28日、独のジグマール・ガブリエル副首相は米国とEUとの大西洋横断貿易投資パートナーシップ協定(TTIP)交渉は決裂した事を明らかにした。その2日後に今度は仏からさらに衝撃的な声明が表された。30日、仏外務省のマティアス・フェクル長官対外貿易担当が自身のツィッター上で「米国は全く何も与えないか、またはパンくずのようなものしか提案しようとしない。
連合国間の交渉はこのようには行なわれるべきではない」と苦情を書き表したからだ。こうしたことから
仏政権は欧州委員会に対し、米、欧州間の商業協定交渉を停止するよう呼びかける構えを表している。
今年2月、TPP協定が締結された。この他にも東アジア地域包括的経済連携(RCEP)も誕生すれば巨大な陣営となるはずだ。RCEPでは中国がリーダーの地位を狙っている。だがこの3つの協定のなかで最も野心的なものはTTIPだろう。なぜならば冗談半分に
NATOの経済バージョンとまで言われるTTIPはこれが実現した場合、世界のGDPのほぼ半分を、また世界の全投資の3分の2を一手にまとめる存在になるからだ。
だが米国との交渉にのぞんだ国は次々に協定から自国が蒙る影響について危惧感を表すようになった。それは今日提案の内容が大方において欧州諸国の国益とは矛盾していることがわかったからだ。
TPP交渉もまたスムーズには進んでいない。だが米国にとっては近しいはずのEUとの交渉がアジアの11カ国との話し合いよりも難航しているのは一体なぜなのだろうか? 高等経済学校、世界経済、国際政治学部の
アレクセイ・ポルタンスキー教授はスプートニクからのこうした問いに次のように答えている。
「
すべての地域間貿易協定のなかでもTTIPは政治的な次元が最も高いとされている。これはかつてヌーランド米国務省報道官が口にしていた。ヌーランド氏は、
TTIPは貿易協定というよりはむしろ政治面に重きが置かれたものであり、パートナーらは互いに、そして共通の未来に政治的な重きを置くものであると説明していた。確かに貿易経済上のスケールからすればWTOの枠内で新規則を充填し、この先の自由化を図るというのはある程度遅れをとってしまったといえる。ところがビジネスは新たな規則、新たな市場、将来の拡大を必要としており、まさにこれが新たなフォーマットの創設を後押しとなったのだった。TTIPに関していえば、
このなかには中国に対抗しよう、大西洋世界の主導的立場を維持しようという戦略的動機はある。米国とEUのアプローチは多くが原則的に相容れないものだ。だが米国の実業界のほうが断然力があるため、ある程度の圧力はもちろん講じられてしまう…。」
日本でのTPPに対してのリアクションと同様、欧州でもTTIPに最も激しく反対しているのが農産者らだ。農産者はEU市場が米国のより安価な製品で溢れてしまうことを懸念している。
躓きの石となったのは農産者向けの輸出支援金、欧州の衛生、植物検疫措置の変更といったほかに
遺伝子組み換え食品の欧州への輸入を許可する問題を米国の生産品の都合のいいように操作しようとしたことだった。
エネルギー、サービス市場への相互アクセスの自由化問題でも意見の相違がある。
欧州が特に憂慮するのはTTIPの枠内で投資家と国家の間の需要の許可を担当する新たなストラクチャーが出現することだ。これはEUの小国に米国の大企業の製品を押し付ける機能を果たすと恐れられている。矛盾はまだ批准されてはいないが、協定の調印過程もそうだった。だがTTIPにさらに政治的ファクターが現れた場合、これによって調印の可能性はさらに下がる。たとえば英国のEU離脱を問う国民投票がそうだ。英国がEUの統一市場へのアクセスを温存するか、どういった条件で温存を図るのか。これによって英国が交渉に参加するかどうかがはっきりするだろう。
また米国は国内にもTTIPに関しては2人の政敵が存在する。それは米次期大統領の座を狙う
ヒラリー・クリントン氏とドナルド・トランプ氏だ。そのどちらもが選挙前の演説ではTPP、TTIPを熱っぽく批判している。
TTIP交渉はすでに3年目を迎えた。第1ラウンドはワシントンで2013年7月に開始されたが、これは予定では2016年、オバマ政権の終了までには終了するはずだった。ところが
このところの情勢を見ると、「NATOの経済バージョン」の運命はかなり濃い霧に包まれている。
Russia Today
(前略)
EUとアメリカの環大西洋貿易投資連携協定、
TTIPに関する交渉は本質的に失敗したと、ドイツのシグマール・ガブリエル副首相兼経済・エネルギー相は述べた。
(中略)
“[彼ら]が失敗したのは、
ヨーロッパ人は、アメリカの要求に服従したくないためだ。”
14回の交渉で、両者は議論されている
協定の一章たりとも、共通の基盤を見いだすことができなかったと彼は述べた。障害の一つには、公共入札を、ヨーロッパ企業に開放するのを、アメリカが反対したことがある。
“私から見れば、これは自由貿易に反します"
(中略)
ドイツのみならず、多数のヨーロッパ諸国による強い反対に会っている。
多国籍企業の利益を、多国籍企業が操業する
国の国益より優先し、ヨーロッパの労働基準や、環境保護基準を損なうTTIPは危険だと反対する人々は主張している。
(中略)
ジャーナリストで、元ベルギー議会副議長のロデ・ヴァンホストはRTに語った。
(中略)
協定そのものが、アメリカと、ヨーロッパの支配エリートとの間の協定であって、一般庶民とは無関係だと言う。
“
これは自由貿易の話ではなく、協定でさえありません。これは基本的に、アメリカと欧州連合の経済エリート間の、国民の意思に反する連中の権益を守るための取引です。”
(中略)
もう一つの理由は、
(中略…)“過去数十年間進行してきた変化 – 終始進んできた、ロシアとの経済関係を阻止する”のが狙いです。
“第二次世界大戦が終わって以来、ずっとアメリカが阻止したがってきたものです”と ヴァンホストは述べた。
記事原文のurl:
https://www.rt.com/business/357454-ttip-talks-failed-eu/
「安倍ジョンウン独裁体制」に向けて、安倍首相はもっとも有利なタイミングで衆院解散総選挙に打って出ることができるわけですが、その時期を「11月解散12月解散総選挙」と苫米地氏が暴露してくれています。
また官邸とオバマ政権との密約も暴露しており、現在審議中のTPPを10月28日に衆議院で強行採決し、その見返りとしてロシアとの経済協力や北方領土問題解決をアメリカに黙認してもらうというものです。
また、12月にEUとの経済連携協定を安倍首相とEUユンケル委員長が電撃合意するサプライズも用意しているようです。つまり、官邸はロシアとの領土問題を解決させ、露・欧・米との経済協力を成功させたことを売りにして総選挙に挑むつもりのようです。また官邸は野党対策として、民進党の蓮舫代表への攻撃材料も準備していることが分かります。
一方、野党の方も、板垣英憲氏の情報を見ていると、「政権取りのプロ」と呼ばれる小沢一郎氏が「生活の党と山本太郎となかまたち」を「自由党」に党名変更し、政権奪取の準備を進めているようです。