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里山社屋主義(26) サッシが届きました

サッシが届きました
前回、サッシを発注した所からの続きです。

ありがたいことに、今回サッシを発注した通販ショップでは、「納まり図」やポイントなど、かなりの情報を出してくれていました。また、サッシメーカー(YKKAp、LIXIL)のホームページでは、建築関係者向けに図面や施工説明書を提供していますのでそちらのデータも入手。

これらの情報をもとに、大工さんに事前に下地を作っていただくことができました。



そしていよいよサッシが届きました。

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玄関・勝手口を入れて全部で8窓分のサッシ


障子が割れたりしていないかどうか検品し、場所を書き込んでおきます:

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今回はサッシ屋さんから仕入れていないので、サッシの枠部分は自分で組み立てる必要がありました。(組み立て方はこちらの動画が参考になります)工具は、DIY用の12Vのインパクトドライバーがあれば十分でした。

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説明書とにらめっこしながらの初めての作業で、とても時間がかかります。8窓分の枠の組立と検品で丸一日かかりました。

後は大工さんにお渡しして取り付けていただき:

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すべてのサッシが想定どおりにピッタリ! よかったです。 (^^)v



悩んだサッシの性能、今回は、玄関や勝手口も含めてすべて断熱性に優れたペアガラスを採用しました。

また、窓には Low-E(赤外線を通さない金属皮膜)入りを採用しました。西日の当たりが強い西・南側の窓は Low-E の遮熱タイプ、東側・北側は室内の熱を逃さない断熱タイプとしています。

(スタッフ・白井薫)

◇ お願い ◇
対応できないため、見学・来訪はなにとぞご遠慮ください。ご理解のほどをよろしくお願いいたします。

里山社屋主義(25) サッシを早く!

 追記:いつもご愛読をいただきありがとうございます。これまでの一連の記事の中に、一部不適切で誤解を与える表現や誤りがありましたので、一部記事を修正いたしました。 (6/24)
(スタッフ・白井薫)
サッシを早く!
建前が終わると次はサッシ・断熱材・電気工事の決定や発注で忙しくなりました。今回はサッシの話です。

本来サッシは建前の後に届くように発注しておくのが理想だと思います。サッシは外壁を仕舞うときに必要になるためです。

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下地」は窓を付ける構造部分のこと


しかし今回は色々と事情があって、建前の前に手配ができませんでした。そのため建前の後に手配をすることになりました。

サッシは例えば窓の場合、次の要素を決める必要があります:

・サイズ(これは間取りの時に決めておかないといけません)
・ガラス種類:透明ガラスか、型ガラス(向こうの見えないガラス)か
・メーカー
開き方
性能(サッシのグレード)
注)リンク先はサッシ通販ショップのページです。

間取り設計時点では、とりあえずサイズとガラス種類だけを決めておきました。開き方は「引き違いでいいのでは」、グレードは「最低ペアガラスぐらいにしておこうか」こんな程度のものでした。

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サイズも間取り図に書き込んでおいた程度


この状態で、建前の後に納まり(そのサッシがちゃんと入るかどうか)をチェックして、あとは細かい仕様を決めてすぐ手配すればいいと思っていました。これが実に見通しが甘かったのです。(苦笑)



サッシについては専門であるサッシ屋さんにお願いするのが一番だと思いますが、今回はインターネットで発注することになりました。

その準備をすると、先ほど上に挙げた色々な要素も決めないといけません。たくさんの選択肢が出てきます。選択肢がなければいいのですが、あると悩むものです。何たって一度はめたら長年それを使うことになるのですから…。

結局、メーカーに電話で見積もりを取ったり、上の諸要素を検討したり、納まりのチェックをしたりしているうちに、建前の一週間後の発注となってしまいました。納品はそれから早くても10日後です。

サッシが届くまで何もしないでおくわけにはいかないので、次のやり方で対応することになりました:

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次回に続きます。

(スタッフ・白井薫)

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里山社屋主義(24) バトンタッチとお守りピヨちゃん

バトンタッチとお守りピヨちゃん
骨組みだけを先に建ててしまう在来工法は、屋根の工事が終われば、今度は骨組みを建物に仕上げていく「造作」に入ります。

実は、これまで地元の大工さんにお願いして進んできた建築は「屋根仕舞い」まで行なっていただく話となっていました:

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屋根仕舞いまでを行って、残りの工程は施主自らで仕上げてもらうことを前提に建築を請けていらっしゃいます。今流行りの言葉でいえば、ハーフビルドですね。

