前回に続いて、オリーブオイルとパスタの輸入物語です。前回は、ようやく商品を発注できたところでした。今回が最終回です。
(るぱぱ)
出港と船旅
初取引ということもあり、契約に至ってからも沢山の連絡が必要でした。時差のせいで、リアルタイムに連絡が取れるのは1日わずか2時間程度であることも、欧州との取引での難しいところです。
商品の出荷は出港予定ギリギリになりました。製油所を経営しているセピオーニ夫妻は、週末返上でオイルをビン詰めし、輸出書類を用意してくれました。
船は灼熱の赤道を通るため、コンテナの内部は高温になります。商品の品質を落とさないよう、すべてのパレットに遮熱カバーをお願いしました。クーラー付きコンテナの運賃が高騰して利用が難しい中、このような方法はワインの輸送でも活躍しています。
そして無事商品は船に乗り、中東、インド洋、東シナ海を2ヶ月近く旅して、広島港までやってきました。
やっと受け取り
広島港に到着後、輸入手続きや配達の手配をします。通常こうした仕事は通関業者に任せるのが一般的ですが、弊社はできるだけ販売価格を抑えられるよう自社で行っています。
税関検査のために港に行き、傷ひとつなく届いた商品に出会ったときは、「ここまでよく来たな〜」と嬉しくなりました 😂
トラックをチャーターして届けてもらい、社内外スタッフ総出で荷下ろし。1年越しの輸入がやっと成果になった瞬間でした。
地方の小さな会社が繋がる意義
最近の映像配信で、竹下氏が、豊かな社会とは何かについて語っていました。個性ある地方の中小企業が元気なこと、そして誠実に作られた本物の食品を誰もが食べられることが、豊かな社会ではないかと提起していました。
今回の取引は、イタリア・ウンブリア州の本物の生産者と、広島の田舎にあるシャンティ・フーラが、小規模な輸入で繋がりました。
我々は小さな量でしか輸入できません。向こうも良質な製品を家族経営で作る会社のため、大量には売れません。採算上合理的とはいえませんし、皆様に提供できる価格も高くなってしまいます。
ですが、地方の小さな会社同士が、小さな取引で、本物の商品を消費者に届けることは、豊かな社会を構成する大切な繋がりといえるのではないでしょうか。効率と合理性では説明できないものを、大事にしたいと思っています。
今は高い価格でしか皆様に提供できませんが、いつか誰もがこうした本物の商品を気軽に手に入れられるような、豊かな社会になることを願っています。
色々な物語と思いが詰まった本物のオリーブオイルとパスタ。ぜひご賞味ください。商品のご感想もお待ちしております。
(おわり)
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