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【第6回】きっと役立つ乳酸菌学 〜メリーベのために〜 乳酸菌の機能性④腸での超凄い効果(アレルギー軽減作用)

 前回は免疫賦活化効果について書きました。今回は竹下先生が花粉症で苦しんでいらっしゃったということで、アレルギー症状の緩和効果について書きました。っと、これを書いている時は花粉症シーズンだったのですが、放置しすぎて夏になりました(笑)。それにしても身体の凝りからアレルギーが起こるってのは私にとって新鮮で面白かったです。
(地球に優しい方の微生物学者)
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きっと役立つ乳酸菌学 〜メリーベのために〜 乳酸菌の機能性④腸での超凄い効果(アレルギー軽減作用)

Bifidobacterium adolescentis
Author: Y-tambe


アレルギーは何故起こる?〜「Th1」「Th2」という細胞が決め手

 まずはアレルギーが起こるメカニズムについて簡単に説明します。それにはリンパ球が関与しています。特にキーワードとして覚えておいて欲しいリンパ球が「ヘルパーT細胞」と「B細胞」です。以下にアレルギー症状が出る流れを示します。

①B細胞で抗体(IgE抗体)が作られる
②抗体が肥満細胞(マスト細胞)に結合する
③抗原(花粉や食物などの一部)が抗体と結合する
④肥満細胞からヒスタミン等(※1)が放出される
⑤アレルギー症状が出る

(※1)アレルギー症状を直接的に引き起こしているのはヒスタミンやロイコトリエンなどの化学物質です。抗ヒスタミン薬や抗ロイコトリエン薬はこのヒスタミンやロイコトリエンが受容体に結合しないようにブロックすることでアレルギー症状を緩和する薬です。つまり、最終的な症状を無理やり抑えているだけで全く根本解決になっていません。出るものを無理やり出ないようにすることは、あまりお勧めできることではありません。「出るときには出す!」が原則だと思うからです。くしゃみも、鼻水も、感情も、あれも。

 アレルギーの原因を見ると直接的にはヒスタミン等の化学物質が関与しているわけですが、遡っていくとB細胞からの抗体産生が重要だということが分かります。実は、このB細胞に抗体を作るように指示している細胞があります。それが2型ヘルパーT細胞(「Th2」)です。ヘルパーT細胞には、「Th2」以外にも1型ヘルパーT細胞(「Th1」)、制御性T細胞(Treg)、17型ヘルパーT細胞(Th17)があり、これらは未分化のヘルパーT細胞(Th0)から分化します。

リンパ球 Wikimedia[Public Domain]


 その中でも「Th1」と「Th2」のバランス(Th1/Th2バランス)がアレルギーに関与していると言われています。ここでは、複雑性を避けるために、Th0は「Th1」と「Th2」のどちらかに分化するとして説明します。Th0が「Th1」と「Th2」に分化しますので、どちらかが増えるとどちらかが相対的に減るということが分かります。「Th1」になる細胞が増えると「Th2」になる細胞が減り、「Th2」になる細胞が増えると「Th1」になる細胞が減るわけです。アレルギー体質の人は、このTh1/Th2バランスが「Th2」に偏っていることが知られています。Th0から「Th2」に分化する率が高い状態です。前述したとおり、「Th2」の仕事はB細胞へ司令を出して、抗体を作らせることです。「Th2」が多いと、反応しなくても良い物質(花粉や食事等)にも反応し、抗体を作ってしまうわけです。ちなみに「Th1」が過剰に多いと、自分自身の細胞を自分で攻撃してしまう自己免疫疾患になりやすくなります(※2)。何でも中庸が一番ということです。

(※2)「Th1」はナチュラルキラー細胞やキラーT細胞などを活性化します。これを細胞性免疫と呼びます。細胞が直接、異物(病原菌やがん細胞など)を攻撃するからです。一方、「Th2」は前述したようにB細胞に司令を出し、抗体産生を促します。これを液性免疫と呼びます。

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【第5回】きっと役立つ乳酸菌学 〜メリーベのために〜 乳酸菌の機能性③腸での超凄い効果(免疫賦活化作用)

 まのじ編集長にコツコツと突かれて重い腰を上げました(笑)。今回は乳酸菌の免疫賦活化作用について書きました。免疫は複雑でちょっと難しいですが、できるだけ簡単に書きましたので概要だけ掴んで貰えれば幸いです。時間がない人は、最後の【まとめ】だけでもお読み下さい。
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きっと役立つ乳酸菌学 〜メリーベのために〜 乳酸菌の機能性③腸での超凄い効果(免疫賦活化作用)

Bifidobacterium adolescentis
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免疫賦活化とは?

