「サイボウズ」青野慶久氏の対談 〜 「自立について」そしてその先にある「幸福について」

 あけましておめでとうございます。
幸福な一年になるような記事を選びたいな、と思っている時に見つけた動画です。「抱撲」というNPO法人があります。リーマンショック時よりも深刻と言われる今のコロナ禍不況で、社会的に弱い立場の人々が命の危機に直面する事態をなんとか防ぎたい、「自己責任」と言って切り捨ててはならないとクラウドファンディングを開始され、目標額1億円を上回る、1億1,500万円を1万人の人々が寄付しました。これにより全国で126件の支援付き住宅を確保し、家を失った人に繋いでいるとの報告がありました。寄付された1万人の人々は、いつか自分が困った時にも支え合える社会にと、当事者として寄付された方が多かったそうです。
 その抱撲の理事長、奥田知志氏とサイボウズ社長の青野慶久氏が「自立」と人との繋がりを語っておられました。「自立」を語るうち、その先にある「幸福」とは?という話になります。幸福という「目的」と、幸福になるための「手段」が混乱している現代に、コロナ禍が本来の目的を問い直している、本来の幸福に立ち返ろうと結ばれています。要点だけを書こうと思っていましたが、どの会話も落とすのが惜しく、ほとんど書き起こしてしまいました。
 映像配信で「幸福」について、「波動」高く暮らすことの大切さを学んでいると、するりと腑に落ちるお話でした。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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奥田知志 サイボウズ青野社長と語る 「#自立とは何か?」
配信元)


(0:40〜)
抱撲の活動
 抱撲は、32年前からおにぎりと豚汁持って路上生活者を訪ねて回り、住まいの手配や命を守る活動をしてきた。しかし家を手配できた野宿者が「自立」した後、ポツンと部屋で一人の姿を見ると、これでは路上にいた姿と変わらない。何が解決できて、何が解決できていないのか。この人には何が必要なのか、ハウスでは満たされない、ホームが必要。ハウスレスは経済的困窮、ホームレスは社会的孤立。
今や日本社会がホームレスという路上に追いついた時代になった
ホームレスは全てを失う状態、家がない、お金がない、そして希望がない。もう一度希望の火を灯すのは人間しかない。支援の形を縦割りで考えるのではなく、一つ一つの出会いの中で支援の形を広げてきた。子供、高齢者、ホームレス、困窮者、就労、障害福祉、刑務所出所者の支援にも及ぶ。

(10:50〜)
政権「自助」を言うのであればヘルプサインに気づく情報共有が必要
奥)組織の中で情報共有していくキントーンというサイボウズのシステムを導入している。トップは幹部と話すことが多いが、このシステムで全員に語りかけることができるようになった。
今日のテーマは「自立とは何か?」
菅政権の「自助 共助 公助」、「自分でできることは基本的には自分でやる。自分でできなくなったら家族や地域に協力してもらう。それもできなくなったら必ず国が守ってくれる。信頼される国づくりをする。」という表明があった。
これについてどう思うか?

(14:50〜)
青)自助で倒れてしまってから助けを求めるのは「間に合ってないやん」。めちゃくちゃリカバリーコストがかかる。公助が出るときには自分もまわりも潰れている。もしもその順番で並べるのであれば、きちんとした情報共有ができていて、誰が困っていて、誰が困りそうなのかを把握できていなければいけない。私たちの会社の中でも、普段から声かけ、情報を把握する。自助、共助はちゃんとフォローできる体制を作ってから言うべき

奥)日本は、自分から弱音を吐けない、助けを求められない。客観的に把握できるような情報共有が必要だろう。

青)私たちの会社のキントーンは自治体と一緒になって、虐待児、虐待防止に無料で活用している。虐待されている子供は誰に相談して良いかわからない。近隣の人たち、学校の先生、児相、病院がそれぞれ少しずつ情報を持っているけれども共有されていないので、「あれ、おかしい」と気づくのが遅くなる。ファックスや筆記で情報をやりとりし、引越しなどでデータは引き継がれなくなる。子供の辛い状況が続く。インターネットという手段があるのに使われていない。自助、共助というのであれば、インターネットの技術を使ってしっかり情報共有の形を作れと言いたい。
事実上、気づかなければ助けに行けるはずがない。共助できない
見えにくいトラブルはますます気づけない。周りは知らずに生きている。

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当然の権利として「生活保護制度に頼る」という選択肢を忘れずに 〜 申請の意思を明確にする「フミダン」という申請システムが便利

 コロナの影響で解雇や雇い止めにあう人々は7万5000人に及び、とりわけ20代から40代の女性の自殺者が急増していると報じられています。そしてその背後に生活困窮に陥る女性たちも急増していることがうかがわれます。先進国とは思えぬ非常事態にもかかわらず、政府の緊急経済対策は不十分で行き渡っていません。若い方々が自分を責めて絶望することのないよう「社会福祉制度に頼るという選択肢」を知ってほしいと思います。当然の権利として「公助」を十分に活用してほしい。生活保護を申請する際に最も大事なことは「申請をします」という意思表示をすることだそうです。福祉課での相談によってSOSが伝わっていても、申請の意思が認められなければ保護開始にならないそうです。
 ところが申請窓口によっては、意図的に生活保護の申請者を追い返したり、たらい回しにする「水際作戦」が問題になっています。そこで一般社団法人つくろい東京ファンドは、「フミダン」という独自の生活保護申請支援システムを開発しました。これならば否応もなく申請の意思を明確に示すことができます。行政側もスムーズな対応が可能です。本来は国が構築すべきものですが、厚労省の申請オンライン化への取り組みはまだまだ「未定」のようで、フミダンで入力した後はFAXでの申請となるそうです。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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配信元)

