おさらい
じゃあ、ここまでのおさらいだ。〈トランスニストリア〉という名前は、だれがつけたんだった?
〈ルーマニア〉。
正解! じゃ、なぜ、ドニエストル川東岸にある〈沿ドニエストル共和国〉は、〈トランスニストリア〉と呼ばれたくないのか?
〈トランスニストリア〉で、ナチスによる虐殺とかがあったから。
そうだ。〈トランスニストリア〉は〈ルーマニア〉領だったが、「〈ナチス・ドイツ〉以外のホロコースト加害国の中で、〈ルーマニア〉は第1位の犠牲者数を記録したと言われている。」(
ASIA TIMAES)
〈ソ連〉の支配になってからも、大変だったよね。
ああ、〈ソ連〉によって〈ルーマニア〉人が迫害されたほか、その他の民族も、ホロドモールで多くが餓死させられた。
そんな悲しい過去があったなら、〈トランスニストリア〉と呼ばれたくないね。
〈ソ連〉からの独立運動
さて、
その後の〈モルダヴィアSSR〉はどうなったのか? 弾圧や飢餓によって苦しめられた民衆は、〈ソ連〉からの独立を強く求めるようになる。しだいに、地下組織、秘密結社、政党が増えていったが、それらに対する〈ソ連〉の弾圧も厳しかった。それでも、独立への動きは止められず、
1989年には、「〈ソ連〉から分離して〈ルーマニア〉と一緒になる」ための、「〈モルドバ〉人民戦線」が立ち上げられた。
ロナルド・レーガン
ジョージ・H・W・ブッシュ
ああ、〈ソ連〉崩壊のための「カラー革命」が仕込まれた時期だ。きっと、〈ソ連〉崩壊を目論むパパ・ブッシュたちは、民衆は民主主義で煽り、反対組織にはカネや武器を与えていたんだろう。
でも、〈ソ連〉を倒したのは正解だったと思うよ。あのまま〈ソ連〉が生きてたら、もっと多くの犠牲者が出たからね。ただ、今でも同じシナリオを使いまわして、自分たちの思うままにならない国家を転覆させるのは止めてほしいね。
ところで、
〈ソ連〉からの独立運動が高まるにつれて、〈モルダヴィアSSR〉の多数派、〈ルーマニア〉人は〈ルーマニア〉との再統合を望んだ。一方、ドニエストル川東岸の〈ロシア〉〈ウクライナ〉系住民は、〈ルーマニア〉と心中したくない。佐藤優氏によれば、彼らはこう思ったらしい。「チャウシェスクの〈ルーマニア〉? うんと貧乏、あんなとこと一緒になりたくない。我々は〈ソ連〉に残留する。」(
YouTube 16:19〜)
そうか、その頃の〈ルーマニア〉は、チャウシェスクの独裁だったんだ。
〈モルダヴィアSSR〉内の独立は、まず、テュルク人が多く住む南部から始まった。彼らは〈ガガウズ共和国〉として独立宣言(1990年8月19日)。つづいて、ドニエストル川東岸も、〈沿ドニエストル・モルダビア・ソビエト社会主義共和国〉として独立宣言(1990年9月2日)。これが今の〈沿ドニエストル共和国〉で、国旗も憲法も、現在に至るまで〈モルダヴィアSSR〉のまんまだ。
スコット・リッター氏はウクライナでの土地取引について、“ウクライナの憲法には、チェルノーゼム、つまり黒土に関する条項が別に設けられています(20秒)。…2021年まで、ウクライナでは土地の売買がモラトリアム(一時停止)となっていました。(1分10秒)”と話しています。
ウクライナの人々は、「外国人が土地を買い占め始めるのではないか」と恐れていました。ゼレンスキー大統領は国民を安心させるために、2019年11月に「外国人と外国資本が入った企業がウクライナの土地を取得できるのは、ウクライナ国民の同意が全ウクライナ国民投票で得られた場合に限ります。(1分38秒)」と国民に約束していました。
スコット・リッター氏は、“国民投票は行われませんでした。2021年7月、土地売買のモラトリアムが解除されました。確かに、外国人には土地を購入する正式な権利はありませんが、抜け穴があります。外国資本の支配下でもウクライナの企業は購入することができるのです。(2分)”と言っています。
2022年2月24日、ロシアの特別軍事作戦が実施されました。IMF(国際通貨基金)は2022年3月9日のプレリリース『IMF理事会、14億米ドルの対ウクライナ緊急支援を承認』で、“国際通貨基金(IMF)理事会は本日、至急必要となる資金ニーズを満たし戦争による経済的打撃を和らげることに貢献すべく、 ラピッド・ファイナンシング・インストルメント(RFI)の下で14億米ドル(10億590万SDR)を提供することを承認した。”との声明を出しています。
スコット・リッター氏は動画の1分20秒のところで、“ゼレンスキーには緊急に融資が必要でした。IMFはモラトリアムの解除と引き換えに資金を提供しました。”と話していることから、モラトリアムが解除された2021年7月以前に、IMFはウクライナで戦争になることを想定していて、その際にウクライナの土地を担保に緊急融資を行う計画だったと考えられます。
ドイツの右翼政党「ドイツのための選択肢(AfD)」の政治家、ヴァルデマール・ヘルト氏は、「この土壌はアメリカではなく、ヨーロッパにあります。もしこれが食料サイクルから外れてしまえば、ヨーロッパは自給自足し、独立して行動できる可能性がはるかに低くなってしまいます。だからこそ、周辺国をより支配するために、ヨーロッパの食料安全保障を低下させる計画があるのです。アメリカは穀物を必要としていませんが、支配力を必要としています。そして、支配力は、他の国の食料安全保障を支配してこそ得られるものなのです。そして、ウクライナはアメリカの視点から見ると、非常に成功したプロジェクトでした。(3分27秒)」と話しています。
こうした事柄を、ロバート・F・ケネディJrはこちらの動画で説明しています。
「大手軍事請負業者は、常に新しい国をNATOに加えたがっている。なぜか? なぜなら、その国はNATOの武器仕様に準拠する必要があり、これは特定の企業、ノースロップ・グラマン、レイセオン、ジェネラル・ダイナミクス、ボーイング、ロッキード・マーチンが市場を独占した。2022年3月、我々は1,130億ドルの拠出を約束した。…それらの企業を全て所有しているのは誰だと思う? そう、ブラックロックだ。テイム・スコットは共和党の討論会で、“心配ない。これはウクライナへの贈り物ではない。これはローン(融資)だ”と言った。…我々が課す融資条件とは何だろう? その1、極端な緊縮財政プログラムがある。つまり、ウクライナで貧しい人々は永遠に貧しい状態になるだろう。その2、最も重要なことだ。ウクライナは政府所有の全財産を多国籍企業に売却しなければならない。その中にはウクライナにあるヨーロッパ最大の資産である農地も含まれる。…ヨーロッパの穀倉地帯だ。…すでに30%を売却している。買い手はデュポン、カーギルとモンサントだった。それらの企業を全て所有しているのは誰だと思う? そう、ブラックロックだ。それから12月、バイデン大統領はウクライナの再建を契約した。その契約を手にしたのは誰だと思う? ブラックロックだ。彼らは我々の目の前でこれをやっている。」と言っています。