【第19回】 かんなままの子育て万華鏡  ~絵本の世界~

今はもう誰もいない子ども部屋。
壁一面の本棚にぎっしり絵本が詰まっています。
そして、毎週孫たちが絵本バックを持ってやってきます。ばあば図書館だそうです。

19_2 子どもが小さかった頃、毎晩寝る前に絵本を読みました。1人1冊なので4冊。
読んでいるうちに皆で絵本の世界に飛んでいき、空想を巡らせながらいい気持ちで一日を終えることができました。

時には怒ったまま能面のような顔をして読むことも・・・。初めは無表情で読んでいるのですが、何だかそんな自分がばかばかしくなって、読み終わる頃には笑顔で抱っこできるのです。未熟な私はどれほど助けられたことでしょう!

そして、ひとりひとり選ぶ本が違う!!
今でこそ体癖で好きな本が違うということが理解できますが、その当時は驚きでした。

長男は体癖2-8。「かもさんおとおり(ロバート・マックロスキー)」「かえるくんシリーズ(アーノルド・ロベール)」のちょっと長いけど、ほのぼのお話し系が好きでした。でも、何てことない部分で1人バカ受けして、皆が「面白くない」というと余計に嬉しそうでした。そのページだけボロボロです。

長女は体癖2-9。林明子さんの絵本が大好きで「はじめてのおつかい」「きょうはなんのひ?」などを読んではお使いに行ったり、メモを隠して家中探すゲームをしたり、「雨、あめ(ピーター・スピアー)」を隅々まで観察しては雨の日に探検に出かけていました。雨の日の蜘蛛の巣がきれいでした!
ちなみに9種の孫に「誕生プレゼントは何がいい?」と聞いたらマニアックな車のカタログでした(笑)

次女は体癖4-8。8種炸裂で「めっきらもっきら どおんどん(長谷川摂子 作/降矢なな 画)」「おばけがぞろぞろ(佐々木マキ)」の不気味なキャラが大好きで、かわいい系は嫌いです。8種の孫も「わにわにシリーズ(小風さち 作/山口マオ 絵)」のちょっと不気味なワニの行動にニヤリとしたり「もう ぬげない(ヨシタケシンスケ)」のナンセンスなリアクションに死ぬほど笑っています。怖い話も「怖くないもん」と言って聞きたがるくせにオシッコを我慢して漏らします(笑)

次男は体癖6-4。読むのも好きですが作り話が得意です。小さい時からよくもまあというほど空想を膨らませていました。図書館から分厚い「はてしない物語(ミヒャエル・エンデ)」を借りてきて、読むのかと思ったら抱いて寝ていました。この本の夢を見るつもりだったようです。そういえば、8種の長男は弟に毎晩変なあだ名を付けてはカセットテープに弟の作り話を吹き込んでいました。我が家のハエに名前を付けて「ハエのチェルシーの終わりのない物語」だそうです。幼い息子の声がよみがえって懐かしい!
3種の孫は食べるままごとが大好きだけど絵本に全く興味なし。「今日は何して遊んだ?」と聞いたら「はべたー(食べた)」と嬉しそう。かわいい!

19_1 このように絵本は空想のおもちゃです。親の空想力には限界がありますが絵本の力を借りて世界が広がっていきます。そして読んであげるものです。6か月くらいでおしゃべりもできないのにちゃんと理解しています。
そして暮らしの中の体験とつながった時にいきいき絵本を楽しむことができます。
本物の猫に出会ったら「おっ」と心が動き、絵本でまた追体験をします。現実に五感で感じてこそ、空想の世界に自由に遊ぶことができるようになるのです。

また、「もこもこもこ(谷川俊太郎 作/元永定正 絵)」のように自由に音や形を表現することもできます。たくさんの美しい言葉、楽しい言葉にも出会います。
我が家ではそれが高じて「今日はジャガイモの日!」と言って、みんな思い思いのジャガイモになって「おなかすいたじゃがー」と、ジャガイモ語を話して遊んだりしました。

こんな風に子ども達と空想の世界で楽しめたのも、私が小さい時に自然や暮らしの中でたくさん遊んだことや祖母が毎晩、素話ばなしをしてくれたからだと思います。絵本はありませんでしたが、逆に素話を聞きながら自分で自由自在にお話を空想することができました。今でも私が作りあげたかぐや姫、花咲か爺さんが存在しています。ヴァーチャルリアリティではなく、ばーちゃんリアリティの世界かな?

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親の好みに偏ることなく様々なタイプの絵本が毎月送られてくる福音館書店の「こどものとも」はお勧めです。お手頃価格のソフトカバーですが様々な作家の絵本が楽しめます。

かがくのとも」「ちいさなかがくのとも」「たくさんのふしぎ」も日常を科学して不思議に満ちた世界に連れて行ってくれます。

(挿絵:あい∞ん)

Writer

かんなまま様プロフィール

かんなまま

男女女男の4人の子育てをして孫が6人。今は夫+愛犬で静かに暮らしているが・・・
週に2日、孫達がドッとやってくる+義理母の介護の日々。
仕事は目の前の暮らし全て。
いつの間にか専業主婦のキャリアを活かして、ベビーマッサージを教えたり、子育て支援をしたり、学校や行政の子育てや教育施策に参画するようになった。

趣味は夫曰く「備蓄とマントラ」(笑)
体癖 2-5
月のヴァータ
人生一巡り+1歳

1件のコメント

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  1. 寝る前の読み聞かせ・・・私の場合、いつの間にか私の方が先に眠っていました(笑)
    そして子供のころ、父がよくお土産に本を買ってきてくれたことを思い出しました。
    6種の息子さんの作り話が得意に大きく頷ずきました。
    我が家の息子も現実と空想の世界が一緒になっていてどこまでが本当の話なのか?と思うことがしばしばでした。

    あい~んさんのイラストに今回もとても大きな癒しと元気をいただきました(*^_^*)

    本当にありがとうございます!

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