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[山田正彦氏・堤未果氏] 日本の農業の未来は「オーガニック給食」が突破口に / 官邸主導の農水事務次官「私は農水省を潰すためにやってきた」

読者の方からの情報です。
 日本政府は、日本の米作りを破壊するつもりなのかと憤慨していたところ、読者の方から希望のある動画が届きました。山田正彦氏と堤未果氏の対談です。最初は、時事ブログでもしばしば取り上げたオーガニック給食について、全国の自治体やJAで前向きな取り組みが出てきたことを話されています。日本は有機農法先進国で多様な技術があり、収益が上がることがはっきりしてきたところで、全国の市町村が続々とオーガニック給食を始めているそうです。日本の農政はトップダウンでやってきましたが、実は「市町村が自分で決めてルール化できる」裁量権があり、ボトムアップも可能だそうです。母親たちの草の根活動で有機栽培農家と繋がり、地方議員と繋がり、自治体を動かしたところも紹介されていました。オーガニック給食が成功している自治体は首長が理解があることも見逃せません。今後、私たちがどのような首長を選ぶかが大きなポイントです。
 21:20あたりから農水省内部のことが語られます。そう言えば、以前、鈴木宣弘教授もここで経産省の農水潰しを語っておられました。「農水省は国土を守るとか国を守るとか特別な機能があるなどというバカな考えはやめて、巨大企業の利益になるかどうかで考えろという政権の力が強くなって、官邸から農水省は弾き飛ばされて、農水省は経産省の一部にする、という案が今でも実際に動いているんですけど(14:45〜)。」
農水省といつも戦ってきたのが経産省。安倍政権になって乗り込んできた奥原正明農水事務次官が「私は農水省を潰すためにやってきた。農水は経産省の一農水局で良い」と言い放ち、EUとの酪農交渉などないがしろにしました。畜産部長や課長が農政を守るために直接、当時の菅官房長官に直談判しました。すると菅官房長官は「お前さんたちが辞めればいいじゃないか」と一言。これが官邸主導です。しかも官邸の参事官には多国籍企業の人間が多く入っていたと。農水省で本当に心ある、農業のことを考え、食の安全を考える人たちもいるけれども、表立って何も言えない状況になっているそうです。「私たちが外から、その心ある官僚を応援することはできるのでしょうか」と堤氏が問うと、「まず、学校給食を有機にしてしまいましょう。」との答えでした。文科省とタッグを組んで、まずそこから攻めてゆく突破口を示されました。
 日本の農業を変え得るのは売国奴政府ではなく、地域からの私たちの声でした。
(まのじ)
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【堤未果の出版記念対談】元農林水産大臣が登場 日本の食の主権を取り戻せ 堤未果×山田正彦
配信元)

