アーカイブ: 旧約聖書・大洪水(’19/4〜)

サンムラマートがイナンナ/イシュタルの生まれ変わりであり、彼女の息子アダド・ニラリ3世がニムロデの生まれ変わり ~性魔術を用いて、霊的には彼女の夫であるニムロデを、自分の息子として転生させた

竹下雅敏氏からの情報です。
 昨日の記事で、性錬金術の大元の伝承である「セミラミスがニムロドと結婚してタンムーズを産んだ」という説を紹介しました。
 セミラミスには実在したモデルが居たとは言え、伝説上の女王であり、ニムロデとは異なる時代の人なのでこの説は無理があるが、「生まれ変わり」を考慮に入れると、“大枠においてこの伝承は正しい”と説明しました。この辺りのことを、今回は詳しく見てみます。
 “続きはこちらから”のいくつかの情報をご覧になると、セミラミスのモデルは、“紀元前9世紀アッシリアの王シャムシ・アダド5世の王妃で、その子アダド・ニラリ3世の摂政を務めたサンムラマート”だとあります。実は、このサンムラマートがイナンナ/イシュタルの生まれ変わりであり、彼女の息子アダド・ニラリ3世がニムロデの生まれ変わりなのです。
 なので、彼女は性魔術を用いて、霊的には彼女の夫であるニムロデを、自分の息子として転生させたことになります。
 シュメールの神であるタンムズとドゥムジは同一人物です。同様に、シュメール神話のイナンナとメソポタミア神話のイシュタルも同一人物です。
 シュメール王名表の大洪水以前の王に、タンムズ/ドゥムジがあります。彼は何度も生まれ変わっていますが、後の転生の一つが、ウルク第1王朝のエンメルカルです。エンメルカルはウルクの創建者と書かれているように、実は彼がニムロデなのです。旧約聖書で、クシュの子ニムロデとされる人物は、シュメール王のエンメルカルなのです。
 彼は、次の転生で、ウルク第1王朝の4代目の王ドゥムジとして生まれ変わります。さらに後の転生で、先ほど説明したアダド・ニラリ3世として生まれ変わるのです。
 シュメール神話では、タンムズ/ドゥムジの妻はイナンナ/イシュタルですが、彼女は、後の人生でセミラミスのモデルとなったサンムラマートとして生まれ変わるのです。
 昨日紹介した神話をもう一度ご覧になると、ノアの長男で大祭司のセムに、ニムロデは処刑されます。そのセムの次の生まれ変わりがメルキゼデクです。旧約聖書では、シャレム(エルサレム)の王としてアブラハムに祝福を与えた人物として描かれています。メルキゼデクの次の転生がマイトレーヤです。
 神話では、夫(ニムロデ)を殺されたサンムラマート(セミラミス)が性魔術の力で、夫を自分の息子として転生させたことがわかります。彼らの復讐は、イエスの磔刑で完成します。なぜなら、殺されたのは、イエスとマイトレーヤだからです。
 ニムロデ(タンムズ/ドゥムジ)は、後にフリーメーソンの神となり、セミラミス(イナンナ/イシュタル)の姿は、フランスのフリーメーソンがアメリカに送った「自由の女神」として、目にしています。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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シュメール王名表
(前略)
初期王朝時代I(大洪水以前)
・エリドゥ王アルリム(在位28800年間)
・エリドゥ王アラルガル(Alalĝar、在位36000年間)
・バド・ティビラ王エンメンルアンナ(在位43200年間)
・バド・ティビラ王エンメンガルアンナ(在位28800年間)
バド・ティビラ王ドゥムジ(牧神)/タンムーズ(在位36000年間)
・ララク王エンシブジアンナ(在位28800年間)
・シッパル王エンメンドゥルアンナ(在位21000年間)
・シュルッパク王ウバル・トゥトゥ(在位18600年間)

