[櫻井ジャーナル]米国の国務次官補と駐ウクライナ大使によるウクライナ乗っ取りの謀が盗聴され、明らかになった

竹下雅敏氏からの情報です。
 記事をご覧になってわかる通り、アメリカ政府というのは、文字通り民主主義の敵なのです。欧米の政治家が民主主義という言葉を使うのは、舛添が脱原発と言っているのと同じくらい、不愉快なものなのです。それが不愉快でないとしたら、単に真相を何も知らないということなのです。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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米国の国務次官補と駐ウクライナ大使によるウクライナ乗っ取りの謀が盗聴され、明らかになった
転載元)
アメリカのビクトリア・ヌランド国務次官補は、マイケル・マクフォール駐露米国大使ジョン・マケイン上院議員と同じように公然と反ロシア勢力を支援してきた。

アメリカをはじめとする「西側」は、中東や北アフリカでの体制乗っ取りプロジェクトでイスラム教スンニ派の武装勢力(アル・カイダ)を使ってきたが、東ヨーロッパではネオ・ナチを「突撃隊」として利用している。

このヌランドとジェオフリー・パイアット駐ウクライナ大使との会話内容がYouTubeにアップロードされ、話題になっている。何しろ、ウクライナの政権をどうするのかが話し合われているのだ。「EUなんかくそくらえ(F*ck the EU)」という下品な表現が問題なのではない。下品な人間が下品な表現を使うのは自然なことだ。問題は露骨な内政干渉。

ヌランドとパイアットが同意した内容は、「全ウクライナ連合『祖国』」の議会におけるリーダー、アーセニー・ヤツェニュクを次期副首相に据え、「UDAR(改革を目指すウクライナ民主連合)」のビタリ・クリチコは入閣させず、デモを内戦化させたネオ・ナチの「スボボダ(全ウクライナ連合『自由』)」のオレーフ・チャフニボークは信用しないというようなこと。ちなみに、ビクトル・ヤヌコビッチ大統領は先月、ヤツェニュクを新首相に、またクリチコを副首相にするという提案をしたが、拒否されている。

スボボダはネオ・ナチであり、反政府行動で棍棒、ナイフ、火焔瓶を手にするだけでなく、ブルドーザーを持ち出して警官隊と衝突した。こうした光景がインターネットを通じて全世界に広がっているため、とりあえず距離を置こうということかもしれない。

また、オランダのロバート・セリー元駐ウクライナ大使が国連特使としてキエフへ派遣されるとジェフリー・フェルトマン国連事務次長はヌランドに話したという。その決定をヌランドは歓迎、そして「EUなんかくそくらえ」という表現が出てくる。ウクライナの体制転覆に国連を利用するということ。ヌランドはEUのウクライナに対する対応が気に入らなかったようだ。

明らかにヌランド次官補やパイアット大使はウクライナを独立国として扱っていない。自分たちにとって都合の良い、つまり傀儡政権を樹立させようとしている。マイケル・マクフォール駐露米国大使も、このふたりの仲間だったが、先日、ソチ・オリンピック後に大使を辞めると発表している。

ウクライナへの内政介入の「謀議」を盗聴されたうえ、インターネット上で公開されたことでヌランドや仲間は怒り心頭だろうが、大声で文句は言えない。何しろ、各国政府の要人をアメリカが盗聴していたことが露見したばかりだ。ドイツは強く批判している。

ロシア側からすると「西側」の内政干渉はソ連時代からのもの。現在、「西側」が使っている戦術を最初に実行したのは投機家で大富豪のジョージ・ソロス。1979年にニューヨークで「オープン・ソサエティ基金」を設立している。その後、ハンガリー、ソ連、中国などでも同じような基金を作った。

ソ連消滅後、ボリス・エリツィン政権と手を組んで巨万の富を手にした人たちがいる。そのひとり、ボリス・ベレゾフスキーとソロスは共同でビジネスを展開したこともある。後にふたりは仲違いするが、2004年から05年にかけてウクライナで展開された「オレンジ革命」のパトロンは、このベレゾフスキーだった。

現在、ウクライナで体制転覆プロジェクトを実行しているヌランドやマケインはアメリカの親イスラエル派(ネオコン)。ベレゾフスキーも一時期はイスラエルの市民権を持っていた人物で、エリツィン体制が倒れた後、イスラエルへ逃れた彼の仲間も少なくない。

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