魂の本性
鍼灸とホメオパシーでお世話になって以降、本格的に島に移住してからも、門本さんご夫婦とは、とても親身にお付き合いさせていただいています。こんな方がすぐ近くにいてくださったことに、どれほどの心強さを感じたかしれません。お二人と過ごす中で、ここ2年のうちに起きた様々な、「深イイ」珍エピソード(笑)の数々は、ここでは割愛させて頂きますが、私は島に来てから、門本さん達に、本当に多くのことを学ばせて頂いたし、私の人生において、間違いなく欠かすことが出来ない、重要な出会いだったと確信しています。本物の生き方を間近で見て、お二人と過ごす日々を通して、学び得た本当の隣人愛、そして自己愛は、私にとって、紛れも無く一生を超えた宝物になったと、心から感謝しています。その他の友人達も同様です。私は、子供の頃は本当の理解者、友達がいないことがずっと苦しく、悲しいことだと感じていました。でも、この島にきてからというもの、本当にかけがえのない、理解者、共感者、尊敬できる素晴らしい友人達に恵まれました。年齢や性別などの立場を超え、自立した人間同士の本物の素晴らしい人間関係を築き得たことは、「思い切って移住をして、心の底から良かった。」と思える理由の最たるものです。
人生は、何が起きるかわからない。
「災い転じて福となす」とは、正にことのとだろうと思います。
何か「悪いこと」が起きた時、それを単純に「悪いこと」に終わらせることもできるけれど、その後の自分の考え方、行動によって、その事象は自らの中で、「善なること」や「幸い」として書き換えることができるのです。人にはそういう力が、天から与えられているのだと思います。
これは、人により、誤解されやすく、様々な思い、反発を感じる方がいらっしゃる言葉だとは思うのですが、敢えて言わせていただきたいのです。
私は、3.11、そして原発事故後の日本を生きられてよかった。
今という時代を生きて、体験することができて、本当によかった。
原発事故は未だ収束する気配を見せず、汚染は日に日に悪化の一途を辿り、これからの日本、あるいは世界に、いったいどれだけの苦難が待ち受けているのかは、わかりません。
しかし、これだけは言えます。私達はこのことを通して人間として確実に成長したし、何が本当に大切なことなのかを、多くの人が気がつきはじめた。そして、生きることや、命について、以前よりもずっと真剣に向き合うようになっていった。
そう感じられるのは、恐らく、私だけではないと思います。
しかし、一方で、人々の間には大きな「格差」が生まれてしまったことも事実です。 過去の夢にとどまり続けようとする人と、この現実を受け入れ、しっかりと今を見据えながら、地に足をつけて誠実に生きようとする人々。
今世界は、こうした人々の意識のせめぎあい、間で揺れながら、変化している。それでも、この宇宙の「進化」する意志と理を、誰にも止めることはできない。過去の夢(欲)に留まろうとすることは、この大きな流れに逆らうことであり、夢や物質にすがり、執着し、それを手放そうとしない人々は、この宇宙が与えてくれる至宝の宝、「進化」という最も素晴らしい恩寵を、自ら棒に振っている―――。
「何のために私たちは生まれてきたのか?」
といった、本質的な問いに対する答え、あるいは問いそのものを忘れている人からすれば、それ(意識的進化)は大した魅力も、意味も、ないことであるという反論が返ってくることを、想像できなくはありません。
しかし、私たちは例えそのことを忘れていようが、いまいが、およそ例外なく、この無意識的な魂の本性から、逃れることはできないのです。
人が過去に留まることは自由。
しかし、そこには“今”という宇宙の生きた輝きはありません。
耐え難いほどの“現実”という傷み。私達の過去に積んだカルマの結実。
この傷みから逃げていては、それはいつまでも終わることを知らず、宇宙は私達をそこから逃してはくれないでしょう。しかし、それを受け入れ、見つめた時、自分たちにとって、本当に価値のある答えがきっと見つかる。
いくつもの傷みを伴って、私達はこの世界に打ち付けられ、そして、磨かれていく。
それはきっと、どんな存在も、避ける事ができないこと。
私達にできることは、その生命、自らの魂、人生に対して誠実に向き合うこと。ただそれだけ。
しかし、この世界には、そうした、あらゆる事象、苦しみや、悲しみを、建設的にくぐり抜け、乗り越えるためのヒントや、答えが、必ず用意されていると思うのです。
今は、まだ、光が見えないと思うことにも、諦めずに誠実に、向き合ってほしいと思います。
自分自身に向き合うことは、世界に向き合うことと同じ。