「慣行農法」「有機農法」「自然栽培・自然農・自然農法」の違い ~土が健康だと、不耕起・無農薬・無肥料・無除草で虫のつかない立派な野菜が出来る

竹下雅敏氏からの情報です。
 冒頭の動画で、社団法人「生命の食」代表理事の吉田哲也氏は、“我々の自然栽培とか自然農法っていうのは、一切、肥料は使いません。当然農薬も科学的なものを、除草剤含めて一切使わないですね(1分50秒)。…僕らが出来ることは、早く草が大きくなると日陰になっちゃうんで、お野菜が。光合成の妨げになるので、途中でこのカマ1本でカットするだけ、切るだけ。抜くんじゃないんですよ。…野菜がある程度大きくなると…もう今度刈る必要もないんです。季節季節で草っていうのは、入れ替わります。枯れます。その時に、我々は刈るってことはあえてしません。足で踏み倒します。踏み倒すだけで、もう野菜たちの成長の方が早くなりますから。…一切の水やりもいらないし、耕すこともいらない(3分33秒)”と言っています。
 慣行農法では、きゅうりとかトマトなどの夏野菜に使う化学肥料や農薬を、最低でも50~60回は使っているし、ハウス物だともっと使っている(5分10秒)ので、それだけお金も労力もかかる。使えば使う程、微生物は死んで行くので、死んだ土の中で野菜を育てるために化学肥料や有機肥料も必要になる。
 微生物を再生させ活性化させる方法はいろいろあるが、例えば、納豆を食べた時に、納豆のパックには納豆菌が残っているので、ぬるま湯を入れてかき混ぜて、その水を与える。その時に、土の上にかぶせた刈った草の上に与えると、早く微生物の餌になる(7分25秒)とのことです。
 14分50秒で、“放置されてる年数が長ければ長いほど、それだけ微生物が元気になってます。ですから、できたら長く放置されている雑木林になっているようなところを探してみてください。一般の化学肥料、農薬を使っていると、5年はその毒性が抜けません。…ただ僕らは特殊な、それを短縮する技術を持ってます。…1年か1年半ぐらいまで短縮できます。”と言っています。
 「慣行農法」は農薬、化成肥料を使用しますが、有機農法・自然栽培・自然農・自然農法はそれを使用しません。「有機農法」は、牛・豚・鳥などの糞を発酵させた動物性の堆肥を使用しますが、自然栽培・自然農・自然農法は、動物性の堆肥を使用しません。
 自然栽培全国普及会の「自然栽培の理念」によると、“自然栽培は、一切の肥料・農薬を使用しません。…土の過去を精算するために土層を破壊する目的、ならびに土壌の植物の腐植化、土壌の循環能力を高めるために、耕起は行います”ということです。
 ただ、「自然栽培に明確な定義は特にない」とのことで、“除草・土の耕し・堆肥(牛糞、鶏糞、樹皮)などの細かな作業においては、それぞれの考え方や土地条件によって多少異なる”と書いている所もあります。
 自然農は、“無農薬はもちろん、不耕起と無施肥が基本ですが、原則に囚われすぎず、できるだけ足し算をせず、状況に応じて補い(刈り草の上から米ぬかを少量撒くなど)をすることを許容しています”という記述もあります。
 自然農法は、不耕起・無農薬・無肥料・無除草の栽培方法です。
 自然農法・自然農で作られた野菜の例は、“続きはこちらから”の動画をご覧ください。土が健康だと、不耕起・無農薬・無肥料・無除草で虫のつかない立派な野菜が出来るのですね。
 食糧危機への対応として、問題になるのは慣行農法から自然農法・自然農への転換が簡単にはできないことです。
 最後の動画の4分43秒で、“虫が来たり、徒長するというのは、土壌の栄養バランス、そして土壌に居る微生物のバランスがまだ整っていないということですね。これはですね、まあ考え方の違いなので、これが正しいとは言えないんですけど、我々は待ちます。1年目、2年目は徒長したりとか、それから実が出来なかった、花が咲かなかった、虫にやられたという風になりますけれども、これは自然のままにしておいて、その生態系のバランス、土壌の栄養バランスが整っていくと、自然に出来るようになります。それが約3年から長い場合で7年かかります”と言っています。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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⚠️緊急配信※もうすぐ日本から食料が消える!日々近づく食料危機【SNS拡散希望】#1
配信元)
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実は全部ちがう「有機栽培・自然農法・自然農・自然栽培」
引用元)
(前略)
有機農法」と対極にあるのは、農薬を使用し、化成肥料を使用する「慣行農法」です。
(中略)
対して「有機農法」は、牛・豚・鳥などの糞を発酵させた動物性の堆肥を使用し、それを微生物が分解していくことではじめて植物が吸収できる形になるもの。
(中略)
さて、ここからが本題です。自然農法、自然農、自然栽培と、「自然」がつくものと「有機」は何が違うのでしょうか。
(中略)
動物性の堆肥を入れる有機農法に対して「自然」がつく3つは堆肥を入れないところが大きく違う点です。
(中略)
自然農法」といえば、福岡正信さん(→Wiki)。著書「ワラ一本の革命」で有名な仙人のような方で、この方が「自然農法」という言葉を使ったので、「自然農法=福岡正信さんの提唱した農法」ということになります。肥料は入れないし耕さない。どろだんごにタネを混ぜて土の上に置いておくだけ。
(中略)
そのあと、川口由一さん(→Wiki)という方が「自然農」という言葉を使い、もう少し体系的な農法を提唱します。やはり耕しません。草は抜いても伏せていく。その草が堆積されていき、長い年月をかけてゆっくりゆっくり微生物に分解されていつか肥料になる。
(中略)


