「禁戒・勧戒とチャクラの浄化」ダイジェスト(東洋医学セミナー初級第9回より)

「ダイジェスト」では東洋医学セミナーの、ある回の一部分をWeb上で紹介します。
実際の講座と教材 は、ここに掲載されている内容よりも遥かに精緻かつ多くの理論を学びます。

 東洋医学と宗教(精神の科学)は本来一体で切り離すことのできないものです。  今回の東洋医学セミナーダイジェストでは、宗教的な教えである禁戒・勧戒とチャクラとの関係を取り上げます。



1.ヨーガにおける禁戒と勧戒

 伝統的なヨーガにおいて、悟りを求める修行者が師について学び始めるとき、師は弟子に対して初めに禁戒(ヤマ:Yama)と勧戒(ニヤマ:Niyama)を教えます。
 禁戒とは‘してはならないこと’、勧戒とは‘積極的に行うべきこと’です。

【禁戒】
1.非暴力:他を傷つけぬこと、無駄な殺生をせぬこと
2.正直 :偽らぬこと、嘘をつかぬこと 
3.不盗 :盗まぬこと、他人のものを欲しがらないこと
4.禁欲 :不摂生をせぬこと、自然の理にかなった生活をすること
5.不貪 :どん欲をおこさぬこと、必要以上のものを所有しないこと

【勧戒】
1.清浄 :心身の清浄を保つこと
2.知足 :満足を知ること
3.苦行 :あらゆる環境で心を乱さぬこと
4.読誦 :心を高めてくれる書物を読むこと
5.最高神への信仰:真理の導きに従うこと

 非暴力でいえば、実際に生き物を傷つけないということもありますが、想念のレベルでも傷つける行為をしないということです。想い、言葉、行為のすべてにわたって戒律を守ることが必要とされます。それは大変難しいことですが、もし非暴力を真に達成したら、その人は誰からも傷つけられなくなるといわれています。また、正直に徹するならば、その人が言うことは本当に実現するようになるといわれています。禁戒と勧戒は霊的に深い意味をもつ日常生活の教えです。

【16項目の徳目
 講演の中で竹下氏がいわれる16項目の徳目とは、禁戒勧戒の10項目に「識別、離欲、無執着、全託、利他、無我」の6項目を加えた合計16項目のことです。



2.願望の成就

「宗教的な教えはふたつの道があり、ひとつは願望の道で、もうひとつは放棄の道です。願望成就は前者に属し、真の宗教的な教えに到る準備段階に相当するということを、認識しておく必要があるでしょう。
 大きな夢をもち、夢に向かって努力し、夢を実現することが美徳のように考えられています。今や教育においてすら、生徒の学業に対する意欲の向上のために、明確な目標をもつことの重要性が説かれるようになってきました。しかし、宗教的観点からはこのような考え方ははっきりと誤りであるといえます。第一に重要なのは正しい認識です。真理は、愛を通してのみ得られ、社会的地位や、名声、ましてや富を獲得することが人生の目的ではありえないということをはっきりと自覚できなければなりません。この自覚をもつ者のみが、才能を開花させ、その才能を社会に生かすべく、明確な目標をもつことを勧められるのです。
 たとえば、「医者になりたい」という願望が単に社会的、経済的理由からくるのであるならば、それは真実の望みとはいえないでしょう。仮にそのような人が本当に医者になってしまったら、おそらく人の命よりも病院の経営の方を優先するようになるでしょう。それは、その人個人のレベルだけではなく、社会全体にとって不幸なことだといわねばなりません。実現させたい夢が単に自己中心的な欲望からくるものなのか、それともそれ以上のものなのかを十分に吟味する必要があります。
 人生に明確な目標をもち、その実現に向かって黙々と努力する人は決して多くありません。ましてやその目標が自己中心的な欲望に基づくのではない人々はほとんどいないといってよいかも知れません。多くの人々は自分が何をしたいのかすらもはっきりとはわからないものなのです。しかし、才能を開花させそれを社会のために役立てたいと切に願う人々がまず最初に行なうべきことは、徳を積むことなのです。明確な目標をもちながら成功する人と失敗する人の違いは、一言でいってしまえば、その人がもつ徳によります。徳を積んだ人には他者からの援助が得られ、徳のない人は自力からくる限界という壁に突き当たります。
 徳を積むというと、奉仕活動をしたり、困っている人々に対して寄付をすることをまず考えるでしょう。それは徳を積むという意味において、最も基本的な態度といえるでしょう。それに加えてぜひ、禁戒(ヤマ)と勧戒(ニヤマ)を勧めます。これら十項目を常に日常生活の中で実践している人は、「徳の高い人」だといえるでしょう。禁戒、勧戒の実践は徳を積むという意味において、王道といえるのです。
 三年間徳を積み続けてください。不思議なことが起こり始めます。人生に明確な目標のなかった人でも、自然に自分の中に眠っている深い願望が浮かび上がってきます。そしてあなたを援助してくれる人々があなたの回りに集まってくるでしょう。こうしてあなたの夢は大きな努力をはらうことなく、少しずつ実現の方向に向かっていくでしょう。この過程の中で、人生の明確な目標がはっきりと定まる人もいるでしょう。そうしたときに、神々に祈ることを勧めます。どのようにして祈ればよいのでしょうか? 言葉にして祈ってもよいし、願いが実現している様をイメージとして思い描いても結構です。大切なことは、祈りの最後にそれらの言葉やイメージを天高く持ち上げ、天上の神々に祈りを送り届けるように意識を高く持ち上げることです。以上があなたの願望を叶える最短で最も容易な方法です。
 徳を積まず、イメージトレーニング(視覚化)による強引ともいえる願望成就の方法がよく紹介されていますが、あなたが不必要なカルマを積まないようにするためにも、このような方法に頼るべきではありません。
 自分の望むことをして生活ができ、自分の仕事が人々に喜んでもらえるならば、それは素晴らしいことといえるでしょう。そうした人生を生きるためにも禁戒、勧戒を生活の基本においた人生設計を考えていだたきたいと思います。(竹下雅敏)」