 賦活(ふかつ)とは活性化するという意味です。乳酸菌やビフィズス菌には免疫細胞に働きかけ免疫力を高める働きが知られています。特に高齢者や子供は免疫力が低い傾向にあるため、イムノバイオティクス(※1)摂取が風邪やインフルエンザなどへ有効な予防手段となる可能性が報告されています。

(※1)プロバイオティクスの中でも免疫応答に関与するものをイムノバイオティクスと呼びます。「イムノ(immuno)」とは「免疫の」という意味です。メリべの方は「医務の」と覚えると何とな〜く、免疫っぽい感じに辿り着きます。まー、覚える必要はないんですが。

Enterococcus faecalis
Author:JaniceHaneyCarr[Public Domain]


内なる外

 腸を含む消化管は「内なる外」と呼ばれています。口から肛門まで1つの管で外界と繋がっていますね。口と肛門を同時に開ける(出す時に口を開けましょう!笑)とその管の中は、「人体なのか」、「外界なのか」悩むのではないでしょうか?生命にとって消化管は、「内なんだけど、外でもある」のです。外界には病原菌やウイルスなどの危険がいっぱいです。外界からやってくるそれら「敵(※2)」が侵入する確率が高い部位が、食品からの栄養を取り込む小腸です。そのため、小腸の周りには多くの免疫細胞が集まっています。その割合は、全身の6〜7割と言われています。これだけでも小腸の重要性が分かっていただけると思います。

(※2)シャンティフーラの読者様は「全生命への愛」を意識していらっしゃるでしょうから、「敵っていう表現は好きじゃないわ」と言われそうなので念のため、ここでは「自分以外の生命=敵」としておきます。そうすると、「自分以外の生命=敵なんて、なんて心の貧しい考え方なのかしら」とか「究極的にはみんな一つの生命体なのよ」とか言われそうですが、そこは穏便にお願い致します(笑)。


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【第4回】きっと役立つ乳酸菌学 〜メリーベのために〜 乳酸菌の機能性②皮膚・口腔・胃への効果

 2018年もスローペースでお届けします。どうぞよろしくお願い致します。今回は、皮膚、口腔、胃への乳酸菌の効果について書きました。
(地球に優しい方の微生物学者)
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きっと役立つ乳酸菌学 〜メリーベのために〜 乳酸菌の機能性②皮膚・口腔・胃への効果

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皮膚の保湿性改善効果

 皮膚の機能と腸内環境は密接に関わっています。例えば、腸内の悪玉菌が増えすぎると有害物質(フェノール類等)がたくさん腸内へ放出されます。それが腸管から吸収され表皮の細胞へ悪影響を与え、皮膚の保湿機能を低下させることが分かっています。

 あるオリゴ糖含有のビフィズス菌発酵乳(※)を摂取すると、腸内の悪玉菌増殖が抑えられ血中のフェノール濃度が減少することで、皮膚の保湿機能が向上することが報告されています。また、乾燥肌の40〜60歳の女性を対象とした試験では、ある乳酸菌で作った発酵乳の摂取により頬の水分量が増加傾向を示し、前腕の水分量が有意に増加したと報告されています。

(※)プロバイオティクス(第一回目:プロバイオティクスって何?)とプレバイオティクス(第三回目:ビフィズスフローラ)を同時に摂ることを「シンバイオティクス」と呼び、相乗効果が期待できます。ビフィズス菌とオリゴ糖が代表的なシンバイオティクスでよく商品等に使われています。


