【最終回】 かんなままの子育て万華鏡  ~万華鏡~

子育て万華鏡もこれで最終回です。

この記事を書かせていただいたお蔭で自分の子育てや人生観を振り返ることができました。この事は私にとって、とても重要な作業でした。一生懸命だったけれど混乱していた当時の私の気持ちを紐解いて反省したり抱きしめたり、理解して消化する作業になりました。とてもありがたかったと思います。

そういう意味で結論のあるお話をその部分だけ切り取って書くのは簡単でした。もしかしたら皆様には立派な子育てをしてきたかのように見えたかもしれません。
違います!
現実の子育てはもっと生々しくて、先が見えなくて、孤独で、そんな簡単な事ではありません。立派な育児書を熟読してやり方がわかっていても、できないから苦しいのです。
子育ては誰も代わることのできない、生身の自分自身に向き合う修行なのです。

その上、なぜか社会から「働かないで遊んでいる」と評価してもらえません。 働いていないという負い目から「有意義なことをしなければ」と子育てを1人で抱え
込んでいるママ達が大勢います。一方で働き始めたものの結局は忙しさで子どもに向き合えないと苦しんでいるママ達が大勢います。家計のために働いても保育料や出費が増えてお金も貯まりません。どうしてこんなに子育て世代が追い詰められていくのでしょうか。

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本来は、ゆったり子ども中心の時間で育むべき子育てが経済至上主義のシステムに巻き込まれてしまっているのです。
でも、赤ちゃんはどんな社会になろうとも新米のママを選んでママの腕の中でママを信じてすべてを任せてくれています。何て勇気のいることでしょう!

だったら親もこの出会いを信じて同じ次元で向き合わなければ失礼です。本当に神聖な出会いなのです。愛したいなら「愛しています」を揺るがない基調低音にして求めている時に応えてあげる。辛い時ほど原点に戻って愛の気で包みこみ、肌で抱きしめ「子どものために正しいことができますように」と祈ればいいのです。そうすると大事なことが見えてきます。それは方法論が先行する今の時代の子育てに逆行することかもしれません。自分の感覚や良心を主役にした地道な作業なのです。

不安という感情を乗せるから不安になります。こうなってほしいと思うから悩みが増えるのです。ちゃんと本質が見えるようにニュートラルな気持ちで丁寧に、謙虚に赤ちゃんに接し、変な先入観や感情を持たないことです。だって本質を邪魔して見えなくしているのは自分の感情です。

答えがすぐに見つからないこともあります。受け入れること、任せること、待つことを教えられます。夫婦で話し合う事、バランスをとること、あきらめることも学びます。抱え込まない事、助けてもらうことも必要です。
私は何度自分の「野心」に驚き「品格」「徳目」そして「愛」のなさに気づかされた事でしょう。まさに教育プログラムの総合実習の現場にいるようなものです。

特に夫との関係の築き直しが始まります。話す前に腹を立てていたりします。でも、夫婦は鏡です。夫の姿に映しだされるのは悔しいかな自分でした。私がそう思っているからそう見えるという鏡でした。ああ・・やっぱり自分の問題だと気づかされます。子どももしかりです。

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我が家はそんな鏡を6つも与えられました。向き合うのが大変でしたが、それぞれが尊重されて自由に輝いた時、映し出される世界はまるで万華鏡の様です。どの瞬間もどの組み合わせも美しい!
私達が小さい度量で執着した世界にかじりついていたら想像もできない美しさです。
結局子どもは私たちのはかりごとではなく、神様からの授かりものだと思い至りました。目的は愛を探すため。

そして、愛を探すために向かって歩き始めると不思議な事が起こります。少しずつ不安が減り、困難が減り、失敗もいい体験だったと思え、許せるようになり、小さな幸せが増えていきます。同じ状況なのに自分の意識1つで奇跡のように愛の扉が開いていくのを体験するのです。

私は結婚して夫や子どもに育てられました。他にもたくさんの人に支えられ神様がずっと道を照らして下さいました。
これからは私がママ達に恩送りをする番です。もしもこんな私で役に立つのなら、ずっとママ達の傍にいたいと思っています。
「赤ちゃんに無条件の愛を!子どもに自由な冒険を!ママやパパに子育ての喜びと誇りを!社会に子育てのまなざしを!」と願いながら・・。

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長きに渡って私の拙い文章にお付き合いくださってありがとうございました。
沢山のコメントに勇気づけられました。又、こじか様始めシャンティフーラの皆様、毎回愛溢れる絵を描いてくださったあい∞ん様、ありがとうございました。

(挿絵:あい∞ん)

Writer

かんなまま様プロフィール

かんなまま

男女女男の4人の子育てをして孫が6人。今は夫+愛犬で静かに暮らしているが・・・
週に2日、孫達がドッとやってくる+義理母の介護の日々。
仕事は目の前の暮らし全て。
いつの間にか専業主婦のキャリアを活かして、ベビーマッサージを教えたり、子育て支援をしたり、学校や行政の子育てや教育施策に参画するようになった。

趣味は夫曰く「備蓄とマントラ」(笑)
体癖 2-5
月のヴァータ
人生一巡り+1歳

7件のコメント

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  1. す・ば・ら・し〜〜〜〜〜〜い!!!お見事な文章です!感動しました!!!かんなままさまの言葉の表現に意識の深さを感じます。

    『赤ちゃんに無条件の愛を!子どもに自由な冒険を!ママやパパに子育ての喜びと誇りを!社会に子育てのまなざしを!』私も賛同です!

