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牛サマディー君の読書レビュー④:<対論>緊急事態条項のために憲法を変えるのか (上)

 竹下氏によると、憲法学者の小林節氏は"身体から美しい光が出ている"そうですが、今回紹介する書籍の中に、彼の誠実さが良く分かるエピソードが載っていました。私が以前授業を受けた女性の憲法学研究者も良い人であるように感じたのですが、憲法学者の中には良識のある方が多いのではないでしょうか。
 権力者は平気で嘘八百をほざくサイコパスなので、彼らの表面だけを見ていたら見事に騙されてしまいます。自民党はもっともらしい理由をつけて緊急事態条項を創設しようとしていますが、多くの方が彼らの本当の意図を見破る必要があります。
(牛サマディー)
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<対論>緊急事態条項のために憲法を変えるのか

あたらしい憲法の話 三原則
Author 文部省(1947年8月2日当時)



世に倦む日日氏が、以前Twitterで”日本の憲法学者達は信頼できる”という趣旨の発言をされていたように記憶しています。私もこれには深く共感します。彼ら憲法学者達は、健全な倫理観と高い知性を有する者達であり、彼らは日本の良識であると言えます。

憲法とは、いかなる存在なのでしょうか。憲法は国家に対する命令文であり、国家権力の暴走を防ぐ為のものです。そのことにより、国民の自由や権利が守られるのです。この立憲主義という考え方は、絶対王政に対する深い反省から生まれたものであると言われています。“国家権力の暴走”と聞くと、すぐさま安倍首相の顔が思い浮かぶでしょう。彼のような邪悪な権力者の横暴から国民を守ること、それが憲法の存在意義なのです。私が数年前に憲法学を学び立憲主義を知った時、深く感銘を受けたことを覚えています。憲法学は、誇り高き学問なのです。そのような学問に魅せられて研究者としての道を歩んでいる者の中に、誠実な人物が多いのは当然であると言えるでしょう。

私たちは、彼らのメッセージに耳を傾けるべきなのです。

小林節氏 本書 p15より




上の写真の人物をご存知でしょうか。素晴らしい知性を持つ憲法学者、小林節名誉教授です。

私は彼のことが大好きであり、小林節を深く尊敬する者のうちの一人です。今から一年前、彼は新党「国民怒りの声」を立ち上げ、参院選の比例区に出馬しました。私は党が設立された当初からその活動を熱心に見守っていましたが、記者会見における彼の発言は非常に頼もしく説得力に満ち満ちたものであり、個人的に大いに期待を寄せていました。非常に残念ながら彼らは落選してしまいましたが、先の参院選ではいつもの如く不正選挙が行われていたことが明らかになっており、実際には当選していた可能性があると考えています。

前置きが長くなってしまいましたが、今回紹介させて頂く書籍は『<対論>緊急事態条項のために憲法を変えるのか(小林節、永井幸寿)(かもがわ出版) 』です。本書は、緊急事態条項に賛成派の小林教授と、反対派の永井弁護士との意見交換会の模様が書籍化されたものです。実はこの本の中に興味深いエピソードが記されており、それを読むと、小林節氏の人間としての懐の深さを窺い知ることができるのです。時事ブログ読者の多くは、自民党が憲法に入れようとしている緊急事態条項が非常に危険であることをご存知のことと思います。小林節氏は当初、「災害対策のために、改憲して緊急事態条項を追加する必要がある」という持論を展開します。しかし反対派の意見を聞いた後、彼は自身の勘違いに気付き、自説を撤回して反対派の立場に立ったのです。その時の事を、対談相手の永井弁護士が次のように回想しています。


これは正直言って大変な驚きでした。言うまでもなく、高名な学者である小林節名誉教授が「災害族」という憲法の素人の意見を聞いて、しかも公の場で改説するということは、通常あり得ないことであり、反対説を受け入れる度量の広さと、大変な勇気がいることだと思います。現政権によって憲法が危機的状態にあるとの認識によるものとは思いますが、学者としての良心に心を打たれるものでした。意見交換会終了後、「大変楽しかったです」とのお言葉をいただき、まるで、フェアプレーのスポーツをした後のような爽快さがありました。  
本書p4,5より

