マリアンネ・フォン・ヴィレマー 様 〈霊体〉
中西征子さんによるイラストを更新しました♪
今回は竹下氏からの解説がありますので、掲載します:
ゲーテ「西東詩集」のズライカと呼ばれた女性。
ゲーテ66才、マリアンネ16才、マリアンネは当時31才の銀行家の妻。
ゲーテとマリアンネの恋はプラトニックであった。マリアンネは大変な詩才の持ち主で、西東詩集は彼女の詩にゲーテが少し手を入れたもの。
西東詩集から詩をひとつ、参考のために取り上げます:
『西東詩集』より(ゲーテ)
ズライカ
あなたはたくさんの詩をつくっては
あちこちのひとに贈ったのでしょう?
ご自分の手で美しく清書し
きれいな本に綴じ 金いろに縁取り
句読点にまでこころをくばって
心を誘う幾冊かをささげたのでしょう?
あなたがそれをさしだすと
それはきまって愛の担保であったのでしょう?
ハーテム
そうです、数知れない危険がありました。
じっと見つめるやさしい眼差、
うっとりとさせるほほえみ、
まばゆいほどの白い歯、
まつ毛の矢、捲髪の蛇、
さそっては離さぬうなじと胸ー
でもそれはこうです、そんなに前々から、
すべては ズライカの出現を予言していたのです。