【第15回】 かんなままの子育て万華鏡  ~息子は泥棒?~

4番目の息子のお話しです。早産しそうになり「大丈夫」という愛言葉で繋がっていた子です。

2歳くらいになると朝から晩まで粘土づくりに夢中になっていました。
ある日、いつものように家で粘土していると思っていた息子が・・・いないのです。
家中探してもいません。家の近くには川が流れています。大きな道路もあります。急に心配になって探しに行きました。何処にもいません!こうなると、世界の広い事!気持ちばかりが焦り、胸が張り裂けそうでした。

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神様!・・・と、思った時、閃いたのです「粘土!」
近くのおもちゃ屋さんに駆け込んだら居ました!
家で10円玉を見つけたので粘土を買おうと思ったようです。自分で判断して勇気をもって出かけたのでしょう。小さな手に握りしめた10円玉が温かかったのを今でも覚えています。息子を抱きしめて大泣きしました。 

こんな時は叱るべきか・・・いいえ、まだ2歳。叱ってもわかりません。ただ、1人で出かけるのは危ないことだと小さな子どもでもわかる言葉で言い聞かせました。わかったかなあ?・・・でも、躾です(笑)。

やがて4年生になりました。粘土好きが高じて蜜蝋粘土で戦士や戦車を作り、友達と庭で戦闘ごっこにふけっていました。そんなある日、お兄ちゃんが「貯金箱のお金がない」と言い出したのです。しばらくして又無くなったので、もう一度、お金を入れて観察していたら、4番目の息子が買ってあげていないおもちゃのピストルを持って遊んでいるのです。庭の戦闘ごっこでピストルが欲しくなったのでしょう。話を聞いたらお兄ちゃんのお金で買ったとのこと。

ショック!!でした。人のものを盗むなんて、泥棒です!!・・頭がクラクラしてきました。
今までの子育てがガラガラと足元から崩れていくようでした。

夫と相談して気合を入れて躾することにしました。神棚の前にきちんと座らせ、冷静に諭しました。でも、黙っているだけであまり反省した様子が見られなかったので、これでもかと正論を畳み掛けました。すると突然泣きだし、最後はこちらが驚くほどオーバーに喉を絞り出して嗚咽し始めました。あまり泣いたので喉から血が出ました。私達も、もうわかったかと思い、反省文を書くことで許しました。

翌日持ってきた反省文を読んで、ひっくり返りました! そこには「のどから血が出るからしません」と、一言書いてあったのです。
又頭がクラクラしてきました。根はいい子だから大丈夫と自分に言い聞かせながら・・・。

今なら笑えます。躾と称して長々と的確に的を射ればいるほど息子の耳はふさがれ、足が痛くなって耐えられなくなって泣きだしたのでしょう。ちょうどいいタイミングで血が出たのでここぞと、理由づけができたのです。特に息子は体癖6-4、カファ体質です。夫と私は体癖2です。理路整然と説教しながらこちらの怒りのエネルギーを発散させただけでした。

叱りすぎて「お前は泥棒だ!」と本当に泥棒にしてしまうところでした。
躾は相手にわかるように、そして体癖を知ってすべしです。

それにしても、行動しながら気づきを深めていく体癖5の私は体癖6の息子を理解するのが難しいです。私から見たら「わかっているくせに、どうして行動しないの!」と、言いたくなります。でも本人はしっかり考えて行動しているのでしょう、頭の中で。そして自分の気持ちにふけり表現しません。そうかと思えば唐突に長い手紙をよこして、自分だけで膨らませた気持ちを切々と綴り、とんでもない行動をします(これは5から見た解釈です)。

その延長で今、フィンランドでデザインの勉強をしています。気遣って手紙をくれたおばあちゃんに「どうして返事しないの?」と聞いたら「どういう風に書こうかとあれこれ考えているうちに時間が経って、明日にしようと思う」などとノタマウのです。

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この前久しぶりに帰ってきたのでゆっくり話しました。生き方や世界情勢の事など日本を外から見て、しっかり考える大人になっていました。そして、のんびり幸せそうです。私は息子を「理解していなかった」と恥ずかしくなりました。行動よりむしろ、どんな意識でそこに居るのかが大事だという事をあらためて教えてもらいました。