地元の木を使えば、材料だけでもとても安くなる。自分でできるところは自分でやるといい、そうすればとても安く家ができる。…というふうに、とにかく安く家を建ててもらいたいというポリシーの方なのです。もし十分な時間を持っている方にとっては、こうした方が協力して下されば、田舎に家を安く建てることができます。本当にありがたいことです。

ただ、私達は少人数で会社の仕事を回しており、とても造作を自分達で行う時間はありませんでした。ここで別の大工さんにバトンタッチして、以降の工事をお願いすることになりました

この記事以降「大工さん」と書く時は、引き継いでいただいた方のことになります。



さて、文章ばかりでも何ですからおまけの話題です。

竹下氏が工事をしております…マジックを使って一体何をしているんだ〜:

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実は、建物の4隅にお守りとして「すてきなピヨちゃん」を書いてくれました。(笑)

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限られた面積にマジックで書くのは、なかなか大変とのこと。

玄関脇の2つの柱には「おとろピヨちゃん」。これはよくお寺の門におられる方々を連想させますが、こちらの方がずっとカワイイです:

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外壁で囲われてしまう前に施工完了です。これで悪いのが中に入ってくることは無いでしょう。

(スタッフ・白井薫)

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里山社屋主義(23) 筋交い

筋交い
瓦工事の前の話ですが、筋交い(すじかい)が入りました。

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木を組み立てて四角□を作った経験がある方はご存知と思いますが、筋交いという斜めの部材がないと、横から四角に力を加えた時に、平行四辺形のように曲がってしまいます。

建前の時に「仮筋交い」(青い部分)を入れておき、屋根仕舞いのときにきちんと筋交い(赤い部分)を入れます。

ちなみに筋交いは西洋から取り入れられた技術で、それ以前の日本ではこれを使わずに建物を作っていました。(参考記事:探ってみよう、木の家の「底力」 筋交いは地震の力に対してガッチリと抵抗します。それ以前の日本の建築は、地震に対してしなやかにたわんで力を逃がすようになっています。西洋的な剛の考えと、東洋的な柔の考えの対比がここに現れていますね。



ところで、筋交いが入った所には窓やドアを入れることができません。

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こちらの不手際のため、サッシを入れる予定の位置に筋交いが入ったところがあります。

大事な部分でなければサッシを移動すればよいのですが、位置が重要なら、伝え忘れなどのないようにしておく必要があります。(とはいえ構造上やむを得ない場合もあるので希望通りになるとは限りません。)

(スタッフ・白井薫)

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里山社屋主義(22) 瓦工事

瓦工事
屋根仕舞の次は瓦工事です。

ルーフィングの上に桟木を打っています:

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つづいで瓦葺き。石州瓦の銀黒色です:

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瓦屋さんならではの金物、バラ釘でガッチリ止めていきます。瓦を外そうとすると、瓦の方が割れてしまうこともある位の保持力です。

一番てっぺんの「棟瓦」の形は色々ありますが、今回は「7寸丸一本伏せ」。ごてごてしないシンプルなデザイン。安い上に、これが一番丈夫なそうです:

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ずっと天気が良かったお陰で、3日で瓦が葺き終わりました:

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瓦のほかにも屋根材の選択肢は色々とあります。代わりの選択肢として一般的なのは:

コロニアル(スレート)
アスファルトシングル
ガルバリウム屋根

といったところでしょうか。

こうした選択肢は、材料費・工事費が安い(瓦にした場合の半額程度に抑えられる)こともさながら、特にセルフビルドで家を建てる場合においては、その軽さ・施工のやさしさから多く採用されるようです。

一方、遮熱性能が低いため、ロフト(屋根裏)がとても暑くなる。耐久性が低く10〜20年に1度塗装などの大規模なメンテナンス、あるいは葺き替えが必要になる。といったデメリットがあります。

これに対して瓦は遮熱性能が高く、夏場のロフトも快適さが増します。何といっても一度まともな業者が葺けば、基本的にメンテナンス無しで50年、うまくすれば100年保つといわれています。

今回14坪の建物の瓦を葺いてくれたのは個人の瓦屋さん。材料を含めた工事一式で56万円ほど。また大工さんの紹介で、「この人が葺いた所はこれまで漏ったり壊れたりしたことがない」との太鼓判の腕で安心でした。

個人でされている良い瓦屋さんとご縁がもてれば、メリットとお金のかけ方を天秤にかけた時に、瓦は非常に高い投資効果がある選択だと思います。



あとはデザインの問題でしょうか。ログハウスなどに合わせて洋風にしたい場合、少し高くなりますがスペイン瓦などもあります。

建築のどこにお金をかけるか…は悩ましい事のひとつ。後々のことを考えたら、瓦はひとつのポイントのようですね。

(スタッフ・白井薫)

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