スマホネイティブと言われている子ども達の実態です。
2015年乳幼児健診の時にアンケートした結果では
スマホ・タブレットでよく遊ばせているのは4ヶ月児7.1%、1歳半児12%。そのうち自分から使いたがり、取り上げると嫌がる依存傾向の子は1歳半児で23%です。
授乳中は「何もすることがない」と言って65%のママが無言でスマホ・ケータイを見て赤ちゃんの視線に気づいていません。テレビを見ながらも含めたらもっと増えます。
赤ちゃんが喜ぶ、家事がはかどるという理由で1歳児の64%がテレビを積極的に見せられ、2歳児以上の半数がスマホで動画を毎日見て、5歳児の60%がゲームに夢中です。
ママ達も子育て情報を得たり発信したりしてスマホが手放せません。孤立した中での唯一の気晴らし、社会との接点なのです。
このようにスマホが普及して急激に子育て事情が変わってきました。
でも、本来、赤ちゃんはメディアを欲していません。バーチャルではなく本物の体験で育つようにできているのです。
赤ちゃんは、神経細胞が全開して体験したすべてを感じ取る能力があります。やがて、この体験の中から自分に有利なものを選別しながら模倣して色々な事を身に付けていくのです。
又、この時期に要求を満たしてもらったり、ふれあったりする体験がとても重要です。オキシトシンという幸せホルモンがたくさん出て、一生信頼や愛情を感じやすい脳が作られるといいます。
言葉の獲得も母国語を選別して、話したいという気持ちと発音する機能の発達が総合的に整ってからできるようになる凄い事なのです。赤ちゃんがママの顔を見ながら舌と唇を一生懸命に動かして喃語を話すようになったら是非一緒におしゃべりをして下さい。
このように関わってもらいながら敏感に体の全機能を使っていると心地よい疲れで眠たくなります。なぜなら寝ている間に疲れを取り、体が成長して、記憶の定着が図られるようにできているからです。
でも、愛着形成をしながら健全な成長を遂げる前に指先をタップするだけで大きな刺激が次々に得られるメディアの快感を体験してしまうと日常の穏やかな人の声や営みに反応しなくなり、絵本をめくる、積み木を積むなどの忍耐がいる遊びが面倒になります。
その上、刺激を受信するだけでいいので自発のスイッチが影を潜め、もっと大きな刺激ばかり欲しくなり、思い通りにならないとキレて言葉にはならない奇声をあげる子どもが増えました。
こうなると新米の親はお手上げです。おとなしくさせるためにさらにメディア漬け・・という悪循環になります。依存症になると赤ちゃんは人と関わる心の成長、体力、運動機能などの健全な成長が妨げられ人格も崩壊します。
目も子どもの時に日常の体験を通して見る力や立体視野を獲得していくはずが平面の画面ばかり見ていると目の成長のタイミングを逃してしまします。ブルーライトも睡眠障害を引き起こし、網膜を傷つけると言われています。電磁波の問題も心配です。
こんなに子どもの成長が脅かされているのに、業界は経営戦略として赤ちゃんをターゲットに色々なアプリを売り出しています。60%のママが「泣き止ませるため」「静かにさせるため」「知育のため」に子育てアプリを積極的に使っていると答えています。 文科省も2020年度より全生徒にデジタル教科書を含めたICT教育を導入する計画です。
一方、依存症の親も多く、スマホの手を留めた時だけ子どもに関わるというスマホネグレクトが増えています。「スマホになりたい」というシンガポールの小学生の作文が世界中に衝撃を与えています。
でも、今時のママを批判するだけでは何も解決しません。「泣かせるな」「静かに」と子育てに寛容でない社会の中で、子育てのスキルがない親が大人しくさせるために電子ベビーシッターに頼るのは当たり前なのかもしれません。
社会から疎まれて孤立して、支援もないのに、たくさん子どもを産んで責任を持って育て、早く社会復帰もしなさいなんてひどい話です!!
それにしても、人類はずっと子育てをしてきただろうに赤ちゃんの成長の仕組みを知らなすぎます。
子どもの幸せを願うママ達!目を覚ましてください!
どうか、スマホを置いて、忘れていた自分自身の本物のアンテナを立てて目の前にいる感受性豊かな奇跡の存在に気づいてください!わからないことはネットではなくて目の前にいる子どもと先輩に聞いてください!このようにして親子共々、人と関わるスキルが磨かれて行くのです。
さあ、赤ちゃんと一緒に体験できる「ネットを越える感性を磨く旅」が始まろうとしていますよ!
(挿絵:あい∞ん)