【最終回】 南インドでアーユルヴェーダ ~医師のパンチャカルマ体験~
日本でアーユルヴェーダ

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マッサージ台の上に寝ている私のからだを、左右に立つ2名のセラピストが流れるようにマッサージしていきます。二人の息がぴったり合って、4本の手がシンクロしてくると、努力しなくても「全託」の境地に入っていきます。こんなに気持ちの良いトリートメントを、日本に帰っても簡単に受けられたらいいのに。
ある日トリートメントを受けながら、こんなことを妄想していました。

私の住んでいる地域は、高齢化が進みどんどん過疎になっています。それでも、ここ国東半島は、自然に恵まれたすばらしい環境です。こういう自然豊かな場所に、町おこしとしてアーユルヴェーダの施設をつくり、インドのケララ州のようになったらいいなと思いました。

でもまもなく、たくさんの無理難題があることに気づきました。
まずトリートメントには、クライアント1名につき2名ずつ、同性のセラピストを必要とします。それだけのセラピストを養成し、雇用することができるでしょうか?

アーユルヴェーダの医師も必要です。アーユルヴェーダ医の資格を取るには、インドの大学で6年間かかります。しかも日本でアーユルヴェーダ医として働くなら、日本の医師免許も必要です。となると合計12年間かかります。
それに、温泉ではためらわずに裸になる日本人でも、ふんどし一丁(日本では紙パンツ一丁)になるのは、抵抗がある人もいるかもしれません。寒い冬などは十分な暖房が必要ですから、光熱費もかかります。

何と言っても、トリートメントの部屋は油まみれになるでしょう。日本ではベッドをビニールシートで覆いますが、インドでは一人終わるごとに台を洗っていました。トリートメント後のシャワー室や浴室も、油まみれになることを覚悟しなければなりません。
さらに、人の手を使う施術ですので、邪気をもらうのではないか、というのが一番心配でした。始める前は必ず、マントラを唱えてお祈りしていましたが、この程度で浄化されるのか、セラピストの身を守れるのかは、はなはだ疑問です。 

そしてアーユルヴェーダの理解です。今回の私の体験のように、「お腹が痛くなって下痢しますよ~」と言われて、逃げだす人も多いのではないでしょうか。人によっては、何が起こるか予想がつきません。日本のように、体に何かがあると大騒ぎして、病院に駆け込むような国民性では、一般的になりにくいと思います。

そうこう考えているうちに、こりゃ無理だ!と思いました。ここでインドと同じような施設を運営するのは、よほどの熱意と財力がなければ大変なことです。

それならどうすれば、日本でもっと手軽にアーユルヴェーダを実践できるのでしょうか。
オイル・マッサージやシローダーラのようなトリートメントは、既存の施設や自宅で行えばよいでしょう。

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アーユルヴェーダの知識を学びたいのなら、東洋医学セミナーをお勧めします。まず初級で、気の感覚を開発して、中級では最先端のアーユルヴェーダを学びます。薬草もオイル・トリートメントも使わずに、アーマを浄化する方法が伝授されています。私もまだまだ学習途中で、くりかえし講義を見て体得したいと思っているところです。それでも、これこそ究極のアーユルヴェーダ、そしてアーユルヴェーダの未来形だ、ということだけはわかります。

(挿絵:あい∞ん)

◆ シャンティ・フーラより ◆

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ねじれの医学」に続き、3ヶ月間のご愛読を誠にありがとうございました。

ぴょんぴょん先生、あい∞ん様とまた会える日が訪れますように!

Writer

ぴょんぴょんDr.

白木 るい子(ぴょんぴょん先生)

1955年、大阪生まれ。うお座。
幼少期から学生時代を東京で過ごす。1979年東京女子医大卒業。
1985年、大分県別府市に移住。
1988年、別府市で、はくちょう会クリニックを開業。
以後26年半、主に漢方診療に携わった。
2014年11月末、クリニック閉院。
現在、豊後高田市で、田舎暮らしをエンジョイしている。
体癖7-3。エニアグラム4番(芸術家)

東洋医学セミナー受講者の声 jijiblog_nejireigaku_banner7

6件のコメント

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  1. メープルEY on

    ぴょんぴょん先生、ついに最後の記事となってしまいました。
    毎回とても楽しく記事を読ませていただきました。

    夢想することはほとんどない私ですが、先生の文章を読みながら、自分が、インドでトリートメントされているような心地よさを感じました。

    先生の最後の締めくくりのお言葉は「かっこいい」!
    あらためてきちんと勉強し直さなければと反省いたしました。

    あい∞んさん、毎回優しさに溢れるイラストありがとうございました。
    最後のイラスト、超可愛いですね。
    赤いドレスのぴょんぴょん先生、遠慮がちに後ろから静かに見守っているあい∞んさん、そして最後に可愛いうさちゃんの被りものをしたこじかさん、みなさん本当に可愛いです。

    また違う形でのぴょんぴょん先生のシリーズ記事を掲載してくださいね、こじかさん。
    楽しみにしています。

  2. ぴょんぴょん先生・あい~んさん3か月間素敵な記事とイラストをありがとうございました。
    毎回楽しく興味深く拝見させていただきました。
    イラストの優しいタッチには癒され見ているとハートがあたたかくなりますね。
    東洋医学セミナー、まだまだ勉強不足ですがヨーガ・アーサナ(初級・12回)でその素晴らしさを実感しております。
    ヨガをすると本当に気持ちが良く、いろんな効果があります!
    これからは皆が自分で自分の健康が保てるようになると良いですね。

    私も次回のぴょんぴょん先生のお話を心待ちにしています♪
    こじかさん、いつも素敵な企画をありがとうございます。

  3. フィオレンテな女 on

    ぴょんぴょん先生、あい〜んさん、素敵な連載をありがとうございました。
    お話を拝見しながら、遠くインドの地を想像できたこと、本場のアーユルヴェーダを垣間見れたこと、とても楽しかったです。。
    わたしもやってみたいな〜と思ったりもしていました。。。

    東洋医学セミナー、わたしも気持ちを入れて学ばないといけないな〜と
    あらためて感じました。

    連載、本当にありがとうございました!

  4. かえるちん on

    ぴょんぴょん先生、あい〜んさん、楽しい連載ありがとうございました。
    直ぐに受けに行きたい衝動をおさえつつ、毎回わくわくしながら 読ませていただきました。
    言葉の壁が一番の難問ですが、やはり受けたい。
    日本であれば一番ですが、難しいのも分かりました。

    東洋医学セミナー、私には高度で難しいデスが
    少しずつでも学んでいこう!と再びヤル気になっています。

    ぜひ、また連載を期待しています‼︎

  5. ぴょんぴょん先生、あい〜んさん 毎回楽しく読ませていただきました。アーユルヴェーダ医の資格ってそんなにかかるんですね。ビックリ。

  6. フィロソーマ on

    ぴょんぴょん先生、あい∞んさん、
    インドでのアーユルヴェーダ体験記、とても楽しませていただきました。ありがとうございます。
    おかげさまで、パンチャカルマというものの疑似体験もできました。
    ぴょんぴょんさんのおっしゃるように、ほんと究極のアーユルヴェーダ、アーユルヴェーダの未来形である東洋医学セミナーには感謝です。

    あい∞んさんの光溢れるイラストにも毎回とても癒されました。
    特に最終回の至福のスリーショットからは、3人の愛のマントラが聞こえるようです。

    そしてこじかさん、グッジョブです!
    ミリョコテキな企画をいつもありがとうございます。

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