シャンティ・フーラのブログ

アーカイブ: シャンティ・フーラカレンダー2017

シャンティ・フーラカレンダー2017は こうしてできました!
~10.デザインの真髄~

竹下雅敏氏が監修した、
美術品と言える 優美なカレンダー
ができました!

calendar2017

制作の舞台裏を紹介します!

今回は最終回として、デザインの奥義 の続き、「デザインの真髄」をお届けします。スタッフが竹下氏から聞いた話をまとめたものですが、デザインに関わる多くの方々に読んで欲しいと思っています。

写真を加工するということ

写真などの作品には本来の作者の意図というものがある。それなのに、例えば、大きく回転させたり(※)上下を逆にしたり、反転(ミラー)させたりすることは、作者の意図を無視してしまうことになる。見た目にはまったくわからないが、エネルギー的な不自然さを引き起こしてしまう。
※少し傾ける程度は問題ないだろうとのこと。

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今回、花の写真を周りのデザインに合わせるために左右反転していたものが製作過程にあった。デジタル画像処理の世界ではよく使われる方法だが、非常に問題がある。意図的に不自然な雰囲気を作り出すなどの特殊な場合以外、つまり通常の美しい作品を作ろうと思えば、こうした加工は使うべきでない。

花に影を付けたり、明るさを調整したりといった加工は通常よく行われるが、加工者がどのような意識でこれを行なったかが問題だ。それが成功するためには、その対象物ーー今回のカレンダーであれば花ーーの美しさを活かすという感覚で行われる必要がある。そうでなければ、人為的な加工は本来の美しさを損なう結果となる。

美しいものを活かす、より美しくするというプロセス

例えば今回のカレンダーのデザインは、先に花を中心とした絵の部分、次に右のカレンダーを調整した。その後文章を当てはめ、文字の位置・間隔や文章の微修正を行なった。そして最後に文章の色を決めた。それらのどの段階であっても、主役である花の美しさが失われないようにして進めた。

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元々の花自体が美しいはずだ。そこから先のどのプロセスにおいても、その美しさが損なわれてはいけない。完成した時が美しければよいというのではなく、本来のデザインであれば、途中過程のどこを取ってもすべてが美しいはずだ。途中過程で美しさが失われていれば、それは何か見落としや失敗が起こっている。

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少しでも間違いが起こった時は、竹下氏から
「違和感がある」「どうしても美しくならない」という回答があった

シンプルなデザインほど難しい

今回は1月と12月に、単一色の背景に花だけという最もシンプルなデザインを持ってきた。 実はこのような余計な飾りがまったくないデザインで美しさを出すことはとても難しい。同時にこれが、芸術家が最後に到達する地点でもある。

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誰もが色々と飾りや模様を付けてデザインをしようとする。しかし例えば、背景色に花だけというデザインのところへストライプ(縞模様)を持ってくるとしよう。それを美しくしようと思えば、ストライプの幅は何mmか、色はどうするかを、きちんと決めなくてはならない。

すると、先に述べたシンプルな基本のデザインよりも何倍も難しいことは容易に想像できる。基本さえもできていないのに、どうしてそれよりも難しい表現ができるのだろう。人々はそこまで深く考えずに、余分な装飾を色々と入れてデザインしてしまう。主役が引き立たず、調和がない灰色のような絵になる。

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シャンティ・フーラカレンダー2017は こうしてできました!
~9.文章の位置決めから完成まで~

竹下雅敏氏が監修した、
美術品と言える 優美なカレンダー
ができました!

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制作の舞台裏を紹介します!

前回の続きです。スタッフるぱぱがお届けします。

文章の配置

文章の選定と仕上げに続き、書体決めが終わったところで、次は文章を配置する作業に移りました。

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だいたいの位置は、まずは竹下氏以外のスタッフで検討して案を出します。しかし、背景・お花と文章は、これまで別々に制作を進めてきたので、なかなか文章がきれいに収まりません。

とはいえ決まった文章を勝手に変えるわけにもいきません。結局竹下氏へに提出した案は、「仕方ない、これでとりあえず提出しよう…」というものでした。(苦笑)

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仕上げの工程〜完成

ここから完成に向けて、竹下氏の指示と、指示を受けてのスタッフの作業が始まりました。

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おかげさまで「シャンティ・フーラカレンダー」は
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昨年より多く印刷をして準備をしていたのですが、
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引き続きよろしくお願いいたします。

制作秘話を公開中!

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制作秘話を公開中!
どのようにカレンダーができあがったのか、ぜひご覧ください!

竹下氏の”直観”を使った仕事の様子を紹介しています!

制作秘話:シャンティ・フーラカレンダー2017は こうしてできました!
(別ウィンドウで開きます)

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シャンティ・フーラカレンダー2017は こうしてできました!
~8.カレンダー部分~

竹下雅敏氏が監修した、
美術品と言える 優美なカレンダー
ができました!

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制作の舞台裏を紹介します!

前回の続きです。スタッフるぱぱがお届けします。

竹下氏がデザインに指示を出していくうちに、「右のカレンダー部分が不自然だ。どうも文字・数字の位置が各月によって違うようだ。」と気づきました。

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カレンダーを制作してきたこじかさんに聞いてみると、手作業で地道に同じような位置になるよう合わせた上で、あとは月ごとに微妙な調整をしてきたとのこと。

文字・数字の位置は全12ヶ月のカレンダーで統一されている必要があるようでした。見た目だけじゃダメで、0.1mmといったレベルで…。竹下氏は「どうもおかしい」と思って何と印刷したカレンダーの紙を、重ねて透かしてみてまでチェックしていたとのこと!

