読者の方からの情報です。
注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。
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【LIVE】大西つねきさん講演会
配信元)
YouTube 26/6/13
【要点を書き起こし】
「平和主義」は9条だが、前文で理想が語られている。
政治道徳の法則は普遍的なものであり、日本国民の存在意義をここに設定している。
今となっては現実が伴っていないので恥ずかしいが、当時はすごく希望に燃えて書かれた。ここに希望の種を埋め込んだ。
日本国憲法前文は、地上に溢れた「専制と隷従、圧迫と偏狭」を本当に除去した国際社会を自ら作ろうという覚悟にあふれている。
これを実現できるかどうか、今こそ本気でやる時、世界平和はこれにかかっている。
残念ながら、自民党の改憲草案2012年度版は、前文全削除になっている。
全削除して読むに値しない「くっだらねえ駄文」に書き換えられた。自己陶酔し、間違いだらけで話にならない。
余計な価値観や概念を入れ込んで自由を縛ろうとしている。
これは絶対やってはいけない。概念の上下関係を理解したらありえない内容だ。
憲法は、みんなの合意事項で、こんなことを政府から言われて決められることではない。
自民党草案は、憲法の意味がわかっていない人が書いていることがわかる。
日本人にとって法律とは未だに「おふれ」、幕府や藩が出して下々が従わなければいけないものという意識だ。法律は、自分たちが合意したもののはずだ。
天皇は象徴として合意しているので、みんなの合意・総意が無くなったら天皇制はいつでもやめられる。
論理的に考えたら、天皇制はいずれ無くなると断言できる。
なぜなら天皇には基本的人権がないから。
日本国憲法の基本的人権は「普遍の原理に基づく」もので例外がない。
今は、天皇には人権がないという例外を作っている。
他にも、公務員には団体交渉権が無いという例外を作っている。
どんどん例外だらけになると原理原則が無くなる。
きちんと整合性を保たないと法治国家はできない。
自民党の改憲草案は、逆行している。
天皇は日本国の「元首であり象徴」、この言葉の矛盾に気づいていない。
元首は全権を総覧していた。統治権を全部持っていた。
自民党は「当時とは違う意味」で「元首」という言葉を使うと言う。
ではなぜ、わざわざ違う意味のものを持ってくるのか。
草案の「日本国民は国旗及び国家の尊重しなければならない」
これは、19条「思想及び良心の自由」という上位概念に穴を開けるものだ。
今作ろうとしている国旗損壊罪は、憲法すら無視している。
そうなると国歌不唱罪、不起立罪もできるようになる。
これらを罪にすることで、国民の内心を裁いている。
これに反対すると「反日」とか「左翼」とか言って日本国民自身が思想・良心の自由を奪っている。
その大事さがわかっていない。
自民党改憲草案では「思想及び良心の自由は、保障する」に変わっている。
なぜ政府に保障されなければならないにか? 最初から自由を持っているのに。
何人も人の内心を犯してはならないし、コントロールしてはいけない、無理やり変えようとしてはいけない。でも結構これ、みんな普通にやっている。
衆議院解散について。
これは首相の専管事項のように言われているが、既成事実の積み重ねで、そんなことは憲法には書かれていない。
7条解散は、内閣の助言によって天皇が7条の解散詔書を出したことがお墨付きになった。
国民が天皇に力を持たせている。
大西氏が改正するならば、帝国憲法を引きずった天皇の国事行為をもっと減らす。
9条「戦争の放棄」について。
全部の戦争は「国権の発動たる戦争」だ。
侵略のためでなく自衛のための戦争は放棄していない、というのが今の解釈で、元ネタは1928年のケロッグ=ブリアン条約からきている。
元々、吉田茂答弁は「自衛のための戦争も放棄する、軍備を持たない」だったが、その後解釈が変わっていき、自衛のための軍備という矛盾が大きくなってきた。
9条を守るとは、現状を9条に戻していくことだ。これまで国民が矛盾を放置してきた。
12条「公共の福祉」について。
自民党の草案では「自由及び権利には責任及び義務が伴う。公益及び公の秩序に反してはならない」となっている。公益とか公は、公共の福祉とは全然違う概念で、公権力が決める。
13条「個人として尊重される」
自民党の草案では、個人が人に変えられた。現行憲法では、個人であるだけで尊重されていたが、公益に反しない「人」が尊重されるという条件付きになる。
「公共の福祉」が「公益及び公の秩序」に変わり、基本的人権も穴が開けられて尊重されなくなる。
上位概念がボロボロにされている。
来年提出してくるであろう2018年版の改正案の4つのポイントが
1)自衛隊の明記
2)教育の無償化
3)参議院合区の解消
4)緊急事態条項
1)自衛隊の明記
9条の2を付け加えて「実力組織」という文言を使っている。「軍」とは言わない姑息さが恥ずかしい。