初期王朝時代II
キシュ第1王朝
・ジュシュル(在位1200年間)
・クルラッシナ・ベル(在位960年間)
・ナンギシュリシュマ(在位670年間)
・エンタラフアンナ(在位420年間)
・バブム(在位300年間)
・ブアヌム(在位840年間)
・カリブム(在位960年間)
・ガルムム(在位840年間)
・ズカキブ(在位900年間)
・アタブ(在位600年間)
・マシュダ(在位840年間)
・アルリム(在位720年間)
・エタナ(在位1500年間) 「牧人、天に昇った者、国土を固めた者」
・バリフ(在位400年間)
・エンメヌンナ(在位660年間)
・メラム・キシュ(在位900年間)
・バルサルヌンナ(在位1200年間)
・ザムグ(在位140年間)
・ティズカル(在位305年間)
・イルクウ(在位900年間)
・イルタサドゥム(在位1200年間)
・エンメバラゲシ(在位900年間) エラムを征服。
・アッガ(在位625年間)

ウルク第1王朝
・メスキアッガシェル(在位324年間) 太陽神ウトゥ(Utu)の息子とされる。
エンメルカル(在位420年間) ウルクの創建者。
・ルガルバンダ(在位1200年間) 牧人。
ドゥムジ(在位100年間) 漁師。キシュ王エンメバラゲシを捕虜とした。
・ギルガメシュ(在位126年間) ここではリラ(後の死霊リルー)の息子とされ、クラブ(クラバ=ウルクの神域)のエン祭司とされる。
・ウル・ヌンガル(在位300年間) トゥンマル文書等の異本ではウル・ルガル
・ウドゥル・カランマ(在位15年間)
・ラバシュム(在位9年間)
・エンヌンダランナ(在位8年間)
・メスヘデ(在位36年間)
・メラムアンナ(在位6年間)
・ルガルキドゥル(在位36年間)

ウル第1王朝
・メスアンネパダ(在位80年間)
・メスキアグナンナル(在位36年間)
・エルル(在位25年間)
・バルル(在位36年間)
(以下略)

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ノートルダム寺院は石で出来た書物で、錬金術の秘密を書き込んだ建築物 ~受け継がれていた性錬金術

竹下雅敏氏からの情報です。
 冒頭の動画は、大変に興味深い。冒頭の4分20秒までをご覧ください。この部分を見ただけで、ノートルダム寺院が石で出来た書物で、錬金術の秘密を書き込んだ建築物ということがわかります。その錬金術ですが、文字通り金を作り出すのではなく、性行為によって黄金の身体を作り出し、不死を獲得しようとするものなのです。なので、仙道の内丹術と同じものです。
 こうした神秘思想は、ニムロデとセミラミスへの崇拝に遡ると考えられています。これは、アレクサンダー・ヒスロップ(1807~1865)の著作から来たもので、以下の記事をご覧になると、「セミラミスがニムロドと結婚してタンムーズを産んだ」ということになっています。
 しかし、セミラミスは、「紀元前800年頃のアッシリアの伝説上の女王」であり、ニムロデはずっと古い時代なので、このような「独自の創作神話」は荒唐無稽だと考えられています。
 しかし、陰謀論の世界では、この説は根強い人気があります。生まれ変わりを考慮に入れると、大枠において、この伝承は正しいと考えられるからです。
 旧約聖書によると、ノアの3人の息子はセム、ハム、ヤペテです。ハムの子にクシュがおり、クシュの子がニムロデです。ニムロデの妻はシュメール神話のイナンナだと思われます。記事を見ると、ニムロデはノアの息子で、大祭司のセムによって処刑され、体をバラバラにされて、肉片は悪魔崇拝を実践している「すべての異教の神殿」に送られたとあります。
 神話では、セミラミスは性器以外の身体を集めて縫い合わせ、性器は木で代用し交わることで、タンムズという息子を生んだとされています。
 神話のこの部分を真に受けることはできませんが、イナンナ/イシュタルの生まれ変わりであるセミラミスが石で作られた男根と交わり、その後、自分の気に入った男性と交わって子供を身籠ることは十分に可能であり、実際にこうしたことは、古代の神殿の中で行われていました。
 セミラミスは、自分が生んだ子供をニムロデの生まれ変わりと宣言し、神秘的な宗教を築きました。現実に、ニムロデとタンムズ/ドゥムジは同一の魂です。
 この神話は、オシリス神話とそっくりです。神話には、「イシスは、世話していた赤子を不死にするために炎の中に入れ」と書かれているように、これは悪魔崇拝の儀式です。
 オシリス神話は、歴史家プルタルコス(46年から48年頃~127年頃)によって紹介された比較的新しいもので、大元は、ニムロデたちが行っていた悪魔崇拝の儀式にあると思われます。
 セミラミス、タンムズの母子は、オシリス神話ではイシス、ホルスになります。これがキリスト教の聖母マリア、イエスになるわけです。ホルスがイエスの雛形であることは、こちらの記事をご覧になるとよくわかります。
 セミラミス、タンムズと、聖母マリア、イエスの違いは、悪魔崇拝か否かであり、性錬金術は、どちらもが受け継いでいたと思われます。
 ノートルダム大聖堂を作った白いテンプル騎士団も、悪魔崇拝を実践する黒いテンプル騎士団も、同じ性錬金術を実践していると考えられるのです。コブラのRM(レジスタンス・ムーブメント)は、白いテンプル騎士団と同様に、性錬金術を実践していると考えられます。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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ノートルダム寺院の秘密〜世界遺産パリ・ノートルダム寺院の火災事故で全てが失われる前に緊急公開
配信元)
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イースターの異教起源
転載元)
(前略)
​その昔、ノアの息子ハムの一人の孫であったニムロッドという人がいました。ハムはセミラミスと名付けられた女性と結婚したクッシュと名付けられた息子を持っていました。父の死後、ニムロッドは自分の母親と結婚し、強力な王となりました。(中略)… ニムロッドは人々にとって男神となり、彼の妻と母親であるセミラミスは古代バビロンの強力な女王となりました。