さて、最後に残ったのは「自然栽培」です。
(中略)
自然農法は福岡正信さん、自然農は川口由一さんと提唱者が明確に存在していましたが、自然栽培は師匠のような人はいませんし明確な定義もありません。

でも、「自然栽培」を実践する様々な方によって語られていることに共通するのは「耕す」という部分。
(中略)
改めてそれぞれの農法を、人と自然の関係で説明するとこんな感じです。


(以下略)

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日本は危機を克服する技術を既に持っています ~菌ちゃんふぁーむ代表・吉田俊道氏「いっそのこと肥料が無いってなってしまったら、無肥料でやるしかなくなるじゃないですか。…だから逆に地球的にはめちゃくちゃいい状態になるんですよ」

竹下雅敏氏からの情報です。
 明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願い致します。
 2022年10月19日の記事で、東京大学の鈴木宣弘教授は、“もう輸入は止まって来てます。ということで、食糧危機真っただ中というのがですね、今の状況かと思います。…肥料が無いんです。化学肥料の原料は…ほぼ100%海外依存なんです。…日本で有機農業、自然栽培を頑張ってくれている方々は、全体では0.5%の耕地面積です。99.5%の方々は慣行栽培ですね。そこに大打撃が生じる可能性が出てきたというのが、今の状況なわけですね”と言っていました。
 この危機的な状況をどう乗り切るかですが、ピンチはチャンスでもあります。日本は危機を克服する技術を既に持っています。堤未果さんの動画では、菌ちゃんふぁーむ代表・吉田俊道氏の声を聞くことが出来ます。
 吉田俊道氏はひとつめの動画で、“消毒すると、悪い菌を殺したつもりで、1個の悪い菌殺した時に700のいい菌殺してるんですよ、実際は。だから700の微生物と繋がりを切っちゃったら、弱くなるに決まってますから、お野菜も人間も(4分22秒)…もうそろそろ、気付かないといけないけど、なかなかそれは難しい。じゃあ、いっそのこと肥料が無いってなってしまったら、無肥料でやるしかなくなるじゃないですか。…だから逆に地球的にはめちゃくちゃいい状態になるんですよ(11分18秒)…もうそろそろ新しい農業をしてよ、という地球の意思じゃないですかね(12分20秒)”と言っています。
 ふたつめの動画の冒頭、「菌ちゃん農法」は環境再生型農業であることを説明しています。そして、“ウンコが臭い人が煮干しを食べてもダメなんです。畑がまだ十分菌がいないのに、カキガラ石灰入れてもそのカルシウムは吸えないんです。ミネラル吸えないの。微生物と一緒じゃないと吸えないんです、畑では。まったく同じことが人間のお腹の中でも言えちゃうんですね。だから、いいウンコを出して、且つミネラルのあるものを食べると、途端に元気になります(8分30秒)”と言っています。
 妻によく、人間の存在理由を問われ、「いいウンコをすることだよ」と答えていましたが、その事が証明されたように思いました。それと年の初めにウンコの話が出来て良かったです。
 動画の最後のところで吉田俊道氏は、“日本は大丈夫。ほんとに大丈夫。木や竹や草だらけなんだから。そしてもう微生物たっぷりの国で、どんどん発酵型環境になる潜在的な力が日本はあるわけだから、一番うまく行く国なんですよ”と言っています。
 動画で吉田俊道氏の声を聞いているだけで元気になります。オススメの動画です。
 “続きはこちらから”の長周新聞の記事は、2021年3月19日の編集長の記事で既に取り上げています。記事を読むと、自然農法の考え方が良く分かります。また、「虫も微生物もその他のものたちもみな役割があって生きている。虫や病原菌がいたからこそ、この地球は生命にあふれている」という思想は、日本人の原点のように思えます。
 そして、「有機農業の普及は日本が一番遅れているけど、技術は実は進んでいる。そういう意味で近い将来、日本は世界を変えるようなリーダーになるのではないかと思っている」というのは嬉しい言葉です。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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【堤未果の出版記念対談】菌ちゃん先生に学ぶ自然農法〜雑草・害虫・雑菌と生きる力
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【堤未果の出版記念対談】菌と微生物が日本を救う?「農業大国」日本への道
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東京大学の鈴木宣弘教授「実際の自給率は38%どころか、10%あるかないか、それほど我々は、もし物流が止まったら国民の命を守れない…物凄い勢いで日本の農業消滅が進みそうだというのが今の現実です。」