「過去のカレンダーで、私も気づいていたよ」という方はコメント欄にお書き込みください。ただし景品は出ません。(笑)

『ある月のカレンダーを基準として、これが美しく見えるように微調整の指示を出すので、その後すべての月のカレンダーを統一するように』という指示が出ました。

私はデザインの工程において、真っ白なキャンバスに何か描けと言われたら困ってしまうのですが、こういう「全部同じ位置揃える」「完全に等間隔」「0.1mmのずれもない」という、数値や計算を使う面白さのある作業はムクムクとやる気がでてきます。

こじかさんには他のデザイン作業に専心してもらい、私がこのカレンダー部分を担当することにしました。

まずこうした作業をするには、デザインソフトのデータがその作業に適した状態になっている必要があります。印刷会社さんに確認を取りながら、データの作り方を新しいものにやり変えました。

次に、各数字の位置を決めます。デザインにおける「位置」は座標という数値であらわすことができますので、これをすべて決めました。

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座標を決めた後に、竹下氏に微調整指示をお願いします。さっそく、0.01mm単位の調整が書かれたファックスがやってきました。

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指示に従って新しい座標値を決め、それに数字や文字を揃えます。間違えないように、慎重に…。

調整を終えたものを提出すると、竹下氏から調整は成功との回答がありました。見た目には違いがありませんが、明らかに気が出ています。』とのこと。

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この座標値をもとにして、すべての月の、完全に統一された右のカレンダー部分が完成しました。

今回のカレンダーは、このような普通は「見た目は同じだから、前年のものをほとんどそのまま使えばいいだろう」という場所にまで、制作者の意識が行き届いています。

次回に続きます。カレンダーのご注文は下のバナーからどうぞ♪

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◇ トリビア:デザインソフトと数値の精度 ◇

実は当初、このカレンダー部分については竹下氏から 0.001 mm 単位の指示があったのですが、残念ながらその指示はやり直しをお願いすることになりました。その理由のひとつが、数値の精度の問題でした。

デザインソフト自体は 0.001 mm 単位の調整ができるのですが、実際はその精度の数字を入力しても、何かの拍子に0.001〜0.002mmずれてしまうのです。なぜ!?

実は私たちが通常位置や長さの指定に使う単位はmm(ミリ)ですが、印刷機やデザインソフトの内側ではすべてpt(ポイント)という単位を使ってデータを保持し、処理を行っています。

ポイントとミリの間は 1pt = 254/720 mm = 0.352777.... mm という基準で換算します。実はコンピュータは小数の正確な計算は苦手です。きれいに換算できず、 mm → pt → mm → pt と何度も変換が生じるうちに、誤差が生まれてしまいます。

そこで今回竹下氏には 0.01 mmまでの精度で指定をお願いしました。

なぜこんなマニアックなトリビアを書いたかというと、もし竹下氏の今回の手法を受けて、「私はもっと細かい精度で調整するぞ!」という方がおられましたら、すべてのデザインをミリではなく「pt(ポイント)単位」で行えば可能かも知れないということなんです。ぜひ挑戦してみてください。

シャンティ・フーラカレンダー2017は こうしてできました!
~7.書体の選定~

竹下雅敏氏が監修した、
美術品と言える 優美なカレンダー
ができました!

販売開始の前に、制作の舞台裏を紹介します!

前回からの続きです。今回より、スタッフるぱぱが書いてまいります。

本題に入る前にタイムリーな話題をひとつお届けします。
先日、印刷されたカレンダーがシャンティ・フーラに到着しました。

実はその前に「簡易色校正」というものを受け取っていました。これは色味が実際の印刷物とほぼ同じという、最終チェックのための試作品です。この色校正まで出れば、ほぼ完成した状態を再現しているはずなので、実際の印刷物を見てもそう感動はないはずなのですが…?

しかし、カレンダーの包みを開けて思わず声を上げてしまいました。

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「ワォ!!」

何といいますか…簡易色校正とはまったく違う美しさが放たれていました。竹下氏は今回色の値であるCMYKを1%単位で指定したのですが、この値は本番の印刷機でないと再現されません。それがきちんと再現されたものと、そうでないものとの違いが歴然としていることを実感した次第です。

名前だけでも沢山ある色の世界。しかしたとえ同じ名前の色でも、東洋医学セミナーの色彩の調和の理論の通り「CMYKの1%が違うだけで色が放っている”気”は全く違う」わけですね。

文章が決まった後、次に行うことになったのは書体(フォント)の選定です。

その時点で出来ていたデザインに、30種類以上の書体で文章を載せたものをサンプルとして作り、候補を絞りこみました。

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このような大量のサンプルを並べて意見を出し合うのに、“学園長の思いつき”で購入した高価な「作業台」 が大活躍です。私は最初「こんな大きくて高いものを購入してどうするんだよ〜」と思っていましたが、先見の明が無かったということです。(笑)

竹下氏が絞り込んだ候補を見て、「右のカレンダーに使われている書体に統一するのがよい」ということになりました。その後書体の太さ、文字の大きさ、行間などを決めていき、微調整を繰り返して書体選びが完了しました。

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この時点では、まだデザインが完成していないので文字の色は仮としていました。書体が決まるまでだけでも、社内・竹下氏宛に提出したサンプルは約40点に上りました。

書体はこだわろうとすると、難しいもののひとつだと思います。どの書体も細かく見れば、絵への似合わなさやいびつさを感じてしまいます。しかし竹下氏の指示通りに進めていくと、最後にこれしかないというものにピタッと、しかもスピーディーに決まったというのは、後から振り返ると凄いことだったなと思いました。その後の工程で書体には一切の変更が生じていません。

次回へ続きます。

■ インフォメーション ■

カレンダーの販売開始は、間もなくです!
もうしばらくお待ちください。

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