【第4回】 南インドでアーユルヴェーダ ~医師のパンチャカルマ体験~
ピッタな私

アーユルヴェーダではドーシャ(気)を、ヴァータ(東洋医学セミナーでは太陽と月)、ピッタ、カファに分類します。「ねじれの医学」を読んでくださった方なら、すでにおわかりのことと思いますが、私の体質はピッタです。お盆の3日間、真昼間に草刈りをして血尿を出したエピソードで、「火」の体質であることがバレバレでしょう。  

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今回私が、アーユルヴェーダの病院に入院したときの主訴は、「鼻血」でした。もともと朝が弱いので、目覚ましに温泉に入っていたことがあります。しかし、目覚める代わりに鼻血が出るようになってしまい、止めました。
それ以来、何かあると鼻血が出て、ここ10年間、回数と量が増えてきていました。疲れた日などは特にひどくて、顔を洗うために下を向いただけで出たり、鼻洗いをすると出るのでやっかいでした。診察中、お腹をみようと下を向いただけで出始めてあわてたり、朝起きると、知らないうちに枕が血で汚れていたこともあります。

また、コーヒー、紅茶、緑茶、チョコレートに敏感になり、抹茶アイスクリームを食べても、ティラミスを食べても眠れなくなってしまい、麦茶やハーブティーしか飲めなくなりました。  

深夜にHealth Villageに着いた私は、へろへろの状態でシャワーを浴びました。タオルを頭に巻いたままバタンキューしたみたいで、案の定、朝になると真っ白なタオルに鼻血をつけてしまっていました。
しかし、その日の午前中に医師の診察を受け、トリートメントが開始し、晩の薬を飲んで以降、10年来続いた鼻血が1回も出なくなったのです。帰国後は、強く鼻をかんだり(以前は怖くてできませんでした)、鼻洗いをすると少しは出ますが、それでも前のようにだらだら流れて、血の池地獄になることはまったくありません。

漢方的には「脾不統血」といって、「脾気が虚しているために、血を統制することができない状態」だと思いました。それで、貧血と出血に使う帰脾湯(きひとう)をよく飲んだのですが、効果がいまいちでした。熱を冷ます薬を加えた、加味帰脾湯(かみきひとう)も試しましたが、胃が悪くなってしまいました。

何を試しても効果がなく、あきらめモードでしたが、今回のアーユルヴェーダ治療では、驚くほど早く、はっきりと効果を実感できました。

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もしも私が、ピッタを放っておいたらどうなっていたでしょうか? 仕事でストレスをためるほど熱を持ちますから、ピッタが増えてきます。しかもドクターによれば、私の余剰ピッタは眉間から鼻のあたりにあったようです。

そうなると、一番起こりえたことはくも膜下出血です。疲れて帰ってきて、お酒を飲んで、熱めのお風呂にでも入っていたら、私の年なら、くも膜下出血が一番起こりやすかったでしょう。目を使いすぎていたら、もう少し軽くて眼底出血だったかもしれません。

しかし、ピッタにも良いことがありました。退院時の生活指導で、一瞬、耳を疑いましたが、ドクターに「甘いものを取ってください」と言われたのです。ほかにも、アルコールや香辛料、炭酸系はさけること。しょうが汁を入れた白湯を飲むこと。飲むなら「甘いジュース」がいい。「ごはんにギー(バターで可)をかけて食べてなさい」と言われました。退院時に渡された1か月分の薬は2種類とも、甘党の私でさえも、のどが痛くなるほどの甘々でしたので、ドクターの言ったことは夢ではなかった!とバンザイしました。

(挿絵:あい∞ん)

Writer

ぴょんぴょんDr.

白木 るい子(ぴょんぴょん先生)

1955年、大阪生まれ。うお座。
幼少期から学生時代を東京で過ごす。1979年東京女子医大卒業。
1985年、大分県別府市に移住。
1988年、別府市で、はくちょう会クリニックを開業。
以後26年半、主に漢方診療に携わった。
2014年11月末、クリニック閉院。
現在、豊後高田市で、田舎暮らしをエンジョイしている。
体癖7-3。エニアグラム4番(芸術家)

東洋医学セミナー受講者の声 jijiblog_nejireigaku_banner7

3件のコメント

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  1. ぴょんぴよん先生の連載、毎回興味深く拝見しております。
    何をしても効かなかったのにアーユルベーダーの治療はすごい効果ですね!
    ”甘いものをとってください。”は嬉しい治療!
    こんな治療なら大歓迎ですね(*^_^*)
    そして、甘~い薬って何からできているんだろう?と思いました。

  2. メープルEY on

    ぴょんぴょん先生、今回の記事内容、本当に驚きました。

    ぴょんぴょん先生と同じピッタですが、先生の鼻血の出かたには驚きました。
    私の場合は、小学生の頃チョコレートの食べ過ぎでドドーッツと鼻血を出して以来経験がありません。

    驚愕の診断と処方にアーユヴェーダの凄さに感服しました。
    インドに行くことがあれば、この病院は絶対はずせないと思いました。

    ぴょんぴょん先生、私もよく草刈りをしますが、先生のお話を伺って、上には上があるものだと妙に感心してしましました。
    どうぞご無理をされませんように。

  3. ピョンピョン先生 何時も楽しく?読ませて頂いて居ます 最初はすーっと読んで居ました
    実は最近ネットで 癌 の驚異的治療法と言うレポートを読みまして 此の事実は何を変える
    事に依り効果が出るのか?と色々調べました 結論的には カファドーシャを下げると言う事
    に行き着きました いゃー驚きましたが感想を書いた所 高血圧はどのドーシャと関係有るか
    と言う質問を受け調べたら ピツタ でしたねーで 先生の写真を見ながら感じた事は脾の
    ピツタドーシャの 虚つー事で 本文読み直したら書いて有って又驚きでした 私は基本は
    バータなのですが 現在脾に実のピツタドーシャがが出ますので自己施術中です カファ
    ドーシャに依る 癌 の特効薬の名は食品カテゴリーの 春ウコン ですベーダでも上薬と
    して記載有りと紹介されて居るそうです 余計な事ですが?

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