ニムロッドは結局、敵に殺され、そして彼の体はバラバラに切られそして彼の王国の様々な箇所に送られました。セミラミスは、見つけることができなかった1つの部分を除いて、すべての部分を集めました。その欠けている部分は彼の生殖器官でした。
(中略)
セミラミスは、彼女が妊娠したと言いました。(中略)… セミラミスは「イースター」と発音される「イシュタル」として知られるようになり(中略)… イシュタルは妊娠した時、彼女を妊娠させたのは太陽神バアルの光であると主張しました。彼女が生み出した息子はタムズと名付けられました。
(中略)
イシュタル(イースター)女王は、タムズは彼の父親であるバアルに昇格、父ニムロデ、息子タムズ、そして霊として神聖なろうそくやランプの炎の中で崇拝者と共にいると人々に語り、「神の母、天の女王」として崇拝されていたイシュタル(イースター)は、彼女の神秘的な宗教を築いていきました。
(以下略)

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旧約の時代に十戒を授けたメタトロン(エノク)と、新約の時代に人々を導いたマイトレーヤの「主なる神」は、共に世界主サナット・クマーラ

竹下雅敏氏からの情報です。
 以前の記事で、旧約の神はエノクだと指摘しました。ただ、この表現は誤解を招く可能性があるので、丁寧な説明が必要だと思いました。
 冒頭の記事をご覧ください。「五世紀のバビロニアとイスラエルの伝承」によれば、“賢者エノクは…天界に上り、メタトロンになった”と書かれているように、エノク=メタトロンなのです。
 また、『ゾーハル』および『ヘブライ語エノク書』の伝承によれば、出エジプトでモーゼの率いるイスラエルの民を導いたのは、メタトロンであることがわかります。
 決定的なのは、シナイ山頂での出来事です。“モーゼがシナイ山に上った時、モーゼの前に現れ…メタトロンは十戒を授けるとともに、自らの名を明かした”と書かれています。
 これらの記述から、旧約の神はメタトロン(エノク)だと断定出来るのです。
 しかし、エノク書を見ると、エノクを天上に引き上げ、幻を見せ、堕天使たちを裁いた「主なる神」が出てきます。そうなると、エノク書に出てくる「主なる神」とメタトロン(エノク)との関係が問題になります。メタトロンは「主なる神」の御使いとして、シナイ山でモーゼの前に現れ、十戒を授けたと考えるのが自然です。
 神智学では、地球ハイアラーキーの頂点に世界主サナット・クマーラが立ち、世界主に従う全ての天使たちの長がキリストです。したがって、キリストとは役職名なのです。
 これまでの2000年の間、キリストの地位にあったのはマイトレーヤ(弥勒菩薩)であり、マイトレーヤは当時、イエスの肉体を用いて人々に教えを説いたのです。ベンジャミン・クレーム氏は、この方法をオーバーシャドゥと呼んでいます。
 マイトレーヤの先代のキリストが、メタトロン(エノク)です。彼はBC 2033年からBC 33年までキリストの地位にありました。
 なので、旧約の時代に十戒を授けたメタトロン(エノク)と、新約の時代に人々を導いたマイトレーヤの「主なる神」は、共に世界主サナット・クマーラだということです。なので、神智学においては、旧約の神と新約の神は、この意味で同一なのです。
