シャンティ・フーラのブログ

アーカイブ: 藤井農園

【特別企画】安心・安全な農産物を作る農園へ
 vol.3 藤井農園さん ~今、考えていること~

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レポート作成協力:かんなまま様

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【藤井農園】自然界の特性を活かした作付け
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◆動画の要約

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にんじん、かぶなどは間引きをしません。特に小さいうちは競争させたほうがよく、間引きするとうまく成長しないからです」

小さいうちは、肥料もやらない方がいいです。形もよくなるし、小さいうちから少しの栄養で成長することに慣れるためです。
やる場合は少量の堆肥を、ある程度の大きさになって表面に施します」

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種を撒く間隔は収穫時の大きさを考えて配置しますが、2,3粒まとめて撒き、競争させることが大事です」

特に人参、ごぼう、大根などの根菜類は1粒だけ撒くより2,3粒撒いた方が競って根がまっすぐ地中に伸びるため 形もよくなります。また自然は2,3粒撒いてもそれを全て残そうともしません。小さいうちから肥料を与えなければ自然と優劣はついてくるものです」

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-味覚センサーを取り戻す

「10年くらい前にミャンマーに農業協力に行ったときに気づいたのですが、ミャンマーの豚は小食で1年以上かけて太らせるため、少し固いけれど、いのししの肉みたいに赤く味が濃厚でした。それに比べての日本の豚肉はピンク色で柔らかいのですが味が薄い。おそらく豊富な飼料を食べたいだけ食べさせ、約6か月でぶくぶくに早太りさせるためでしょう」

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子供のころからの味覚は大切です。今の子供は不自然な栽培方法や調味料によって、本当の野菜の味を経験する機会が少ない。しかし、もともと子供の味覚のセンサーは鋭く、おいしい野菜、まずい野菜を敏感に見分けます」

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子どもが食べないのにはわけがあります。子どもの好き嫌いをなくすために、無理に食べさせても根本が間違っています。
大人の場合はそれまでの長い食習慣で自然の味覚がわからなくなっている場合が多いですが、本物の旬の野菜を半年から1年食べ続ければ味覚が戻り、おいしさがわかってくるようです

--今、考えられていることは?

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子供たちに農園に来てもらい、一緒に農作業をしたり、収穫した野菜を料理するような施設を作りたいと考えているところです。また、小麦を石うすで挽きパンを焼いたり、大豆から豆腐、米からこうじなどの加工も体験させたいと思っています」

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◆ 同行者 たそがれ金ちゃん様のコメント ◆

循環型の農業の素晴らしさ、深さに感銘を受けました!

◆ 同行者 牛サマディー様のコメント ◆

ただマニュアルに沿って農作業をしているのでは全くなく、およそ農法の本には書いていないような、とてつもない知恵を持ってらっしゃる方だと肌で感じました。

農薬やGMOをバンバン使って自然を支配、搾取しようとする現代農業の傲慢な態度とはまるで対照的で、藤井さんの「ミミズ、モグラの立場で考えると…」といった発言からは、自然に対する深い畏敬の念、自然と一体になって農業に従事されている彼の姿が強く感じられ、まさにこれこそが本物の農業だ、と思いました。

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【特別企画】安心・安全な農産物を作る農園へ
 vol.2 藤井農園さん ~土にも休息を~

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レポート作成協力:かんなまま様

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-キャベツのとうが立った後のつぼみをぽきっと折っていただく!

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-生で食べると甘いこと!感動!(by 参加者全員)

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-歩きながら畑を見る。そこが畑かわからないほど草と菜の花だらけ。

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-菜の花はブロッコリーやからし菜、キャベツ、大根などの花。
花の色、形が少しずつ違って咲き誇っている。

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「もともと菜の花を咲かせる植物はミツバチに交配してもらい 種を結実させるためきれいな花を咲かせるんです

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慣行農法の畑では、主に化学肥料(窒素、リン酸、カリ)を多く投入し、畑から多くのものを収奪するのでミネラル欠乏となり、それが主な原因で色々な病虫害が発生します

「人のサプリメントと同様、土にもいろいろなミネラル剤が投入されていますが、なかなかバランスをとることは難しい。基本は堆肥等の有機物をとること。そして連作を避けて土地を休ませることです」

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「スイートコーンは風よけ虫よけ雨除けのためにハウスの中に植えます。ピーマン、パプリカも同じ理由でハウス栽培です。
人の背丈くらいになって、長い期間、実をつけてくれます」

-立派な草がはえたこの畑はどうなりますか?