竹下雅敏氏からの情報です。
 今日の編集長の記事で、「2023年は、お米が店頭から消えるのではないか」という予想がありました。
 東京大学の鈴木宣弘教授は、“種の自給率、野菜は10%、化学肥料の自給率ほぼ0%、これらを加味すれば、実際の自給率は38%どころか、10%あるかないか、それほど我々は、もし物流が止まったら国民の命を守れない、とてもとても脆弱な薄い氷の上に生きているんだということが、今こそ認識されないといけない。…もうこの半年で酪農家さんの9割が、他の稲作農家さんもですね、含めて、物凄い勢いで日本の農業消滅が進みそうだというのが今の現実です。このような形で日本の国内農業が消滅し、食料生産が消滅していく中で、それを放置して、そして本当に台湾有事など物流が止まるような事態がですね、加速して起こったらどうなりますか。本当に日本の皆さんは餓死する、これが目の前に来ているわけですよね。一方で防衛費は5年で43兆円とか、増税してでも増やす、勇ましい議論は非常に盛んにおこなわれている…食糧を持たずに武器だけ持っても、まず兵糧攻めで戦う前に一貫の終わりなんですよね。…今一番重要なのは、食料を守る事です。…私が提唱してる「食料安全保障推進法」というような議員立法を超党派で作ってですね、それで数兆円規模の予算を財務省の枠を超えて即刻出せるようにすると、それから川田龍平先生や堤未果さんが頑張ってるですね、地域の種から守る循環型食糧需給、地域のいい種を守ってそこで頑張っている農家さんをですね、学校給食の公共調達などでしっかり支える、そのために国がしっかりと予算をつけるというですね、このローカルフード法、こういうものをですね、合わせて何とか今成立させないとですね、日本が持たない”と言っています。
 鈴木宣弘教授の講演をまとめた長周新聞さんの記事で、「戦後の日本は…米国の余剰穀物をはかせるために変えられ、自動車を輸出するために農業を生贄にすることが、日本の経済貿易政策の基本になってきた。…コストが2倍になっても価格転嫁できないのは、すべての農産物が小売りやメーカーから買い叩かれる力関係にあるからだ」とあり、生産者と消費者が支え合う「強い農業」をつくっていくために「できるだけ早く国内の資源を循環させる酪農畜産にもっていく必要がある」と言っています。
 本当にこの通りだと思うのですが、この際、危機を逆手にとって本当に必要とされている未来の農畜産業とはどのようなものかを、消費者も生産者も考えて行動に移すべきだと思います。
 例えば私の場合、本当に素晴らしい乳製品で、“牛の幸せ”まで考慮に入れた酪農家の逸品なら、値段が2~3倍でも購入したいと思います。残念ながら、本当の意味で安全な乳製品はほとんど存在しないと思っています。ですから、私は牛乳を飲みません。
 ちょっと想像してみて下さい。とても大切にされ幸せに過ごしているニワトリが産んだ卵は、狭いゲージに入れられて虐待されているニワトリの卵とは、根本的に違うものだとは思いませんか?
 まず間違いなく、「波動」が異なるのです。幸せなニワトリが産んだ卵は、人を幸せにします。この基本的な原則が分からないから、今の地球はメチャメチャになっているのではないでしょうか。
 こうした理想の農畜産業の実現のために、国家予算がつぎ込まれるべきだと思うのです。原発や武器など、地球を汚すものに多額の予算をつぎ込むのは、頭も心も穢れているからだとしか思えません。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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12月24日緊急5分メッセージ
配信元)
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日本の農畜産業の危機と打開策――食料生産守ることこそ安全保障の要 東京大学大学院教授・鈴木宣弘氏の講演より
転載元)
(前略)
現場はすでに限界をこえている。これ以上の放置は許容できない。

