「ビッグファイブ (心理学)」と体癖は、本質が同じだった!

竹下雅敏氏からの情報です。
 アーユルヴェーダの解説の補講1です。補講2が出るかどうかは分かりません。昨日のIn Deepさんの記事に出てきた「ビッグファイブ (心理学)」のウィキペディアの記事を眺めていて、すぐにこれは野口晴哉氏が発見した体癖と本質が同じであることに気づきました。
 そこでウィキペディアの「ビッグファイブ (心理学)」を編集し、主要5因子(開放性、誠実性、外向性、協調性、神経症傾向)に該当する体癖を赤字で書き込みました。アーユルヴェーダの解説とは関係ないのですが、ここにまとめておくと後で探しやすいので、「補講」と言う形にしました。
 『特定の性格特性の説明』の所の表にある「開放性の高い値の人の記述」を見れば、これは3種体癖のことだとすぐに分かります。「開放性の低い値の人の記述」の“自分の感情について考えたり、感情を表に出すことがほとんどない。”と言うのは、4種体癖そのものです。
 「誠実性の高い値の人の記述」は、ガンバレというとその気になる7種体癖を表しています。「誠実性の低い値の人の記述」の“規則や義務は無視して、やりたいことをやる。”は、8種体癖そのものです。
 「外向性の高い値の人の記述」の“リスクを負うことに興奮を覚え、いろいろ起こらないと退屈に感じる。”は、5種体癖の特徴です。「外向性の低い値の人の記述」は、夢民(ムーミン)の仲間で夢想的な6種体癖を表しています。
 「協調性の高い値の人の記述」は、母性愛の10種体癖そのものです。「協調性の低い値の人の記述」は、父性愛で自分にも他人にも厳しい9種体癖の特徴を表しています。
 「神経症傾向の高い値の人の記述」は、感受性の中心が毀誉褒貶・頭脳にある1種体癖の特徴です。「神経症傾向の低い値の人の記述」は、表の一覧を見て“あっ、これは私だな。”ということで、2種体癖を表しています。
 面白かったのは、“続きはこちらから”の「複合的なパーソナリティ」の一覧表です。私の体癖は一項目が2種、二項目が8種なので「2-8」なのですが、一覧表の「神経症傾向・低」と「誠実性・低」の交わる所を見ると、“形式張らない、控えめ”とあります。“結構、当たってるな~”と思い、妻の「3-7」を見ると、“如才がない、完全主義、勤勉、威厳、洗練された”とあり大笑い。一覧表を妻に見せて説明すると、感心していました。
 自分の体癖を知っている方は、一覧表で遊んでみて下さい。なお、自分の体癖や他人の体癖を調べる方法は、「東洋医学セミナー」の初級講座で詳しく説明しています。
 私がウィキペディアの「ビッグファイブ (心理学)」を見て感じたのは、“心理学者の人が「体癖」を学ぶと、全く別の世界が見えてくるだろうな”と言うことです。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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ビッグファイブ (心理学)
ビッグファイブは、共通言語記述子に基づくパーソナリティ特性の分類法である。主要5因子、BigFive性格特性、五因子モデル(FFM)およびOCEANモデルとしても知られている。


特定の性格特性の説明

開放性(左右体癖)

開放性とは、芸術、感情、冒険、珍しいアイディア、想像力、好奇心、および多様な経験に対する一般的な評価である。開放性が高い人は知的好奇心が強く、感情に関してオープンで、美しさに敏感で、新しいことに挑戦する意欲がある。開放性が低い閉鎖的な人と比べると、創造的で自分の気持ちをよく理解している傾向がある。また、型破りな信念を持っている可能性も高い。
 
低い値の人の記述(4種体癖)
高い値の人の記述(3種体癖)
説明
言葉
ファセット
言葉
説明
よく知っているルーチンを快適に感じ、そこからの逸脱を好まない。 着実 冒険 冒険的 新しい経験を熱望している。
ほとんどの人に比べて芸術的活動や創造的活動への興味が薄い。 芸術に無関心 芸術的興味 芸術の鑑賞眼がある 美しいものが好きで、創造的経験を求めている。
自分の感情について考えたり、感情を表に出すことがほとんどない。 冷静 情動性 感情に自覚的 自分の感情を自覚していて、感情の表し方を知っている。
想像よりも事実を優先する。 地に足の着いた 想像力 空想的 豊かな想像力を持っている。
世界をそのまま捉えることを好み、抽象的な考えをすることはめったにない。 具象 知性 哲学的 新しい考えに対してオープンであり、興味があり、もっと知りたいと望む。
伝統に従って安定を維持することを好む。 権力を尊重 自由主義 権力に対して挑戦的 権力や伝統的価値に挑戦して変化をもたらしたいと思っている。

 
誠実性(捻れ体癖)

誠実性または良心性、統制性、勤勉性。誠実性とは、組織化され信頼できる傾向、自己コントロール能力を示す傾向、忠実に行動する傾向、達成を目指す傾向、自発的な行動よりも計画的な行動を好む傾向を表している。高い誠実性は、頑固であり集中力があると思われがちである。低い誠実性は柔軟性と自発性と関連しているが、杜撰さと信頼性の欠如として現れることもある。

