レポート作成協力:かんなまま様
「最近は高齢化も進み労働の負担などで茶畑や田んぼを手放す人が増えてきました。その田んぼや茶畑を少しずつ買って増やしています。10年くらい人が手を加えていない土は、ものすごくいい土になっているんです」
「田んぼに草を生やして草刈りをして、そのままトラクターですき込み、草マルチをして、5月の紫外線から土を守ります。」
「今まで自分の畑には除草剤をまかないでいても、隣の畑が使うとその影響を受けていましたけど、隣接した土地も所有できたため、現在は100%無化学肥料・除草剤無しでできるようになりました。その上、収量も増したんです」
「中山地の狭い田んぼは畔の作業が労働の7割なので、その労力を削減するために、畔をコンクリートにしました。田んぼにたくさん手をかけなくても、たくさん米ができます。」
「米は、発想の転換で草取りもシンプルに。農業は江戸時代がもっとも進んでいました。江戸時代のやり方を参考に、ゆっくりゆっくり代掻きをするんです。江戸時代は牛を使っていましたが、今は機械が使えます」
「草の種の比重を考えて、5センチくらい種を下に落とすように。土をかき回さずに代掻きすると簡単。今のやり方は乱暴です」
「酒米も作って、その米で「鍋島」というおいしいお酒ができたんですよ。今は有名な賞をもらい入手困難になっています。私は受賞する数日前にちょうど辞めることを決めて(笑)、現在は携わってはいません」
「将来エネルギーがなくなることも考えて、ソーラーを屋根に付けて自家発電を取り入れています。」
「お茶工場を掃除して出たものなど、全部穴から下に落とします。下には大きな堆肥場があり、堆肥もすべて熟成させて使っています。鶏の糞も堆肥にします。」
「減反を活かして、飼料用の米(無農薬・おいしい)を作っています。その米と茶畑などで刈ったひよこ草などで鶏を飼い、今では毎日卵を150個産んでくれます。全部安全な自家飼料です。」
「鶏は一年でお役目を終え捌き、1か月一羽ずついただきます。柔らかくてとてもおいしいですよ!」
「全て循環しています」
◆ 同行者 かんなまま様からのコメント ◆
草ぼうぼうの茶畑を見て「嬉野のはじさらし」とまで言われていた太田さん。
さまざまな逆境をポジティブに捉えて「基本の有機栽培」を貫きながら「労働の軽減や販売のシステム作りをして次世代へつなぐこと」まで考えてあることに感動しました。
「全ては循環している」と言われた言葉が印象的でした。
ちなみにシステム作りを手伝ってくれる有能な方を募集中だそうです!
体はあまり無理がきかなくなったと言いながら、ニコニコお地蔵さんのような顔でお話をしてくださった太田さん。
なぜかそこにいる人懐こいわんちゃんもそっくり!
奥様もにこにこしておいしいお茶を入れてくださり、跡取りの息子さんもいい顔して機械の手入れ、認知症のおばあちゃんも昔からしてきた仕事を黙々としてありました。
このお茶がおいしいのは当たり前!合点!