アーカイブ: 野草

[第43回] 地球の鼓動・野草便り 冬には冬の植物で


冬には冬の植物で

冬になると庭木の剪定の枝が色々あります。無農薬無肥料なので、それを大切にいただいています。

今年驚いたのは椿の葉っぱがお茶にすると美味しいのです。さすがお茶と同属だけのことはあります。茶の木、サザンカともにツバキ属です。
花も葉も滋養強壮や健胃、整腸作用があり、生葉は傷やおできなどにも効くようです。椿の実からできる椿油は酸化しにくく、粘着性も少ない油で、そのままで整髪や肌に使えます。花に少し苦味があり、散った花や散りそうな花を天ぷらでいただきますが、実も苦味があるので、そのまま食べるのは難しそうです。

椿


茶の木の実やサザンカの実からも油がとれます。茶の実油(ティー・オイル)も香ばしく美味しい油だそうです。薬効成分の中に魚毒などにしていたサポニンがありますが、人間には少量なので、去痰、抗炎症などの薬効成分となるようです。サザンカも椿と同じようにいただけます。

山茶花(サザンカ)の花


新芽をお茶にすると香りが良く、香袋にもしていたそうです。花もほんのり甘い香がします。まだいただいたことはありませんが、椿もサザンカも乾燥した花を刻んでお湯を注いでいただくといいようです。

近年海外でも人気のお茶の効能は抗菌、抗酸化、抗ウィルス、抗アレルギー、高血圧予防、糖尿病予防、動脈硬化予防、脳、神経機能、腸などにも有効だそうです。


茶の実の殻



ただし、ヨーロッパなどの残留農薬基準を満たすお茶は、ほとんどないのが現実だとか。日本では普通に市販されていますが・・・。
(シャンティ・フーラおすすめの「しもやま農産のお茶」は無農薬で貴重ですね。)

剪定されたナンテンも咳止め、滋養強壮になり、お茶に少しづつ混ぜていただいています。松なども体を温めるので、冬のお茶に最適です。
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[第42回] 地球の鼓動・野草便り 虫と植物


虫と植物

虫が卵を産んだり、越冬する場所を観察すると、草刈りをせず、種が出来ている草陰や、剪定しても焼却せず放置してある倒木の枝など、今の田舎ではほとんどない、我が家ならではの場所です。

草刈りをされる要因はいろいろですが、中山間地域の補助金というのがあり、草を綺麗に刈っていなければ、下りないのです。それにお互い草を生やすことが恥というように、神経質にもなっておられるようです。過疎化対策もあり、町の美化の為にと、年に数回も草刈りを徹底的にされます。あるいは定期的に除草剤を撒かれます。
草を生やすと害虫や蛇の温床になると思い込んでおられるのかもしれません。

ところが自然はバランス良く出来ていて、虫は鳥の餌になったり、カエル、トンボ、クモなども虫を食べるので、人間が農薬や化学肥料などまかなければ、また窒素過多の不健全な土壌にしなければ、害虫の被害はほとんどありません。蛇も意外と草刈りされた日当たりの良い、ちょうどピクニックにお弁当を座って食べるような場所を好むようです。

私の子供の頃は、道路脇に草がいっぱい生えていて、草で遊びながら歩いていました。
草や虫がこれほどまでに目の敵にされるようになったのは、いつ頃からでしょうか?

ほんとに人間のことしか考えていませんね。それも経済優先ではなく、本当の意味で人間のことを考えれば、微生物がたくさんいる健全な土壌に、草や虫、鳥や動物がたくさんいる豊かな生態系の自然のある方が、人間にとっても健全で良い環境だとわかるはずなのですが。

ヒカゲチョウの脱け殻がありました。家の石垣の側に生えているジュズダマの葉裏についていました。

ヒカゲチョウの蛹の脱け殻


同じジュズダマの近くの葉には、越冬中と思われるヒカゲチョウの新しい蛹がありました。

ヒカゲチョウの蛹


桑の木が大きくなりすぎて、小屋の屋根を壊しそうで伐らなくてはいけなかったのですが、切り倒された太い幹から新しい芽が出ていました。その木にゴマダラカミキリが卵を産み付けていました。

ゴマダラカミキリの産卵


近くの枝にはカタツムリが棲み着いています。12月になって雪が降り始めた頃のことです。
夏には、バケツ稲にトンボが来たり、カエルが棲み着いていたり、年中色々な鳥もやってきます。