空港で見送る時にハグしてくれました。深呼吸すると、とても和みます。 きっと、今でも息子との愛言葉は「大丈夫」。でもこれからは私が息子から言ってもらう番のようです。

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泥棒事件の頃、息子はイライラして「死ね!」「くそ!」と、ひとり言を言うようになり「学校に行きたくない」と吐くようになりました。息子に何が起きているのか心配して授業参観に行って愕然としました。まさにクラス中でこの言葉が氾濫し授業が成り立たなくなっていました。子どもの過ごす環境が子どもの生育にどんなに影響を与えるのか考えさせられました。その後、親の緊急会議を開いて先生と一緒になって解決の道を探しました。

野口晴哉の「叱り方褒め方」は必読書です!

(挿絵:あい∞ん)

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Writer

かんなまま様プロフィール

かんなまま

男女女男の4人の子育てをして孫が6人。今は夫+愛犬で静かに暮らしているが・・・
週に2日、孫達がドッとやってくる+義理母の介護の日々。
仕事は目の前の暮らし全て。
いつの間にか専業主婦のキャリアを活かして、ベビーマッサージを教えたり、子育て支援をしたり、学校や行政の子育てや教育施策に参画するようになった。

趣味は夫曰く「備蓄とマントラ」(笑)
体癖 2-5
月のヴァータ
人生一巡り+1歳

10件のコメント

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  1. 匿名希望 on

    かんなママ様の子育て体験談は、ハラハラしても、その後は愛情でつつまれているのでホッとします。
    息子さんが在籍していた小学校は、とてもいい学校だったんだなぁと感じます。親の緊急会議の結果を先生と共に考えるなんて。今、PTAの集まりでーすなんてありますがきちんと役割分担があり、さくらを仕込んできちんと学校の時間割からはみださないようにとても合理的なシステムになっています。なので、とても薄っぺらい寄せ集まりです。みんな先生に聞きたい事はいっぱいあるのに、そんな雰囲気でないんですよね。先生も忙しいから大変です。かんなママ様は学校とはどのようにお付き合いされてきましたか?もしよければ、そんなお話しも伺ってみたいです。喉から出血、反省文とてんこ盛りの体験談はうなりました。ありがとうごさいました。

  2. かんなまま様

    9回目の記事の終わりに、四男さんがムーミンの国にすんでおられると書かれていました。
    どのような大人になられたのだろうかととても興味がありました。

    今回、息子さんが6-4種であり、ままさんも理解するのに苦労されたとのこと、なんとなく理解できました。
    でも、お腹にいる頃から「愛言葉」で繋がっていた親子さんなので、最後の言葉、「大丈夫」と息子さんから言ってもらえるままさんの幸福感が伝わってきました。

    6-4種(あるいは4-6種)の人はみんな心優しい人ばかりだと実感している奇数体癖です。

    あい∞ん様

    かんなままさんの四男さんの、ちっちゃい頃ママに抱かれてマンマルお目目が大人ってなってからままさんをハグする時の優しい目になっている、この対比とても素敵です。

  3. メープルEY on

    かんなまま様

    9回目の時から、この息子さんことが気になっていました。
    今回、2歳の時の大きな出来事、そして現在の息子さんのご様子がわかり、ホッとしました。

    6-4種の息子さんのことを理解することが難しかったこと、それを乗り越えて、深く愛されるようになられたこと、どのエピソードにも深く感動しました。

    「愛言葉」でつながっている息子さんにハグされるままさんの幸せな気持ちが伝わってきました。

    そのままさんのお気持ちを2枚のイラストがとてもよく伝えていると感じました。
    あい∞んさんも心優しい方だという証しだと思います。

    かんなままさんとあい∞んさんも、つながっておられるのですね。

    因みに、6-4種(4-6種)は心優しい人が多いようです。

  4. 愛がいっぱいの記事に最後は涙になりました。
    子育てしてるといろいろありますよね。
    私の息子も同じようなお金のトラブルがありました。
    父親にひどく叱られてじっとうつむいていた姿が忘れられません。
    もう戻ることはできませんがじっくりと彼の気持ちを聞いてあげたくなります。

