【第21回 島へ】 hiropanのAfter 3.11 ~震災後に見えてきたこと~

人との出会いと繋がり

イベント終了後と次の日の午前中、私は友人達と至高四柱の女神様を祀る神社を初めて参拝しました。神社は非常に清々しい気に満ちていて、とても気持ちが良かったのを覚えています。その空気は清らかで、どこか優しく、また、威厳と品格に満ちていました。それはもしかしたら「母性」とも、呼ばれるものなのかもしれません。
そしてどの神社も、その女神様の持つ雰囲気に一致したように、はっきりとした違いが感じられました。私には、神様の姿を見たり、声を聞いたりすることはできないけれど、非常に微細なレベルで、その違いや、存在、ほほ笑みを、身体中の全細胞で聞いて感じ取ろうとしていました。
そして無事に良い移住先が見つかるよう、神様に祈りました。

サラスヴァティー女神様の神社

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ガヤトリー女神様の神社

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サーヴィトリー女神様の神社

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アンナ・プールナー女神様の神社

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初めて島に渡ったのは、イベント翌日の2012年1月8日のことです。
大崎上島からコメントをくれたヨッコさんという女性は、偶然にも広島で行動を共にした、はっちさんとはちコさんのご友人でもありました。二人も「大崎上島に行ってみたい」ということで、島まで一緒に渡ることになりました。
ヨッコさんとは、竹原の港で待ち合わせをし、少しどきどきしながら、フェリーに乗り込みました。

ヨッコさんの車で島をぐるっと案内してもらい、高台にある、景色の良い旅館の食堂で食事をし、私達は、泣いたり、笑ったりしながら、共に楽しい一時を過ごしました。島を取り囲む海の水はあおく透明で、その静かな水面の揺らぎを見つめているだけで、心が癒やされていくようでした。夜になり、はっちさんとはちコさんを港まで送り、私達は二人を乗せた船が遠ざかっていくのを、見えなくなるまで、手をふって見送りました。

その日の夜は、ヨッコさんのお宅に泊めていただくことになっていました。
お風呂をお借りして、(なんと薪焚き!)湯船に浸かって、ここ2日間のことを回想すると、なんだか一つ一つの出会いや出来事が信じられない程濃密で、充実していて、幸せな気持ちに心が満たされて行きました。そして、この何か、“計り知れないこと”への、感謝の気持ちが、自然と心の中に溢れて来るのでした。

感謝2のコピー - コピー

次の日、私はヨッコさんからある女性を紹介して頂きました。
その方は、原発事故後、半年ほど前に東京から子供を連れて移住してこられた方だそうで、きっと参考になる話が聞けるだろうからと、ヨッコさんは車で私をその方の住んでいる所まで連れて行ってくださいました。

待ち合わせ場所は、その女性(みほさん)が最近始めたという自然農の畑でした。「畑」と言うよりは、「草原(くさはら)」と呼ぶにふさわしいその場所で、子供達と作業をしている方を見つけ、声をかけました。
その時初めてお会いした「みほさん」は、背がすらっとしていて、とても気さくな方で、初対面でも緊張感を感じさせない女性でした。私は少しだけ、「草原(くさはら)」にクワを入れて畝をつくる作業を手伝いながら、彼女が移住してきた経緯などの話を伺いました。
話を伺っていると、みほさんは震災前から、祝島のことや、環境問題に積極的に取り組む、とても活動的で芯のある方だというのが分かりました。
私は、自分が福島から来たこと、移住先を探していることなどをお話したところ、すぐさま、「近くに空き家があるよ?見せてもらったら?」と、とても軽やかな答えが返ってきました。私は、それを聞いて、当然興味は持ちましたが、あまりに突然のことで、その時点では正直“そこに住む”というリアリティはまったく感じられていませんでした。

「草原(くさはら)」に腰をおろして、私達は、みほさんが作ってきてくださった玄米おにぎりをいただき、歓談しながら、(農作業よりもずっと長い)休憩時間をとっていました。

すると、そこに一人、初老の男性が通りかかり、「なんしよるん?(何してるの?)」と声をかけてきました。細身でどことなく、知性を感じるその初老の男性は、その時まさに話をしていた、近所の「空き家」を管理されている方、その人でした。

Writer

hiropan

hiropan

埼玉県生まれ。自然豊かな福島県会津地方に育つ。美術大学にてデザインを学ぶ。
2011年、東日本大震災、原発事故を機に、社会の在り方と自分の生き方の方向性を見つめ直し、転換する。2012年、福島から一人旅で たまたまふらりと訪れた広島県の離島、大崎上島へ移住を決断。
現在、小さな畑で野菜や柑橘を育て、ニホンミツバチを飼いつつ、絵や文章を書きながらスロウに暮らす。

3件のコメント

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  1. まるで魔法のようにスルスル~っと繋がっていく縁の連鎖。
    hiropanさんの人徳ですね!

  2. 素敵なお導きの話を読みました。島である事、海に囲まれている事で、ミカンは美味しいでしょうね。夏は潮風でベタベタしませんか? お肌の手入れはしてますか?後の事になる、ミツバチは、買った事は無いけれど、刺してこないことは経験済みなので、安心して、読んで居られました。至高四柱の女神様を祀る神社の参拝を思案中でもありました。写真をありがとうございます。これからも続くであろう、hiropanさんのページを楽しみにしてます。

  3. ñorita様
    いつもコメントありがとうございます~!
    ñoritaさんのコメントないと寂しいと感じるようになってしまいましたよ。

    サク様
    瀬戸内海は、波も風も穏やかなので、塩害はほとんど感じません。ぜんぜんベタベタしないです。
    サラサラしてます。
    お肌の手入れは、化粧をしないことと、石鹸で顔を滅多に洗わないこと、かな。

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