【第24回】 ぴょんぴょん式 ねじれの医学 ~私という「超個体」 ~

先にご紹介した「寄生虫なき病」の146ページにこんな言葉があります。

人類は単独の種として進化したわけではなく、人類とその共生微生物群が『超個体』として共進化してきたのだということは、現在では広く理解されている。」
デューク大学  ウィリアム・パーカー

24_01 人体も、皮膚、骨、内臓だけで成り立っているのではありません。皮膚の表面にいる常在細菌も、カビも、大腸にいる腸内細菌も寄生虫、原虫も、内臓に住むアメーバも寄生虫もひっくるめて、みんなで一つの個体だと考えるのが「超個体」という概念です。

そう考えると、さまざまな人種、生物、鉱物などがバランスを取って共生している地球も、多くの星や生物から成り立つ宇宙も、超個体と言えるでしょう。

ところが、一握りの優性種が、劣性な存在を自由に操作し、必要と思われないものは全滅させてもいい、というグローバリズムが超個体をメチャメチャにしています。各々が拮抗し合って、バランスをとって共存していたのに、小さく繊細な者から絶滅し、大きくたくましい者だけが生き残る、という弱肉強食の世界になってしまったのです。

私たちの体を見れば、もっとよくわかります。

さまざまな生命体が、それぞれの役目を帯びて体内で共存してきました。人体の新陳代謝を補助するために、多くの微生物(細菌、カビ、ウイルス、原虫、アメーバ、プリオンなど)が関わっています。

かれらは、私たちの細胞と親戚のようによく似ています。たとえば、細胞内のミトコンドリアは、エネルギーを産生する重要な器官です。そんな重要な器官なら、初めから存在したかのように思います。ところが元は、細胞に寄生する細菌だったそうです。それがいつしか自分のDNAを捨てて、私たちのために奉仕する存在に変わってしまったのです。
24_02 皮膚の間に散在するランゲルハンス細胞も、まるでアメーバのように、外部の毒素に触手を伸ばして防御してくれます。この細胞も、かつては皮膚に寄生するアメーバだったのかもしれません。

このように寄生していたものが、後に同化して私たちの役に立っているケースは多々あるはずです。となると、微生物だからすべてが害を及ぼす、と考えて一網打尽にすることは、私たち生物の進化にとって不利なことではないでしょうか?

こうして共存してきた寄生虫、細菌、カビ、ウイルスなどを、現代医学は敵とみなして撲滅してきたのです。そうやって殺菌、除菌で病気が消えるのかと思いきや、もっと複雑な、アレルギーや自己免疫疾患が激増しているのが現状です。そしてそれを治すという薬を開発して、その副作用でまた病気が増える。このような悪循環を、早く終わらせてほしいと願います。

抗生物質で細菌を殺すとカビやウイルスが増え、ウイルスを殺すとがん細胞が増え、がん細胞を殺すと自分も死ぬという生命の連鎖に、私たちはそろそろ気づいても良いころです。

(挿絵:あい∞ん)

◆ シャンティ・フーラより ◆

24_03

今回で「ねじれの医学」は終了です。半年間のご愛読を誠にありがとうございました。

なお、ぴょんぴょん先生には、ある貴重な経験に関する連載をお願いしています。今後の連載も素晴しい内容になると思います。掲載は夏以降の予定です。どうぞご期待ください!

Writer

ぴょんぴょんDr.

白木 るい子(ぴょんぴょん先生)

1955年、大阪生まれ。うお座。
幼少期から学生時代を東京で過ごす。1979年東京女子医大卒業。
1985年、大分県別府市に移住。
1988年、別府市で、はくちょう会クリニックを開業。
以後26年半、主に漢方診療に携わった。
2014年11月末、クリニック閉院。
現在、豊後高田市で、田舎暮らしをエンジョイしている。
体癖7-3。エニアグラム4番(芸術家)

東洋医学セミナー受講者の声

8件のコメント

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  1. ぴょんぴょん先生 あっとゆう間の半年でした。たくさんの経験と知識のシェアをありがとうございました。
    私も人類があらゆる生命体と調和して暮らせたらなと常に思っています。

  2. 24回あっというまでした。
    貴重なお話ありがとうございました。
    毎回、かわいいイラストと共に楽しませていただき、学ばせていただきました。

    またの機会があるということで楽しみです。
    ありがとうございます。

  3. 超個体から家族、世界や宇宙に至るまで
    どこまでいってもフラクタルな世界なんだな~と、
    ぴょんぴょん先生の記事を読んで思いました。

    私という超個体から、私のあらゆる性格や心も含め
    共生共存(自己肯定)できるようにしていきたいです。

    連載記事はとても読み応えがあり、とても良かったです!
    ありがとうございました!

  4. 毎回楽しみの一つでした。色んな事を教えてもらいました。そしてこの最終話、感動しました。特に、最後の一行。治療で亡くなったのではと感じた、亡き父や祖父の存在が、このお話で私の中にあった影を消してくれました。助かりました。ありがとうございました。

  5. メープルEY on

    ぴょんぴょん先生、半年間、貴重なそして面白いお話をありがとうございました。
    先生のように正しい物の見方のできるお医者さんが増えて欲しいと思いました。

    自分にとって都合の悪いものはすべて消し去ってしまえという、恐ろしい思想をいつのまにか植えつけられてきた現代人です。
    すべてのものが共存しているということを心から感じられる感性を育み続け、すべての生命が喜びあえる世界になって欲しいですね。

    あい〇〇んさん、最後のイラスト最高です。あい◎◎んさんへ改名されることをご提案します。
    ありがとうございました。

  6. あきしょう on

    毎回楽しみにして読ませていただきました。へえ~そうなんだ。やっぱりそうか。とうなずきながら,読み終わったあとは理解と納得ができてる自分に満足してました。
    イラストもかわいくてやさしい色使いに癒されました。挿絵って大事ですね。子供にも分かりやすいと思います。
    ぴょんぴょん先生,あい∞んさん,ありがとうございました。次回の掲載も楽しみにしています。

  7. 楽しみにしていた連載が終わってさびしいです。
    半年間、素敵な記事と可愛いイラストをありがとうございました。
    (イラストは本当に優しい色彩で和みますね)
    毎回、とてもうなずける内容で本当に勉強になりました。
    色んな病も悪いことと見ないで視点を変えての治療が確立していきますように。。。
    今後の連載があるとのことで今からとっても楽しみです!

  8. フィオレンテな女 on

    ぴょんぴょん先生、半年にわたる連載を頂き、本当にありがとうございました。
    世の中には先生のような素晴らしい考え方を実践されているお医者さまもおられるのですよね。
    私は出会ったことがありませんでした。(というより、選ばなかったのでしょうね。。)
    今からの世界の治療が良きものに繋がっていきますように。。。
    先生の夏以降の新しい連載も楽しみにしています。
    可愛いイラストもありがとうございました!!!

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