①生産資材の高騰
一昨年に比べて肥料2倍、飼料2倍、燃料3割高といわれる生産コスト高。
②農畜産物の販売価格の低迷
コストが暴騰しても価格転嫁できない農畜産物価格の低迷。酪農では乳価の据え置き。
③副産物収入の激減
追い討ちをかける乳雄子牛など、子牛価格の暴落による副産物収入の激減。
④強制的な減産要請
在庫が余っているからといって、これ以上搾乳しても授乳しないという減産要請。酪農家は搾ってこそ所得になるのに、搾っても受けとってもらえない。
⑤乳価製品在庫処理の莫大な農家負担金
脱脂粉乳在庫の処理に北海道だけでも100億円規模の酪農家負担が重くのしかかる。
⑥輸入義務ではないのに続ける大量の乳製品輸入
「低関税で輸入すべき枠」を「最低輸入義務」といい張り、国内在庫過剰でも莫大な輸入を継続する異常事態。
⑦他国で当たり前の政策が発動されない
コスト高による赤字の補填、政府が在庫を持ち、国内外の援助に活用するという他国では当たり前の政策がない。
(中略)  
すでに始まっている食料危機に対応するためには、政府が掲げる「輸出5兆円」や「デジタル農業」といった夢物語ではなく、足元で踏ん張っている生産者を支えて国内の食料を守ることが先決だ。

食料(63%輸入)、種(90%輸入)、肥料(化学肥料は100%輸入)、餌(60~80%輸入)をこれだけ海外に依存していたら、国民の命を守れない。
(中略)

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「酪農家の7重苦」という状況の中で、酪農家さんは本当に自ら命を絶たれてしまう方が後を絶たない ~「こう言う時にもですね。輸入だけは続けて在庫をダブつかせ、ワザと日本の酪農家を廃業に追い込んでいる」