この意見交換会の後、きっと二人の間には友情が芽生えたのではないかと想像します。小林節氏が本当に信頼できる人物であるということが、非常に良く分かるエピソードでした。
一方で、国会議事堂の中でこのような素晴らしい場面が存在するのだろうかと考えた時、一種の絶望感を覚えてしまいます。永井氏の感じた“フェアプレーのスポーツをした後のような爽快さ”など国会の中では皆無であり、特に自民党などは“アンフェアプレー”のオンパレード、真面目に議論を行う気は最初からさらさらありません。人間の屑としか言いようがない連中の相手をしなければならない山本太郎氏が、かわいそうに思えて仕方がありません。

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種子法廃止が導く危険な未来 〜国民の胃袋握るモンサント 世界で破産農家が続出〜

 長周新聞は、特に一面の記事が毎回非常に素晴らしい。長周新聞本社の福田正義記念館でお話を伺ったことがあるのですが、彼らが戦時中から徹底して真実の報道を貫き通してきたことを知り、深く驚かされました。
 元記事はかなりの長文なので、読みやすいよう大幅に圧縮させて頂きました。今回は種子法廃止の危険性がとても分かりやすく書かれています。これは日本に住む全ての人々の身に降りかかる重大な問題であるため、是非一読されて事の本質を理解して頂ければと思います。
 記事の中で、遺伝子組み換え作物によって農民が苦しめられていることに触れられています。これついては、こちらの動画「失敗の十年―GMコーンに騙された農民たち」を強くお勧めします。騙された農民達による証言からは、彼らの味わってきた苦しみがありありと伝わってきます。
 モンサントのHPを開くと、そこには"倫理的行動"、"持続可能な農業"、"人権重視"、"安全と健康に配慮"といった言葉が記されています。一体どんな面がコレを書いたのでしょうか。よくもまあこんな嘘八百を堂々と・・心理学的には非常に興味深い研究対象かもしれません。嘘つき大会を開けば、我らがあべぴょんと中々いい勝負が出来そうです。
(牛サマディー)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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種子法廃止が導く危険な未来
転載元より抜粋)
北朝鮮へのアメリカの軍事挑発や森友学園騒動の陰に隠れるようにして、安倍政府は国民が納得のいく論議もしないまま密かに今国会で「主要農作物種子法」(種子法)の廃止を強行した。(中略)  

自然の摂理に反する遺伝子組み換え



 「種子法」は1952年に制定された。都道府県にコメ、麦、大豆など主要な穀物の原種の生産と普及を義務づけ、優良な種子の品質を確保し安定供給する役割をはたすことを目的とした。(中略)  戦後の食料難のなかから立ち上がり国民の食料自給に向けた農業者らの奮闘努力もあり、60年代には食料の約70~80%を自給することができるようになった。とくに主食であるコメは100%の国内自給を達成したが、これも「種子法」の存在が大きな役割をはたした。(中略)
現場は、同法律にもとづいて育種をし、種子の価格や品質を維持してきた。ところが法律の廃止で公的機関が優良品種を生産者に届ける責任がなくなる。(中略)日本ではコメ・麦・大豆は種子法によって安定供給が担保・維持され、生産、普及されてきた。

Wikipedia 成熟期のイネ(長粒種)



(中略)安倍政府は種子法廃止ありきで突き進み、廃止後のコメなどの種子開発や生産、管理についてどうするのかの論議も検討もなく、むろん現場への説明もしていないという無謀さである。

 その背景として、専門家はアメリカのモンサント社の狙いを指摘している。(中略) 種子法の廃止で、専門家は日本もアメリカのように「公的育種、種子事業が将来的に国内大手、巨大多国籍企業の種子ビジネスに置きかわる恐れがある。種子をモンサントなど多国籍企業が狙っている」と指摘している。
 すでにモンサント社は2011年に日本政府に対して同社の一代限りの種子を使って、日本の農場でも遺伝子組み換え作物を栽培させろ、という要望をつきつけてきている。


遺伝子組み換え作物 予測のつかない危険性




Author Enriquehdz75



(中略)世界で栽培される遺伝子組み換え作物の9割は、モンサント社の技術によるものだといわれている。(中略)  これらの遺伝子組み換え食品の特徴は除草剤耐性(全体の71%)、そして殺虫性(28%)である。モンサント社が開発した遺伝子組み換え作物に、ラウンドアップ耐性という性質のあるものがある。これは、ラウンドアップというモンサント社の農薬(除草剤)に抵抗力を持たせたものである。また、殺虫性とは作物自体に殺虫能力をもたせたもので、その作物を害虫がかじると死んでしまう。

