【第3回】 南インドでアーユルヴェーダ ~医師のパンチャカルマ体験~
私の入院したHealth Village

これは、一緒に入院していた方が作られたHealth Villageの動画です。

この施設の前身は、「ケララ・アーユルヴェーダ」というアーユルヴェーダの製薬会社が経営する「ケララ・アーユルヴェーダ・ホスピタル」でした。去年まで別の場所にありましたが、諸事情で現在の場所に移り、あらたに開業したのが2014年の7月だそうです。
ここでは、アーユルヴェーダ・アカデミーという講座も開かれています。

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大きなお屋敷を何棟か借り上げて、塀を取り除いてできた施設なので、病院というよりもリトリートと呼んだ方がふさわしいような、癒しの空間になっています。
入り口には門番がいて、敷地内は夜も安心して歩くことができます。入ってすぐに受付の建物があり、そこに診察室、薬局があります。その向かいはオープンエアのレストランで、そこで3食をいただきます。

宿泊施設は全部で4棟あって、それぞれに入院室、トリートメント室があります。入院室はシャワーとトイレ付きで、エアコン付きとエアコンなしを選べます。お湯も何とか出るし、テレビもついているし、ホテル並みの清潔さで快適でした。

突き当りには、広い川が悠然と流れています。川面を行き来する水鳥や、ボートで水遊びをする人、はるか向こう岸の緑が水面に映る景色、それらはまるで一枚の絵画のようでした。

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楽しみだったのは食事です。毎日ヴェジタリアンのカレー料理ばかりでしたが、よくもこんなにバリエーションがあるなというくらいに種類が多い。まったく飽きることがなく、しかも消化が良くておいしかったです。アーユルヴェーダは少食を理想としていますが、ここはバイキング式なので、自分の好きなだけ食べられるので助かります。

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ここには、それほど重症の人はいなくて、体験や定期的な浄化を目的に来ている人が多かったです。カナダ、アメリカ、チリ、イタリア、スイス、ドイツ、トルコなど、世界中から人が来ていました。日本人はアカデミー受講者も含めて、多いときには10名以上いました。
レストランはいつも、各国の情報交換の場で、皆さんそれぞれの英語で、身振り手振りで会話をしていました。

去年もここに来たという、イタリア人の女医さんが話してくれました。杖をついて来院した神経疾患の患者さんが、杖なしで退院するのを見てびっくりしたそうです。神経疾患にはアーユルヴェーダが良いからと、患者さんに勧めたけど、わかってもらえなかったと残念そうに話していました。

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さて、ここはインド。朝夕のヨガの静かな時間にも、ヒンズー教のお祈り、カトリックの讃美歌、イスラム教のコーランが入り乱れて聞こえてきます。しょっちゅうお祭りで、インドの歌謡曲が大音量で流れてきます。それに加えて、聞いたこともないような鳥のさえずり、ウメエ~、コケコッコー、もお~とか、パープーという魚売りの音、ガシャッと何かが落ちた音、ほうきで掃く音など、とにかくいつもにぎやかしいのです。

部屋に備え付けの注意書きには、「インドは決して静かなところではありません」と書かれています。インドだから、静かに瞑想しようと思ってきた人が、あまりのにぎやかさにクレームをつけたのかもしれません。
私がここに着いたのは深夜でしたが、すごい轟音が響きわたるので、「エアコンの騒音だろうか、これから毎日大変だ」と思いました。実はその音は、近くの鉄橋を列車がわたる音でしたが、その後は静かでよく寝られました。

(写真:ぴょんぴょん先生 | 挿絵:あい∞ん)

Writer

ぴょんぴょんDr.

白木 るい子(ぴょんぴょん先生)

1955年、大阪生まれ。うお座。
幼少期から学生時代を東京で過ごす。1979年東京女子医大卒業。
1985年、大分県別府市に移住。
1988年、別府市で、はくちょう会クリニックを開業。
以後26年半、主に漢方診療に携わった。
2014年11月末、クリニック閉院。
現在、豊後高田市で、田舎暮らしをエンジョイしている。
体癖7-3。エニアグラム4番(芸術家)

東洋医学セミナー受講者の声 jijiblog_nejireigaku_banner7

3件のコメント

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  1. メープルEY on

    数日の忙しさも終わり、涼しい風の吹く日曜日にぴょんぴょん先生の記事をゆっくりと読ませていただきました。

    「インドは決して静かなところではありません」との注意書きには思わず笑ってしまいました。
    私も勝手にインド、インド人に対して自分のイメージを持っていました。
    しかし、実際インドに行き、そのイメージがいとも簡単に崩れ去ったことを思い出しました。

    それにしてもこの病院本当に素敵な場所ですね。
    ぴょんぴょん先生充分に充電出来たことと思います。
    私もいつか訪れてみたいです。

  2. 居るだけで癒されそうな素敵な所ですね。カレーも美味しそう。
    随分前になりますが、インドでは毎日カレーを食べるのは本当か?を検証する、突撃隣の晩ゴハンインド編のようなテレビ番組を見ました。どこの家庭も見事にカレーでした!長い歴史が作った食べ物なんですね。
    作り方がありましたが、多めのオイルで生姜とニンニクと香辛料を炒めていたので、それ以来真似をしています。身体に良いし、食糧に困る事態になっても古米を美味しく食べられそうです。私はお米用の冷蔵庫が購入できませんので、ネットで見つけた柿渋ハッスイ袋で保存しています。布団圧縮袋もカビや虫が発生しないで暑い夏をバッチリ乗り切りました。
    これからどんな治療が始まるのか、とても楽しみです。
    ぴょんぴょん先生、行けるようになったら、一番に行きたいところができました!ありがとうございます。

  3. のんさん on

    何度も何度もため息をつきながら視ています。

    此の病院で 1か月全て込みで おいくらくらいに成るのでしょうか?

    其れとシスターたちが行かれた  僧院の情報  勿論お値段も知りたいのです。
    どうやって調べたら良いのか  教えて戴けますか?

    日本人が 関わっておられる  ホテルは 手が出ません。

    其れと  夏休み前にairチケットを購入しようと思ったのですが 暑すぎて私の体が持たないと。先生  1か月は行きたいのですが お安く 行けるヒントを頂けたら嬉しいです。当方72歳になります。ホにやられ ㇹを抜きたいと。脳が一番にやられると知ったのですが 本当にそうです。k

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