【第14回】 ぴょんぴょん式 ねじれの医学 ~合成ステロイド剤はサラ金だ(2)~

前回に引き続き今回もステロイドホルモンのお話です。

アトピー性皮膚炎は「原因不明の皮膚炎」と言う意味ですが、やっかいな病気です。慢性的に炎症が起きているために、ステロイドが慢性的に不足している状態だと考えられます。

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生まれた時からアトピーの子供は、両親の免疫力が低かったのか、(両親が)ステロイドを使用していた場合がほとんどです。子供の免疫力が低いので、胎内での汚れを皮膚から出す、単なる乳児性湿疹でさえも、自分の体では対応しきれないのです。ステロイドを塗るとすぐに消えますが、根本的に体は変わっていないので、その子はずっとステロイドを塗らないといられない状態になります。そうするとどうなるか。自分の免疫力ではなく、外部からの助けに頼り続ける状態になります。つまり、ステロイド依存症です。

ところがやっかいなことに、体というのは、同じ刺激には鈍感になるもので、初めは効いていたものがそのうち効かなくなります。そうやって、どんどん強いステロイド剤になり、さらには最強のステロイド剤を塗っても抑えきれなくなってしまいます。そこで出てくるのが免疫抑制剤です。もう「免疫も止めちゃえ、かゆくなりさえしなければいい!」ってなもんです。そのあとはおわかりでしょうが、初めから低い免疫がさらに低くなって、防衛機能はがたがた。老人しかかからないような、カビの肺炎になったり、弱い菌に感染しただけで髄膜炎になったり、命に係わるような大病にかかりやすくなります。

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一方、ステロイドは人命を救います。救急医療には欠かせない薬です。生きるか死ぬかの瀬戸際で、ステロイドに反応する体にしておいた方が得ではありませんか? そもそも生きるか死ぬかに使うような薬を、日頃のなんでもない症状に使うことが間違いで、それによって体の大切な機能がめちゃくちゃにされてしまうのです。そうしていざ、生きるか死ぬかの病気になった時に、もうステロイドには反応できず、「万事休す」になります。

それではなぜ、医者はそんなにステロイドを使いたがるのか? それは、患者さんの訴えを止めるためです。

花粉症で、いろいろ漢方薬を出しても治らないAさん。「去年、別の先生からもらった漢方薬は一発で治った。」と言います。「じゃあ、今年もその先生の所に行って処方してもらってください。」と答えました。後で知りましたが、なんと漢方薬に加えてステロイドが出ていたのです。とうとうAさんは、今年は花粉症どころかステロイド性糖尿病になってしまい、入院までしなければなりませんでした。

「あそこの先生はうまい!」と患者さんが言うとき、ほとんどステロイドが出されています。お気をつけになって下さい。

(挿絵:あい∞ん)

Writer

ぴょんぴょんDr.

白木 るい子(ぴょんぴょん先生)

1955年、大阪生まれ。うお座。
幼少期から学生時代を東京で過ごす。1979年東京女子医大卒業。
1985年、大分県別府市に移住。
1988年、別府市で、はくちょう会クリニックを開業。
以後26年半、主に漢方診療に携わった。
2014年11月末、クリニック閉院。
現在、豊後高田市で、田舎暮らしをエンジョイしている。
体癖7-3。エニアグラム4番(芸術家)

東洋医学セミナー受講者の声

3件のコメント

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  1. フィオレンテな女 on

    あ〜恐い。。。両親の免疫力まで赤ちゃんに伝わるのですね。。。
    そう考えると日頃から身体に取り入れるものを十分に考えないといけないし、
    心の健康も大切だな〜と新ためて思いました。
    ぴょんぴょん先生、貴重な情報、いつもありがとうございます。

  2. 毎回とても解りやすい文章で、楽しみに読ませていただいています。ありがとうございます。私も医療関係者(薬剤師)として、西洋薬の弊害を発信していますが、今回読ませていただいて、やっぱり子供(小学から中学生)に、病気や薬のことも教育した方がいいと感じました。それから薬を営利目的の株式会社が販売するのも良くないと思います。国営がいいと思います。

  3. 本当に怖いですね。
    患者側も勉強しておかないと大変なことになりますね。
    ぴょんぴょん先生、今回もありがとうございます。
    あい~んさんのかわいいイラストも毎回とても楽しみです。

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