[ラジオイラン]朝鮮半島情勢を懸念するロシア

竹下雅敏氏からの情報です。
最後の赤字部分でもわかるように、"事態が緊迫し、複雑"なのだと思います。朝鮮半島情勢は各国の思惑がからみ合って非常に緊迫していると考えた方が良いのでしょう。
(竹下 雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

————————————————————————
朝鮮半島情勢を懸念するロシア
転載元)
ホセイニー解説員

ロシアのリヤノーボスチ通信が、報告の中で、ロシアが朝鮮半島情勢を懸念していることを明らかにしました。リヤノーボスチ通信は、ロシアのラブロフ外務大臣の話として、「あらゆる対立は、特に最新鋭の軍事技術を持つ武器や軍備が蓄積されればされるほど、軍事的な解決策に走る危険がさらに高まるだろうとしています。

ロシアのラブロフ外務大臣

ロシアのラブロフ外務大臣は25日月曜、ロシア外務省付属外交アカデミーの教授や学生らを前に演説し、「我々は、北朝鮮の核実験問題による現状が、朝鮮半島地域での権力の為悪用されることを非難する」と語りました。また、地域の海上でのアメリカと韓国の大規模な合同軍事演習の実施や、ミサイル設備の拡大、そして北朝鮮攻撃を示唆することは容認できるものではないとし、「ロシアは、特に北朝鮮の核実験問題をはじめとする地域情勢を収束させる上で、軍事手段に訴えることは許さないだろう」と述べています。

ラブロフ大臣は、こうした危険な事態を未然に防ぐために視野に入れている措置の1つとして、「ロシアは、北朝鮮の核問題を話し合う6カ国協議の枠内で、北東アジア地域における安全確保に関するワークグループの団長の役割を担っており、現在この協議の全ての参加国の賛同を得る必要のある書類を用意している」としました。

ラブロフ大臣はまた、「我々は、朝鮮半島情勢の安定の確立という理念を視野に入れ、地域の安全が保障され、北朝鮮の核問題が外交的に解決されることを促す措置をとるべき時が来ていると考えている」と語っています。ロシアが6カ国協議の早期再開を強調したのと同時に、中国の代表も韓国のパク・クネ新大統領との会談で、北朝鮮の核問題の唯一の解決策として6カ国協議の再開を強調しました。

中国の新華社通信は、中国の胡錦濤(こ・きんとう)国家主席と、共産党中央軍事委員会の習近平(しゅう・きんぺい)主席が、韓国のパク・クネ新大統領に祝賀のメッセージを発信したと報じ、「双方は、最近の会談で相互協力の推進に寄与することを約束した」としています。韓国大統領の就任式に出席した中国の劉延東(りゅう・えんとう)特別代表は、韓国を訪問した際、「中国は、ここ20年間でこれまでにないほど発展した韓国との関係を、非常に重視している」と語りました。

中国は、朝鮮半島の危機を平和的に解決するためには、韓国との関係拡大は重要であるとみています。これに基づき、劉延東特別代表はパク・クネ大統領が、6カ国協議の早期再開のための措置をとることを期待しているのです。劉延東特別代表はまた、「中国は、全ての関係国に対し、事態が緊迫し、複雑であることから、問題を協議により解決するよう求める。そして、朝鮮半島における韓国と北朝鮮の間での信頼醸成を目指すとする、パク・クネ大統領の約束に謝意を表明すると共に、朝鮮半島における恒久的な安定の実現に向けた努力を継続する」と述べました。

また、中国が韓国との相互協力を強調する一方で、国連のジョン・アリソン氏も25日月曜、中国政府に対し北朝鮮への影響力を生かして、地域での衝突の防止を支援するよう求めています。6カ国協議は、韓国、北朝鮮、日本、中国、アメリカ、ロシアが参加しており、北朝鮮の核問題の解決を目指して2003年に始まりました。しかし、2008年以来アメリカの妨害行為と、双方の合意を超えた要求により、この協議は中断されたままとなっています。

Comments are closed.