 モンサントのいい分は、使用する農薬(除草剤)の種類と回数を減らすことができ、人件費等のコストダウンが可能になるというものであった。しかし、実際には除草剤の使用量は逆に増えた。それは除草剤をかけてもなかなか枯れない雑草が新たに出現して、年年急速に広まっているからである。(中略)除草剤耐性の遺伝子組み換えで雑草にも除草剤耐性がついてしまい、除草剤が効かなくなったように、害虫抵抗性遺伝子組み換えの場合でも効かない害虫が出現している。

Author Mike Mozart



 (中略)アメリカで生産されている大豆の約八五%は、モンサント社の除草剤「ラウンドアップ」に耐えられるよう遺伝子操作を施したものである。モンサント社が遺伝子操作して開発した遺伝子組み換え食品は、モンサント社がつくる除草剤にだけ効果があるので農家はモンサント社の除草剤を使う以外に選択肢はない。ラウンドアップは、モンサント社がつくった遺伝子組み換え農作物以外の草をすべて枯らしてしまう強力な除草剤=農薬である。その強力な農薬が散布された農作物の安全性についても世界的な問題になっている。

 そして農薬という毒性とともに、遺伝子組み換えという未知のリスクが問題になっている。(中略) 操作された遺伝子が何をもたらすか不明なまま、その遺伝子が自然の中で広まっているのが現状である。



 いったんつくられてしまった遺伝子組み換え作物は自然界の中で従来の作物とも交配をくり返していく。もし、いったん遺伝子組み換えトウモロコシを植えてしまえば、従来のトウモロコシにもその遺伝子組み換えのDNAを持った花粉がついて、交配していき、それ以前のトウモロコシとは違ったものになり、自然の生態系を破壊していく危険性が高い。(中略)  
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[ゆるねとにゅーす]【新潮】「安倍総理の犬」山口敬之氏に重大疑惑!薬で眠った女性を避妊具無しで強姦!突然の逮捕中止を指示したのは菅長官の片腕!

 山口敬之、イヤな顔してますね~。
 「安倍の犬」と呼ばれるこの男の、“強姦&逮捕もみ消し疑惑”という衝撃スクープが出てきました。被害女性が薬物で昏睡状態にされたことなど、かなり生々しいエゲツない内容が書かれています。この内容が事実であれば、彼は極めて悪質な性犯罪者であり、本来ならば間違いなく刑務所行きです。週刊新潮には「女性自身の告発に加えて、山口氏とのメールのやり取り、さらにはタクシー運転手からの証言も掲載」されており、事実である可能性は高いように思います。
 記事によると、土壇場で逮捕中止を命じたのは、安倍政権と深い繋がりを持つ中村格刑事部長(当時)とのこと。つまり山口氏は安倍政権に弱みを握られているわけで、彼が森友問題で徹底的にあべぴょんを擁護していたことも頷けます。彼の他にも、弱みを握られて権力の犬となっているジャーナリストや学者は大勢いるのではないでしょうか。要するにペドゲートと同じ論理です。
 現在の世界の潮流は確実に“情報の全面開示”なのであり、この流れから逃れることの出来る悪人は、彼を含め誰一人としていないでしょう。これまで支配層により隠蔽されてきた悪事がどんどん暴かれることで、この世界の浄化が進んでゆくものと思われます。
(牛サマディー)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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【新潮】「安倍総理の犬」山口敬之氏に重大疑惑!薬で眠った女性を避妊具無しで強姦!突然の逮捕中止を指示したのは菅長官の片腕!
転載元)
どんなにゅーす?

週刊新潮の2017年5月18日号に、「安倍総理の忠犬」とも言われるメディアコメンテーター山口敬之氏の衝撃「強姦&逮捕揉み消し疑惑」が掲載された。

・記事によると、被害を訴えているのは海外でジャーナリスト活動をしている27歳の女性で、女性自身の告発に加えて、山口氏とのメールのやり取り、さらにはタクシー運転手からの証言も掲載している。

・その内容は想像以上に衝撃的なもので、薬を使用されて眠らされた上で避妊具無しで強姦された出来事や、実際に逮捕される直前に、安倍政権と特別なつながりを持つ刑事部長の指示によって突然の逮捕中止に至った出来事などが記されている。

(中略) 

アメリカで被害女性と山口氏が知り合う


記事によると、事の発端は、2013年の秋に、被害女性とTBSのワシントン支局長を務めていた山口氏がアメリカ・ニューヨークで知り合ったことだという。
以降、TBSのニューヨーク支局長も交えて3人で食事をするなど、交流を重ねていたものの、やがて、女性は日本に帰国。