カタツムリ


ちょっと呆れられるような庭ですが、お気に入りの草が、かわいい花を咲かせ、何種類もの蜂や蝶が来て蜜を吸い、受粉して種をつけます。草の実は鳥のご馳走になり、虫の食事になり、残りの種がまた来年の草になります。

植物の生え方を見ていると、植物同士のコミュニケーションがあり、棲み分けているような気がします。単純に勢力争いをしているようには見えません。虫ともコミュニケーションがあり、自然界はみんな意思疎通があるのではないかと見えてきます。人間の感受性が退化して、自然との意思疎通ができなくなったのかなと思います。
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[第41回] 地球の鼓動・野草便り 主食になってきた植物たち


主食になってきた植物たち

ジュズダマとハトムギは稲が渡来する前は主食にしていたようです。ジュズダマはうるち米でハトムギはもち米に性質が似ています。見た目はよく似ているのですが、花や実が上を向いてつくのがジュズダマで、ハトムギはやや垂れ下がっています。

ジュズダマ


薬効も似ていて、ハトムギは胃、十二指腸潰瘍、下痢、むくみ、小便不利、神経痛、リュウマチ、美容、美肌、こしけ、胃がん、食道がん、腫瘍抑制効果、慢性胃腸病、健胃、解熱、解毒、かいよう、疼痛性身体麻痺、母乳増進、整腸などに効くとされています。

ジュズダマよりハトムギの方が殻がやや柔らかく、薬効も高いようです。硬いジュズダマの実もお茶に煎じると殻が剥きやすくなりますので、中実をいただけます。ジュズダマ、ハトムギは東南アジア原産で、古代に渡来した人が持ち込んだと言われています。その後稲が渡来して食べられなくなったようです。

ジュズダマの殻は硬くて、ジャラジャラと音がしてお手玉にしたり、芯を抜いて糸を通して首飾りにして遊んでいました。108個つなげれば、お数珠ですね。
いざという時には非常食にもなります。昔はクズ小豆で作ったりもしていましたが、枕やお手玉に非常食を用意しておくのは昔の人の知恵ですね。

蕎麦枕に蕎麦殻ではなく、そのままの実を入れて種にとっておいたのを9年後にいただいて、蒔いたらちゃんと芽がでてきました。ソバはお盆頃にその年の稲の出来をみて、良くないのを確認してからでも間に合うとか。夏ソバと秋ソバがあり、新蕎麦は秋ソバで作り、香りも高いのだそうです。

ソバの花


ソバは奈良時代以前から栽培されていて、中国、朝鮮半島を経て渡来したそうです。ソバには毛細血管の浸透性を高めるルチンが多く、高血圧症に良いのですが、実だけでなく葉茎根、全草に含まれていて乾燥させて茶材にすると良いようです。ただし、一般の食用のソバにはルチンは含まれていないとか。米、麦、などの主食がイネ科なのに対してソバはタデ科です。

トウモロコシもイネ科で、日本には織田信長の時代にカボチャの種とともに入ってきたそうです。原産地は南アメリカで、古くはインカやマヤの遺跡からも発見されていて、品種は数千種にものぼり、世界中で栽培されています。薬効は雌花のヒゲ状の長い花柱にあり、乾燥させてお茶に常用できます。

便秘、肝炎、胆石、胆のう疾患、黄疸、糖尿病、糖尿病合併症、むくみ、小便不利、腎機能の改善、すぐれた利尿作用、血圧降下、末梢血管拡張作用があり、ヒゲを発酵させたものには、顕著な血糖値降下作用があるそうです。毒性や副作用がなく、妊娠時のむくみにも良いそうです。

これほどすぐれたトウモロコシですが、残念ながら最近は遺伝子操作などで、殺虫成分や除草剤耐性、はては植物なのに毒虫(動物)の遺伝子を組み込んだりと、恐ろしい食品になっているようです。

市場に出回っているトウモロコシの加工食品はほとんどが遺伝子組み替えかもしれません。それに加え家畜の飼料のほとんどが遺伝子組み換えで、それらを食べた家畜の肉にも含まれるのです。

昔からある素朴なトウモロコシの種があれば、大切に育てて毎年種取りをしたいものです。自家採種の種屋さんに野口種苗たねの森があり、種の交換会などで、経営者の方のお話を聞いたことがあります。信念をもって種を守ってくださっています。

この他にもドングリなどの木の実やアンズなどの果物の種も主食になり、ミネラルや栄養分、薬効も高い優れた植物を先人たちが食べてきたのがわかります。 それに引き換え、現代は経済優先社会の嗜好性や見た目に惑わされ、大事な命を育む本能までも失いかけているのかもしれません。まずは生のお米の味を確かめてみるのはいかがでしょうか?