低い値の人の記述(8種体癖)
高い値の人の記述(7種体癖)
説明
言葉
ファセット
言葉
説明
自分の達成したレベルに満足しており、野心的な目標を設定する必要を感じない。 満足 達成努力 意欲的 自分に高い目標を設定し、その達成のために 真剣に取り組む。
決断に慎重で時間を費やすより、すぐに実行する。 大胆 注意深さ 慎重 決断する前に注意深く考え抜く。
規則や義務は無視して、やりたいことをやる。 気楽 忠実さ 従順 規則や義務が不都合であってもまじめに守る。
日常生活で組織のために時間を多く取らない。 非組織的 秩序性 組織的 生活の中で組織構造の必要性を強く感じる。
長期間、むずかしいことを続けられない。 中断 自制力 持続 きついことにも立ち向かってあきらめない。
自分の目標達成能力を疑うことが多い。 自信がない 自己効力感 自信がある 取り組んだことには成功できると感じる。


外向性(前後体癖)

外向性(「社交的/エネルギッシュ」対「孤独/控えめ」)。外向性は、活力、興奮、自己主張、社交性、他人との付き合いで刺激を求める、おしゃべりであることを表している。過度の外向性はしばしば注意を引き、威圧的であると認識される。外向性が低いと内気で内省的な性格が現れ、それはよそよそしい、または自己完結的であると受け取られることがある。このような状況では、内向的な人とは対照的に、外向的な人が社会的な状況でより優勢に見えることがある。

低い値の人の記述(6種体癖)
高い値の人の記述(5種体癖)
説明
言葉
ファセット
言葉
説明
ゆったりしたペースの生活が好き。 のんびり 活発度 精力的 スケジュールに予定が多く埋まっていて忙しい状態を好む。
特にグループの中では、話すより聞くほうが好き。 控えめ 自己主張 強い自己主張 意見をはっきり述べ、場を支配する。グループを先導することに満足を覚える。
いつも真面目で、冗談をあまり言わない。 険しい 明朗性 陽気 楽しい人で、その楽しさを人と分かち合う。
静かで、穏やかで、安全なことを好む。 平穏を求める 刺激希求性 刺激を求める リスクを負うことに興奮を覚え、いろいろ起こらないと退屈に感じる。
内向的で、人と打ち解けない。 遠慮がち 親しみやすさ 外向性 すぐに友達ができ、人といると満足する。
自分に時間を使いたいと強く思う。 独立心が強い 社交性 付き合い上手 人と一緒にいることを楽しむ。


協調性(開閉体癖)

協調性(「友好的/同情的」対「挑戦的/孤立的」)または、同調性。協調性特性は、社会的調和に対する一般的関心における個人差を反映する。協調性がある人物は、他人とうまくやっていくことを大切にする。彼らは概して思いやりがあり、親切で、寛大で、信頼でき、助けになり、自分の利益を他人に譲ろうとする。

低い値の人の記述(9種体癖)
高い値の人の記述(10種体癖)
説明
言葉
ファセット
言葉
説明
人のために時間を使うより、自分のことをしたい。 自己中心的 利他主義 利他的 人を助けることで充実感を味わい、人のために尽くす。
人への反論を避けない。 強情 協調性 寛容 進んで対立を避けようとする。
自己を敬愛し、自分に満足している。 高慢 謙虚さ 慎み深い 注目されると落ち着かない。
目的のためにはあらゆる手段を使う。 不義・不道徳 道徳性 不屈 出世のために人を利用するのは正しくないと考える。
人は、一般的に他人に依存するのではなく、自分自身でなすべきだと考える。 冷酷 共感性 親身 人の気持ちを感じ、思いやりがある。
人の意図を警戒し、簡単には信用しない。 人を警戒する 信用性 人を信じる 人の善意を信じ、


神経症傾向(上下体癖)
 
神経症傾向または情緒安定性、情動性とは、怒り、不安、抑うつなどの否定的な感情を経験する傾向のことである。これは感情の不安定性と呼ばれることもあり、逆に感情の安定性と呼ばれることもある。神経症傾向は心理的ストレスを受けやすい傾向を表している。怒り、不安、抑うつ、脆弱性などの不快な感情を容易に経験する傾向でもある。また、神経症傾向は情動の安定性と衝動の制御の程度を意味し、ときにはその低い極である「情緒安定性」と呼ばれることもある。

低い値の人の記述(2種体癖)
高い値の人の記述(1種体癖)
説明
言葉
ファセット
言葉
説明
あまり怒ることはない。 温和 怒り 激情的 特に物事が思ったように進まないときに、激しく感情が高ぶる。
穏やかで自信がある傾向がある。 自信がある 不安 心配性 起こるかもしれないことをいろいろ心配しがちである。
自分に大体満足している。 満足 憂うつ 悲観的 おもしろくないことを頻繁に考える。
欲望は特に強くなく、欲望を制御できる。 自制心がある 利己的 快楽主義 欲望を強く感じ、欲望に誘惑されやすい。
当惑することはほとんどなく、大抵の場合は自信にあふれている。 自信に満ちた 自意識過剰 自己を意識する 人が自分をどう思うかに敏感である。
予期しないことにも落ち着いて効果的に対処する。 プレッシャーに強い 傷つきやすい 低ストレス耐性 ストレスの多い状況に負けやすい。


