シャンティ・フーラのブログ

アーカイブ: セルフビルド

Vol.11 夫婦で挑戦!ログハウス、建ててみます
~造成準備(木の伐採)~

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Vol.9からの続きです。


土地の決済・引き渡しが終わった2015年5月、ログの設計と並行して土地の造成準備、検討を進めていきました。

造成の前に木々の伐採が必要でした。家を建てたい範囲にロープを張って場所を明確にすることにしました。

建築や造成に詳しいご近所の方が、助言と共に一緒にロープを張ってくださいました。
高低差があり、木々や小枝がいっぱいの山の中での作業はなかなか困難でした。

長いスケールを借りて設計中の家の大きさと車の進入路を測り、4、5箇所木にロープをくくりつけ、範囲を割り出しました。

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このとき、そこに住んでいるであろう動物、虫、妖精たちに心の中で呼びかけて、木々の伐採、他の木々への移動お願いのようなことを伝えました。

その後、中西さんの通信文を読んで、長くから土地に育っていた木自身に、切らせてもらうことを丁寧にお願い、お詫びするべきだったと反省しています。

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ご近所の方が安く木の伐採をしてくれる方を探してみると言ってくださり、地元の方にお願いできました。
おそらく100坪前後の範囲の木を伐採したのではないかと思います。
大きな長い木もあったため、7人で5日ほどかかったということでした。

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木の伐採は、葉がついていない冬に行うのがよいそうですが、私たちが依頼をしたのは5月で青葉が茂っていました。
枝葉だけでも相当な量になっていましたが、近所の方の土地に捨てさせてもらいました。

チェーンソーで切った木は、1mくらいの長さにしてくださり(長い木は重いので私たちが持ち上げられない!)、建築の邪魔にならないところに置いてもらいました。

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木の伐採後に行ってみると、これまでとはまったく違う光景になっていて驚きました。
山の勾配がよく分かり、眺望が広がり、「ここに家を建てるのか」と少しだけイメージできました。

山の形状が分かりやすくなった、この状態で造成の話しを進めていきました。

今、伐採した木は土地の中で横たわっています。
多くの木は、薪ストーブの燃料にする予定です。

大きな木は乾燥させて、その後 なにかに使えないかと考えています。

檜は、玄関の框に
栗の木は、スプーンや食器に
杉の木は、外の机やベンチの脚などに。

豊富に自然の恵みがある田舎暮らしです!

梅雨になる前に地面から離しておかないと木が腐ってしまうと聞きました。単管パイプの棚を作り、そこへ近日中に職人さんに手伝ってもらい、できる限りの木を移動したいと考えています。

◆ お願い ◆

ログハウスの見学・訪問・家探しなどは、なにとぞご遠慮ください。
ログハウスの場所は非公開としています。見つけた方や場所をご存知の方の情報開示はお控えいただきますようお願い申し上げます。

ご理解・ご協力をよろしくお願いいたします。

Vol.10 夫婦で挑戦!ログハウス、建ててみます ~仕事と建築~

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Vol.9からの続きです。


ログの建築が具体的になるとき、シャンティ・フーラのミーティングで働き方を相談しました。
仕事の量を減らすことなどを皆さんが理解してくださり、我が家はセルフビルドをさせてもらっています。

シャンティ・フーラは、携わる人の暮らしの充実を大切に考えています。
建築だけでなく、昨年からなにかとバタバタしているのですが、周りの方が理解と協力をしてくださっています。(そこに甘えるだけにはならないように心がけています!)

「自宅建築のため、勤務時間減少」を許可してもらえることは、日本の会社では非常に珍しいことだと思います。
1つの会社の事例が「百匹目の猿現象」となり、他の会社でも「セルフビルド推奨!」文化が出てこないでしょうか!

「この経験をいずれ社会に還元することになればいいんだから」と言っていただき、感謝するともに今後につなげることができればと思っています。

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会社に勤めている人はなかなか時間を作ることが難しいと思いますが、長期の休暇制度や時短勤務制度などを利用できれば、セルフビルドも可能だと思います。
また、週末だけでセルフビルドをして長期間で建てる人や定年退職後に建てられている人もおられるようです。

ログメーカーさんから聞いた話しです。
工務店に依頼した場合の建築費用とセルフビルドとの差額。それから自分の給料を比較検討した結果、勤めていた会社を退社してログハウスを建てた人がおられるそうです!
この方は、セルフビルド終了後、その知識を生かして、家造りに関係する仕事をはじめられたのだとか!

