【第12回】 ぴょんぴょん式 ねじれの医学 ~不登校の小学生~

うちは小児科でも精神科でもないのに、ときどき子供さんの不登校の相談も受けています。私は、竹下先生の映像配信の「子育て」他の講義の中で、先生の息子さんのお話などを何度もうかがっているので、子供が行きたがらないのなら、「行かせなければいい。」と言います。でも、現実はなかなか難しいです。 子供が学校に行かないで家にいるということを、家族も世間も許さないことが多いからです。

12_01

学校に行かないなら、ほかの選択肢があればよいのにと思います。別の小学校に簡単に転校できる (どこの小学校も同じでは意味がありませんが)、寺子屋や私塾のような場所がある、弟子を受け入れて教育してくれる、師匠のような人に出会う、自然の中で自分の時間を過ごしながら、学業をする施設がある、というように。

あまりの選択肢のなさに、子供も親も袋小路に追いつめられているのが現状です。

5年生のA君。体癖は5-3で決して根暗ではありません。スポーツ万能でクラスの人気者でした。それが、ある日突然学校に行けなくなりました。家庭環境に大きな問題はないので、「学校で何かあったはず。」と言うと、A君の顔色が変わりました。でも、何があったのかは聞けませんでした。

学校から勧められて、大きな病院の精神科を受診しました。驚いたことに、「不登校」と言っただけで、背景の話も何も聞かずに医師は薬を出したそうです。言われたとおりに飲ませところ、A君は2~3日はなんとか学校に行った、でもまた行けなくなり、前よりもっと悪い事態になりました。スポーツ大好きで活発だったA君が「死にたい。」と言い出したのです。驚いた両親は、ただちに薬を止めさせましたが、すでに3か月間飲ませていました。

12_02

抗鬱剤の「パキシル」が出されていました。アメリカではとっくに小児への投与は禁止されているのに、日本ではまだ出されている! しかも大病院で! これは、大人でも自殺願望が強くなるので有名な薬です。この薬が発売されて以来、自殺者は年々増加しているのです。しかも飲み止めるとセロトニンが減少して、前よりも鬱がひどくなるやっかいな薬です。さいわいA君は飲み止めても何事もありませんでした。

小学6年生のB君。自分の意志で学校に行かなくなりました。教師に問題があるようで、私の前に座っても目を合わせません。大人への不信感がいっぱいです。家族は世間体が邪魔して、なかなかB君の気持ちを汲み取ることができません。でもここで無理に学校に行かせたら危ないと思いました。案の定B君は「死にたい」と言い出したり、自殺のまねをして周囲を驚かすようになりました。

私は家族に竹下先生の講座、特に「東洋医学講座雑談集第7回」を見てくださいとお願いしました。その中で、不登校だった息子さんが、いかにすばらしく成長しているかをお話しされているからです。結局B君は学校に行っていませんが、私の目を見て話せるようになりました。両親と話し合って別の道を模索しているところです。

(挿絵:あい∞ん)

Writer

ぴょんぴょんDr.

白木 るい子(ぴょんぴょん先生)

1955年、大阪生まれ。うお座。
幼少期から学生時代を東京で過ごす。1979年東京女子医大卒業。
1985年、大分県別府市に移住。
1988年、別府市で、はくちょう会クリニックを開業。
以後26年半、主に漢方診療に携わった。
2014年11月末、クリニック閉院。
現在、豊後高田市で、田舎暮らしをエンジョイしている。
体癖7-3。エニアグラム4番(芸術家)

東洋医学セミナー受講者の声

6件のコメント

【シャンティ・フーラからの注意】
コメント欄への投稿は、シャンティ・フーラのスタッフが承認したものだけが掲載されておりますが、掲載・非掲載の判断は、投稿された情報の信頼性・妥当性をもとに行っているものではありません。

  1. たそがれ金ちゃん on

     昨日、腸内フローラ、驚異の細菌パワーということで、時事ブログがありましたけど、ちょっとそれについて以前より興味があって調べていました。クロストリジウムなどの腸内感染症、潰瘍性大腸炎などに鼻から胃にチューブを挿入して、溶かした正常人の便を流し込んで、実際に効果が認められすでに一部で実施されています。免疫作用は実際に小腸でなされていて、健康だけでなく、思想まで影響しているとは驚きです。前から竹下先生のうんこなら毎月1万円だしても惜しくないと思います。腸の弱い僕なら毎日カプセルに入れて服用します。

  2. > 竹下先生のうんこなら

    金ちゃん!
    いくらなんでも、まのじ、それだけは止めに入りますぞ!
    たとえ先生が、毎日マリマリと大量にあそばされても、全然
    足りないですよう。

  3. たそがれ金ちゃん on

     昨日は勝手にうんこのことを上げて失礼しました。教育ですが、最近尾木ママが「いじめを受けるような学校には行かせなくていい!」しかし受け入れ先がないのが問題だと私も思います。ぼくが中学生の時、教育委員会のお偉いさんの息子の先生で、気に入らない生徒には、つねったり、叩いたり、可愛い女子には、撫でたり、触ったり差別して、他の先生方も当たらず障らずでした。反面教師として、僕らはああいう大人にはなるまいとかたく思っていました。仲間が他のクラスの子にいじめられているのをみると、助けにいったり、汚い大人の一面をみて、社会に一種の免疫ができ、僕らの仲間は、まともに育っているなと思います。

  4. たそがれ金ちゃんさんの、
    「仲間が他のクラスの子にいじめられているのをみると、助けにいったり、汚い大人の一面をみて、社会に一種の免疫ができ、僕らの仲間は、まともに育っているなと思います。」
    という一文を読んで、
    じわっとするくらいうれしかったです!!!
    素敵ですね!!!

    それにしても、まのじさんのコメントは天才級ですね!

  5. 今回のぴょんぴょん先生の記事は、ほんとうに大切なことで、対策が急がれる問題だなと思いました。

    …いやしかし
    今回のコメント欄のやりとりに大爆笑です。
    あ~笑ったw
    笑いすぎて涙出た(笑)
    今度このお二人の掛け合いで記事連載されてはいかがなものか。
    別次元の新しい客層が・・・・|_ゝ`)ジー

コメントをどうぞ

コメントの投稿により、本サイト利用条件の"投稿行為"に同意いただいたものとみなします。