【第13回】 かんなままの子育て万華鏡  ~ばあばのヘロヘロ日記~

13_1 土曜日は、ばあば保育園の日。8歳から0歳まで6人の孫たちがやってきます。
いつもは喜んで遊び始めるのですが、きのう遅くまで起きていたA君(体癖4-9種)のご機嫌が悪いのです。バターが上手く塗れないと駄々をこね始めました。仕事に行くママに「行っちゃダメ~!」と泣いて抱っこしてもらいました。その後ケロッとご機嫌になって絵を描き始めました。完璧自己中さんです。

面白くないのはお姉ちゃん(体癖2-8種)です。自分も甘えたいのに上手に甘えられない怒りでA君のクレヨンを取り上げた!泣き出すA君。その行為だけを見ていたらお姉ちゃんは「何もしていない弟のクレヨンを取り上げた悪い子」です。でも「黙って我慢してたんだよね、ばあばは知ってたよ」と声かけました。

2歳のSちゃん(体癖3-8種)は絵本や絵を描くのは興味ありません。可愛い声で「粘土したいな」と言ってきました。しまった!粘土を見えないところに隠すのを忘れていました。Sちゃんはバラバラにしてすぐ飽きます。その粘土を赤ちゃんと愛犬が食べ、他の子が踏んで家じゅうに散らかります。・・・「あっ!見てごらん!ほら・・」と他に注意をひいて忘れさせるしかありません。

ヤンチャなK君(体癖8-1種)は家の中でエネルギーを持て余しています。又とんでもない遊びを始めたようです。タオルを濡らして床を拭いているのです。水がぼたぼた落ちています。他の子もキャーキャー騒ぎ始めました。何だかおかしい・・・見に行くと、何と床におしっこをしてしまい、雑巾でこっそり拭こうとしたら面白くなってもっと濡らして遊んでいたのです。

「こらーー!!」と雷を落としました。大きな声にびっくりして止めました。Kちゃんは夢中で遊びだすとおしっこを我慢してしまいます。それで思わず漏らしたのでしょう。でも、これはいけません。体癖2の私は諭して解らせたいのですが逆におどけて効果なしです。だから大声で喝!です。そして「5歳じゃ無理かあ、やっぱり無理かあ」とつぶやいておきます。

その上、歩き始めた1歳半の子が自立期に入り、できないくせに何でもお兄ちゃんの真似をします。危険だから止めようとしても払いのけます。3か月の赤ちゃんの要求は待ったなしです。ああ、やっぱりこの6人を家に閉じ込めておくこと自体無理なのです。特にエネルギーを持て余した上の子がいて赤ちゃんのいる家庭、体癖の相性が悪い家族など大変です。その上、家事をしなければご飯が食べられません。
これを日々こなしているママ達に「同時進行トラブル解決努力賞」をあげたいくらいです。

さて、切り抜ける方法は・・・こんな日のためにとっておいた大きな段ボールを出して来ました。ここに大きく「すてご」と書きました。「それなあに?」と聞くから「皆が喧嘩ばかりするから捨てようかと思って。捨ててほしい人は入りなさい」と言って外のベランダに置きました。8種の目がキラリ!と光りました。我先に入ります。水で流せるクレヨンを入れると思い思いに絵を描き始めました。 13_2 そして私は戸をぴしゃりと閉めて・・・しばしの静けさです。今のうちにご飯の用意です。

外は雨。こんな日はベランダが重宝します。こっそり見ると手や顔まで書いています。ほっておいたら段ボールの中で1時間くらい飽きずに遊んでいました。楽しそうな事!その間、お風呂を沸かしてそのまま直行させました。じゃーっとお湯をかけたら皆可愛くなったので拾ってあげることにしました。お互いのエネルギーも発散されて、水に流して、ご機嫌でご飯も食べてみんなとてもいい子です。

誰が悪いわけではなくエネルギーが滞ってぶつかり合っているだけ。 気を付けなければいけないことは行動の裏の理由を察すること。表面の行動だけを見て悪い子にしてしまわない事。悪い部分を深追いしない事。見ないふりも必要、そして一気に切り替える術を知っている事。臨機応変の瞬間芸です。それにしてもばあばの体はヘロヘロです。

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画像出典:徳間書房

画像出典:徳間書房

段ボールの捨て子の話は
いとうひろしの「ごきげんな捨て子」から発想しました。

野口晴哉の「叱り方褒め方」「叱言以前」は必読書です。何度読んだことでしょう!

(挿絵:あい∞ん)

Writer

かんなまま様プロフィール

かんなまま

男女女男の4人の子育てをして孫が6人。今は夫+愛犬で静かに暮らしているが・・・
週に2日、孫達がドッとやってくる+義理母の介護の日々。
仕事は目の前の暮らし全て。
いつの間にか専業主婦のキャリアを活かして、ベビーマッサージを教えたり、子育て支援をしたり、学校や行政の子育てや教育施策に参画するようになった。

趣味は夫曰く「備蓄とマントラ」(笑)
体癖 2-5
月のヴァータ
人生一巡り+1歳

4件のコメント

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  1. メープルEY on

    かんなママ様

    毎週土曜日のばあば保育園に来られる6人のお孫さんの個性の違いが感じ取れ、とても楽しく読ませていただきました。

    「すてご」の段ボール箱のお話は特に面白く、大笑いしてしまいました。
    そして「行動の裏の理由を察すること」という個所では、子育てだけでなく、あらゆる人間関係においでもその通りだと感じました。

    それにしても、こんなばあばと一緒に過ごすことのできるお孫さんたちはお幸せですね。

    あい∞ん様

    いつもながら、幸せそうな子供たちのイラストには心が和みます。
    イラストから幸せオーラがいっぱい出ています。
    ありがとうございます。

  2. まいまい on

    面白かったです!!!
    『すてご』のアイディアいいですね~(*^ー^)ノ♪とっても参考になりました♪

    あい∞んさまのイラスト、いつも大好きです(*^-^*)

  3. 6人のお孫さんを一手に引き受けておられる様子にただただ感心しながら拝見しました。
    時々吹き出しながら・・・(^^)
    ひとりひとりの個性を理解しての対応でお孫さんたちは幸せですね。
    ”捨て子”の箱にみんな喜んで入るなんて!
    私がその場にいたらかちーんと固まっていたかも?笑
    あい~んさんのイラスト本当に素敵で見ていて心が温かくなります。

  4. ぴょんぴょん on

    竹下先生の子育ての講話、野口晴哉氏の本、
    なるほど、こういうふうに実践するんですね〜
    子供の言動にはすべてワケがあって、それを理解するためには、
    行き届いた観察眼が必要だとわかります。
    箱の中が好きなんて、にゃんこと同じ、かわいい〜〜♪

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