前回に続き、6月のアンケートでいただいたご回答を「みんなの備蓄・災害対策」と題して紹介してまいります。
今回は「断水」「燃料不足」「停電」対策の取り組み状況を掘り下げてご紹介します。このたび7月28日に発生した熊本地震でも、辛うじて住居を維持できた方の多くが影響を受けておられる項目です。
断水対策(飲料水・シャワー・トイレの確保など)
「断水対策」については、行っている具体的な対策を次の中から1つ以上選んでいただきました。
- 備蓄水の入手
- 災害用浄水器の入手
- 災害用トイレの入手
- 田舎への移住・別荘確保
- その他
その結果は次の通りです:
8割の方が備蓄水を入手しておられました。次いで半数近い方が災害用浄水器や災害用トイレを入手されていました。
断水対策の「その他」の内訳
「その他」を選ばれた方からは、次のような記述が見られました。
- 井戸の確保(DIYの打ち抜き井戸、太陽光発電と蓄電池でポンプを動かすものを含む)(3名)
- 雨水タンクの設置、雨樋からドラム缶への誘導(3名)
- 湧き水などの汲み置き、水源の探索(3名)
- 農園の研修生として水を分けてもらう(1名)
- 一問一答第22回を観て飲料水・生活用水・置型浄水器・トイレ用凝固剤などを一式揃えた(1名)
中には「災害用トイレは余計なゴミが出るので、迷った末に諦めました。結果、非常時のトイレは庭で、と考えています」という方もおられました。
潔し…というよりも、むしろ庭さえあれば現実的な方策かもしれません。平時から腐葉土などを投入して発酵分解が進みやすい「野糞ゾーン」を庭に作っておくと良いかもしれませんね。
確保期間(断水対策)
「どのくらいの期間分」の水が確保できているかについても伺いました。結果は次の通りです:
「2週間分」〜「1ヶ月分」という方で7割を占めました。水そのものを備蓄するとなると、使用量や容積を考えると長期間の確保は難しいところですね。
「半年」「1年分以上」という方は、田舎への移住や雨水タンク・井戸の設置など、水の備蓄だけでなく水源の確保をされている方が多かったです。
燃料不足対策(煮炊き用燃料の料金高騰や供給停止への備え)
「煮炊き用燃料の料金高騰や供給停止への備え」については、次の中から1つ以上を選んでいただきました。
- カセットコンロ・ボンベの入手
- 灯油の備蓄
- 炭と七輪の入手
- 薪ストーブ・ロケットストーブ・かまどの設置
- 電気・火に頼らない調理グッズの入手(ソーラークッカー等)
- 保温調理器具の入手
- 田舎への移住・別荘確保
- その他
その結果は次の通りです:
「カセットコンロ・ボンベの入手」が最も多く9割を占めました。手軽に始められ、普段の食卓でも使える点は大きいですね。
続いて「炭と七輪の入手」を半数近い方が選ばれていました。宗教学講座 中級 第74回で、阪神・淡路大震災を生き抜いた人による七輪の話が紹介されていたことも大きいのではないかと思います。
「薪ストーブ・ロケットストーブ・かまどの設置」「灯油の備蓄」「保温調理器具」「電気・火に頼らない調理グッズ」も少数ではありますが、一定の方が取り組まれていました。
燃料不足対策の「その他」の内訳
「その他」を選ばれた方からは、次のような記述が見られました。
- 固形燃料と固形燃料対応のミニかまど(2名)
- 薪の補充(1名)
停電対策(電気料金高騰や停電への備え)
「電気料金高騰や停電への備え」については、次の中から1つ以上を選んでいただきました。
- 非電化製品の入手(手回し洗濯機など)
- ポータブル電源の入手
- ソーラーパネルの設置
- 田舎への移住・別荘確保
- その他
その結果は次の通りです:
一問一答 第22回で竹下氏が導入したと述べていた「ポータブル電源」の入手は約9割を占めました。近年は容量の大きなものが手の届く値段で入手できるようになっています。現在使用している家電がそのまま使え、情報の入手等に必要なスマートフォンの充電にも使えるという点で、良い選択肢になっているといえそうです。
続いて約3割の方が「ソーラーパネルの設置」「田舎への移住・別荘確保」による対策を取っておられました。
「非電化製品の入手(手回し洗濯機など)」も少数とはいえ、一定の方が取り組まれていました。興味が湧いた方は「非電化工房の非電化製品」をご覧になると面白いと思います。
停電対策の「その他」の内訳
「その他」を選ばれた方からは、次のような記述が見られました。
- 携帯用・小型のソーラーパネルの入手(2名)
- 家庭用太陽光パネルと蓄電池の設置、エネファームによる常時発電・停電時補助発電(各1名)
また、電気に頼らない暮らし方の工夫を述べていた方もおられました。
夏の昼間は室内で(日陰で)仕事をして、夕方水浴びをすることでクーラーも扇風機も無しで過ごせます。冬は厚着をして、洗濯や洗い物などの水に触れる仕事は昼間に行うことでエアコンやファンヒーターなどの電気、灯油を使う暖房は無くても過ごせました。最初は耐え難いと感じることもありますが、だんだん体が慣れてきます