アトピー性皮膚炎の改善効果

 こちらはアレルギーの改善効果で詳しく書く予定ですが、アトピー性皮膚炎にも乳酸菌やビフィズス菌が効果を示すことが分かっています。腸内環境と免疫は密接な関わりがあるためです。簡単に言うと、乳酸菌やビフィズス菌には免疫調節作用があり、白血球のバランスを改善することによりアレルギー(アトピー性皮膚炎、花粉症、鼻炎等)に効果を発揮します。



虫歯菌や歯周病菌の抑制と口臭予防

 次に口の中での活躍を見てみましょう。虫歯菌で有名なミュータンス菌のように乳酸菌は酸やネバネバ物質(多糖類)を生産するためう蝕(虫歯)のリスクとなるという報告がありますが、逆に虫歯の原因菌をやっつけてくれる乳酸菌もいます。また、歯周病はう蝕と並ぶ代表的な口腔疾患で全身の疾患(動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病など)にも関与していることが分かっていますが、乳酸菌の中には歯周病の原因菌であるジンジバリス菌やインターメディア菌に対する強い殺菌効果を有し、かつ過剰な酸の産生を行わないものが存在しています。

 そのような乳酸菌を継続摂取すると、実際に歯周病菌を減少させる効果があることがヒト臨床試験でも明らかにされています。また、上記の歯周病菌は口臭の原因となる揮発性硫黄化合物(硫化水素やメチルメルカプタン等)を生産するため、口臭原因菌でもありますが、その乳酸菌の服用により口臭を抑える効果があることも明らかにされています。
 現在、口腔内の微生物が全身の健康に影響を与えていることが明らかとなっています。また、各器官はお互いに情報交換をしていることが明らかとなってきており、現代医学(西洋医学)も段々東洋医学の思想に近づいてきているように思えます。健康はホリスティック(全体的)に考えないといけないのだと思います。


ピロリ菌の抑制

 口から中に入っていき、胃での活躍を見てみましょう。胃の中の菌で一番に思いつくのは、ピロリ菌だと思います。ピロリ菌は、胃がんや胃潰瘍の原因菌とされており、実際に除菌により胃がんや胃潰瘍のリスクが減少することが分かっています。現在、ピロリ菌の除菌には抗生物質が使用されていますが耐性菌の増加が懸念されていることから、抗生物質を補完あるいは代替するものとしてプロバイオティクスの利用が考えられています。
 「リスクと戦う乳酸菌」で有名なある乳酸菌は、低いpHでも増殖し、ヒト胃上皮細胞に高い付着性を示し、さらにピロリ菌の増殖抑制効果を持つ乳酸菌です。本菌では数多くの臨床試験が行われており、本菌を用いて作製されたヨーグルトの摂取後、プラセボヨーグルトと比較して有意な胃内ピロリ菌の減少、胃粘膜炎症の改善などが確認されています。また、除菌療法との併用試験も行われており、除菌療法単独群に比べ併用群(ヨーグルトを除菌療法開始3週間前から終了まで計4週間投与)で除菌率が有意に上昇することが明らかにされています。

 余談ですが、韓国ではピロリ菌対策として、ピロリ菌のウレアーゼに対する卵黄抗体(親鶏に抗原を注射すると卵に抗体が移行する)が食品素材としてヨーグルト等に添加され販売されています。日本でも販売されていた時があったようですが、今調べると取り扱い中止となっているので現在は販売されていないのかもしれません。
 ただ、こちらのような記事が2017年4月に出ていますので、今後ピロリ菌対策として卵黄抗体入りの商品が出てくるかもしれません。ウレアーゼは、胃粘液との接着に関与するタンパク質であり、抗体によりブロックすることにより胃内でのピロリ菌の定着を減らすことができることが確認されています。
 しかし、ピロリ菌除菌により逆流性食道炎や食道がんが増えるという報告こちらを参照もあるため、過剰な除菌には疑問符が打たれます。ヨーグルトなどで適度に大人しくしてもらうぐらいが良いのかもしれません。


あとがき

 今回、特定の菌名は伏せましたが調べればすぐ分かると思います。人でも個人個人能力が違うように菌も個菌個菌(こんな言い方はしません笑)能力が異なります。人で言う個人名に相当するものを菌株名と呼びます。ヨーグルト等は菌株名(の一部)を商品名にしている場合も多く見られます。大手企業は自社の膨大な保有菌から機能に応じて選び抜かれた優秀な菌株を使用しています。