    日々のお祈り、愛のマントラ、ヤマ・ニヤマの実践が、きっと『それぞれが尊重されて自由に輝いた時、映し出される世界』の万華鏡を可能にしてくれるように思います。

    毎回、鋭い視点、洞察力、深い意識と愛のつまった記事をありがとうございました。そしてかんなままさまの万華鏡の中を拝見させていただいてありがとうございます。
    今後も繰り返し読ませていただきます。

  2. 素敵な連載を本当にありがとうございました。
    特に最終回の記事はじっくりと繰り返し読みました。
    心に響く言葉があふれていますね。

    そしてあい~んさんのイラスト本当に輝いていて優しい!
    見ていてジ~ンと来ました。

    子育て中の方と接する機会があるので記事を読み返しながら少しでも力になりたいと思います。

    万華鏡のようにそれぞれが輝く社会に少しでも近づいていきますように(*^_^*)

  3. メープルEY on

    かんなまま様、半年以上の長い間の連載記事執筆ありがとうございました。

    この最終記事を読み、「子育て万華鏡」というタイトルを付けられた理由がとてもよく分かりました。
    そしてなんと適格な言葉だろうと感心しました。

    沢山のお子さんの子育てを通して身に付けられた英知を子育て中のお母様方のみならず、多くの女性(勿論男性もですが)に披露してくださったことに感謝申し上げます。

    かんなままさんのご経験がこれからもご縁のある方々に広く伝わって欲しいと思いました。

    あい∞んさんのイラスト、最後のイラストには、優しさのみならず力強さを感じました。

    お二人に心から感謝申し上げます。

  4. きみりんご on

    これで最終回…。
    胸がイッパイになり、涙が溢れてうまく息が出来ないほど感動しました。
    何度も何度も読み返し、この気持ちを伝えたいけれど上手く言葉に出来ません。
    連載が終わってしまうのはとても残念です。が、子育て真っ最中のママの傍にいてくださると思うと、自信をもって前に進んで行けそうです。迷った時、立ち止まった時、過去ばかり見て進めなくなった時、読み返しエネルギーを補給します。
    私の【子育て万華鏡】も輝く瞬間が沢山見えますように…。
    ありがとうございました。

  5. フィオレンテな女 on

    かんなまま様♡

    愛に溢れる連載を本当にありがとうございました。
    私には、二人の男の子供がいますが、今日は自分の子育てのお話ではなく、夫婦育て(笑)のお話をさせて下さいませ。(私の子育ては失敗だらけでしたが。。)
    ここ最近やっと、数年前に定年退職した夫との二人っきりの生活に 安らぎを見出すまでになりました。
    ここに至るまでには、壮絶(笑)な数年間を過ごして来ました。。。
    かんなまま様の最終話を読ませて頂いて、子育てって、、夫婦関係を育むのと一緒だな〜と感じています。。
    「答えがすぐに見つからないこともあります。受け入れること、任せること、待つことを教えられます。夫婦で話し合う事、バランスをとること、あきらめることも学びます。抱え込まない事、助けてもらうことも必要です。」
    この全部をひっくるめて、私はこの数年間で学んだことだ!!!と感じました。。。(泣笑)
    母親って、無償の愛で自分の子供に接しますよね。。それを夫にも出来たら。。。笑。。
    これから先も、もっともっと努力して、愛を高めあえたら良いな〜と思っています。
    本当にありがとうございました。

  6. 素敵な連載を読ませていただきありがとうございました。
    現在妊娠4ヶ月で、つわり中ベッドの中で、読ませていただきました。
    妊娠したことで、体調も気分も日によって様々で、これからもっとお腹が大きくなったらどうなることかと、産まれる前から不安な気持ちに襲われていました。
    そんな時に、この連載をたまたま見つけて
    温かく、愛と知恵の溢れる内容に、
    子供が生まれたら、きっとこうしてあげよう、ベビーマッサージも習おう!と明るい希望と子育てのビジョンが自然と湧いてきました。また折に触れて読み返し、子育てと自分育ての参考にさせていただきたいと思いました。ありがとうございます。

  7. かんなまま on

    ぽんずさま

    連載を読んで頂きありがとうございます!

    そして、ご懐妊おめでとうございます。

    4か月頃は赤ちゃんがお母さんの体の中で急成長している時期です。だから同じ体を持つお母さんが丸ごと影響を受けます。でもそれは、自分の体を使って子育てを始めているということですよね。

    どうぞ気張らずに身を任せてください。そして赤ちゃんの存在にアンテナを合わせて、おしゃべりしながら2人の楽しみを見つけてください。お幸せに!

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