 しかし、問題は残ります。旧約聖書自体が様々な古い伝承をまとめたものなので、旧約聖書の中に出てくる「主」が、同一の人物を表しているわけではないからです。
 神智学では、天地を創造した造物主(エロヒム)は、グノーシス主義と同じく下級神であり、低級本質(肉体、エーテル体、アストラル体、メンタル体)の創造者ではあるが、高級本質(霊、アートマ、ブッディ、マナス)の創造者ではないとします。
 世界主は、人類にマナス(識心)を授けた救世神で、エデンの園でイブを誘惑した蛇です。サナット・クマーラは、約1,850万年前に金星から地球に投げ落とされたのです。すなわち、サナット・クマーラ=ルシファーなのです。
 したがって、ブラヴァッキー夫人やアリス・ベイリーに代表される神智学徒たちは、「ルシファー崇拝」だと言えます。しかし、「悪魔崇拝」ではありません。彼女たちは、幼児を生贄に捧げその肉を食うというような儀式は行っていないからです。
 今回、神智学の本質をできるだけわかりやすく説明したつもりです。多くの神智学信奉者は、ここで述べたようなことを全く理解していません。コブラの情報を信じている人たちも同様です。コブラたちは本質的に神智学徒であり、彼らの主はサナット・クマーラ(ルシファー)だということを理解していません。
 私がお伝えしているのは、これらのハイアラーキーの全ての連中が「偽の神」であって、天界の改革で滅ぼされたと言っているのです。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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メタトロンの徹底研究
――ユダヤ教にとりいれられたミトラ――
引用元)
(前略)
エノク伝承 その2
 以下は、五世紀のバビロニアとイスラエルの伝承である⇒シュワルツ『ガブリエルの楽園』p59-60。
 (中略)
神は天地を創造したとき、天地を聖なる光(無限光=アイン・ソフ・オウル)で満たした。アダムとイヴは禁じられていた果実を食べたために、楽園を追放された。その時、二人は聖なる光を失った。(中略)… 神は聖なる光の一部をツォハルという名の宝石に封入していたので、神は天使ラジエルに命じて、アダムに届けさせた。アダムが寿命を終えるとき、この宝石を息子のセトに譲った。その後も、代々受け継がれて、やがてエノクのものになった。エノクがその宝石の中をのぞき込むと、そこには燃える火の文字が見えた。その文字を読むことで、エノクは天界のトーラーを知り、賢者になった。賢者エノクは、やがて迎えに来たメルカバの戦車に乗って天界に上り、メタトロンになった。
(中略)  
以下は『ゾーハル』および『ヘブライ語エノク書』の伝承である。
 
出エジプト
(1)モーゼが、イスラエルの民をつれて、エジプトから脱出するとき、メタトロンは、彼らの先頭を火の柱となって進んだ⇒ド・マンハル『ゾーハル』p140;『出エジプト記』13:17-22。
(2)メタトロンは、モーゼが率いるイスラエルの部隊に先立って進み、移動して彼らの後ろに行き、エジプトの陣とイスラエルの陣の間に割って入った⇒『ゾーハル』p140;『出エジプト記』14:19。
(3)メタトロンは、後ろからエジプト軍が来たとき、モーゼたちのために、海を二つに分けて、道をつくった⇒ド・マンハル『ゾーハル』p140;『出エジプト記』14:15-31。
 
