【第7回】 南インドでアーユルヴェーダ ~医師のパンチャカルマ体験~
パンチャカルマの実際

『心身浄化法(パンチャカルマ)は、サンスクリット語で「パンチャ(pancha)=5つ」の「カルマ(karma)=行為」の意味であり、具体的に は催下法(ヴィレチャナ、下剤療法)、催吐法(ヴァマナ)、経鼻法(ナスヤ)、浣腸法(バスティ)、瀉血法(ラクタ・モクタナ)の5つの方法で、体内から 過剰なドーシャ(病素)を排泄させて身体を浄化させる治療法です』

Ayurveda Lifeより

以下が私に施された処方です。

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1.メイン・トリートメント 
 (1) Danyamladhara(発酵薬液を全身にかける):初日~7日目まで
 (2) Abhiyanga & Sweda(全身オイルマッサージ+サウナ):8日目~4日間
 (3) Virechana(下剤):12日目。この日は一切のトリートメントはお休みです。
 (4) Shirodhara(おでこにオイルをかける): 13日目~4日間
 (5) Njavarkizhi(ナバラ米とミルクの全身マッサージ):17日目~4日間
2.サブ・トリートメント
 Nasyam(ギーの点鼻)とThalam(頭頂部にオイルをすり込む)を毎日
3. 内服
 (1) 朝晩食前 ピッタを下げるせんじ薬と錠剤
 (2) 朝夕食後 Iogen(造血剤のシロップ製剤)

インドに出発する前、「瀉血法だったら、ヒルに吸わせるんだよ~」と誰かが言いました。怖いもの見たさで、受けようと覚悟を決めましたが、私は幸い催下法(ヴィレチャナ、下剤療法)でした。

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Danyamladhara(ダニャムラダーラ?)という、「やせる!」薬液注ぎのトリートメントを7日間受けた翌日から、アヴィヤンガとスウェダナが4日間続きました。

アヴィヤンガはご存知の方も多いと思いますが、全身をごま油でマッサージすることです。07_02とても気持ちがいいので、セラピストの手にじっと感覚をあつめてみました。そうしたら、体に対する感謝の気持ちがわき起こってきて、「ありがとう」とつぶやいたら、目頭が熱くなりました。上向きになった時にセラピストに「なぜ、泣いているの?」と聞かれて、答えに困りましたが。

その後、蒸気が出てくる木の箱に入り(スウェダナ)、油べったりの全身に汗びっしょりかいて、後はスッキリ爽快でした。

そしていよいよ、翌日のヴィレーチャナです。
前日の午前中、医師が来て、ベラベラとインド英語で説明をしてくれました
。しかし、ほとんど意味わからなくて・・ 聞き取れたのは、「水をたくさん飲むこと」と「お腹に疝痛があるよ」くらいでした。

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ところが、いい加減に聞いていたせいで、大きな失敗をするところでした。
というのも、その夜レストランで「さあ、今日のメニューは何かな~!」とお皿に料理をよそいかけたとき、ボーイが近づいてきて何か言っています。「Your dinner is ○○」「???」 そうか!今夜は特別食だって言ってるんだ。かなりあせりましたが、ボーイのおかげで、あやうくセーフでした。

私のために運ばれてきた夕食は、ナバラ米(薬用に栽培された特殊なお米)のおかゆと塩、豆の煮ものです。ナバラ米とは体に良い薬用米だそうで、南インドでは雨期の1か月間、主食にするそうです。おかゆは大きな鉢になみなみと入っていて満足感もあるし、なかなかおいしかったです。

その夜にも、ドクターとナースが部屋に来て、「明朝6時に下剤を持ってくる」「そのあとはミルクと白湯だけ」「食欲が出たら、ナースまたはレストランに電話」などなど・・これほど再三再四、こまごまとした注意を受ける意味が、そのときの私にはまだわかっていませんでした。

(写真:ぴょんぴょん先生|挿絵:あい∞ん)

次回は、9月24日(木)更新「パンチャカルマの実際つづき」の予定です。

Writer

ぴょんぴょんDr.

白木 るい子(ぴょんぴょん先生)

1955年、大阪生まれ。うお座。
幼少期から学生時代を東京で過ごす。1979年東京女子医大卒業。
1985年、大分県別府市に移住。
1988年、別府市で、はくちょう会クリニックを開業。
以後26年半、主に漢方診療に携わった。
2014年11月末、クリニック閉院。
現在、豊後高田市で、田舎暮らしをエンジョイしている。
体癖7-3。エニアグラム4番(芸術家)

東洋医学セミナー受講者の声 jijiblog_nejireigaku_banner7

1件のコメント

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  1. はがき、はがき、なんだっけ、
    「調和の言葉」
    が写ってる~と、感激し喜んでます。私のはもうヨレヨレで、買い直した方がよいかしら。

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