3.体表のチャクラ

 ヨーガの目的は、まず身体のチャクラを浄化し、覚醒させ、次に脊柱底部に眠るクンダリニーエネルギーを覚醒し、それを上昇させて解脱に至ろうとするものです。このとき重要なのが脊柱中にある主要な7つのチャクラで、それらは体の中心線上のツボの位置に、それぞれ気(プラーナ)の出入口を持っています。これらのツボはチャクラではありませんが、便宜上、体表のチャクラと呼ぶことにすれば、体表のチャクラは気(プラーナ)の放出と吸収に応じて、各々7つの色彩を持っています。



4.禁戒・勧戒とチャクラの浄化

 禁戒(ヤマ:Yama)と勧戒(ニヤマ:Niyama)はチャクラを浄化するための教えです。チャクラの浄化とは、チャクラのプラーナの通り道に溜まったネガティブなエネルギーを取り除くことです。
「正直(サティヤ:Satya)」であるように自分を律すると、スワーディシュターナ・チャクラが浄化されていきます。「清浄(シャウチャー:Shaucha)」を心がけ、心身を清め自分の周りを整えることで、ムーラーダーラ・チャクラが浄化されていきます。

 なお、アージュナーとサハスラーラに対応する言葉は竹下氏の研究によるものです。


【禁戒】チャクラからのプラーナの放出のルートの浄化
ムーラーダーラ 非暴力(アヒンサー:Ahimsa)
スワーディシュターナ 正直 (サティヤ:Satya)
マニプーラ 不盗 (アスティヤ:Asteya)
アナーハタ 禁欲 (ブラフマチャーリヤ:Brahmacharya)
ヴィシュダ 不貪 (アパリグラハ:Aparigraha)
アージュナー 識別 (ヴィヴェーカ:Viveka)
サハスラーラ 無執着(アサンシャクティ:Asanshakti)


【勧戒】チャクラからのプラーナの吸収のルートの浄化
ムーラーダーラ 清浄 (シャウチャー:Shaucha)
スワーディシュターナ 知足 (サントーシャ:Santosha)
マニプーラ 苦行 (タパス:Tapas)
アナーハタ 読誦 (スヴァティアーヤ:Swadhyaya)
ヴィシュダ 最高神への信仰
(イーシュヴァラ・プラニダーナ:Ishwar Pranidhana)
アージュナー 離欲 (ヴァイラーギヤ:Vairagya)
サハスラーラ 全託 (アートマニヴェダーナ:Atmanivedana)


5.チャクラの浄化の技法

 「言葉」や「文字」は、それ自身の波動をもっています。例えば非暴力という意味をもつ「アヒンサー(Ahimsa)」という文字は、それ自身が「アヒンサー」という波動を持っています。
 その文字をカードにして手に持ち、対応するチャクラに意識を集中することで、チャクラを浄化することができます。カードの作り方の詳細は付録をご覧下さい。

【カードの使い方】

1)写真のようにカードを両手で持つ。
2)意識の焦点をその文字に対応するチャクラ(体表のツボ)に合わせる。

注)カードは白い紙を使い、裏も表も他の文字を書かないでください。


6.禁戒・勧戒の実践

 ヤマ(禁戒)とニヤマ(勧戒)の本来の目的は、普段の生活を通じてチャクラの浄化をすることにあります。今回紹介したカードによる方法以外にもチャクラを浄化するテクニックはたくさんあります。しかし、いったん浄化したチャクラも、ヤマとニヤマに反する行為や言葉や想念によって再び汚れていきます。普段の生活をヤマとニヤマに沿ったものにすることで、その人のチャクラは常に清浄な状態となり、精神を高めていく基礎ができます。それで宗教は、ヤマとニヤマを修行の第一歩として薦めているのです。



付録. カードの作り方

【手書きの場合】

1)裏も表も白い紙を用意し正方形に切る。(6cm×6cmくらいの大きさに)
 
2)作例のように縦書きで文字を書く。
 
・サンスクリット語のカタカナ表記を上に書き、サンスクリット語のアルファベット表記  を( )の中に書く。
・1行で入るときは、紙の中央に縦書きで書く。
・複数の行に分けるときは、初めの行を1段下げて書く。
 
注)カードには裏も表も他の文字を書かないこと。
【パソコン等でつくる場合】
1)作例のように6cm×6cmの正方形の原稿を作成する。
 
2)枠線が残らないように切り抜く。
 
注)白い紙を使い、裏も表も他の文字を書かないこと。


改訂)11月15日に掲載したカードの作り方では、かっこの中に、「非暴力」のように日本語を記入すること、と書いていました。しかし正確なチャクラの位置に作用する表記方法は、かっこの中がサンスクリット語のアルファベット表記の「Ahimsa」であることが分かりましたので、そのように改訂いたします。