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地球の大切な土地や資源を借りて作る住宅。
個人だけの問題ではなく、社会や地球環境にも大きく関係するところです。

安心した暮らしやよい仕事をするためには、衣食住が整っていることは大切です。
これから社会が変化していきますように--。

我が家は建築を考えはじめたころから、衣食住、お金の使い方、人生観…、いろいろと変わったり、夫婦で少しずれがあった価値観が少し近づいたように感じています。

今回で準備編は終わり、次回から造成工事編です。

Vol.9 夫婦で挑戦!ログハウス、建ててみます ~季節と体力~

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Vol.8からの続きです。


「ログハウスを建てるなら、秋から建設を始めるのがいい」と経験者から聞いたことがずっと頭に残っていました。
開始時期は春もいいそうですが、途中で梅雨の季節が入るので秋がいいのだとか。

我が家はたまたま夫の仕事の都合で8月末からスタートとなりましたが、これは大正解でした!

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夏の作業は、暑さとの戦い!
ログ材が届く前、7月や8月にちょこちょこと現場で作業をしていたときは、2時間動くだけでバテバテでした。暑い中での外作業は、すぐに体力を消耗してしまいます。

普段 外で働いていない人であれば、夏にログ積みをするのはできるだけ避けるのが無難だと思います。

木材の大敵は、水!
ログ材が届いた直後の9月初旬は雨の日が多く、試行錯誤しながら養生しました。多めに購入しておいたはずのブルーシートが足りなくなったり、ブルーシートのたるみに溜まった雨水が重すぎてその水が流せなかったり…、はじめのころは養生だけで多くの時間を費やしました。

ただ、秋は乾燥している日が多かったので、たとえ木材が雨に濡れても早めにブルーシートを開いて風を通せば、カビが生えることはほとんどありませんでした。

積み上げ前のログ材が梅雨時期(雪の多い地域は積雪ごろ)にあると、養生や管理が大変だと思います。

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ベニヤ板を敷いています

ブルーシートをかける前に、ログ材の間のくぼみに雨水がたまらないように、ベニヤ板を敷きました

◆秋からの建設

私たちがログ建築を検討しはじめたのは、ちょうど1年前の3月でした。

輸入ログキットの場合は注文から3~4ヶ月かかるとのこと。
土地の建築準備やインフラ整備も必要です。

もし、秋からセルフビルドを考えるなら、遅くても春から準備が必要だと思われます!

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ちょうどお正月を迎える前に外装がほぼ終わりました。寒さが厳しくなる前に外装が終わってホッとしました。年始からは、内装作業に入っています。

床や天井ができていないログハウス内の1月~現在までの平均気温は、0度~5度です。気温は低いですが、風がない室内で作業をしていると、寒いと感じることはありません。ずっと体を動かしているので、ちょうどいいぐらいです!

最近は、春が近づいてきて日差しが温かくなりました。
昨日、温度計は5度を指していましたが、太陽の日差しを浴びながら外で作業すると、1時間で汗だくになりました!

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昨年の広島は、残暑がほとんどありませんでした。
また、秋は雨が少なく、心配していた台風は来ませんでした!
そして、今年の冬は、雪が少なく暖かい!!!

体力がない私たちでもなんとか順調に進んでいるのは、秋・冬の気候がよかったことが大きいです。
季節を考慮してセルフビルドの計画ができると、体力、材料の状態、進み具合がまったく違ってくると思います。

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なお、ログ材が届いて2週間くらいしたところで、やっと外での作業に体が慣れました。
職人さんたちのように体はできておらず、体力はあまりないままではありますが、重たい木材を肩に背負って運べるくらいまでにはなりました。

ある程度までは、体力・筋力がついていくように感じています。

「20代で建築できればベストだね」と夫婦で話しています。

◆ お願い ◆

ログハウスの見学・訪問・家探しなどは、なにとぞご遠慮ください。
ログハウスの場所は非公開としています。見つけた方や場所をご存知の方の情報開示はお控えいただきますようお願い申し上げます。

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Vol.8 夫婦で挑戦!ログハウス、建ててみます
~ログの設計(3)~

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Vol.7からの続きです。


設計でもっとも大変だったのは、窓サッシが1ヶ月以上決まらず、立面図作成が進められなかったことでした。

木製サッシにしたいと探し回りましたが、日本のものは高額で手が届きません。
(多くのメーカーのログキットには、ペアガラスの木製サッシが入っています!いいな~!)

ヨーロッパは木製サッシが豊富で安価だったため代理店を通して購入することを考えましたが、船便の送料が高いこと(ログ材と同時発注なら安く買える!)やサマーホリディにかかると納期が長くなることからあきらめました。

窓サッシは、カタログ価格と見積額が大幅に違うため、たくさんのメーカーに見積もり依頼をするのも時間がかかりました。
結局、予算と結露対策から国産の樹脂サッシに決めました。木製サッシの半額以下でした。

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窓サッシが決まった後、設計図を完成させて、木材加工を依頼する会社へ見積もりを依頼しました。すると・・・、予算オーバー!!!

