【第9回】 ぴょんぴょん式 ねじれの医学 ~血圧って?~

Aさん 「血圧が高いのですが。

医 者 「ほう、それは良かったですね。

Aさん 「良かったって・・どのくらい高いか聞かないんですか?」

医 者 「血圧は天気予報の気圧みたいに、上がったり下がったりするのが当たり前です。」

Aさん 「しかし、わしはこの間170もあったんじゃ。エヘン!」

医 者 「おいくつになられましたか?」

Aさん 「72歳。」

医 者 「ゴム管も、古くなると固くなりますよね。柔らかかった時よりも流すのに圧力がいるんですよ。70代で170なら上等上等。」

Aさん 「はああ?こんな医者初めてだ!わしは、別の医者に行ってちゃんと血圧の薬を出してもらう!」

医 者 「まあ待ちなさい。せっかくいらしたのですから測ってみましょう。」
・・・「今日は150の70でちょうどいいですよ。」

Aさん 「ほう、そうかい。」

医 者 「170あったときは、どんな時でしたか?

Aさん 「ばあさんが転んで、圧迫骨折で入院したんじゃ。そんとき付き添って行った病院で、ついでに測ってもらったんじゃ。」

医 者 「それはそれは、大変でしたね。そんな>緊急事態だから、体は血圧を上げてくれたのですよ。緊急事態に血圧を上げられたのは、お元気だからです。たとえば、前の車に追突しそうになった時に、どのくらい血圧は上がるか知っていますか?」

Aさん 「う~む、180くらいかな?」

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医 者 「そうですね、200以上には上がってるはずです。そうじゃないと、急ブレーキを踏めないからです。もし、血圧を上げきれなければ、咄嗟の動作は間に合わず、事故になるでしょう。」

Aさん 「ほお、そんなに上がっても大丈夫なのかね?」

医 者 「体は、どこまでが大丈夫なのかをちゃんと知っているのです。そういう賢い神経のことを、自律神経といいます。これが、車のオートマのように勝手に運転してくれているのです。もしマニュアルになったら大変ですよ。いちいち、さあこれから出かけるから、160に上げるか、寝るから140に下げるか、とか忙しくて面倒くさいですよね。」

Aさん 「でも、どこの医者も、血圧が高いとすぐに下げる薬を出すじゃろう?

医 者 「それは、結果を原因と間違えているからです。体にふだんと違うことが起こったから、血圧を上げるのです。血圧が上がったから、何かが起こるのではないのです。たとえふだんより血圧が上がっても、やみくもに下げるのではなく、上げた原因に対処すればよいのです。」

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医 者 「ただし、降圧剤を飲んでいる人は違います。その人の体は、かつて何か異状があって血圧が上がった。たとえば脳に行く血管が細い人など、つねに体は血圧を上げたいと思っているわけです。降圧剤を飲んでいると、10だけ上げればよいところを、20上げないと達成ラインにならない。下げられた分、余計に圧を加えなければならないので、大変危険です。最近、知人の親戚の方が、若くしてくも膜下出血で亡くなられました。ずっと降圧剤を飲んでいたそうですよ。」

(挿絵:あい∞ん)

Writer

ぴょんぴょんDr.

白木 るい子(ぴょんぴょん先生)

1955年、大阪生まれ。うお座。
幼少期から学生時代を東京で過ごす。1979年東京女子医大卒業。
1985年、大分県別府市に移住。
1988年、別府市で、はくちょう会クリニックを開業。
以後26年半、主に漢方診療に携わった。
2014年11月末、クリニック閉院。
現在、豊後高田市で、田舎暮らしをエンジョイしている。
体癖7-3。エニアグラム4番(芸術家)

東洋医学セミナー受講者の声

1件のコメント

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  1. 体って、本当に賢くスゴいですね!
    自分を守るためにいろいろやってくれている。
    改めてそのように思いましたm(__)m

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