    息子さん、とっても優しい方なのですね。
    ハグしてくれるなんて~♡

    あい~んさんのイラスト今回もとっても素敵でした♪
    ありがとうございます。

  5. まいまい on

    ほんとに、感動しました(o^-^o)
    最後は涙が溢れて、こんなに6種体癖のことを、理解して下さる方がいるんだと、胸のつまる思いでした。

    『どうして、おばあちゃんに返事をしないの?』のところの話が、あぁ、この子は本当に6種だな、そうして、気持ち分かるなぁと感じました(*^^*)

    最近は、5種の方々に不安を与えないように、『手紙受けとりました。これから読みます!』とすぐに反応するように、心がけています(笑)

  6. みなさま、
    たくさんのコメントありがとうございます。
    裏表?の体癖同士の理解は難しいですよね。6種の方に理解できてると言われてとても嬉しいです。

    息子を見ていても6種は効率主義の現代社会では生きにくいだろうなと思います。
    でも、優しい!…本当に。私もそれをつぶしてはいけない!と辛かったです。

    逆にそんな6種に自信を持つことができる精神的に豊かな時代が来るといいですね。皆が6種を見本にして、そこにいるだけで幸せと・・。

    その時、私は5種を謳歌してせっせと働く労働者かな?
    でも、片方の2種の私が早く横になって寝なきゃ疲れが取れない!とささやきます。
    ・・が、月のヴァータの私が眠れないと悩むでしょう(笑)

    自分の体癖だけでも身を持て余しますが、そんな自分を笑いながら向き合っていきます。

    自分が自分を認め、好きになるのって大事ですよね。

    ところで匿名様、コメントありがとうございます。

    学校の問題はいろいろありますよね。わが子の時(20年前)と、今は少し違うようですが、これに関しては別にお話したいと思います。

  7. こんにちわ♪
    絵を描かせて戴ける幸せに、みなさまにいつも感謝しております^^
    わたしにも、あたたかい御言葉や応援のお気持ちをいただいて♡              いつもほんとうに「ありがとう」ございます!
    とっても嬉しくなって、幸せな気持ち♡いっぱいっになります(^人^)
    かんなまま様の素晴らしいお話が、読んでくださるみなさま方々の大切な気付きが、
    ぴよらかブーメランとなって、また新しいぴよらか御縁へとつながったらいいなぁ〜と♪
    これからもこころを込めてガンバルダさせていただきます^^

  8. 匿名希望様
    私も子どもの数の分だけ、学校やPTAとの付き合い方について悩んできました。
    そして教育委員として長年学校教育行政にかかわってきた経験から思うところが多々あります。

    息子のクラスは家庭的なストレスを発散する子が5人いて発表をやじる、取っ組み合いのけんか、机を蹴る。

    先生はそれに振り回されて授業ができない。他の子は「やめよう」と注意すれば逆にターゲットになるから黙る。でも心の中は言葉にならないストレスでいっぱいでした。

    私は役員をしていましたので、懇談会で「今解決しないと大変だ」と話しました。それを聞いた先生は「教育委員会に訴えられる」と怯えたようです。

    でも、私はそんな心配より目の前の子どもが大事。先生一人では無理なので親がサポートしましょうと伝えました。

    それから、保護者で集まり、自分たちでできることを考え、一緒にお菓子を作ったり、絵本を読んだりクラス皆の交流を始めました。

    保護者も問題の子や先生の気持ちやがわかり、次第に落ち着いていきました。

    今、働いている親がほとんどでPTAが形骸化しています。

    こんな時こそ親は本気で子どもを見守り、育てましょう!!

  9. 匿名様へ
    ありがとうごさいました。
    子供の数だけ、学校との付き合いに悩まれたの経験談は、大変だったとお察しします。
    私も、ハートを時に熱くして先生に接してみます。
    でも、先生ってなぜか、に が て です。

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