逃げずに自らの内に、本当の答え、苦しみ、悲しみの根源を見つけ、気づき続ける作業を、怠らずに行っていきましょう。それを選択し、建設的に乗り越えていく自由、意志の力が、私達には与えられているのですから。
○ 半年間、お読み頂きましてありがとうございました。
16件のコメント
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佐々木ひろこ(hiropan)様。
丁寧に、余す所なく、その経験をお話して下さり、ほんとうにありがとうございました。
人は死ぬ前、その一生を走馬灯のように振り返ると聞いたことがありますが、
その走馬灯の数コマを、
未曾有の天災を実際に自分が体験したかのようなリアルさを以て、観ることができました。
20代の若さで、しかも素敵なパン屋さんの一人娘が自身の判断で移住を決行したこと。
その事実だけでも感嘆すべきことでした。
その上に、
『私は、3.11、そして原発事故後の日本を生きられてよかった。
今という時代を生きて、体験することができて、本当によかった。』
これは衝撃でした。
たしかに、311以降、私たちは本物と偽物を見分けることができるようになりました。
311がなければ知る事ができなかった人たちの存在に気づけました。
だけど、実際に被災され移住された方からこんな言葉を聞いたのは初めてでした。
今更ながら、お金や物に価値をおいても幸せになれないこと、
本当に幸せな生き方のお手本を見せてくれたhiropanちゃん、ありがとう。
シャンティ・フーラの皆さま、
半年間、毎回毎回とても貴重で素晴らしい連載でした!ありがとうございました!
Hiropanさん、半年間ありがとうございました。
Hiropanさんの記事は東北に住むものとして共感できる部分が多く、それ以上に学ぶことも多かったです。
今回も、起こってしまったことに対して悲観的になるのではなく、そこから何を学び、どう未来に活かして行くかということが大切だと改めて気付かされました。
今後も生活をエンジョイされてください。
ブログも楽しみにしております。ありがとうございました。
意志的な瞳は天性のものかもしれない。
でも、豊かな自然、あったかな家庭が、彼女を素直に育んだ。
天の導きで、彼女は広島に来た。
でも、流れに従って、かの地に留まった方々の気持ちも教えてもらった。
なぜ私は、かの地に居なかったのだろう。
なぜ私は、今生きているのだろう。
彼女の力強い言葉の数々を前に、私は、どう生きる選択をするだろう。
きっと多くの方が、私のように、連載のたびに、自分に問いかけただろう。
きっと、これからも、胸が詰まって立ち止まることがあるだろう。
でも、こんな仲間が、今を一緒に歩んで下さると思うと、また踏み出せる。
hiropanさん、ありがとう。
hiropanさん、半年間ありがとうございました。その魂を込めた文章、輝くイラストに、多くの人が勇気を与えられました。一人の内面の気付きと悟り、それが小さいものに見えたとしても、やがて多くの人の心に浸透していき、世界に良い影響をもたらし変革していく力になる。今回その貴重な体験を私たちにシェアしてくださって感謝です。
これからのブログも楽しみにしてますねー、たまにコメント入れるよー(笑)。
最後だから、全部のコメントにコメント返すぞ~ヽ(´▽`)/
はちコさま、読者の皆様
半年間、優しく見守ってくださり、また温かいコメントの数々、感謝しています。
自信のない私には、大きな励ましであり、心強い声援でした。
私は何もかも、本当に恵まれていたと思います。
『私は、3.11、そして原発事故後の日本を生きられてよかった。
今という時代を生きて、体験することができて、本当によかった。』
全ての人が必ずしも、そう言い切れる状況ではないことを理解しているつもりです。
ですが一人でも多くの人に、そう思ってもらえるような人生観や生き方を、ぜひ身につけていただけたらと願っています。私もまだまだまだまだ未熟ですが、これからもこんな「愛すべき」自分と格闘しつつ、受け入れつ、人生に対して誠実に向き合っていけたらと思っています。
そしてどうかこれからも、皆さんといっしょに歩んでいけたらしあわせです。
東北にお住まいのKPさん、そちらでは、様々なご苦労、葛藤がおありだろうと思います。
わかっていればいるだけ、辛いものがありますね。どうぞお体をお大事に、また元気なお姿で、お会いできればと思っています。映像配信での竹下先生とのコメントのやりとりが面白くって大好きです(笑)いつも膝叩いて笑ってます(笑)これからもハッシュコメント注目してます(・∀・)!!
