ウクライナ関連の機密文書、SNSに流出か 米国防総省が調査

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米国防総省の建物/AFP/Getty Images

米国防総省の建物/AFP/Getty Images

ワシントン(CNN) ウクライナに関する米国や北大西洋条約機構(NATO)の軍事機密情報を捉えたスクリーンショットとみられる画像がSNS上に出回り、国防総省が調査を進めていることが分かった。国防総省の当局者がCNNに明らかにした。

CNNはツイッターやテレグラムで出回っている画像の一部を調査したものの、本物なのか加工された画像なのかは確認できていない。複数の米当局者は問題の文書について、国防総省が毎日作成している情報セットの一部であり、本物のスライドだが、部分的に編集されているとみられるとの見方を示した。

国防総省のシン副報道官は文書の正当性について言及しなかったが、声明で「SNS上の投稿に関する報道は認識しており、調査を進めている」とした。

ウクライナのポドリャク大統領府長官顧問はSNSテレグラムで、流出したとされる文書の背後にはロシアがいるとの見方を示した。拡散している文書は本物ではなく、「ウクライナの本当の計画とは無関係」で、「大量の偽情報」に基づくものだとしている。

一連の文書の浮上を受け、ウクライナの反攻がいつ始まるのか、またウクライナとロシアが双方の準備状況について何を知っているのかに注目が集まっている。

ロシアのテレグラムで出回り、CNNが調査した画像の一つは、「米国、同盟国およびパートナー国 UAF 戦闘力構築」と題された文書のハードコピーを撮影したもの。文書は2月付で、極秘と記されている。ウクライナが現在保有する特定の西側兵器の量や、見込まれる追加兵器の引き渡し、ウクライナが完了もしくは完了予定の兵器運用訓練について記載している。

2番目の文書は「ロシア/ウクライナ 統合参謀部 J3/4/5 日次更新情報 (D+370)」と題され、極秘と記されている。J3は米軍統合参謀部の作戦部門を指す。J4は補給や工兵作業を扱う。J5は戦略や計画、政策案を提案する。「D+370」は文書が作成された時期、つまりロシアの侵攻初日から370日が経過したことを示している。

3番目の文書は3月1日時点の戦況を示す地図で、機密に分類されている。地図にはロシア、ウクライナ両軍の大隊の位置や規模、両軍の推計総死傷者数のなどが記載されている。当局者はこの文書の死傷者数について、改変されたものだと見ている。ロシアの実際の損失は、文書に記載されている「戦死者1万6000~1万7500人」よりはるかに多いという。

文書ではウクライナ側の戦死者数について6万1000~7万1500人と記載。当局者によれば、この数字も編集されているとみられ、米国防総省の推計よりも多くなっている。

4番目の文書は2月時点の気象予測を記したもの。ウクライナのどの地域の地面が凍り、車両の動きに好都合となりそうかを分析している。

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