【複合的なパーソナリティ】

第二特性
第一特性
特性
協調性/開閉体癖
誠実性/捻れ体癖
外向性/前後体癖
神経症傾向/上下体癖
開放性/左右体癖
・10 9 7 8 5 6 1 2 3 4
協調性

10
頼りになる、責任感がある、信頼できる、礼儀正しい、思いやりがある 謙遜、でしゃばらない 社交的、精力的、熱狂的、話し好き、生き生きとした 非攻撃的、つつましい、従順、臆病、迎合的 情にもろい、だまされやすい、優しい、敏感、柔和 忍耐強い、寛大な、多くを求めない、現実的 理想主義、外向的、深みがある、気が利く、愛想の良い 単純、依存


9
人を寄せ付けない、厳格、融通がきかない 無謀、非協力的、信頼できない、疑い深い、思慮がない 意固地、強引、傲慢、高慢、威張り屋 懐疑的、用心深い、引きこもりがち、無口、非社交的 神経質、短気、けんか好き、せっかち、怒りっぽい 冷淡、無神経、愛情がない、情熱がない 抜けめがない、風変わり、個人主義 粗野、機転が利かない、ぶっきらぼう、心が狭い、冷淡
誠実性捻れ

7
人を助ける、協力的、思いやりがある、丁重、礼儀正しい 厳格、融通がきかない、人を寄せ付けない アクティブ、競争好き、粘り強い、野心的、目的を持つ 控えめ、真面目、慎重、用心深い、信念を持つ 几帳面、神経質 理性がある、客観的、堅実、論理的、決断力がある 分析的、知覚が鋭い、情報通、歯切れが良い、威厳がある 慣習的、伝統的


8
謙遜、でしゃばらない 思いやりがない、無礼、疑い深い、非協力的、思慮がない 乱暴、わんぱく、自己顕示、社交的、示威的 ひねくれ、非精力的、怠惰、粘り強くない、どっちつかず 無理強いする、せんさく好き、身勝手、忘れっぽい、直情的 形式張らない、控えめ 型破り、風変わり 近視眼的、無鉄砲、非論理的、未熟、行き当たりばったり
外向性

5
生き生きとした、幸せ、友好的、陽気、楽しい 頑固、険しい、未熟、けんか好き、粗雑 野心的、油断のない、硬い、目的を持つ、競争好き 気まま、乱暴、無謀、向こう見ず、示威的 興奮しやすい、言葉数が多い、浮気な、激しやすい、とっぴな 自意識が強くない、うんざりしない、根気のよい 世俗的、演劇的、雄弁、詮索好き、熱烈 くどい、無節操、気取った


6
情け深い、同調的、親切、つつましい、寛大 冷笑的、人を警戒、引きこもりがち、孤立、人間味がない 用心深い、自信に満ちた、時間を守る、几帳面、倹約 優柔不断、目的がない、どっちつかず、曖昧、向上心がない 用心深い、気難しい、不安、悲観的、秘密主義 控えめ、容易に興奮しない、穏やか、落ち着いた 内省的、瞑想的、熟慮、自省的、内面志向型 予測可能、平凡、陰気、無感動、冒険心のない
神経症傾向上下

1
感傷的、優しい、感性が豊か、柔和、情熱的 批判的、わがまま、気難しい、敵対的、怒りっぽい 几帳面、神経質 散漫、矛盾、気まぐれ、忘れっぽい、直情的 激しやすい、言葉数が多い、とっぴな、移り気、浮気な 用心深い、悲観的、秘密主義、臆病 情熱的、興奮しやすい、官能的 取り乱しやすい、腹を立てやすい、懸念深い


2
寛大、陽気、寛容、温和、柔軟 無神経、愛情がない、情熱がない、冷淡 手落ちがない、堅実、首尾一貫、自制力、論理的 形式張らない、控えめ 自信に満ちた、大胆、自信がある、遠慮がない、勇敢 落ち着いた、物静か、穏やか、公平な、控えめ 創造的、知的、洞察力がある、多才、独創的 冷静、鈍感
開放性左右

3
愛想が良い、機転が利く、外交的、洞察力がある、理想主義 抜けめがない、風変わり、個人主義 如才がない、完全主義、勤勉、威厳、洗練された 型破り、風変わり 表情豊か、ありのまま、ドラマチック、自発的、機知に富む 内部志向、内省的、瞑想、熟考、自省 興奮しやすい、情熱的、官能的 誠実、多才、創造的、知的、洞察力に富む


4
依存、純真 粗野、機転が利かない、ぶっきらぼう、心が狭い、冷淡 伝統的、慣習的 無鉄砲、非論理的、未熟、無計画、散漫 くどい、無節操、気取った 陰気、おとなしい、冒険心のない、受け身、無感動 取り乱しやすい、腹を立てやすい、懸念深い 冷静、鈍感

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