まのじさま、ジョンさま
私も、当初は、どうして福島なんだろう?どうして私たちなんだろう??と、どうしようもない、理不尽な運命の前に、何度も空虚な自問自答を繰り返していました。西や北海道に逃げれば逃げたなり、圧倒的な認識のズレ、無関心に愕然としたりしてました。けれど、もし自分が福島から遠く離れ、当事者ではなかったなら、どうだったか?その人たちと、同じようではなかったか?
人は、そのとき、その人ができることをすればいいんだと思います。
気付いた時から人は変わっていくし、世界も変わっていく。
ひとりひとりの気づきの偉大さ、影響力は測りしれません!
今同じ時代にいっしょに居合わせたのも奇跡みたい!(o^^o)
胸が詰まって、歩けないときは、立ち止まって感じてください。
私たち、みんな、同じ時代、同じ空の下で、いっしょに生きていること!
そして心から愛されていることを!
毎週、木曜日が楽しみでした。半年間、多くのことを教えてもらえました。ありがとうございました。
今後、3.11のようなことは起こって欲しくないと思います。
が、3.11が起こったからこそ、分かったこと、考えたことも多くありました。そこから学んだことのなんと多かったことか!
hiropanさんの記事を読ませて頂き、改めて、生きることや自分自身に真剣に向き合うことを3.11が教えてくれたのだと実感しました。
偶然、今日、岩上安身氏の『百人百話〜故郷(ふくしま)にとどまる 故郷(ふくしま)を離れる それぞれの選択』が届きました。今も福島にどどまっている友の顔が浮かびました。
hiropanさんの思い切った行動に勇気をもらいました。
僕も秘密裏に独立作戦を実行していきたいと思います。
hiropanさん!
半年間の連載記事。hiropanさんの体験や感じられたことを
私達に共有してくださって、本当にありがとうございました。
自分の目の前にある境遇を、どのように受け止め、
そして、その先どう生きていくか(内面的に。外面的に。)で
人生が本当に変わるのですよね。
それに気づくのが早いにこしたことはないけれど
そのタイミングも人それぞれ。。。
きっと、全託の気持ちが高まれば高まるほど、
どんな事も「善なること」となるのかもしれません。
その逆もまた然りかも。。。
記事の最後を飾る写真もきれいですね!
イラストと写真入りのhiropanさんの記事は
読みやすくて、本当にステキでした♪
ひまわりさま
本当ですね。今後、もう3.11、原発事故のようなことは二度と起こって欲しくはないものです。
こういったことを2度と繰り返さないためにも、今現在のそれぞれの生き方が問われているのだと感じています。
世間一般の「よくモノがわかった」人たちの中には、福島に残ることを選択した人を、きちんと理解せず、ただ非難していることがよくあります。(私自身の中にも、そういう部分があったことに気がつかされます。)一方では避難してきた人の中には、ふるさとを「捨ててきてしまった」といった負い目を潜在的に感じている方もいる。潜在的な「負い目」、「自身のなさ」みたいなものが、他方を責めることで、自分自身の自己肯定に利用しているケースも、すごくすごくあるって思います。(それは、今回のことだけにとどまらず、社会全体のあらゆる場面で見受けられます。)
自分を責めることもなく、他者を責めることもない中庸(ひとりひとりの精神的自立と成熟)をこれからの社会は身につけていかなければいけないだろうと感じます。
わかめ仮面さま
私、思い切るの得意なのです(笑)逆にひとつのことをコツコツしたり、同じところに留まることのほうが好きではありません。私は幸運にも、そういう体癖であり、行動タイプの人間だったので、移住に際しては、これもひとつの幸いだったのだと感じています。
ñoritaさま
半年間、毎回コメントをくださって、本当にありがとうございました!
とても励みになりました!
>自分の目の前にある境遇を、どのように受け止め、
そして、その先どう生きていくか(内面的に。外面的に。)で
人生が本当に変わるのですよね。
それに気づくのが早いにこしたことはないけれど
そのタイミングも人それぞれ。。。
本当ですね~!でもできるだけ早く!気がついてもらえたなら、人生は全く違ってくるでしょうし、一人でも多くの人に知ってほしいです。今までは、そういった「真実」に行き着くには、大変な苦労がある、(何かに行き着いても、それが真実とは限らない)すごく複雑な世界だったけど、今はもうその根本の部分がすでに変化してきているわけですから、これはもう、遠からず、多くの人が容易に真実・真相を掴み取ることができる時代になってきていると感じています!