シナイ山頂
(1)モーゼがシナイ山に上った時、モーゼの前に現れ、モーゼの願いを聞き、そのすべてに答えたのは、メタトロンである。このとき、メタトロンは十戒を授けるとともに、自らの名を明かした⇒『ヘブライ語エノク書』15B, 48D:6-10;『出エジプト記』19-20。
(2)イスラエルの民が荒れ野を見ると、主の栄光メタトロンが現れた⇒『出エジプト記』16:10;メイヤー『カバラ』p272。
 (以下略)

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“世界を創造した旧約の神と、イエス・キリストを通して人々を救おうとする新約の神は別物”とするグノーシス主義 / イエスを送り出した救済神がルシファー(サナット・クマーラ)とする神智学

竹下雅敏氏からの情報です。
 新約と旧約の違いを明確に説明している冒頭の動画は、お薦めです。キリスト教がいかなる宗教かもよくわかります。それしても、冒頭の50秒は私には衝撃でした。“こんなことまで言わなければならないのか!”という感じです。
 旧約聖書を所々でも読んだことがある方は、その内容に驚いたはずです。旧約の神は、一言で言えば、神というよりは悪魔の性格に近い。身近にこんなのがいたら最悪で、どう考えてもこのような性格の人物はサイコパスで、絶対に近づいてはならない人物だと言えます。
 要するに、新約聖書の神と旧約聖書の神の性格が違いすぎるのです。これが同じ神だと信じているのがキリスト教徒です。もしこれが同じ神なら、神は多重人格であると考えるよりなくなってしまいます。
 冒頭の記事は、キリスト教の立場から、新約の神と旧約の神は同一の神であることを伝えています。しかし、“それでも旧約時代における神さまの働きと、新約時代のそれとは異なるように見えますね。それはその通り”と書かざるを得ないぐらい、旧約の神は異常なのです。これが同一だと信じることが信仰なのでしょう。
 旧約の神の所業を弁護するとすれば、イスラエルの民を悪魔崇拝から守ろうとしたということだと思います。旧約の神が、“打ち殺せ。容赦してはならない”と命じるのは、悪魔崇拝者について言っているのだと考えるのが自然です。しかし、そうだとしても、“滅ぼし尽くせ。男も女も、子供も乳飲み子も、牛も羊も、らくだもろばも打ち殺せ”と命じるところは、狂気を感じます。
 このように理解しがたい旧約の神を、グノーシス主義はいとも簡単に解釈します。“世界を創造した旧約の神と、イエス・キリストを通して人々を救おうとする新約の神は別物だ”というのです。グノーシス主義では、旧約の神は劣った神で、悪魔だと考える派もあります。世界はこの邪悪な神が創造したのだから、“世界が悪で充満しているのはむしろ当たり前”なのです。この汚れた世界に、イエスを送り、人々を救おうとしたのが新約の神であるということになります。
 神智学ではさらに進んで、旧約の神は悪魔ではないが、下級神であるとします。グノーシスと同様に、下級神は低級本質(各身体)の創造者ではあるが、高級本質(霊)は創造することはできないのです。
 神智学徒にとって、イエスを送り出した救済神がルシファー(サナット・クマーラ)です。ルシファー=サナット・クマーラであることは、ブラヴァッキー夫人が著作の中でルシファーを擁護していることや、アリス・ベイリーがルシファー・トラスト(後にルシス・トラストと改名)を設立したことからも明らかだと思います。
 記事では、この世界が悪だと信じている者にとって、“グノーシスはとても魅力的”だと言っています。“宗教を立ち上げて一儲けしようと思うなら、ぜひ教義に取り入れるとよい”と書かれていますが、現実問題として、ブラヴァッキー夫人の大著「シークレット・ドクトリン」以降、神智学をベースとしたチャネリング関連のカルト宗教が跋扈しているという実情があります。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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Q3 新約聖書と旧約聖書、何が違うの?【3分でわかる聖書】
配信元)
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旧約と新約の神
引用元)
(前略)