自然に自分を合わせて過ごす…発想の転換ですね。ここに独自の知恵を加えて、さらに環境に適応して生きるには「ぺりどっと通信」が参考になりそうです。
断水・燃料・停電対策に関連したコメント
最後に、「断水」「燃料不足」「停電」対策に関連した皆さまからのコメントをご紹介します。
水の確保
都内です。水がないと食糧だけでは生きていけないので、水の確保を意識しています。
(編注:自然農法を実践しているという話の中で)助成金の関係もありタイミングが良かったためすぐに雨水タンクも設置しましたが、これが思ったより良かったです。自然農では雨水のほうが水道水よりも良いと聞いていたのと、いざ水道が使えなくなっても浄水キットがあれば飲み水に変わります。トイレを流すのにも使えます。
水はペットボトルを溜めています。日時が経っても浄水器を使えばなんとかなるのではと思い、カタダイン社製のものを購入。あとは炭とカセットコンロ、七輪、蝋燭を常備。
自宅への設置は以前井戸じまいをしてしまったため断念しましたが、井戸の設置について検討をした際に見つけた、diy井戸セット販売をしている会社です。https://www.houwa.net/diy230415/
土地の所有は必要かも。井戸を掘り、周囲と軋轢なく庵を建てる為には。
トイレと衛生対策
トイレの重要性も聞いたので、トイレも常備しています。(防臭袋の性能は特に大切だそうです。)
簡易トイレ「ラップポン」は専用の粉が必要ですが、水がなくても熱でビニールを閉じてくれるので匂いも軽減され可燃ごみとして処理できる優れもの。キャンプ用品として買いましたが、水がない非常時にも便利です。
介護を必要とする家族がいるので、紙オムツや紙パッド、防水シートの予備を心がけています。これらは非常用トイレにも活用できるので、介護を必要とする家族以外にも有効です。
食料はある程度備蓄出来ますが、飲料以外の生活用水まで確保するとなると集合住宅だとかなり難しいと感じています。体を拭けるウエットシートやドライシャンプーなど水が無くてもある程度清潔に保てるような準備をしています。
燃料不足対策
燃料について。オガ備長炭を備蓄しております。炭は保管に適しております。揮発や流出をしませんし、自然発火の危険もほぼありません。濡れてもカビが生えても使えます。使用して赤熱した炭を窒息消火させた消し炭は、活性炭として水の浄化にも使えます(水で消火しても良いですが、汚れるし、乾かすのが難儀です)。
水は普段から地下水や湧水を汲んできて飲み水や料理に使っていますが、少々遠いのでガソリンが無くなると出来なくなるのが不安です。長期保存のペットボトルや防災用の浄水器も備えています。電気は蓄電池を購入しようと思っています。燃料は実家が薪風呂なので、木をもらい薪を切って備蓄し、かまどで煮炊きも出来るようにしています。
灯油はポリ容器6個分位はありますが、冬だとストーブなどに使って、あっという間に無くなります。
比較的田舎なので食料は何とかですがエネルギーに不安を感じています 車が無いと不便なのでエネルギー対策はどの様にしているのでしょうか
停電対策
竹下先生の奥様のブログで、竹下家が蓄電池を設置したことを昨年知り、『そろそろマジでヤバイな』とは思っていましたが、今回のホルムズ海峡危機で尻に火がつきました。 慌てて動いて先月末、清水の舞台から飛び降りて、太陽光パネル増設と蓄電池設置にこぎつけました。もちろん中共のバックドアは恐らく仕込まれているでしょうが、ないよりはマシと考えております。
半年ですが、家で電気を使わない生活をしていました。 必然的に早寝早起きの生活になりますし、スマートフォンを充電できる機会もなかなか無いので、スマートフォンを使う時間はかなり減りました(主にメールの確認くらいでした)。 ただ、人間本来の生活と言うより、被災地のようなひもじさがあり、再び電気を使う生活や仕事がしたくなったので、電気を使うようになりました。 でももし電気が使えない環境になっても、人は案外、いやむしろ健康にたくましく生きていけるものではないでしょうか。 助け合える仲間がいるらなおさら。
その他
生活そのものの見直しとして、洗濯は汚れのひどい時の固形石鹸での手洗いで問題ない
洗剤等使わず洗濯機で残り湯と真水濯ぎ一回で行う 洗濯機の汚れもつかないと確認それで三年がすぎた
下水の匂いは水を流すことで洗剤不要、使い終わった後に溜め水で一気に流すことで配管の汚れが激減(当地は水資源が豊富な地域でこの方法が有効だと思っている)
掃除機も埃が舞うだけで無駄 箒と拭き掃除だけで問題ないし、汚れない
改めて質問されると、飲料水がまだまだ足りていない気がしました。(2週間分もないかも・・) 煮炊き用の燃料も大量のカセットボンベを置くのは少し怖い気がしますし、ポータブル電源も、雨が続いたら太陽光パネルは役に立たないですし、 このあたりがどうしても十分に対策できないなあと感じています。
さまざまな実践例や体験談をお寄せいただき、ありがとうございました。
次回は「感染症・医療逼迫対策」などに関する回答内容を掘り下げていきます!
(スタッフ・るぱぱ)