ちなみに、稲の薬効は糖尿病予防などですが、なんと稲の株根が薬になるのだそうです。(もちろん無農薬、無化学肥料、無除草剤の)稲の根を煎じて母乳の出を良くするのに用いていたそうです。薬効は古代米の赤米や黒米の方が高く、生活習慣病、動脈硬化予防、糖尿病改善、体力増強、貧血改善、疲労回復、便秘解消、美肌作用。また、ポリフェノール、B2、E、ナイアシン、葉酸などのビタミン類、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄などのミネラル類、食物繊維などを多く含み、長寿食、美容食として優れているそうです。

普通の米でも玄米は完全栄養食といわれます。しかしほとんどが白米に精製してしまいます。実は先日、島根県奥出雲産の新米の白米をもらってしまいました。

日頃玄米食なので、美味しそうと思ってしまいました。早速炊いていただくと、美味しいのですが、物足りなくて、体が満足しません。エネルギー不足な感じです。生きて芽を出す玄米とのエネルギーの差は歴然です。

とはいえ、お寿司にはやはり白米の方が合う気がします。そこで冬のご馳走のセリを使ってちらし寿司を作りました。

セリ


ちらし寿司といっても具は全部生で、炊いたご飯に混ぜるだけの超簡単(手抜き?)お寿司です。こんな時、ミョウガの梅酢漬けや生姜の梅酢漬けが重宝します。

ミョウガと生姜の梅酢漬け


桜の花の塩漬けも香りが良くて飾りに使います。ニンジン、ゴボウ、レンコンなども全部生で刻んで軽く塩をします。椎茸も生を刻みます。蜂蜜で甘みをつけて、手作りの柿酢や松葉酢、梅酢などで味付けして全部を混ぜるだけです。白米のエネルギー不足を補って美味しくいただきました。

ちらし寿司(具材は全部生)



yasou
自然賛歌

柿の木に朝日

柿の木にノキシノブ

ニャンコの足跡



アヤメの種に綿帽子



アメリカセンダングサの種に綿帽子

猫じゃらし(エノコログサ)にも綿帽子




ナンテンの実



スズランの実(有毒)



コゴミ(クサソテツ)の花



グミの葉っぱに誰かの食痕





■ 参考文献

イー薬草・ドット・コム
「大地の薬箱 食べる薬草事典」 村上光太郎/著 農文協
「カラダ改善研究所 自然のチカラいただきます」中村臣市郎/監修 西日本新聞社



ライター

ニャンニャン母さんプロフィール

ニャンニャン母さん

プロフィール:1955年魚座生まれ、広島の県北 中山間地域在住、
体癖はおそらく2ー3種

20代の頃「複合汚染」有吉佐和子/著 を読んで、食の環境悪化を考えた時、野草を食べることを思いつき、食料としての野草研究を始める。
全くの素人ながら、健康住宅の設計事務所に入社し、健康住宅を学ぶ。
残された人生と限られた時間について気付かされ、仕事を辞め、自給自足を目指す。
平成22年頃、古民家を借り、Iターン。野草教室を開催。
「古民家カフェ・むす日」「山のくらしえん・わはは」「クリエイティブ・アロマ」等にて野草教室。

現在、野草好きになった87歳の母と、無関心な33歳の長男と猫3匹と暮らしています。

[第40回] 地球の鼓動・野草便り 赤い実


赤い実

ボンボリをぶら下げたような赤い実のサネカズラがありました。滋養強壮になり、食べることができますが、味がほとんどありませんので、美味しいものではありません。焼酎漬けや蜂蜜漬けにしていただきます。

サネカズラ


サネカズラは別名美男蔓といい、蔓を細かく切って水に浸けておき整髪料に使っていたのだそうです。粘りが出るのと、髪に良い成分があるようです。

庭などに植えられているサンザシの赤い実も薬効が高く、中国ではこの実から作ったお菓子があります。 赤く目立つ色の実を、鳥がついばんでフンとともに種を運びます。

カンボクという木の赤い実は毒があるのですが、ちょうど食べるものがなくなる2月頃になると毒が消えて、鳥のご馳走になります。

わたしは秋に美味しそうと一粒いただいたことがあります。甘酸っぱくて、そう言われると少し毒っぽかったかな・・・。弱い毒性でなんともなくて良かったのですが、知らないものは食べるものではありませんね・・・。見た目だけではわかりません。