その後も女性と山口氏はメールのやり取りを続け、女性が「仕事を探している」旨の内容を山口氏に送ったところ、「野暮用で一時帰国するので、食事に行かないか?仕事を紹介する」などと誘われ、一時帰国した山口氏と女性が都内で食事をすることになったようだ。


一時帰国した山口氏と二人きりで食事、しかし、2件目の寿司屋で女性に異変が…


約束どおりに、都内で山口氏と食事をした女性。
ところが、2件目に入った寿司屋の店内で、彼女の意識がもうろうとし始め、やがて意識を失ってしまうことに。
(この状況について、酒豪である彼女は「デートレイプドラッグ」を使用されたことを強く疑っている。

翌日の早朝5時ごろに彼女の意識が戻った時には、彼女はホテルの一室に裸になって寝ており、なんと、そこに山口氏が彼女の身体の上に乗っかっている状態だったという。

彼女がその場から慌てて逃げ出そうとすると、彼女の乳房からは血が出ており、さらには山口氏の避妊具をつけていない陰茎が目に飛び込んできたという。
おまけに、ベッドの上には開いたままのノートパソコンが置かれており、直感的に撮影されていたことを悟ったということだ。


トイレから出てきた女性を再び全力で抑え付けた山口氏の口から出てきた言葉は…


思いもよらぬ出来事に、思わずホテルの部屋のトイレに逃げ込んだ被害女性
彼女がトイレから出てくると、山口氏はすごい勢いで彼女をベッドに押し倒し、再び行為をしようとしてきたものの、全力で抵抗し、何とか2度目の強姦については難を逃れたとのこと。

怒りに満ちた女性が「なぜこんなことをするのか!?」と英語で感情を露わにすると、山口氏は「ごめん、本当に君のことが好きになってしまったんだ。ワシントンに連れて帰りたいし、7時にチェックアウトするので、シャワーを浴びたら一緒にピルを買いに行きましょう」などと言ってきたとのこと。

その後被害女性は、必死に這い出るようにして、何とか部屋から逃げ出し、ホテルを後にしたとのことだ。


女性が警察に被害届を提出し、逮捕状が発付!アメリカから帰国する山口を身柄拘束のために警察が成田空港で待ち伏せるも…予想外の展開が!


その後、(山口氏の政界とのコネクションを知っていたことから)女性はしばらく躊躇していたものの、意を決して警察に相談し、被害届を提出。
ホテルの監視カメラやタクシー運転手やベルボーイの証言に加えて、ノートパソコンで撮影をしていた疑いから証拠が残っている可能性を見た警察は、隠蔽や逃亡の恐れもあると判断し、逮捕状を発付。
2015年6月8日に山口氏が仕事先のワシントンから一時帰国するとのことで、成田空港で身柄を拘束するために担当の警部補や複数の警官が待ち構えていたという。

ところが、この段階で突然、上層部から「逮捕中止」の指示が飛んできたために、土壇場で逮捕は取りやめに。

この突然の逮捕中止の「黒幕」とされるのが、菅官房長官の秘書官を務めていた経験も持つほどに、安倍政権と非常に深いつながりを持っている、中村格刑事部長(当時)だったという。
所轄の警察署が逮捕状まで出している強姦事件を警視庁の刑事部長が介入して逮捕の中止を指示するケースは、まさしく異例中の異例で、この背景として、当時より安倍総理や菅氏などと深い関係を持っていた山口氏の逮捕を揉み消す「天の声」が存在した疑いが非常に強いというわけだ。


山口氏と被害女性との生々しいメールのやり取りも掲載される


ちなみに、新潮には被害女性と山口氏との「事件後」のメールのやり取りも掲載している。
妊娠を心配する女性に対して、山口氏は「精子の活動が著しく低調だという病気です(だから心配しなくて大丈夫)」との、信じられないメールを送っている。

これらの情報が全て本当だとすれば、山口氏はとんでもない異常性を伴った性犯罪者ということになるだろう。

(中略) 

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牛サマディー君の読書レビュー③:「ドイツ帝国」が世界を破滅させる 日本人への警告 〜エマニュエル・トッド氏によるロシア分析〜(下)