 ヨーグルトは全て同じと思われている方も多いですが、実は使用している菌によって特徴が違うのです。用途や自分の腸内フローラに応じて、自分に合ったヨーグルトを探してみてください。免疫力アップなど機能が実感し辛いものは「快便」を指標にされると良いと思います。

Writer

地球に優しい方の微生物学者

主に自然科学関連の記事へのコメントと「きっと役立つ乳酸菌学 〜メリーベのために〜」という記事を寄稿しています(滞りがちでスミマセン)。大学で微生物(乳酸菌)の機能性研究を行っています。最新の知見もご紹介しながら、魅惑の菌ワールドに皆さんをお連れしたいと思います。

何故か「う○こ」担当みたいになっていますが、非常に不本意です(※)!!専門は乳酸菌ですので、汚くないスマートな記事をお届け致します。できるだけ専門用語は避け、解説をしながら分かりやすくお伝えできるように頑張ります。
※私は8種体癖です(笑)


【第3回】きっと役立つ乳酸菌学 〜メリーベのために〜 乳酸菌の機能性①整腸作用(後半)

 長い沈黙を経て(申し訳ありません)、第3回目の「乳酸菌学」となります。まずは第1回第2回のリンクを貼っておきますので復習していただけると理解が深まるかと思います。今回は腸内フローラと、何故快便が重要なのかについて簡単に説明しました。
(地球に優しい方の微生物学者)
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きっと役立つ乳酸菌学 〜メリーベのために〜 乳酸菌の機能性①整腸作用(後半)

Bifidobacterium adolescentis
Author: Y-tambe


腸内フローラとは?

 以前は100種類と言われていた腸内細菌は、遺伝子解析技術の発展により現在では500〜1000種類と言われるようになってきました。その数は100兆個にも及びます。世界の人口が70億人、人の全細胞数が37兆個と言われていますからその数の多さに驚かれると思います(人の細胞数も60兆個というのが定説でしたが、もう少し厳密に調べた論文が出たことにより現在では37兆個とされています)。

 腸内において細菌は分裂・増殖し、コロニーを作って生存しています。多種多様な細菌がそれぞれのコロニーを作っていることから、それらコロニーの様子を「お花畑」に喩え、腸内細菌叢のことを「腸内フローラ」と呼ぶこともあります。腸内フローラは各個人で異なっており、一人一人違う「お花畑」を腸内に持っています。この腸内フローラが私達に多大なる影響を与えていることが最近次々に明らかにされています。



ビフィズスフローラ

 授乳期の赤ちゃんのうんこに含まれる菌は99%がビフィズス菌です。これをビフィズスフローラと呼びます。これは母乳に含まれるオリゴ糖のお陰です(その数100種類以上)。オリゴ糖は小腸では吸収されず、大腸まで届きビフィズス菌を増やします。ビフィズス菌はオリゴ糖を食べることができるのですが、他の細菌はオリゴ糖を食べることができないのでビフィズス菌だけモリモリ増えることができます(このような物質をプレバイオティクスと呼びます。※プロではなくプレです)。

 ミルクというのは本当に凄い食品で、栄養素以外にも赤ちゃんを病原菌やウィルスから守るために様々な成分が入っています。子供の成長のために考え尽くされた食品と言っても良いと思います。母親の愛を感じますね。ところが、人工のミルクで育った赤ちゃんはビフィズス菌の割合が90%と少し低くなります。これが将来どのような影響を与えるのかは分かっていませんが、母親から直接授乳する行為は心の栄養となるので、腸内細菌と心の両面から母乳で育てることを推奨します。


年を取るとビフィズス菌が減る

 年を取るとビフィズス菌が減り、悪玉菌であるウェルシュ菌が増えるというのは随分前からよく知られています。悪玉菌の増加は老化や疾病の原因にもなりますので、腸内腐敗を放っておくと、老化が促進され、疾病を引き起こす要因となります。また、免疫力も年を取ると落ちてきます。
 腸内細菌と免疫は非常に密接な関係がありますので、健康な状態をキープする上で、老年期では特に腸内環境を気にして欲しいと思います。若い時はみんな若く見えますが(当たり前)、中年期から「見た目年齢」は大きく変わってきますね。恐らくそれには腸内細菌もかなり影響しているのではないかと思います。