竹下雅敏氏からの情報です。
 動画の冒頭で、「酪農家の7重苦」が出てきます。肥料・飼料・燃料の暴騰、販売価格の低迷、子牛価格の暴落、減産要請、脱脂粉乳在庫処理の農家負担、大量の乳製品輸入、赤字補填などの政府の政策がない、という状況の中で“酪農家さんは本当に自ら命を絶たれてしまう方が後を絶たない(7分20秒)”と言うことです。
 東大の鈴木宣弘教授は、“こう言う時にもですね。輸入だけは続けてるわけですよ。乳製品の輸入は、日本は世界に冠たる大きな枠を決めて、それを「最低輸入義務」だと言い張って毎年続けてきました。これは最低輸入義務ではありません。「低関税で輸入すべき枠」としか決まっていないものを、アメリカから言われたから守らなければいけないと言い張ってですね、米も乳製品もそうです、莫大な輸入を続けてる。これさえ止めれば、在庫は一層されて事態は一気に改善できるのに、これを止めれない。しかもですね、今米も乳製品も海外の値段の方が高くなってきてるわけですよ。日本にいいものがあるのにそれを使わないで、アメリカなどから日本のものより高いものをわざわざ買って、それで掃けないからそれを餌にしたりしてまた税金使ってる。こんな理不尽なことがあるでしょうか(2分26秒)。…
 そもそもですね、需給が緩和したのを酪農家さんの責任のように言ってますけども、元をただせばですね、これバターが足りないとか言って大騒ぎしてですね、そして政府のお金も使って借金して、そして牛を2倍に施設も2倍に増やしてどんどん増産してくれと誘導したのは政府ですよ、国ですよ。そして今度は、もうなんか在庫増えたから、お前らもう牛乳搾るな、牛殺せって、何言ってんですか。しかも、牛殺せって、牛殺したら5万円払いますとか、4万頭も5万頭も牛を全国で殺さなければいけないなんて、今何を馬鹿なことをやってるんですか。…もう一度種付けから牛乳搾れるようになるまで3年もかかるんですよ。(4分52秒)。… 
 そして消費者も小売業界もメーカーもですね、考えてください。ここでもう輸入依存止めて全て国産を使って、そして消費者も国産食べるという風に行動を移しましょう。…今ここで国内の農家さん酪農家さんが、さらに急速な勢いでつぶれてしまったら、本当に国内で供給できる食料が、牛乳が無くなっていくわけです。そういう時にこの世界の食糧危機、いつまた台湾有事のようなことが起こるかもしれません。そんなことになったら物は本当に入ってこないんです。もうそうなって来てんです。そういう時に本当にこのようなことを放置すれば、みんな食べる物が無くなる、牛乳も飲めなくなる。これは国民が本当に餓死するというですね、現実的な問題なんですよね。このことを今押さえなければ大変です(7分32秒)”と言っています。
 「アメリカ、オーストラリア、カナダから輸入される乳製品には、日本で使用が禁止されている、、ホルモン剤が使われています。なぜそんな物を日本人に飲ませて、日本の酪農家さんが搾乳しているミルクを捨てるんですか。」というツイートがありました。
 鈴木教授は、“食の安全や食料安全保障を取り戻すためには、日々の買い物の中で安くても危ない食品を避け、数十円だけ高い地元の安心・安全な食品を買うこと、それだけでいいのです”と言っています。
 ただ、動画の書き込みの中に、“以前より先生からの大警鐘は響き渡っていると思いますが、これより先に続かないのは、単に哀れな国民性です。お上やメディアが取り上げぬ限り、極一部の声では見てみぬふりをするだけ。農家に対しても、アララ大変ね。でも、その分ちゃんとお国から補助出るんでしょ?と他人事。動物たちがどうなろうとも、彼らは命を食品としか捉えてないんですから”という優れた見解がありました。
 「哀れな国民性」がこのまま続けば、“オランダでは3割の農場が国に奪われ、移民を入れるそうです。そして昆虫を食べて生きてゆけばよいと”という状況に日本も追い込まれるでしょう。
 「牛乳が余っているのに乳製品を値上げするのはどうしてだろう?」と思うのは当然ですが、“こう言う時にもですね。輸入だけは続けて”在庫をダブつかせ、ワザと日本の酪農家を廃業に追い込んでいるのです。グローバリズムでは、よく行われる手法です。そして、土地を外資が手に入れるのです。日本の場合は中国人が買うことになるのでしょうね。外国人オーナーの下で、日本人が小作人として働かされるわけです。
 こうした事は、これまでインドのような国で良く行われていたことですが、それが日本で行われるようになったと言うだけです。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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11月30日農水前・鈴木宣弘スピーチ
配信元)
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