 ヨーロッパのメディア(トッド氏曰く、特にフランス)が強烈なロシア叩きを行い、プーチン嫌いの雰囲気が西側に蔓延していたにも関わらず、著者は何故ロシアを肯定的に評価しているのでしょうか。自身の中に余程の根拠がない限り、そのような結論には至らないはずです。
 (下)では、具体的に彼がどのようにロシア社会を分析したのかを紹介します。
 本稿では取り上げることが出来ませんでしたが、本書における彼のヨーロッパ各国の分析も非常に興味深いものでした。興味のある方は、是非本書を手に取ってみて下さい。日本での売上は10万部を突破しているそうです。
(牛サマディー)
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「ドイツ帝国」が世界を破滅させる 日本人への警告

pixabay 〔CC0〕



著者のエマニュエル・トッド曰く、ロシアは”立ち直り始めている国”である。
彼はロシアの様々な人口学的指標を観察したうえでそのように結論付けた。以前の記事で”プーチンがロシア経済を建て直した”ことを書いた。ロシア社会が再生の過程にあることは、人口学を通しても理解できるのだという。
下図をご覧頂きたい。

図表20 ロシア、ウクライナ、フランス他の乳児死亡率の比較 p83より



なぜトッド氏は、乳児死亡率なる数値を持ちだしてくるのか?この数値をもとに、彼はロシア社会について何を見出すのか?本書に次の記述がある。

乳児死亡率
乳児死亡率(1000人の乳児のうち、1歳未満で死亡する数)は、おそらく現実の社会状態の最も重要な指標である。この率は実際、ケアのシステム、インフラ、母親と子供に与えられる食物と住居、母親および女性一般の教育水準等々に同時に依存する。 (以下略) P83より

つまり、乳児死亡率を見ることで、その国の総合的な社会状況が推察されるのだという。
トッド氏は1976年当時のソ連において乳児死亡率が再上昇しつつあることを発見し、ソ連の崩壊を予見した。「乳児死亡率(一歳未満での死亡率)の再上昇は社会システムの一般的劣化の証拠(p81)」であるという。

上の統計からは、プーチン統治下のロシアにおける、乳児死亡率の目覚ましい低下が読み取れる。またそれと共に、2009年からは人口が増加(出生率の増加)に転じているという。これは、ロシア社会が良好な状態にあり、安定化していることを示している。

pixabay 〔CC0〕


逆に1990年代の乳児死亡率は非常に高い20人超という数値であり、エリツィン統治下のロシア社会がいかに酷い状況にあったかが読み取れる。以前の記事で、”1990年にはジョージ・ソロスらによってロシアの経済基盤が崩壊してしまった” というジョン・コールマンの見解を紹介した。この点について、「世界の黒い霧(ジョン・コールマン著、成甲書房)」に次のような記述がある。

「ショック療法」という空想的で意味のないお題目の下、ソロスは復讐の天使のごとく飛び回り、目につくものすべてを略奪していった。初めからエリツィンが味方だったから、恐れるものはないと確信してのことだ。この略奪行為の結果、ロシア経済はソロスの意図した通りに急落した。「ショック療法」によってロシアの数百万人の貯蓄が失われ、ハイパーインフレが起こり、優秀な科学者は国を去り、ロシアを動かしていた上層部は他国へと亡命していった。工場や商社への信用は大きく落ち込み、国の産業基盤すべてが完全崩壊の危機に直面した。 「世界の黒い霧(ジョン・コールマン著、成甲書房)」 p88より

pixabay 〔CC0〕


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牛サマディー君の読書レビュー③:「ドイツ帝国」が世界を破滅させる 日本人への警告 〜エマニュエル・トッド氏によるロシア分析〜 (上)

 第三弾です。再度ロシアについて執筆させて頂きました。
 私たちは、ロシア・プーチンを正しく理解する必要があるのです。何故でしょうか。更に言えば、何故私たちは真実に目覚める必要があるのでしょうか?今回はそのことについて書きました。
 今回取り上げる書籍は、以前時事ブログで取り上げられたものです。本書のおおまかな内容は、そちらでスプートニクによる分かりやすい解説が紹介されているので、興味のある方はそちらを参照して下さい。今回はその記事とは別の観点、つまり著者エマニュエル・トッド氏によるロシア分析をピックアップして紹介させて頂きます。
(牛サマディー)
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「ドイツ帝国」が世界を破滅させる 日本人への警告 エマニュエル・トッド著


我々の力 意識の光



戦争はもちろん支配層の意図により引き起こされるのであるが、そこには民衆を騙すというプロセスが必ず存在する。つまり我々一般市民が冷静に真実を見据えているならば戦争は引き起こされえないのであり、全ては我々の「意識」にかかっている。