ちなみに2012年度版は「国防軍」と言っている。
また2012年版9条の2の3項は、アメリカの戦争に付いて行く、国内の秩序が乱れたり大規模抗議活動が起きたら軍隊が出てくるという拡大解釈が可能になっている。
2)教育の無償化
3項を追加しようとしている。
余計な価値観の押し付けをし、教育を画一化しようとする。国の未来のための教育にする。
わざわざ26条、89条を改正しなくても教育の無償化は可能だが、無償化というと国民は「イエス」と言いやすい。おそらくこの改正は通ってしまう。
3)参議院の合区の解消
選挙区と投票方法の例外を作る改正だが、現行憲法では細かいことは法律で決めることと「地方のことは地方の住民が決める」という地方公共団体の本旨がある。しかし改正案では、例外を規定し、県、道州制など区割りを大きくまとめることで、ローカルな自治権を担保する本旨に反することになる。ひいては上位概念の14条「法の下の平等」に穴を開けることになる。
4)緊急事態条項
64条、73条の改正
緊急事態の拡大解釈によって選挙できなくなる危険がある。
内閣が制定できる「政令」で、例外的に独立命令を出せる条件や事後承諾に歯止めがない。国会は自民党の圧倒的多数なのでチェック機能が無い。
2012年版の改正案には、98条として緊急事態の宣言が加えられていた。
「内乱等」など拡大解釈が可能な条文になっていた。
基本的人権という絶対的なものに例外をつくっている。独裁、絶対服従を認めるものだ。
2012年版自民党改正草案は、公権力が強く基本的人権を規制しようとしている。
現行憲法の97条「この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。」は、前文の内容の最後の念押しのような条文で、「勝手に変えてはいけない」と釘を刺している。
これを自民党の2012年版は、全削除している。
大西つねき氏が一番重要だと思うのは、12条「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。」
「国民の不断の努力によって」、これは私たちが自由と権利を行使すること。
行使すると、自分の自由が他者の自由を侵害したり、他者から侵害されたり衝突が起こる時に初めてフェアな落としどころに気づくことができる。そうして他者の自由も尊重できるようになる。
自分たちで自由と権利をちゃんと行使することが不断の努力となる。


自民党は、憲法改正草案2012年版と2018年版を出しています。2012年版は憲法全部の改正案で、かなり批判が強い、ひどいものでした。2018年版は憲法全部の改正ではなく、大きな改正点として4つ上げています。来年の憲法改正発議は2018年版の4つを問われることになりそうですが、実は自民党が最終的に狙っているのは2012年版で、そこを理解しておく必要があると述べています。
それ以上に大事なのは、私たちが現行憲法をきちんと理解することで、これから私たちがどういう社会にしていきたいのかを考える教科書にもなると提案しています。
現行憲法の3つの基本原則は、「国民主権」「基本的人権」「平和主義」で、3つとも前文に書いてある一番大事なコンセプトだと言っています(6:35〜)。しかし、「国民主権」「基本的人権」と「平和主義」は"レイヤーが違う"。「基本的人権」と「国民主権」は「絶対」のもので、全世界、全人類に例外なく人類普遍の原理だと説明しています。ところが自民党草案はこの「絶対」の「国民主権」「基本的人権」に「例外」という形でちょこちょこ穴を開けていると説明しています。
憲法は、全部の条文が同列ではなく、論理構造としては「個人の尊重13条」「基本的人権11条」が最上位の原理としてあり(31:00〜)、11条から14条は絶対に犯してはいけない、触ってはいけない、以下これに矛盾するような条文は書けないということを理解する必要があるにもかかわらず、自民党の2012年版の改正案では、「公共の福祉」が「公益及び公の秩序」に替えられ、「基本的人権」も公権力によって穴が開けられて尊重されなくなり、「国民主権」「基本的人権」という上位概念がボロボロにされていることを主な条文ごとに解説されています。
来年、憲法改正の発議として出してくるであろう自民党の2018年版改正案の4つのポイントは、1)自衛隊の明記、2)教育の無償化、3)参議院合区の解消、4)緊急事態条項と見て、それぞれ解説をしています。2)と3)は、一見、改憲賛成しそうになりますが、拡大解釈の危険をよく検討せねばなりません。
最後に、大西つねき氏の考える最も重要な条文として12条を上げ、「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。」の中の「国民の不断の努力」とは、私たち国民が自分たちで自由と権利をちゃんと行使することだと言っています。自分の自由と他者の自由がぶつかる時、初めてフェアな落としどころに気づき、他者の自由も尊重できるのだと言っています。