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雑草の生きるエネルギーを借りて土を耕します。人の背丈くらいまで雑草を生えたい放題にしておくんです」

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「そして雑草の種が結実する前に刈り、すき込まずにそのまま敷草(マルチ)にしますOLYMPUS DIGITAL CAMERA

「土がよくなると異常気象、日照不足の時にも、それほど落ち込まずに収穫することができます」

「台風などは予測がつくので、その季節は風当りなど植える場所を考えればいい。でも対応、準備には時間をかけます」

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【藤井農園】土の休息
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◆動画の要約

「ずっと10年以上土づくりをした畑では、大根、かぶ、人参などにはもう肥料はいらないようです」

「しかし、1年に2作作っていては土に負担がかかるから、半年は草を生やして休ませるんです」

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多くの場合、最初は耕起、連作、化学肥料、農薬によって土が壊れているからうまくいかないんです。堆肥や有機物を大量に投入し、雑草を生やし、土地を休ませて、それから始めれば、無農薬、無肥料の自然農法もできるんですよ。ものごとはなんでも一緒ですけど、最初に動かすにはエネルギーがいるんです」

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◆ スタッフの感想 ◆

とうが立ったあとのキャベツのつぼみは、栄養分がそこに集中するので甘いのだそうです。ポキッと折れるところからがおいしいとのこと!

あまりのおいしさに1本では足りなくて、みんなでおかわりをいただきました!

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【特別企画】安心・安全な農産物を作る農園へ
 vol.1 藤井農園さん ~フカフカの土づくり~

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レポート作成協力:かんなまま様

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-(骨組みだけの)ハウスに入って、インタビュースタート!

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-インタビュー場所の畑は、これからトマトを植える予定(立っていると、土がふかふかなのを感じる!)

【藤井農園】ふかふかの良い土壌
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◆動画の要約

「耕すとしたら表面だけを軽くでいいです。そんなに深くは削りません」

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-こういう土になるには、どのくらいの期間がかかったのでしょうか?

もう20年になりますが最初から無農薬、無耕起で土づくりをしてきて、10年たったところから、急激に土がよくなり出したんですよ」

「畑の土は、枯れた草が自然のマルチになっています。
そのマルチは土づくりのために必要で、微生物、いろいろな虫、モグラ、ミミズのエサとなり、住む環境を整えてくれます。そしてそれらの生物が活動して穴を掘り、自然に耕してくれるので、なるべく人は手を出さないことです。 」

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トラクターで強引に耕すとモグラやミミズの道を壊してしまう。モグラの立場になって考えます」

-はじめは、どんな土地だったのですか?

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「20年前に縁あってこの地に来たんです。もともと鍋島藩の山で大きな松が植えられていたそうですが、戦後、分譲、開拓してみかんが植えられ、私が来た時にはそのみかんも放置された状態でした」

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この辺は酸性の赤土で、お茶、さつまいも、じゃがいもはとれるのですが、微酸性石灰を好む多くの野菜は、そのままではよくできません」

「そのため敷草、堆肥、牡蠣殻石灰、米ヌカ等を多めに投入して土づくりをしてきました。しかし、ここは元々、山の腐葉土が積み重なっていたため普通の畑より早く良い土の状態になりました」

人の努力だけでは限界があり、いい土の畑でスタートできたのは幸運でした

-どんな土かを見分けるポイントは?

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生えている草で土の良さがわかります。
ハコベが生えているところは栄養が豊富な土で、イネ科の草が生えているところは堅い土のところが多いです」

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◆ スタッフの感想 ◆

佐賀県の山の奥に農園がありました。フカフカの土と、もりもりの草!そして、鳥の声が響き渡っている農園でした。

藤井さんは、風邪でのどの調子が悪いということでしたが、時間をかけて食物や農業のこと、今後 考えられていることを話してくださいました。

藤井さんは、広島大学 発酵工学科 微生物学科を卒業されているとのことでした。(竹下氏と同じ大学!)土の成分や微生物、発酵についてお詳しいはずです!

科学的でありながら、20年以上の経験を積んだ藤井さんのインタビュー!
次回もどうぞお楽しみに!

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