ピラカンサ(トキワサンザシ属)も最初は毒性があり、2月の終わり頃になると消えるようです。そういえばまだ鳥が食べませんね。ヒヨドリが好むヒヨドリジョウゴなども毒性があり、遅くまで残っているのですが、いつの間にかなくなるのは、毒性がきえるのかもしれません。

ピラカンサ(トキワサンザシ属)


庭にあるオモトやスズランなどの赤い実は毒性が強く、毒性は消えないのではないかと思います。毒成分も外用、乾燥、酢漬けなどで薬として利用できるものもありますが、素人には難しそうです。

この他にも薬効が高い赤い実はいろいろあります。薬効が高いものほど少量をいただく方が無難です。 ナンテン、サンキライ(サルトリイバラ)、ガマズミ、ナナカマド、マンリョウ、ヤブコウジ、クコ、ノイバラ。薬効を見て必要なものを少しいただき、鳥たちに残しておきます。



  1. サネカズラ・・・滋養強壮、せき、たん、外傷
  2. サンザシ・・・下痢、消化不良、強い抗酸化
  3. サンシュユ・・・めまい、滋養強壮、インポテンツ、頻尿、夜尿症
  4. ナンテン・・・滋養強壮、せき、たん、喘息、百日咳、黄疸、頭痛、虫刺され、視力低下
  5. サンキライ(サルトリイバラ)・・・はれもの、できもの、むくみ、各種がん治療
  6. ガマズミ・・・疲労回復、利尿
  7. ナナカマド・・・蜂蜜とアルコールで薬酒に、樹皮が疥癬、あせも
  8. クコ・・・滋養強壮、せき、たん、糖尿病、糖尿病合併症、高血圧症、疲労回復
  9. ノイバラ・・・利尿、下剤、アルコールに漬けて腎臓病、解毒、解熱、便秘などに。煎じ液でおでき、ニキビ、腫れ物などの洗浄に。
  10. ヤブコウジ(十両)・・・気管支炎、せき、たん、湿疹、はれもの、できもの
  11. カラタチバナ(百両)(ヤブコウジ属)・・・食用、果実酒
  12. センリョウ(千両)(センリョウ属)・・・風邪、リュウマチ、神経痛、打撲傷、関節炎
  13. マンリョウ(万両)(ヤブコウジ属)・・・解毒、扁桃腺、打撲、瘀血、肝臓病、去痰、咳止め




yasou
自然賛歌

ツルウメモドキの種

マユミの種(有毒)材が弓を作るのに使われた


アオツヅラフジの実

キカラスウリの実





ヤブムラサキ(ムラサキシキブの仲間)の実

モクレンの蕾


ツワブキの種・・・常緑で花期は秋




リキュウバイ(マルバヤナギザクラ)の種



ヒメレンゲゴケとヤグラゴケ?


松の古木の地衣類ウメノキゴケ等





■ 参考文献

イー薬草・ドット・コム
「大地の薬箱 食べる薬草事典」 村上光太郎/著 農文協
「カラダ改善研究所 自然のチカラいただきます」中村臣市郎/監修 西日本新聞社



ライター

ニャンニャン母さんプロフィール

ニャンニャン母さん

プロフィール:1955年魚座生まれ、広島の県北 中山間地域在住、
体癖はおそらく2ー3種

20代の頃「複合汚染」有吉佐和子/著 を読んで、食の環境悪化を考えた時、野草を食べることを思いつき、食料としての野草研究を始める。
全くの素人ながら、健康住宅の設計事務所に入社し、健康住宅を学ぶ。
残された人生と限られた時間について気付かされ、仕事を辞め、自給自足を目指す。
平成22年頃、古民家を借り、Iターン。野草教室を開催。
「古民家カフェ・むす日」「山のくらしえん・わはは」「クリエイティブ・アロマ」等にて野草教室。

現在、野草好きになった87歳の母と、無関心な33歳の長男と猫3匹と暮らしています。

[第39回] 地球の鼓動・野草便り 長寿健康食


長寿健康食

日本の玄米、雑穀を食べていた頃の食事が一番の長寿食だというアメリカの「マクガバンレポート」はわりと知られていますが、実はもっとも長寿といわれているフンザ小国というのをご存知ですか?

