【第8回】 南インドでアーユルヴェーダ ~医師のパンチャカルマ体験~
パンチャカルマの実際 つづき

朝5:50am 「今日はお楽しみの、スペシャルメディスンですよ~」陽気なナースが歌いながら、コップを両手に入ってきました。片方には半分までがうす茶色のこな。もう一方には黒い液体が入っています。2つのコップの中身を混ぜ合わせて飲んでみると、なんとあったかいブドウジュースでした。

08_01 およそ1時間後、便意があり、うす暗いトイレで第1号を観察。初めはいつもと同じ、でも後半は出るときに熱い感じがしたのです。激辛のカレーを食べた翌日にトイレで感じる、あのひりつく熱さです。紙でふき取って見ると赤いではありませんか! 前の日に、辛いものも赤いものも食べていないのに。

便器の底には赤いジャムのような、唐辛子の粉をペーストにしたようなものが見えました。しかも流した後も、赤いペースト状のものは、便器にくっついています。もしかして、これがアーマ! 体に蓄積した老廃物アーマは、悪臭のある「タール成分」だと言われています。「タール」のようにべたついて、しかも、赤くて,熱くて、ひりつく感じは、ピッタのアーマそのものです! 私の体が出したかったものが、1時間足らずで!もう出てしまいました。

その後は、ナースが白湯を持ってきたり、ボーイがホットミルクと角砂糖を持ってきたり、入れ代わり立ち代わり部屋に来ます。 下腹がグーッとしぼってシャーっと下痢というのが、1時間に3回くらいあったでしょうか。 そのうちの1回は、ごま油のにおいがしました。拭き取ってみてもごま油っぽい。毎日塗りこんだ、ごま油が出たのでしょう。

9:00 パンツをはき替えているとノックの音。あわてて出るとDr.カーティク。「頭痛は? 眠れた? 胃の痛みは? 疲れは?」 ちょっとお腹がすいたので、砂糖入りのホットミルクを飲んだら、体のすみずみにまでしみわたるようで、おいしかった~

10:00 シャーッと出て、お尻を洗うのに忙しいときに、またもやDr.カーティク。「何回出ましたか?」「6回です。」ドクターは「グー!」

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つかの間の平和な時間に、ポーチに出て川を見ていました。対岸はヤシの木の緑が水面に映っています。すると、対岸の細い道が最後は階段になって、川の中に入っていくのが見えました。「あそこは階段になってたんだ!」その階段で、二人の人が洗濯をしていました。一人は赤いサリー、もう一人は白いサリーで、大きなシーツをたたきながら洗濯している・・対岸の風景が、こんなにくっきり見えるなんて驚きました。

午後12:00 水を飲んでもお腹がしぼり、出た回数ももはや数えきれません。しまいには、トイレに座っているうちに頭がまっ白になってきて、ヤバい感じになりました。こんなところで、倒れては!・・かすかな意識でお尻を洗い、はうようにしてベッドによじ登り、パンツもはかずにバタンキュ~

13:00 やっと生きた心地がしてきたので、おかゆを運んでもらいました。おかゆのおいしかったこと! その後は下痢もストップし、おしっこが出始めてどんどん回復していきました。

21:00 ナースが来て、「何回トイレに行った?」「10回以上」「Good!」

これはあくまでも私のケースで、ほかの人たちの話では、だいたいみんなギーを飲んで浣腸していました。2リットルの浣腸の話とか、ギーが吐きそうだとか聞きました。さすが、ピッタの治療は短期決戦型で激しかった~!

(写真:ぴょんぴょん先生|挿絵:あい∞ん)

次回は、10月1日(木)更新「大好き!シローダーラ」の予定です。

Writer

ぴょんぴょんDr.

白木 るい子(ぴょんぴょん先生)

1955年、大阪生まれ。うお座。
幼少期から学生時代を東京で過ごす。1979年東京女子医大卒業。
1985年、大分県別府市に移住。
1988年、別府市で、はくちょう会クリニックを開業。
以後26年半、主に漢方診療に携わった。
2014年11月末、クリニック閉院。
現在、豊後高田市で、田舎暮らしをエンジョイしている。
体癖7-3。エニアグラム4番(芸術家)

東洋医学セミナー受講者の声 jijiblog_nejireigaku_banner7

1件のコメント

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  1. メープルEY on

    Dear ぴょんぴょん先生

    今回の記事の内容すごかったです!
    読みながら、何度「ウァー」という声を出したことか。
    まるで自分がピョンピョン先生になったかのような錯覚を覚えました。

    私も同じピッタなので、タール状のアーマが出てくるんですね。
    これまで体の中にたまっているアーマを出し切れたらどれだけ気持ちよいだろうかと思いました。

    過酷な思いをされたぴょんぴょん先生をいたわるかのような優しいあい∞んさんのイラストにホッとしました。

    「短期決戦型」という表現に、ピッタの神髄をみました。

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