大事なパートナーだった母を失った後、私はスキだらけになっていたようです。その年の夏、母の好きだった軽井沢に一人で旅行しました。旅行中に、ヒーリングをしているという二人の女性に話しかけられました。
このころの自分は、漢方に限界を感じ、ホメオパシーも難しいし、もっと簡単に患者さんを治せる力があればいいのにと思っていました。ヒーリングはどこで習えるか?と彼女たちに尋ねると、福岡の「ヒーリングサロン福岡」を紹介されました。
行ってみると、そこは大濠公園を一望できる、高級マンションの広い一室でした。二人の若く美しい女性が迎えてくれて、30分3000円のヒーリングを受けました。今思うと、あれはレイキだったと思います。ヒーリングを習いたいと告げると、「ライセンスを持てば、だれでもすぐ手から光が出ます。」と言うのです。
私はすぐにそのライセンスが欲しいと思いました。 10万円!でしたが、「現金がないから買えない」というと、「カードで下して来てください」と言います。近くのATMに行きましたが、日頃カードを使わないので暗証番号がわからず、結局下せませんでした。それなら次回にということで、今度は白い本を持ってきました。「神書」という題名の本で「これが一番大事な本です。」と言います。偉い人が書いた本だから1冊1万円と言います。どうもこれを読めば、ここが本物かどうかがわかるような気がして1万円払い、帰りの電車の中で読みました。
ところが、読んでいるうちに、頭の中がねじれたようになって気分が悪くなりました。別府に到着するころには「これはおかしい!」と思いました。
早速、本の最後に書かれた出版社の名前で検索しました。これまで「ヒーリングサロン福岡」では何もヒットしなかったのですが、今度はトップに、「ヒーリングサロンの被害」が出ました! そこは新興宗教の「神世界」だとわかったのです。
それから数年後、ガヤトリーマントラにも出会い、自分の心の平衡感覚がもどったころ、「精神科医のP先生」から面会希望の電話がありました。会ったことのない人ですが、代替医療に興味があるというのでOKしました。
若い女医さんと、どんな話ができるのか楽しみにしていましたが、P先生の態度は少しヘンでした。「先生、精神病だった患者さんが、ある日正常になってきたらどう思いますか?」と言います。その人がなぜ治ったのかを知りたくて、P先生は、患者さんの受けたヒーリングサロン!に行ったそうです。そしてそこでヒーリングを教わったら、自分もできるようになったというのです! 私にそこを勧める目的で来たのがわかりましたので、当然、早々にお帰りいただきました。そこはまた別の宗教がらみのようで、一人70万くらいお金を取ってヒーリングを教えるそうです。医者はいいカモなので、ねらわれているようです。
(挿絵:あい∞ん)
3件のコメント
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ぴょんぴょん先生、今回のお話はとても興味深く、有益なものでした。
ヒーリングという言葉は今ではよく使われている言葉ですし、その深い意味も考えずに簡単に関わってしまいがちです。
最期のお言葉「医者はいいカモ」は衝撃的でした。
お医者様である先生の具体的なご経験を公開してくださりありがとうございました。
いろいろ不可解なことが起こっている現在、ガヤトリーマントラがどれほど大きな宝物であるかを改めて感じることができました。
私は 医者 では有りませんが見事にこの世界の 鴨 となり 気功を初め レイキとか気導術等の
セミナー巡りを繰り返して良い気に成って居た 馬鹿者です 本当の恐ろしさに気付いたのはずっと後
の事 竹下正敏 先生のヒーリングは止めときなさい は正しく本当の事です でも嵌る人が多いのです
ヒーラーの末路を思うと この世界を抜けて本当に良かったと思います
どんな方法であれ、人をたすける事にかかわるのであれば、片手間では出来ず、それに生きることにすべてをかけるわけです。全てが自分に跳ね返ってくる、道場です。自分が使った言葉、心、行い、をまざまざと見せつけられ、不徳な身にとっては修羅場そのものです。が、私の場合、そこからがスタートになり、人助けイコール自分たすけが、始まりました。もう、昔の事です、今は見る影もなく。ヒーラーとは、営業なのかしらと首をかしげたくなるのですが、鴨にならなかったのが救いだったようにも思える記事でありました。