【第3回】 ぴょんぴょん式 ねじれの医学 ~風邪でリセットしよう~

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「あれ? 何か今日はいつもと違う。こんなに早く眠くなるなんて。」 まだ午後3時ごろ。でも体は横になりたいと言っています。その通りに横になると、2時間くらいうとうとして目が覚めました。少し元気になった感じ。なんだ、疲れてただけか・・と思って片づけを始めたら、頭から玉のような汗が噴き出してきて、拭いても拭いてもぽたぽたと落ちてきます。暑くもないのになぜ?と思ううちに、体が軽くなってきました。

「これはもしかしたら、風邪を引いていたんじゃないかしら。そういえば、さっき乗せてもらった車、冷房が効きすぎていた、あれか!」と気づきました。風邪を引いていたのです。でも幸いに、たった2時間寝て、汗をかいただけで良くなりました。

風邪の効用

「風邪の効用」
野口晴哉
(ちくま書房)

野口晴哉著「風邪の効用」を読まれたでしょうか? 私もかつてこの本を読んで、風邪がいかに大事な役割を果たしているかを知りました。

実際に患者さんを診ていると、風邪を引かない人に大病が多いというのは事実だと思います。「風邪を引かない」、というよりも、「風邪を引けない」体になってしまっているのです。そうなると、体のリセットができません。

ゆがんで汚れた体をリセットするために、風邪は一役買っています。ゆがんで汚れた体は、ウイルスを呼び込みます。古いパンにカビが生えるように。腐った物にウジがわくように。ウイルスがわくことで、体のセンサーは汚れの存在を感知し、アラームが鳴ります。それがのどの痛みや発熱などの症状です。

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自分の不調の原因を、ウイルス、細菌、寄生虫、花粉などのせいにしているのが現代の医療です。外からの原因を排除する、という目的で多くの薬が開発されてきました。ところが、自分の体の細胞も、元はウイルスや細菌たちと同じだということを忘れているので、実際は自分の体もいためつけています。がん細胞も自分の一部です。がんをやっつけたと同時に、自分もやっつけているのです。組織を腐らせてしまったこれまでの生活を改めて、組織の活力をよみがえらせることが最も大事なことだと思います。

画像出典:アスコム

「医者に殺されない47の心得」
近藤誠(アスコム)

風邪によく抗生物質がつかわれていますが、ベストセラー「医者に殺されない47の心得」の著者、近藤誠氏は、「風邪に抗生物質を出す医者はやぶ医者だ。」と書いています。

抗生物質と言うのは、細胞膜を溶かして細菌を殺す薬です。青カビ (ペニシリウム) の周囲に、細菌がいないことから発見されました。抗生物質を続けると、カンジダ症や水虫など、カビの生える病気になります。それは、ふだん拮抗し合っているカビと細菌の力関係がくずれて、カビが優勢になるからです。

思い出してください。
風邪はウイルスによって起こります。ウイルスに細胞膜はありません。
ゆえに抗生物質は効きません。

(挿絵:あい∞ん)

Writer

ぴょんぴょんDr.

白木 るい子(ぴょんぴょん先生)

1955年、大阪生まれ。うお座。
幼少期から学生時代を東京で過ごす。1979年東京女子医大卒業。
1985年、大分県別府市に移住。
1988年、別府市で、はくちょう会クリニックを開業。
以後26年半、主に漢方診療に携わった。
2014年11月末、クリニック閉院。
現在、豊後高田市で、田舎暮らしをエンジョイしている。
体癖7-3。エニアグラム4番(芸術家)

東洋医学セミナー受講者の声

5件のコメント

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  1. ぴょんぴょん先生、毎週連載を楽しみにしています。

    私も最近同じようなことを体験しました。
    寝るまでは何ともなかったのに、夜中くしゃみと共に目が覚めると、寒気、鼻水、鼻づまりの症状が。
    風邪か?と思いましたが、寝たら治るだろうとそのまま放置し、
    起きてみたら、案の定スッキリ!
    くしゃみと鼻水が、邪気を追い出し、体温が上がったことで
    免疫力も上がったのかなと思いました。
    「風邪の効用」昔買って読みましたが、その時の知識が今も役に立っているようです。

  2. 昔は一年に一度、風邪を引くか引かないか?ぐらいでしたが、
    ここ最近は一年に一度ぐらいは引くようになり、
    「バカでなくてよかった~」と半分喜んでいました(^^ゞ
    まぁそれは冗談として。。。
    2時間とかひと眠りで風邪が治ってしまうなんて!?
    私は一度ひくと、ひどくなる代わりに一ヵ月ぐらいは咳き込んでいます。
    おそらく不摂生な生活がいけないのだろうと思いますが、
    風邪のひき始めなど、体のサインを素直に受け止めて
    しっかり休むのが早くスッキリする秘訣なのですね!

  3. とても楽しく学ばせて頂いています。ありがとうございます。
    前回の「表の風邪、裏の風邪」も、今回の抗生物質の件りも、
    「なるほど!!!」と炬燵をめくって膝を叩いてしまいました!
    先日、母が風邪をひきました。
    以前は、栄養をつけさせて早く快復させようとせっせとお粥やらスープやらと奮闘していましたが、
    今回食事をさせず、ただ汗をかかせ寝るに任せていましたら、
    あっという間に元気になりました。
    これまでの苦労は、なぁ~~にぃ?!
    です(笑)

    これからの連載も、とても楽しみです。

  4. ぴょんぴょん先生、とても楽しく読ませてもらってます。大きな病気をして西洋医学に命を助けていただいたので現在医学にはとても感謝しております。同時に「これ違うだろ」と素人でも感じることが多々あります。抗生物質を出す医者は(海外では)バックにスポンサーがついていることがほとんどです。つまり薬の売り上げのために患者さんにあるメーカーの抗生物質を出すのです。医学でさえビジネスとしてとらえ結局利益、金になってしまってるのでしょうか、むごい世の中です。

  5. きょっくりん on

    ぴょんぴょん先生こんにちは
    初めてねじれの医学を目にした時、きっと白木先生に間違いない!と勝手に確信しておりましたがやっぱりそうだった!!とプロフィールを拝見しながら涙が止まりませんでした
    はくちょう会クリニックでは大変お世話になりました
    15年前に子どものアトピーを診て頂いてからご無沙汰していましたが、2年前より元々関係の悪かった父との同居が始まり、精神的に苦しかった時に先生のことをふと思い出し受診しました(きっと守護霊さんの導きによるものと思いますが・・)あの時先生のところに行かなければ、私は壊れていたことと思います
    私に竹下先生の存在を教えてくれた兄(かず)にも早速報告します♪♪♪
    クリニックの閉院に寂しさを感じていましたが、これからもシャンティフーラさんを通じて先生とご縁頂けますことに感謝致します

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