何故快便が重要なのか

 長い前置きとなりましたが、実はここからが前回の続きです(笑)。前回、快便が重要で毎日のお通じの状態をチェックして下さいと書きました。では何故快便が重要なのでしょうか?
 理想のうんこは適度に空気や水分を含み気張らずにストンと出るうんこです。そういううんこは、臭いもそれほど臭くありません。逆に臭くて硬いうんこや下痢状のうんこは、悪玉菌が多い証拠です。悪玉菌はインドール、フェノール、ニトロソアミンなどの有害物質(発がん性物質を含む)を出します。それらは腸から吸収されて各種臓器にダメージを与えます(もちろん、腸にも)。また、それらが口や汗腺から放出されると、口臭や肌荒れの原因となります。逆にいうと、口臭や肌荒れも腸内腐敗をなくせば改善できる可能性があるということです。

 日本人は昔から穀物中心で生きてきた民族ですので、肉食をしてきた西洋人に比べて腸が長いと言われています。つまり、日本人は、穀物を腸内細菌により分解してエネルギーを獲得するために腸が長くなり、肉食をする西洋人は肉食によってできる毒素をあまり吸収しないように腸が短いと考えられるのです(真偽は定かではありませんが)。つまり、腸が長い日本人には肉食は向かない可能性があります。野菜や穀物中心で肉や魚はサブ的に食べるのが理想なのかもしれません。

 これだけでも毎日のうんこチェックが重要なのが分かってもらえたと思いますが(実はもっと腸内細菌との関係は深い)、最後に 「踏ん張り方」について 書いて第3回目を終了したいと思います。


実は和式便器の方が良い

 現在は洋式の便器が主流ですが、うんこを出すという意味では和式便器の「ウンチングスタイル」(死語?通じる?)の方が、便座に座ってやるより良いと言われています。それは、洋式便座では直腸が恥骨括約筋という筋肉に圧迫されて十分な便の通り道を確保できないためです。洋式便座は体勢は楽ですが、出にくい人にとっては出すのが楽じゃないのです。

 洋式の便座でも足元に台座を置くことで和式でやるような体勢にするグッツも販売されているようですので、便秘の人は使ってみるのも良いかもしれません(こちらを参照。※本商品を勧めているわけではありません。動画と写真は非常に参考になります。多分、捻じれの人が作っています。笑)。





 それと便意を我慢すると便秘になりやすいので、恥ずかしがらずに出せるときに出しましょう。次回以降は更なる乳酸菌の機能性について書きたいと思います。気長にお待ち下さい(汗)。

Writer

地球に優しい方の微生物学者

主に自然科学関連の記事へのコメントと「きっと役立つ乳酸菌学 〜メリーベのために〜」という記事を寄稿しています(滞りがちでスミマセン)。大学で微生物(乳酸菌)の機能性研究を行っています。最新の知見もご紹介しながら、魅惑の菌ワールドに皆さんをお連れしたいと思います。

何故か「う○こ」担当みたいになっていますが、非常に不本意です(※)!!専門は乳酸菌ですので、汚くないスマートな記事をお届け致します。できるだけ専門用語は避け、解説をしながら分かりやすくお伝えできるように頑張ります。
※私は8種体癖です(笑)


「ウンチの量と幸福度は比例する」 〜腸内フローラは私達が考えている以上に重要〜

 なかなかセンセーショナルな記事のタイトルです。是非、全文を引用元よりお読み下さい。
 冒頭の「私たちの腸内にはなんと約1000兆個もの細菌が住んでいる」は恐らく100兆個の間違いだと思います。昔は100種類100兆個と言われていた腸内細菌も現在では遺伝子解析技術の発達により解明が進んでおり、数百種類〜1000種類と言われるようになって来ています。ですが私の理解では数は恐らく100兆個のままだと思います(多分)。
 大事なところをまとめるとこんな感じでしょうか。