楽しみですね!!!o(*゚▽゚*)o
ひろこさま☆
半年間、ありがとうございました。
美しい絵や、写真、するどい感性、、、わたしは学ぶことが多かったです。
事故が起こってまず思ったのは、
『福島を助けたい』でした。
でも、助けたいという思いでさえ、傲慢だったのかなと、いまは、思います。
自分自身のことが、ちゃんとしていないと、
だれかを、なにかを助けることなんて、できないですよね。。。
『私は何もかも、本当に恵まれていた』というコメントが
とてもうれしかったです。
そうなんです!わたしたちは本当に恵まれているんです。
こんなにたくさんの方々に支えていただいて、
ほんとうに、感謝しかありません。
まいまいさま
「福島を助けたい」という思いは、決して傲慢なものではないと思います。私もそう祈っています。
そこに暮らす人びとが、皆健康で、幸福であってほしいと願っています。
そのために自分にできることを日々行っているつもりです。
ただ、その方法は傍目から見ると、必ずしも直接的なものではないので、わかりにくいかもしれません。
自分の生き方を変えることが、社会を変えることであり、巡り巡ってそれは必ず福島の人々の暮らしを変えていくものと信じています。平和でしたたかなるブーメラン革命です。
ひろこさま
素晴らしいコメントをありがとうございます。そういっていただけると、とても嬉しいです(*^_^*)
牧場のバイトを、泰子さまもされたかったというのが、印象的でした。わたしは体力がないので、あんまり、思いつかないバイトでしたから。。。
きっと、わたしよりずっと、牛さんの気持ちがわかるのでしょうねo(^o^)o
(返信はなくても大丈夫ですよ)
hiropanさん、はじめまして。
自然豊かな素晴らしい写真、とてもかわいらしくてステキな絵、そして、教えていただいた数々のことを振り返りながら、改めて初めから読ませていただきました。
毎回読みやすい長さの文章、夏に真冬の北海道のお話など、そのような意味でもご配慮いただいたことに、今さら気づかせていただきました。
まるで最初から用意されていたかのように移住が決まっていく様子には驚きとともに、自分自身に誠実に向き合って諦めずに生きようとする上で、大きな励みとなりました。
何よりも、この度の自然豊かな島への移住によって、hiropanさんだけでなく、ご両親様にも良い結果がもたらされたことを、とても嬉しく思います。
福島の原発事故以来、「もし、うちの近くの原発が爆発したら… 私が福島に住んでいたら… どうすればいい?」と思っていました。
自宅から50キロ余りの場所にも原発があります。運転開始時は幼少期だったものの、その増設を食い止めるどころか、数々の社会問題に無関心だった私は愚かでした。
もし、3.11が起きなかったら、おそらく、こちらにたどり着けなかったと思います。
半年間もの貴重なご連載を、ほんとうに、ありがとうございました。
こびとさま
こちらこそ、半年間お付き合い下さって、ありがとうございました。
ささやかながらもひとつの例として、皆様の参考となれば幸いです。
3.11以前、私も含め多くの大人たちが無知であり、それゆえ、愚かでした。
でも、今は違います。その後の様々な経験、知識、想いと祈り、そして行動、ひとりひとりの尊い努力の積み重ねが、確実に世界を変えていきました。今はまだ、混乱と紛争の煙が各地で立ち上り、視界は決して良くはないけれど・・・。こちらの方角で方向性は間違っていないと思います。胸を張って、前を向いて歩いて行きましょう。
Hiropan様
こんばんは。
私を含め、たくさんの方々に勇気と希望と感動を下さったhiropanさん、長きに渡り連載をありがとうございました!遅ればせながら、お礼をお伝えしたいです。あの”FUKUSHIMA”があり 大崎上島という美しい自然の中での、正に生かされた人生を選ばれた素敵なhiropanさん、これからも多くの方がたの心に大きな力となって残ること間違いないと思います。これからもガンバルダ!して下さいね。
フィオレンテな女様
コメントをわざわざありがとうございます!
はい。これからも、ガンバルダ!したいと思います^^
私は私をしっかり生きなければ!
半年間お読みくださったこと、また温かい応援を、ありがとうございました!