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コロナ禍で打撃を受ける女性たち 〜 そもそも多くの女性が非正規雇用にされた上に、国の社会保障は弱い「自助の日本」

 日本の女性の自殺率が急増しているというニュースや、生活苦が理由で組織的な売春に関わり逮捕された女性たちのニュースが続きます。信じがたいほど女性が苦しんでいます。先日、NHKの番組で、コロナ禍によって追い詰められているのが女性であることをデータを元に伝えたそうです。それによると、コロナの緊急事態宣言以降、失業した女性は男性の約2倍、解雇・雇い止めにあった女性の再就職も男性ほどには進んでいません。コロナで打撃を受けた業種が飲食、宿泊、サービス業など女性が働く割合が高いことも理由にあるそうです。また雇用されていても月収が3割以上減少した人は女性の方が多くなっています。このような雇用の不安定さは、多くの女性が非正規雇用で働いていることが原因となっています。本来、非正規雇用であっても法律や支援制度によって保護されるべきですが、現状は全く機能していないために、自助を強要され、希望が持てず精神的に追い詰められるケースが多いそうです。
 そもそも2013年の国の成長戦略「女性活躍推進」によって増加した雇用の7割は、不安定な非正規雇用でした。できた当初から女性を「輝かせる」気がなかったのです。藤田孝典氏は「政府も経団連も女性の非正規雇用を推奨してきたのだから、せめて雇用の不安定さを社会保障で補うべき」と指摘しています。けれども日本はずっと社会保障が弱く、あげくに「公助より自助」政権ですから貧困に対処しきれていません。生活が苦しいのは女性たちのせいではなく、単に政治の無能が原因です。元記事では「死を考える前に信頼できる人やNPOに相談してほしい」「諦めずに相談してみてほしい」「あなたは一人ではない」とありました。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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配信元)
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NHKスペシャル「コロナ危機 女性にいま何が」 データ集
引用元)
(前略)
日本経済に深刻な打撃を与えている新型コロナウイルス。特に大きな影響を受けているのが女性たちの雇用です。緊急事態宣言が出された直後、仕事を失った人は男性32万人に対し、女性は、倍以上の74万人にのぼりました

自殺者の数も10月は去年と同じ月に比べ男性が21.7%増、女性が82.8%増と、女性が特に増えています。(厚生労働省まとめ)
(中略) 女性の雇用の悪化は、女性だけの問題にとどまりません。家族にも大きな影響を与えています。

近年急増している「共働き世帯」。いまでは「専業主婦世帯」の2倍以上となり、1200万世帯を超えています。共働き世帯で、女性の収入が占める割合は平均30%にのぼり、家計にとってなくてはなりません。
(中略)
2013年、国は成長戦略のひとつに「女性活躍推進」を掲げました。2年後には法律も成立し、去年までの7年間で女性の雇用は340万人増加しました。しかし、その7割は不安定な非正規雇用でした。そこを新型コロナが直撃しました
(中略) データからは、女性の雇用の回復が進んでいない実態も浮き彫りになりました。解雇・雇い止めにあった女性のうち、再就職できていない人は33%に上っています。
(以下略)

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渋谷のホームレス女性殺害事件から 〜 「周りにいる困っている人にどう声をかけたらいいか」現場を知る人のツイート

 東京渋谷区のバス停で、ホームレスの女性がいわれもなく殴られて死亡した事件がありました。加害者は近くに住む46歳の男性で、NHKの報じるところでは「ベランダの窓から見える世界がすべて」という生活をしていたと言います。見知らぬ女性に対して「痛い思いをさせればいなくなると思った」と語ったところから、気持ちが荒んでいたことがうかがえます。一方女性は、夏からずっと夜間をバス停で過ごしていたそうです。加害者も被害者も日本の追い詰められた人々を象徴するような事件です。コロナ第3波に向かう中、政治が適切な支援をしなかった場合、路頭に迷う人が激増すると予測されています。
 近所の人々はホームレスの女性の存在に気づいていました。「もしも自分が近所にいたら、どうすればよかったのか」と後悔に似た思いを持った人が少なからずいたようで、それに応えるように拡散希望のツイートがありました。とても長いですが、とても参考になりました。ツイートをされた池田幸代・駒ヶ根市議は、ずっと福祉分野で奮闘して来られた方でした。福島瑞穂議員の公設秘書もされていたらしく、まっすぐな福島議員が「まっすぐな女性」と褒めておられました。
 「困っている人に関わることはそれは大変なこと。」と。ウソをつかれたり、約束を反故にされたり、振り回されたり、お金がかかったり、、。それでも本人や周囲の人々がさらに困った状態にならないよう、みんなが少しづつ力を持ち寄って手助けができれば。支え合える世の中は、きっと自分自身も生きやすいです。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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「痛い思いさせればいなくなると思った」路上生活女性殺害事件
引用元)
今月16日東京 渋谷区のバス停で、路上生活をしていた女性が殴られて死亡した事件で、警視庁は、交番に出頭してきた近くに住む46歳の男を傷害致死の疑いで逮捕しました。調べに対して、「痛い思いをさせればいなくなると思った」などと供述しているということです。
(中略)
「容疑者はいったんは就職したものの、その後、仕事をやめ、実家の酒店で空き瓶の回収などの作業を手伝っていました。最近はあまり見かけなくなりましたが、会えば挨拶などをしてくれる穏やかな男性という印象なので、逮捕されたと聞いて驚いています」と話していました。
(中略)
ことしの8月くらいからバス停に座る女性の姿を見かけるようになりました。深夜の営業が終わり、午前2時ごろに店の片付けをしていると女性がバス停にやってきて、始発のバスが来る前にどこかへいなくなっていました(中略) (以下略)
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配信元)

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