【第25回】 かんなままの子育て万華鏡  ~ベビーマッサージ~

ベビーマッサージを始めたきっかけは「理屈ではない」と感じたからです。

「ちゃんと育っているか」・・・ママ達はよその完璧モデルを作り、自分の赤ちゃんと比べて○○が遅いのでは?」「○○が足りないのでは?」と心配ばかりしています。本来、赤ちゃんは1人ひとり違って当たり前。在りのままを愛でて育てれば自ら成長するようにできているのですが、そんなこと言っても新米ママには無理。在りのままが何なのかもよくわかりません。

それを理屈ではなく体から先に感じさせてくれるのがベビーマッサージです。

25-2

赤ちゃんの肌はとても敏感です。大好きなママが優しく温かく撫でてあげたらそれが直接脳に働きかけて、リラックスしながら成長ホルモンや愛情ホルモンが促され、生きる力が湧き上がってくるのです。特に一日の終わりにたっぷりのオイルをつけて頭や体をマッサージしてお風呂に入ると効果てきめんです。体の浄化と同時にこの幸せな触覚刺激が直接深い意識に届くと言われています。感覚のいい子はそのままうっとり眠ってしまいます。「愛しています」と唱えながらマッサージしてあげられたら・・・。孫はもうオイルを見せただけで至福の顔になり脱力します(笑)

未熟児を肌と肌でふれあって抱っこしたり、マッサージするとストレスが軽減して体重が増え成長発達が促されるという報告もあります。ジャングルで過酷な生活をしている部族は伝統的にベビーマッサージをしているところが多く、調べてみたら子どもの発達も優れているとのこと。

それなのに現代医学は安全なお産という使命感で、母子双方の絶妙なタイミングで行われるお産のドラマを無視してきました。そして赤ちゃんを親から離してしまいました。
産後すぐの別離感の影響は大きく、ママと赤ちゃんに自然に起こる体と心のネットワークを切ってしまったのです。

でも、大丈夫!赤ちゃんを積極的に触ることでママも赤ちゃんも劇的に変わっていきます。
ただ、1回のマッサージ教室では伝えられることが限られています。だから難しいことは言わず、エッセンスを歌いながら伝えることにしました。

まず、わらべうたで赤ちゃんと遊びます。おもちゃやアプリであやすことしか知らないママは自分の声やタッチで赤ちゃんが反応することにびっくりします。2~3か月の赤ちゃんがママの声や表情の真似をします。喃語でおしゃべりをします。ママもつられていつもより高い声で抑揚を付けながら話しかけます。わらべうたの抑揚、リズムは世界共通です。面白いなあと思います。

そのまま自然に「おなか好き好き、おてて好き好き、あんよ好き好き・・・」と歌いながら赤ちゃんを撫で始めます。「全部好き好き、出会えてよかった、ママの所に来てくれてありがとう、愛しているよ」と言う頃にはもうママ達はメロメロで自分と赤ちゃんとの世界に入り込みます。

その後「今から裸になってベビーマッサージをするけどいいですか?」「いいですよ、と返事してくれた赤ちゃんだけ洋服を脱ぎますよー」と言うとママ達は苦笑します。だって今までそんな聞き方をしたことがなかったのですから。「赤ちゃんは自分のものではありませんよ」「嫌がっている時はマッサージをしないでください。ママの一番の仕事は自分の赤ちゃんの要求に応えることですよ」と伝えます。それから場の雰囲気を感じ取りながら遊ぶ感覚でオイルマッサージを始めます。

何度も参加しているママには「ヴァータの子にはオイルたっぷりで温かく優しく、カファの子はオイル少な目、リズミカルに」など付け加えますが、言葉での解説は極力しないで、赤ちゃんに話しかけるように歌います。

25_1

泣いていた赤ちゃんが泣きやみ、ニコニコして反応してくれるとママの喜びが倍増です。赤ちゃんは周りの雰囲気に敏感です。誰かが泣き出すと皆がざわざわします。その場の赤ちゃんを感じてゆっくり囁くようにしたり、リズミカルにしたりすることで同調が始まり一体感を共有できるから不思議です。10~20人いてもほとんど泣く子はいません。終わってママの体温を感じながらゆらゆら抱っこされながら子守唄を聞くころには本当にまったりとした雰囲気で幸せに包まれます。明らかに場が変わっています。

これを味わうと毎回来てくれるようになります。そして、いつの間にか子育てに喜びが生まれ、ママとしての自覚が芽生えていきます。「子どものために食べ物は?」などママの方から聞いてきます。全て自然に起こるのです。マッサージの力は絶大です。
私はこれを「無条件幸福」とよんでいます。一生続けたい幸せな仕事です。

last

かんなままのオススメ本

  • 「胎児は知っている母親のこころ」トマス・バーニー著 日本教文社
  • 「子供の「脳」は肌にある」山口 創著 光文社新書
  • 「誕生前後の生活」野口 晴哉著 全生社
  • (挿絵:あい∞ん)

    Writer

    かんなまま様プロフィール

    かんなまま

    男女女男の4人の子育てをして孫が6人。今は夫+愛犬で静かに暮らしているが・・・
    週に2日、孫達がドッとやってくる+義理母の介護の日々。
    仕事は目の前の暮らし全て。
    いつの間にか専業主婦のキャリアを活かして、ベビーマッサージを教えたり、子育て支援をしたり、学校や行政の子育てや教育施策に参画するようになった。

    趣味は夫曰く「備蓄とマントラ」(笑)
    体癖 2-5
    月のヴァータ
    人生一巡り+1歳

    2件のコメント

    【シャンティ・フーラからの注意】
    コメント欄への投稿は、シャンティ・フーラのスタッフが承認したものだけが掲載されておりますが、掲載・非掲載の判断は、投稿された情報の信頼性・妥当性をもとに行っているものではありません。

    1. 今回も素敵な記事をありがとうございます。
      読みながら自分がマッサージをしてもらっているかのようにトロ~ンとしてしまいました(笑)
      あい~んさんのイラストに今回も見入ってしまいました。
      赤ちゃんのイラストが可愛くて、愛らしくて・・・目が♡になりました♪

    2. かんなまま様の子育て万華鏡いつも楽しみにしています。
      ベビーマッサー懐かしいです。
      子育て、第一子 赤ちゃんも私も良く泣いていて、わからないことばかり、子供に対して「ちゃんと育てなきゃ」という責任感、戸惑い、不安、迷い、孤独、寂しさ、そんないっぱいいっぱいの私が、
      ベビーマッサージへおでかけ、赤ちゃんに(マッサージしていい?)赤ちゃんに確認話しかけたのはじめてかもと思いながら(笑)
      そのようなすべての事を(不安など)吹き飛ばし、幸せいっぱい、赤ちゃんをマッサージしている私のほうが、体が緩み、体が温かく、とても愛おしく、赤ちゃんのぬくもりや、表情、赤ちゃんが話しかけてくるようです。

      まさにイラストのようです。無条件幸福なのですね。
      読んでいたらベビーマッサージしているかのように幸せな気持ちになりました。そして、いつも愛がつまっていて「かんなまま様の子育て万華鏡」楽しみにしています。そして救われ学んでいます。まだまだ続編お願いしたいです。
      いつもいつもありがとうございますm(__)m

    コメントをどうぞ

    コメントの投稿により、本サイト利用条件の"投稿行為"に同意いただいたものとみなします。