「旧約聖書に描かれている神は、新約聖書に描かれている神とは違い、厳しく、復讐をする神のようである。新約聖書の神は、旧約聖書の神と違うのか。」

 これはとても良い質問です。というか、頻繁に未信者の人から挙げられる質問です。けれども、聖書をもっと注意深く読むと、そうではないことに気づきます。

(中略)

 第一に、旧約聖書には、あわれみ深い神が、たくさん描かれています。(中略)... 実は、あわれみや恵みについて書かれている個所は、新約聖書よりも旧約聖書のほうが多いのです。

 そして第二に、新約聖書において、神のさばきや怒りについて書かれている個所は、非常に多いことが挙げられます。(中略)... 旧約の神のほうが新約の神より厳しいというのは、誤解であることが分かります。

(中略)

 けれども、それでも旧約時代における神さまの働きと、新約時代のそれとは異なるように見えますね。それはその通りであり(中略)... 旧約に起こった出来事は、人々がどんどん打たれて死んでいくとか、実にリアルであり、とても恐ろしいように感じるでしょうが、それは、神の正しさが目で見えるようなかたちで、現われていたに過ぎません。神の義を受け入れない人は、この新約の時代に、旧約時代にさばかれた人以上に厳しいさばきが、死後、あるいは大患難時代のときに与えられます。

(中略)

 多くの人が、神がひどい方であり、不公平であり、理不尽で、ひどく厳しい存在であると見ています。しかし、それは、人間が勝手に描いているイメージを神に押し付けているにしか過ぎません。むしろ、そうした姿は、創世記において、悪魔がエバに植え付けたイメージであり(中略)... 悪魔は躍起になって、人が神に近づくのを妨げようとしているのです。

(以下略)

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エノクはいくつかの歴史的な事実を元に、まるで自分が当時その事件に立ち会ったかのようなフィクションをエノク書として創造した