今はパキスタン領になっているようですが、標高5000mの高地に住む民族で、140歳の長老も40~50歳代の若さで、出産も60歳でも可能なのだとか。主食は杏子の種を粉にしたもので、自然農の貧弱な野菜に漢方薬の草木の根や葉や実を食べたり飲んだりしているそうです。

こういう現代社会に不都合な情報は隠されているようですね。
フンザ小国をインターネットで調べると、なんとあのジブリの名作「風の谷のナウシカ」のモデルになった国だそうですよ。


「市民皆農」の本の中で90代の中島正さんの長寿健康食を紹介してあります。

生食が自然の生態・・・1日に杯1杯ほどの玄米や小麦を、80歳までは生で噛んでいて、歯の噛み合わせが悪くなってからは、玄米粉や小麦全粒粉、ソバ粉などにハチミツ、黒糖粉と水を入れてクリーム状にして食べていたそうです。

ワカメ、コンブ、ヒジキなど乾物海藻に自家製の柿酢と黒糖で2~3日漬け込んだものは長期保存も可能で、これに黒大豆を一緒に漬け込めば、酢大豆にも。
旬の野菜(ダイコン、ニンジン、ハクサイ、キャベツ、コマツナなど)を刻んだ上に、この漬け込んだ海藻をのせて、柿酢もかけて即席サラダ。

野草、山菜はその土地にもっとも適したものが繁殖しているはずで、身土不二、無農薬、無肥料の超安全な健康食。その上、エンドファイト・・・微生物が植物を病菌や害虫から守り、その植物を食べる動物をも健全にする。

中島正さんは草刈りをするときに、イタドリやスイバ、ハコベ、オオバコ、渋いスギナなども葉をガムのように噛みながらするそうです。すると確かに体調はさわやかとなるようだとか。

イタドリの花(白)


スイバ


ハコベ



また、人間にとっての食性、反食性について、元来人間は、果食動物で、200万年くらい前からは草の実(穀物)、草の葉(野菜)も食性の内に入ったが、「柿が赤くなると医者が青くなる」のように、食性に合致したものを食べていれば病気にならないということを示唆しているのだそうです。

ただし、いくら食べ物に気をつけても、発がん性物質のトリハロメタン(添加された塩素と有機物が結合)が入った水道水や、地球上あまねく拡散されている環境ホルモンなどの影響も言及されています。

環境ホルモンは農薬、ビニール資材に含まれている内分泌撹乱物質で、なんと1兆分の1の濃度(50mプールに1滴)で充分効力を発揮するのだそうです。その効力とは、生殖機能を狂わせる、ことに精子の数が激減。環境ホルモンは脳細胞にも作用して、精神障害や行動異常を引き起こし、さらに免疫機能を狂わせ花粉症やアトピー、がん疾患に対する免疫機能の邪魔をするのだそうです。


60年前まではビニールも農薬もなしで結構農業が成り立っていたのが、小農から大規模農業へ、農業経営や日常生活の支障不便などために、環境ホルモンの脅威は忘却の彼方へと葬り去られて、たとえ人類滅ぶとも農薬やビニールは禁止できないという情けないありさまに・・・。自給自足のためだけでなく、農薬やビニールに頼らなくてもできる小農の重要性がここでも語られています。

政府が奨励している大規模農業よりも、小規模な農業こそが生き残れるのだそうです。


yasou
自然賛歌

タラノキ

クズの種



ノゲシ?の種



ヒメジソの種・・・香りが良くて野生のハーブ

オオマツヨイグサの種

アメリカセンダングサの種・・・動物などにくっついて種を運んでもらう


テッポウユリの種



カタツムリの脱け殻


ヒガンバナの葉(有毒)・・・花が枯れると葉が出てきて冬に養分を蓄え、春には枯れる


みの虫(ミノガの幼虫)・・・軒下の
布団干しにくっついて越冬・・・最近姿を消しつつあり絶滅寸前!




■ 参考文献

イー薬草・ドット・コム
「大地の薬箱 食べる薬草事典」 村上光太郎/著 農文協
「カラダ改善研究所 自然のチカラいただきます」中村臣市郎/監修 西日本新聞社



ライター

ニャンニャン母さんプロフィール

ニャンニャン母さん

プロフィール:1955年魚座生まれ、広島の県北 中山間地域在住、
体癖はおそらく2ー3種

20代の頃「複合汚染」有吉佐和子/著 を読んで、食の環境悪化を考えた時、野草を食べることを思いつき、食料としての野草研究を始める。
全くの素人ながら、健康住宅の設計事務所に入社し、健康住宅を学ぶ。
残された人生と限られた時間について気付かされ、仕事を辞め、自給自足を目指す。
平成22年頃、古民家を借り、Iターン。野草教室を開催。
「古民家カフェ・むす日」「山のくらしえん・わはは」「クリエイティブ・アロマ」等にて野草教室。

現在、野草好きになった87歳の母と、無関心な33歳の長男と猫3匹と暮らしています。