私はちょうどその前に「小さな家」の取材に行っていました。そこで見聞きした話しから、合板を使わず、すべて無垢にこだわり、家の構造に関係する木をやや厚めに・・・、とさまざまな要望をいれたのも予算オーバーの理由の1つでした。

最終的には、天井の高さを少し低くすることと、ウッドデッキ作成を先延ばしにすることにして、注文する木材の量を減らしました。
これでなんとか予算内に収まって、予定通り7月初旬にログ材の発注が完了しました。

◆コストアップしたけど、合板ゼロ住宅はいい!

我が家は「小さな家のお話し」から得た情報で、合板を使わないことにしました。
建築中に強い熱気や雨風にさらされる構造材を目にし、この重要性はよく分かりました。

例えば、屋根材の下地材になる野地板。
合板ゼロ住宅が少しずつ増えていても、まだまだ野地合板を使うのが主流のようです。

野地合板は厳しい暑さや湿気などで接着剤が痛み、ボロボロになることがあるそうです。また、接着剤から放出されるホルムアルデヒドも心配です。

野地合板と比べると、無垢材の野地板は1枚の面積が小さいので施工に手間がかかりますし、材料費が少し高額になります。

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ですが、野地板は耐久年数が長いそうです。天然の木なので、調湿作用があるのも安心です。

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我が家は、杉材・厚さ15mmの野地板にしました。

これから家を建築したり、リフォームをされる方は、ぜひ事前に「小さな家のお話し」をお読み頂きたいです。

なお、ログ代金の支払いは、発注時に半額、材の到着前に残金の支払いとなっていました。

このころには、ログ材が届いたらすぐに積み上げ作業に入られるように、造成や基礎の準備、ボーリング(地下水)なども着々と進んでいました。

◆追伸

いつもお読みいただきまして、ありがとうございます。

現在の夫の本業はまったく別の分野で、建築設計の勉強をしていたころからずいぶんと経っています。自分たちの家なので、自分たちの責任でなんとか設計・施工しています。

建物の設計依頼を請けることや個別のアドバイスなどは、現在の私たちではでき兼ねる状況です。

経験した失敗談・成功談やどなたかの役に立つかもしれない情報は、この記事の中でできる限りお伝えしたいと思っています。

はじめての建築で、試行錯誤の毎日です!プロの方が首をかしげることや気付いていない失敗もあるかもしれません。その辺りも含め、ひとつのセルフビルドの例としてお読みいただけると幸いです。

これからもよろしくお願いいたします。

◆ お願い ◆

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Vol.7 夫婦で挑戦!ログハウス、建ててみます
~ログの設計(2)~

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Vol.6からの続きです。


設計時、夫がもっとも注意していたのは家の強度でした。
建築基準法を目安に考え、設計していました。

丸太組工法に関する建築基準法の一部をざっくり・分かりやすく言うとこんな感じだと思います。

「ノッチで囲まれる耐力壁線の間隔の最大値は、長さが6m以内、広さは30㎡以内であれば構造計算は不要。」

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耐力壁のことを考慮して、大きな窓は1箇所だけにして、あとは大きな窓は控えました。

ログハウスは、ノッチ部分で1本1本のログ材が強固にかみ合っています。
設計時、家の強度を気にしていた夫ですが、ログが組み上がった後は安心していました。

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ログハウスは地震に強いと言われますが、構造を見るとそれがよく分かります。

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「小さな家のお話し」の中で竹下氏がアドバイスをしているように、マシンカットのログハウスは精密に設計しておく必要があります。ドアや窓サッシの位置や大きさ、電気線をどこに通すかまで決めておかなければなりません。 その設計図をもとに、機械がプレカットするためです。

実際に届いた木材は、設計図そのままに、1つのミスもなく精密に加工されていました!

部屋と部屋の間の間仕切り壁は、ログ材のところもありますが、一部は2×4工法にすることにしました。

間仕切り壁(ログ材でないところ)に配線を通す場合は、事前のプレカットが不要です。そのため、施工中の配線類の変更・追加が可能になります。

ログ材は家の構造体になるため、できるだけ電気穴を開けたくないと夫はいい、さらに施工も楽なため、可能な限りは間仕切り壁に配線類が入るように考えました。

配線だけではありませんが、ログが積み上がると設計時には気付かなかったことがいろいろと出てくるものでした。

◆セトリング対策

セトリング対策は、ログハウスで忘れてはならない重要事項です!

ドアや窓サッシ、配管設備、屋根・天井など さまざまなところでセトリングを考慮して設計する必要があります!

『乾燥による一本一本のログ材の収縮とログウォールの自重により、ログ壁の高さが徐々に低くなる現象のこと。セトリングは施工中から発生しはじめ、落ち着くまでに建築後、数年かかるといわれており、壁の沈下する幅や落ち着くまでの期間は、もともとのログ材の乾燥の程度、樹種などにより異なるが、3~5年といわれる。(Weblio辞書 セトリングより)』

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