竹下雅敏氏からの情報です。
 これまで、約6万年前に南極に不時着したプリ・アダマイトという宇宙人とエノク書の関係を見てきました。「エノク書の文脈」で見ると、約6万年前に堕天使が地球に降り立ち、人間の娘との間にネフィリム(巨人)を生み、約1万5,000年前にノアの大洪水として知られる大災害が起こったということになります。
 ただ、私はエノク書は偽書だと思っていて、エノク書に描かれていることは、いくつかのポイントになる事実を元に創作されたフィクションだと思っています。
 冒頭の記事では、エノク書の成立年代が書かれていますが、私の直観とほぼ合致します。エノク書が事実を記載したものであれば、エノクが生まれたのは少なくとも大洪水の前であり、エノク書で描かれているヴィジョンもその時に見たはずです。
 ところが私が調べると、エノクはBC 6654年に生まれており、 BC 6617年に37歳で地上から消えています。
 創世記第5章の記述では、“エノクは神と共に歩み、神が彼を取られたのでいなくなった”と書かれており、エノクの年は365歳だと書かれています。今で言えば、エノクは365歳の時に宇宙船に乗って地球からいなくなったというところでしょうか。
 いずれにしても、私の直観と創世記の記述はまったく合致しません。こういう場合、私は自分の直観の方を重視しています。
 下の記事をご覧ください。見張りの天使たちが堕天し、大洪水の後に見張りの裁きが行われたわけですが、“アザゼルのとりなしで、シェムナーイルらは許された”とする別の伝承があるのです。エノク書では、アザゼルは縛られて闇の中に閉じ込められ、シェムナーイル(シェミハザ)らは丘の下に繋がれたということでした。
 事実はどうだったのかですが、アザゼル、シェミハザらは、大洪水の後、BC 7596年に許され、天界に戻っているのです。エノクは、彼らが許された後に生まれており、エノク書には彼らが許されたことが記述されていません。しかも、私の見るところ、エノクがエノク書に記述されている幻を見たのは、BC 365年です。
 要するに、エノクはいくつかの歴史的な事実を元に、まるで自分が当時その事件に立ち会ったかのようなフィクションをエノク書として創造したのです。この意味で、私はエノク書は偽書だと考えているのです。
 また、以前のコメントで「エノク書の文脈」ではノアの大洪水は約1万5,000年前( BC 13,035年)だとしましたが、なぜこんな書き方をしたのかというと、ノアの大洪水に象徴されるような地球規模の大洪水は、これまで何度も起きているのです。なので、旧約聖書の「創世記の文脈」でのノアの洪水がいつ起きたのかというと、私はBC 5,500年頃だと考えています。
 エノク書もヨハネの黙示録と同様に、彼らが計画している終末と裁きを人々に伝えるためのものになっています。しかし、天界の改革によって、実際に裁かれたのは彼らの方だったということなのです。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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3章 『第一エノク書』とその概要
引用元)
■成立過程について 
(前略)
起源は古く、古代バビロニア語の賢人の文書やバビロニアの神話『アトラ・ハシース』、それにバビロニアの天文学へさかのぼると見られています(紀元前1800~600年)。(中略)… 上記の古代バビロニアの伝承から、ヘブライ語の創世記6~9章が書かれました(前10世紀か)。
(中略)
創世記のこの部分とバビロニアの天文学から、『第一エノク書』の「ノア書」にあたる部分(6~11章/同65~67章/同83~84章/同106~7章)が成立し(前4世紀)、さらにこれらバビロニア語とヘブライ語の諸文書から、「エノクの旅」(同17~36章)と「エノクの幻」(同6~16章)と「エノクの天文の書」(同2~5章/同72~82章)がアラム語で書かれました(紀元前3世紀)。エノク伝承のこれら三つの書から、「見張りの天使たちの書」(同1~36章)がアラム語で書かれ(前4世紀末?~前3世紀)、「見張りの天使たちの書」を始め上記の諸書から「巨人の書」が書かれ、また「エノク書簡」(同91~105章/108章)と「エノクの夢」(同83~90章)と「エノクのたとえ」(同37~71章)が、やはりアラム語で書かれました(前2世紀)。これら三つのエノク文書をもとにして、ギリシア語で「エノク諸書」が書かれます(紀元1世紀頃)。ただし、「巨人の書」だけは、上にあげた三つのエノク文書とは別個に伝えられて、この「巨人の書」と「エノク諸書」とから、マニ教の聖典となったペルシア語の「巨人の書」(紀元250年頃)が成立したと考えられます。
(以下略)
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堕天使伝承と黙示録神話の比較研究
――天上の叛乱、見張りの堕天、そして世の終わりについての比較研究――
引用元)
(前略)
伝承
 以下は、正典『真二宗経』『大力士経』による。
(中略)  
見張りの堕天
 シェムナーイルを長とする200名の見張りと呼ばれる天使たちは地上に降りて、人類を導く仕事についた。しかし、見張りたちは、人間の娘と交わり、巨人族を生んでしまった。巨人族は、たちまち村の食物を食べ尽くし、人間まで食べ始めた。そこで、神(ミトラ)はエノクを使者として遣わし、巨人族に警告を与えた。巨人族のうち、再三の警告を受け入れた者たちは、ミトラが中央アジアに築いた36の壮麗な都市に移り住んだ。残った者たちは、徹底抗戦を唱えた。ミトラは、ダルダーイルを人間に変身させて都市に潜入させ、人間たちを集め武装蜂起の準備をさせた。準備が整うと、ミトラはイスラーフィールの一隊を派遣し、巨人族を征伐させた。ミトラは、巨人族の血でけがれた大地を洗い清めることにし、イスラーフィールをノアのもとに遣わして、箱舟を作らせ避難させた。すべてが終わった後、見張りの裁きがおこなわれた。アザゼルのとりなしで、シェムナーイルらは許された。見張りの責任者だったシェムナーイルは、アザゼルのもとに預けられ、他の天使がいやがる仕事(神の敵を暗殺する仕事)をするようになった。
(以下略)