これまで勃発してきた戦争の数々を振り返るならば、支配層がコントロールする大手メディアが嘘情報を流布し、他国や他民族、他宗教に対する誤った憎悪を民衆に植えつけ、人々を好戦的な意識へと誘導する心理的手法が常に用いられてきた。戦争の火種を無くし平和な世界を構築していく為には、我々が自身にかけられた洗脳を解き、真実に目覚めることが決定的な意味を持つ。このことについて竹下氏は、次のように述べている。

(前略)一人の人の理解の閃光が、人々の意識を確実に変化させているのです。(以下略)
Q&Aコーナー(質問と答え)銀行家のパワーの源 より引用

(前略)あなたは何も出来ないと思っているかも知れませんが、あなたの認識の光は、光の速度で世界に広がるのです。光が広がれば闇は居場所がなくなるのです。(以下略)
シャンティ・フーラ時事ブログ[NAVERまとめ]中東和平って何だった?欧米のホンネと覇権主義がパレスチナに産み出した不幸の卵  より引用

(前略)ですから、こうした闇の活動を暴露しようと戦っている人たちの活動を、陰謀論と言って馬鹿にする者たちは、人々の覚醒を妨げるというその行為によって、悪に加担しているのと同じなのです。
(以下略)
シャンティ・フーラ時事ブログ [真実を探すブログ]プーチン大統領がNWOアジェンダ(新世界秩序計画)やウクライナ、欧米を批判!「世界中を刑務所にする」 より引用

我々が信じ込まされている’偽り’。
政治、経済、医療、教育、食、歴史、宗教、科学、美術、宇宙・・・
驚愕すべきことに、’偽り’はありとあらゆる分野に渡っている。我々はそれら全てを丁寧に解きほぐし、完全なる真実の世界を追い求めなければならない。


pixabay 〔CC0〕



でっち上げられた敵、意図された対立



「ドイツ帝国」が世界を破滅させる
エマニュエル・トッド
[Amazonより引用]

今回紹介する本は『「ドイツ帝国」は世界を滅ぼす(エマニュエル・トッド著、文春新書)』トッド氏は人口学者であるのだが、本書における彼のロシア分析が非常に興味深い。彼は欧米メディアのプロパガンダに毒されておらず、彼自身の頭脳で自立的に物事を考察する学者であると言える。
自立する人の放つ言葉は、聴く者に深い気付きを与える。

ロシア・プーチンに関する誤ったイメージを解き、正確な理解を得ることは極めて重要な事である。それにより、支配層が撒いた戦争の火種を摘み取ることが出来る。真実の追求は、我々がこの世界で生きるうえでの義務ではないだろうか。以前一度取りあげたテーマであるが、今回もう一度、別の視点から取りあげてみたい。

トッド氏は人口学者としての立場から独特な視点でロシア社会を分析しており、以前紹介したコールマン博士と同じく、ロシアに対して肯定的な評価を下している。探究の道は異なれど、真理は普遍的なものなのである。
まずはじめに、トッド氏は次のように述べている。

ロシア脅威論は西洋が病んでいる証
(中略)西洋はたしかに世界で圧倒的に支配的だが、それと裏腹に今日、そのさまざまな部分において不安に駆られ、煩悶し、病んでいる。財政危機、所得の低迷ないし低下、経済格差の拡大、将来展望の不在、そして大陸ヨーロッパにおいては少子化など、いろいろな問題がある。
イデオロギーの側面から見ると、ロシア脅威論はまずスケープゴート探しのように、もっといえば、西側で最小限の一体感を保つために必要な敵のでっち上げのように見える。(以下略) P20,21より

このようなこと、つまり’敵のでっち上げ’は、日本社会においても言えるのではないだろうか?つまり、中国や韓国に対する激しい憎悪である。日本会議関係者、ネトウヨ達、彼らの主張は下劣そのものであり、明らかに精神が病んでいる。彼らの唱える’美しい日本’は偽物である。決して同調してはならない。

他民族を排斥するなどという下らないことに貴重な精力を費やすのは愚かである。自国の闇へと目を向けることのない盲目的愛国主義も愚かである。

ナルシズムに陥るでも自己を卑下するでもなく、ただただありのままを見つめよ。


これは古今東西様々な賢者達により説かれてきた教えである。自己に対しても、社会に対しても、このような態度で向き合わなければならない。それによって初めて根本的な変革が起こり得るのである。

pixabay 〔CC0〕


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