「食糧危機・エネルギー危機」によって崩壊の危機にあるスリランカ、レバノン ~食糧、エネルギーの自給が出来ていない国の未来を先取りか

竹下雅敏氏からの情報です。
 “続きはこちらから”の記事を先にご覧ください。スリランカのバンドゥラ・グナワルダナ政府報道官が、「スリランカは歴史上、これほど深刻な経済危機に直面したことはない」と述べるくらい、スリランカの経済は混乱しています。
 燃料、ガス、電気、食糧の不足から、記録的な高インフレと長時間の停電に直面しており、“財政難で資金繰りが極めて厳しいスリランカは…必要不可欠なサービスを除いてすべての燃料販売を停止した。”ということです。
 こうした中、スリランカ政府は2人の大臣が今週初めにロシアに到着し、ロシアの燃料を直接購入するための協議を行なっているとのことで、カンチャナ・ウィジェセケラ電力・エネルギー相は、「ロシア政府あるいはロシア企業から直接石油を購入することができれば、我々にとって有利である。現在交渉中だ」と言っています。
 冒頭の動画は、かつては「中東のパリ」とも言われたレバノンの様子です。2020年8月4日に、レバノンの首都ベイルートで約200人が死亡した大規模爆発が起こりました。直後に内閣が総辞職を表明、政治空白が続き、経済は悪化の一途をたどっています。
 3分3秒で、“レバノンポンドという通貨は急激に切り下げられ、ハイパーインプレは壊滅的な890%。まず、お給料をもらっても、これ紙くず同然なんですよね。…そしてこの国の経済環境っていうのは、ウクライナ戦争によって更に急激に悪化した。”と言っています。
 4分45秒で、“食糧に関しては、何千世帯もの家族が食糧危機、栄養失調そして飢餓に追いやられる恐れがあります。220万人が今年の年末までに食糧支援を必要とし、その食糧危機世帯は昨年に比べて46%増加…60%は食事の量を減らし、41%が食事の回数を減らしている。”と言っています。
 「食糧危機・エネルギー危機」ということからスリランカ、レバノンは崩壊の危機にあるのですが、これらの国は単に未来を先取りしているだけなのかもしれません。今後、世界経済の崩壊は避けられない見通しですが、ロシアのように食糧、エネルギーの自給が出来ている国でなければ、ほとんどの国が今のスリランカ、レバノンのようになってしまうように思います。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

————————————————————————
【食糧危機・エネルギー危機】レバノン史上最悪の社会経済メルトダウン! 国連もお手上げの壊滅的崩壊
配信元)
————————————————————————
【食糧危機・エネルギー危機】水も電気も無い! 壊滅的な経済危機のレバノンに海外からの旅行予約が殺到している
配信元)


————————————————————————
スリランカ、経済崩壊で燃料販売停止、ロシアに支援要請
転載元)
(前略)
財政難で資金繰りが極めて厳しいスリランカは、深刻な燃料不足を何とかしようと必死で、必要不可欠なサービスを除いてすべての燃料販売を停止した。これにより政府は時間を稼ぎ、燃料取引の交渉のために政府高官2名をロシアに派遣することができた。
 
  「今日の午前0時からは、保健分野などの必要不可欠なサービスを除いて、燃料は販売されない。なぜなら、わずかな埋蔵量を節約したいからだ」と、バンドゥラ・グナワルダナ政府報道官が事前に録音した声明の中で述べている(AFPニュース)。
 
スリランカ政府は、燃料不足のため、7月10日まで必要不可欠なサービスのみを運営し、燃料の入手を許可すると発表した。
 
   「スリランカは歴史上、これほど深刻な経済危機に直面したことはない」とグナワルダナは付け加えた。
 
ラニル・ウィクレミンゲ首相が、負債を抱えた島国経済は「完全に崩壊した」と述べてから1週間も経たないうちに、この動きが出てきた。
 
  「我々は今、燃料、ガス、電気、食糧の単なる不足を超えた、はるかに深刻な状況に直面している。我々の経済は完全な崩壊に直面している。」
 
「完全に崩壊した経済、特に外貨準備高が危険なほど少ない国を再生させるのは簡単なことではない」とラニル・ウィクラマシンハ首相は6月22日に議会に語った。

 
「また、記録的な高インフレと長時間の停電に直面しており、これらのことが、ゴタバヤ・ラジャパクサ大統領の退陣を求める数ヶ月に及ぶ抗議行動(時には暴力的なもの)の原因となっている」とAFPは伝えている。
 
政府は、IMF、インド、中国、日本との間で新たな融資枠について協議したと発表したが、大幅に値引きされたロシア産原油の購入交渉は今週中に開始される予定である。
 
AP通信によると、カンチャナ・ウィジェセケラ電力・エネルギー相は、2人の大臣が今週初めにロシアに到着し、ロシアの燃料を直接購入するための協議を継続すると述べた。
 
  「ロシア政府あるいはロシア企業から直接石油を購入することができれば、我々にとって有利である。現在交渉中だ」と、ウィジェセケラ氏は日曜日に記者団に語った。
 
今月初め、スリランカはロシアに安価な原油を求め、国際スポット価格より約30ドル安い原油を購入した。南アジアのこの国は、9万トンのロシア産原油を受け取ったが、さらに多くの原油が必要になるという。
 
ウクライナ戦争が始まって以来、スリランカは中立を保ってきたため、ロシアの原油を手に入れようとするスリランカの動きは、欧米の人々の眉をひそめることになる。同国は、外貨準備高がこの2年間で70%も激減し、対外債務の返済を停止しているため、破綻状態にある。所有する対外債務の510億ドルのうち10%は中国に債務があるのだ。
 
同国政府の経済への対処の誤りや燃料販売の停止は、社会不安を悪化させる可能性がある。
 
*
 
読者の皆様へ 読者の皆様へ:上または下のシェアボタンをクリックしてください。Instagram、Twitter、Facebookでフォローしてください。Global Researchの記事を自由に再投稿、共有することができます。
 
画像は@Hassan/Twitterから引用しています。

Comments are closed.