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今思えば、上の子が３歳、２歳で３番目の子が生まれた頃が一番大変でした。上の子もまだ幼稚園に行っていませんでしたので、毎日朝から晩まで４人で家に籠っていました。
夫は仕事でほとんど家にいません。手のかかる上の子たちが２人いて、すべての家事をこなすとなると赤ちゃんをおんぶするしかありませんでした。カナダでは西洋風のキャリアーで抱っこしたりベビーカーで出かけることはあっても、おんぶはしたことがありませんでした。
日本でも西洋風の抱っこ紐が流行り始めた頃でした。でも、私が使ったのは昔ながらのおんぶ紐です。見かけは悪いけど、これが結構便利でした。
まず、赤ちゃんが安心するのか落ち着いています。ぐずればすぐに振り向いてあやすことができます。ほっておいて泣かせることが無くなりました。又、上の子の小さいおもちゃを口に入れる危険な時期です。「片付けなさい！」と叱る回数も減りました。そして、冬でしたのでお互い温かいし、両手が空くので家事や色々なことができました。
お兄ちゃんたちがエネルギーを持て余して外に出る時もおんぶのまま一緒に出掛けます。ベビーカーより便利です。眠ったのでそっと下ろそうとするとビクッと起きてしまうので昼寝も私の背中でした。
そんな子育ての日常が過ぎて、子ども達が小中学生になったころでした。久しぶりに絵本を読んであげていた時の事です。４人の内３人は私の周りに集まって聞いています。でも、その３番目の子だけは私の背中に抱きついて耳を当てて聞いていました。
「ほら、ちゃんとこっちにきなさい」と誘ったら「ううん、なつかしい～。いつもママの背中で聞いてた声だ」と言ったのです。思わず、その情景を思い出しました。「ああ、そうだった！この子はずっとおんぶされていて、背中に響く私の声を覚えているんだ」と、思ったら胸が熱くなりました。
もしかしたら胎児の時におなかの中で聞いていた声も同じように聞こえていたのかもしれません。とてもとても忙しくて心も余裕がなくて構ってあげられなかったけれど、この子は私といつも一緒だったことに気が付きました。
おんぶはママが振り返ればそこに赤ちゃんのお顔があるような高い位置にします。思い返せば、炊事をするのも、お掃除するのも私の目線で一緒に動いていました。お兄ちゃん達と歌を歌う時も聞いていたのね。たぶん娘の体癖は８－４であまりテキパキする方ではないけれど環境も手伝ってか、何か始めたら段取りが上手で、手際よくこなせる「感」が備わっているのです。きっとおんぶされながら私と一緒に色々なことを体験学習していたのでしょう。
赤ちゃんの頃の脳は体験した全てを受け入れるのだそうです。おんぶは寝かせられているのに比べて格段に体験量が違います。もしかしたら何よりすごい早期教育かも。
おんぶは赤ちゃんの首がきちんと座ってからします。
一日中抱っこやおんぶするのは大変な重労働です。背筋力が１．５以上ないとできないそうです。今の若いママは背筋力が無くて長く抱っこできなくなってきているとのことです。
（背筋力のテストも１９９８年以降無くなりました。なぜか？
・・・そのテストで腰を痛める子が増えたからだそうです！）
（挿絵：あい∞ん）
Writer
かんなまま
男女女男の４人の子育てをして孫が６人。今は夫＋愛犬で静かに暮らしているが・・・
週に２日、孫達がドッとやってくる＋義理母の介護の日々。
仕事は目の前の暮らし全て。
いつの間にか専業主婦のキャリアを活かして、ベビーマッサージを教えたり、子育て支援をしたり、学校や行政の子育てや教育施策に参画するようになった。
趣味は夫曰く「備蓄とマントラ」（笑）
体癖 ２－５
月のヴァータ
人生一巡り＋１歳
3件のコメント
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かんなまま様
今回も自分の子育てを懐かしく思い出しました。
姉からお下がりでもらったおんぶ紐で台所に立っていた頃。。
でも、腰が痛くなるほどはおんぶしてなかったかな笑。。
私もべったりの専業主婦でしたが、子ども二人（男の子）。。
かんなままさまの４人の子育て、想像を絶します。。
でも、その子育ての先には 幸せが待っているのですね♪
とても胸が熱くなりました。。。
「いつもママの背中で聞いてた声だ」の娘さんの言葉・・・。
涙がじわ～んと・・・。
あ～子供って本当に可愛いですね。
次回も楽しみにしています(*^_^*)
あい○○んさんのイラストに今回も癒されました。
さりげなく登場しているニャンコちゃん、かわゆい♡
かんなまま様
私は幼少期の記憶があまりないのですが、このおんぶ姿のままさんとお子さんたちの描写を読み、あい∞んさんのイラストを見たら、なんとなく母親の背中の暖かさを思い出しました。
「おんぶ」された経験が後々まで影響があるということがよくわかるステキな文章でした。
あい∞ん様
かんなままご一家のイラストの左上のニャンコはひょっとして・・・・・？
細かいところまで愛を感じさせるイラスト、感心しています。