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プリオン病とイベルメクチン

最近は牛肉が安くなりました。牛肉が安くなったのはオーストラリアやアメリカの牛肉が入ってきたせいでしょう。それに対抗して国産肉も手が出る値段になってきたように思います。
 
輸入肉が手に入るのはひところメディアが煽っていた狂牛病の報道を全くしなくなったせいでしょう。メディアが煽って狂牛病パニックを作ったという点では今回のコロナ騒ぎと似ています。
 
危険部位を除去した牛肉を食べてプリオン病になる確率は200兆分の1なのに、それでもメディアはよろめいて歩く牛の映像を繰り返し流して恐怖を煽りました$${^{1)}}$$。
 
狂牛病はプリオンという蛋白質によっておきます。ヒトのプリオンは209個のアミノ酸からなる蛋白質で生体に普通に存在している蛋白質ですが、異常な立体構造をもつ変性型のプリオンができると、これが次々に正常型のプリオンを異常型に変えるゾンビのような蛋白質です$${^{2)}}$$。
 
異常型になったプリオンは凝集体を作り脳の神経細胞に蓄積し細胞を殺します。かくして脳はスポンジ様になり死に至ります。
 
このような性質を持つ蛋白質はプリオンだけではありません。生体の中には多くのプリオン様蛋白質があることが知られています。これを「プリオノイド」と呼びます。
 
プリオノイドはGxxxGという特徴的なアミノ酸配列のモチーフを持っています。Gはグリシンというアミノ酸です。グリシンの間に3つのアミノ酸が挟まったモチーフです。
 
プリオノイドの中にはアルツハイマー病のβアミロイドやタウ蛋白、パーキンソン病のαシヌクレイン、ALS(筋萎縮性側索硬化症)のSOD1などが含まれます。これらの神経疾患がプリオノイドによる神経細胞の死滅により発症する仮説が提唱されています。
 
コロナのスパイク蛋白質にはプリオノイドモチーフが5つも含まれているのです。さらに、ワクチンでは抗体ができやすいように人為的に変異が加えられておりプリオノイド活性を助長すると考えられます$${^{3)}}$$。
 
変異スパイク蛋白質が迷走神経を通り脳に到達し、脳内にあるプリオノイドの立体構造を変えて凝集体を作れば脳細胞は死滅するでしょう。コロナワクチン接種者はスポンジ脳になるかもしれないのです。ワクチン接種してから狂牛病の人間版のクロイツフェルト・ヤコブ病が増えています$${^{4,5)}}$$。
 
ペニシリンは抗生物質の歴史において最初にして最大の発見と言えます。1928年にイギリスのフレミングによって発見され第二次大戦中に多くのけが人を感染症から救いました。ペニシリンは細菌の細胞壁の合成を阻害します。細胞壁は人の細胞にはありませんから、毒性を示さずに細菌のみを殺すことができるのです$${^{6)}}$$。
 
イベルメクチンはマクロライドという構造をもつ抗生物質です。フィラリア、シラミ、回虫などの寄生虫の神経に麻痺を起こして死滅させます$${^{7)}}$$。寄生虫の除去に40年以上使われてきたイベルメクチンは数年の経験値しかない遺伝子ワクチンに比較すれば安全性は高いと思われます。
 
ところが、イベルメクチンがプリオン病をはじめとする神経疾患を誘発する可能性が2016年に指摘されています$${^{8)}}$$。神経はヒトでも虫でも存在しますから多かれ少なかれイベルメクチンの神経毒はヒトでも現れることもありえます。
 
イベルメクチンはGABA受容体を刺激し、神経の過分極を引き起こし、微量でも長期間投与すると、脳幹や小脳に空胞やプラーク形成という形で神経変性を引き起こし、視神経や坐骨神経にも障害を与えます。
 
リンパ液中のプリオンは正常な末梢神経系には移動しませんが、神経細胞がイベルメクチンによって損傷を受けた場合にはそれが可能になるそうです。イベルメクチンは異常プリオンタンパクの重合反応を促進する可能性も指摘されています。
 
南スーダンやウガンダで流行したノディング症候群は子どもの脳や神経系を侵す謎の病気ですが、寄生虫病である河川盲目症に用いられたイベルメクチンによるGABA受容体への作用によって誘発された可能性が示唆されています。
 
コロナやワクチン後遺症の治療にやたらとイベルメクチンを処方するとスパイク蛋白のプリオノイド活性の発現を助長する可能性が危惧されます。医者は何かというと薬で解決しようとしますが薬やサプリは必要がなければ使わないに越したことはないのです。
 
1) 唐木英明、安全医学 (2004)
2) Wells C et al, Int J Biol Macromol, 181:582 (2012)
3) 荒川央、note, 2021/9/14
4) 荒川央、note, 2022/6/11
5)荒川央、note, 2023/2/18
6) ペニシリン、Wikipedia
7) イベルメクチン, Wikipedia
8) Becker, A. Prion 2016, P-063