    1.腸内細菌は人の精神にも影響を与えている。うんこの量と幸福感は比例し、量が多ければ多いほど自殺率は下がり、少なければ少ないほど自殺率が増加するという研究事例も。

    2.快便が大切。快便のためには食事が大切(肉食によって大腸がんやポリープが増えている可能性)。

    3.便秘等で腸管が傷つくとリーキーガット症候群(腸に小さな穴が開く)と呼ばれるものになり、腸内から高分子の化合物が体内に入ってくるので、アレルギー等の原因となる。

    4.一昔前の日本人は食物繊維を多く含む穀物や野菜を沢山食べてたからうんこをモリモリしていた。戦時中はうんこの量で敵の数を把握していたから米兵さんは「日本軍めちゃくちゃいる」と勘違いしたとか(嘘か本当かは不明)。

    5.昔、ドイツ人医師が、東京から日光までの約150キロをノンストップで駆け抜ける人力車夫は、玄米と野菜と少量のイモしか食べていないと知り、その人力車夫に牛肉を食べさせて同じように走ってもらうと、すぐにスタミナがなくなり、この車夫は3日で根を上げてしまった。

 要するに、腸内フローラは私達が考えている以上に重要だということ、それには食事内容が大きく影響することが書かれています。
 実際に難病の腸疾患の患者に腸内を洗浄した後、健康な人のうんこを入れてあげると疾病が改善する例が報告されており、日本でも臨床試験が開始されています。近い将来、自分の健康な時のうんこを凍結保存しておいて、病気になったら移植するなんてことが起こるかもしれません。その他、デブ菌、痩せ菌がいる可能性なども指摘されています。腸内細菌恐るべし。
(ちょっと妄想を働かせると私達人類は宿主である地球に物凄く影響を与えている可能性があります。このまま地球を破壊し続けてたら抗生物質で一網打尽に・・・されるかも)
(地球に優しい方の微生物学者)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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ウンチの量と幸福度は比例する「便秘が増えれば増えるほど、自殺率やアレルギー発症率は高くなる」
引用元)
著者:高橋 将人 

(中略)…私たちの腸内にはなんと約1000兆個もの細菌が住んでいるのだそうで、腸がカラダに与える影響の大きさを想像することは難しいことではないでしょう。(1)

興味深いことに、カリフォルニア大学ロサンゼルス校が行った研究によると、幸せホルモンとして知られるセロトニンやドーパミンの約90パーセントは腸で作られているのだそうです。そのため、人の思考や行動パターンは腸内細菌によって決まることが分かっています。(2)

(中略) 

健康に生きる事ができるかどうかは、どれだけだけ大きなウンチを出すかにかかっている 

(中略) 

興味深いことに、排出するウンチの量と幸福感は比例するのだそうで、ウンチの量が多ければ多いほど自殺率は下がり、ウンチの量が少なければ少ないほど自殺率が増加するのだそうです。(10)(11)

実際、世界で最もウンチの量が多い国の一つであるメキシコでは自殺率が10万人あたり約4人と低い一方で、ウンチが小さい日本人の自殺率は10万人あたり約20人と5倍近く高いことが分かってきました。

(中略) 

ウンチを腸に溜め込むという行為は、不幸を体に溜め込んでいることと何ら変わりはない

(中略) 

ウンチがなかなか出ないというのは、カラダにとっては文字通り「不便」であり、そう考えれば、健康に生きる事ができるかどうかは、いかに大きなウンチを出すかにかかっていると言ってしまっても過言ではないでしょう。

(中略) 

ひと昔前まで日本人のウンチの大きさはアメリカ人の3倍だった 


もともと日本人は玄米と野菜を中心とした食生活を送っていました。玄米や野菜に豊富に含まれている食物繊維は小腸で消化吸収されずに、そのまま大腸に送られ、そこで腸の老廃物、悪玉菌、そして水をたくさん吸い込むことで立派なウンチを形成し、体外に放出する役目を果たします。(13)

現在では日本人は食物繊維が含まれる食品をあまり口にしなくなってしまったため、日本人のウンチは小さくなってしまいましたが、まだ米と野菜が中心だった時代の日本人のウンチは相当大きかったようです。

(以下略、続きは引用元でご覧下さい)
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